今日は何の日(非エロ)
上田次郎×山田奈緒子


いつもの商店街で

関西人「ねぇちゃんねぇちゃん、悪いけどちょっとここまで連れてってくれへんか?」

地図を指しながら尋ねるイヤらしい目つきをしたネチっこそうな性格の関西人

山田「えぇ、でも私…」
関西人「今日東京来たばっかで全然分からへんねん、ねぇちゃん頼むわぁ、人助けや思て、な?」
山田 「(めんどくせぇ)すいません、私用事があ…」
関西人「飯おごったるさかい!!」
山田「わかりました、地図貸して下さい」

…………………

山田「ここがここだから…えぇ?こっちか…?ぶつぶつ」
関西人「いやぁ、東京の人は冷たいのぉ、誰も道教えてくれへんわ無視するわホンマねぇちゃんみたいな優しい人に会えて良かったわぁ」
山田「いえいえ、そんなことないですよ、あ、あそこ見えますか?あの建物ですよ!」
関西人「あそこかぁ、案外近いもんやのぉ。いや助かったわ。そや、そこの焼肉でエエか?」
山田「や…焼肉…に…肉 はっ 全然構いません!!行きましょう!!(・∀・)」



上田 「ったく、どこほっつき歩いてんだ山田のヤツ…どんだけ人を待たせんだよ、…また後で来てみるか」

次郎号に乗り込み軽快に走らせる、しばらく走り信号待ちをしていると…

上田「早く赤に変われってんだ全く、信号といい山田といい…ん?山田??誰だあの男…」



関西人「けっこういっぱいやのぅ、お あそこ空いとるやん」
山田「焼肉〜(・∀・)」
関西人「よっこいしょういちっと、そや田村っていいます、今日はホンマありがとう助かったわぁ、好きなもん食うてな!」
山田「じゃあ遠慮なく、店員さ〜ん!!え〜と、塩タンカルビホルモンロース生レバセンマイミノハラミを5人前づつで大盛ライスを…村上さんも大盛ライスでいいですよね?それじゃあ大盛ライス3つ!!それとキムチと赤だしも下さい!!とりあえず以上で(´∀`*)」
田村「ようけ頼んだなぁ、そんなに食えんのかねぇちゃん。俺そんなに食われへんで」
山田「大丈夫ですよ村上さんb」
田村「田村や、さっきも間違えてたやろ、そういや名前聞いてへんだな」
山田「あ 山田っていいます、山田奈緒子です」




上田「山田のやつ、確かここに入ってったな…焼肉たむらか…」

カランコロン

店員「らぁっしゃいやせぇぇぇ!!!」
店員「お一人…様ですか?」
上田「はい、あ、あそこの席がいいんですけどいいですか?」
山田「へぇ、派遣業の仕事で東京に…」
田村「そうやねん、奈緒子は仕事何してるん?」
山田「(何だこいつ…馴れ馴れしいな…)本業はマジシャンをしておりまして、つい先週ラスベガスの舞台を終わらせて2年ぶりに帰ってきたんですよ」
田村「ほぉ、マジシャン!!ちょっとどんなんか見せてぇや!!」



上田 「ふん、何だあいつは、奈緒子なんて呼びやがって、馴れ馴れしいやつだ、ぶつぶつ」

絶妙なとこから覗き見する上田
周りからは当然変な目で見られているが当の本人は夢中で気づいていない

上田「嬉しそうにクソマジックなんかしやがって…!!」
店員「お客様…」
上田「おぉう!?さっきのどうやったんだ!?」
店員「あの、お客様…」
上田「ハハハハ、何だこっちからだとタネが丸見えじゃないか。くだらん!!アハハハアハハ」
店員「お客様、他のお客様の邪魔になりますので席にお座り下さい…」
上田「山田のやつまだ得意気に同じマジックやってやがる、お前がやってることはまるっと丸出しだ!!アハハハアハハ」
店員「お客様…」



田村「いやぁ、ホンマスゴいなぁ。なぁ奈緒子、俺今日1日ヒマやねん、この後俺のホテル行かへんか??」

上田「!!!!!!!!!」
山田「いや、ちょっとそれは…」
田村「大丈夫、悪いようにはせぇへん。気持ちようしたるさかい。分かってるで、奈緒子、俺のこと好きなんやろ??道案内してくれたんも俺に惚れたからなんやろ??」
山田「(何だこの勘違い野郎?!)あぁ、えぇと、(焼肉のためだ我慢我慢、食べたら一発かましてすぐ逃げるか)」

上田「山田のやつ何モジモジしてんだ!!早く逃げろ!!ったく焼肉ぐらい俺が今度…はっ!!!!!まさか本当に好きなのか……しかし、そんな まさか…いやそんなはず…」

山田の手をとる田村
田村「奈緒子、恥ずかしがるなよ正直になってごらん」

目を閉じる田村

山田「え、ちょっ、いや、あの(こいつ変態じゃねぇか!!うわ〜どうしよう)」
上田「なに見つめあってんだ!!〔上田にはそう見える〕離せ!!山田から手を離せ!!!カリボネか!?カリボネなのか?!目を覚ますんだ山田!!!」

田村「恥ずかしいなら俺からしてやるよ…」
身を乗り出す田村
山田「!!!!!!!!!!!!」
上田「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ガッシャーーン!!ドガっ!!!パリーン!!!!!

上田「どけ!!どかんか!!!!おい山田ぁぁ!!!!」

いきり立った上田が猛烈に近づいてくる

山田「う…上田さん!!!!!何してんだこんなとこで!!」
上田「YOUこそ何してんだよ!!!!YOUがこの男と入っていくから見にきたんじゃないか!!!こ…こんな男のどこがいいんだ!!!こいつのどこに惚れたんだよ!!!!もっといい男がいるだろ!!!!なんでだよ…!!」

勢いで泣きそうになる上田

山田「ちょちょっと待って!!これには色々理由が…」
田村「何やオッサン、むこう行ってんか、奈緒子は俺にイカれとんや」

ぶんぶん顔を振る山田

田村「それともやるんかい??俺はケンカで負けたことなんか…」
上田「ファタァァァァァァッッ!!!!!!!!!!!!!」

上田の右が一閃
厨房の方へ吹っ飛ぶ田村

上田「行くぞ山田!!」
乱暴に山田の腕を引っ張り焼肉店から出て行く上田
山田 「上田さん!!や…焼肉ぅぅ〜〜!!」





上田「本当か??」
山田「本当ですよ、あの人が勝手なこと言ってただけですよ。第一私があんな男好きになるわけないじゃないですか」
上田「そ…そうか、だよな、ハハッ。ま、俺にはどうでもいいことなんだがな フッ」
山田「言ってる事とやってる事が逆じゃないか」
上田「そんなことより食べ物に釣られて見知らぬ輩にホイホイついてくYOUのその浅ましい考えといい貧乳といい…ぶつぶつ」

さっきまでとは打って変わってぐちぐちと言っているがどこか安心したような顔の上田
安心したからこそいつもの上田に戻れたのか
それをいつも通り聞き流す山田

山田「あ、雨。あぁ!!!洗濯物!!!!」
上田「それなら心配いらない、ちゃんと俺が取り込んで畳んでおいてあげたからな、ありがたく思えよ。そういえば最近ハムイチが元気がないぞ、ちゃんとエサやってるのか?いつもならカサカサっと俺の腕に…」
山田「何でまた勝手に人ん家に入ってんだ…勝手に入るなって言ってるだろ!!事件のことならおとこわりですからね」
上田「バーカ、そう毎度毎度事件が起きるか」
山田「じゃあ何しに来てたんだ」
上田「今日は何の日だ」
山田「暴れん坊将軍再放送の日」
上田「違う!!俺の誕生日だ!!物理学で俺の右に出るものは世界中どこ探してもいないと最近噂されているこの俺の誕生日だぞ!?それをYOUみたいな低層の貧乳にも祝う権利を与えてやろうと来てやったんじゃないか!!!!!」
山田「ようするに誰も祝ってくれないんだろ。あ、上田さんのせいで焼肉食べ損ねたんですよ!!!上田、この先に超高級焼肉店があったよな、行くぞ、誕生日祝いだ」
上田「結局金は俺が出すのにエラそうに…そうだ誕生日プレゼントは??2週間前から毎日電話で誕生日だと言っておいただろう」
山田「だから今日は早く帰りたくなかったんだ…それに誕生日プレゼントなんて買うお金なんてありませんよ」
上田「あのな、強欲で心も胸も貧しいYOUに一つだけ教えてあげよう、プレゼントっていうのは必ず形にしなきゃいけないものじゃないんだよ、気持ちの問題なんだよ分かるか??胸もおろかYOUの経済力も貧しいのだからプレゼントを用意できないのは百も承知だ、だからだな…」
山田「誕生日おめでとうございます、これでいいか、よし行くぞ。焼肉〜〜♪」

上田「ちょっと待て!!それだけなら誰でもできるだろうが!!もっと形にできるだろ 、その…あの…ぶつぶつ」

山田「(はは〜ん、こいつ…。ま、長い付き合いだし、キスみたいな事も一度あったし…)じゃあ上田さん、目をつぶって下さい…」
上田「!!!!お…おぅ…フンフン」
山田「ほら私に高さ合わせて、鼻息うるさい!!…………」

お互い心臓を激しく鳴らす
口をタコのようにし待つ上田


『チュッ』

山田「よ…よし行くぞ!!!」
恥ずかしいのかズンズンと進んでゆく山田

上田「お…おい、ほっぺたじゃないか!!も…もう一回!!口に意識を集中しすぎてほっぺたには意識が…だから…って待てよYOU!!」


上田「それにしても君は大胆だな、こんな街中で。いきなりキスをするなんて予想もしなかったよ、そんなに俺のことが好きなら…」
山田「上田、ウンコ踏んでるぞ」
上田「!!!!!!あれ?何もないじゃないか、騙したな!!待てよ!!」
上田「そういえば今日YOUの家で待ってる時にYOUのお母様に電話しといたんだよ、俺が誕生日だってことをな。
そしたらお母様は迷惑かもしれないが誕生日プレゼントに奈緒子をって言うんだよ、本当にYOUのお母様は面白い方だ、ハハッ。
おほん、まぁそのお母様から頂いたものを辞退するわけにもいかないしだな、その今週の土曜日にちょっとお母様のとこに行ってみるか…おぉぅ緊張するな、土産は羊羹でいいよな、ってちゃんと聞いてるのか」
山田「はい」
上田「そ…そうか、じゃあいいんだな。よし…」

山田はあともう少しの焼肉屋の匂いで頭がいっぱいで全く話を聞いてなかった






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