僕のものだ
山田耕司×住吉美寿々


今頃、住吉先生はアイツと何処で何をしてるんだろう・・・。
大体、あんな奴のどこがいいんだっ。
最近テレビで観るアイドルグループのリーダーの何とかって奴に似てるとかなんとか・・・、
ってか、あんなに色黒の弁護士ってあり得ないだろっ。

先日、俺が親父と部下の犬神に申し立てた懲戒請求の申し立て及び
その取り下げに対しての審査の経過報告と事務処理のため、いくつか確認したい事があるからと綱紀委員会の山田弁護士に呼び出されたのだ。

「田村一人じゃ心もとないから、私も一緒についてって上げる。」
「お気持ちは嬉しいですけど、僕一人で大丈夫です!」

「はっ?何か勘違いしてない?
私はアンタが、ウチの事務所の格を下げるような事を
もう二度としないように監視したいだけよ。」
「・・っ!」(相変わらず、痛いところバシバシ突くなこの人)

確かに住吉先生が同行してくれたのは、心強かったけど、一つどーしても気になった。
アイツが、俺たちの帰り際、かなーりさりげなくだが、
住吉先生の胸元から腰まで視線を這うように落としていくのを俺は見逃さなかった。

「さぁすが、山田先生ってヤリ手よねぇ。この報告書だって、シンプル且つポイントは
きっちりと押さえてあって、バカな田村でも理解出来るように作ってある。」
「人の事、バカバカ言わないで欲しいんですけど」

「何たって綱紀委員会のメンバーだもん。知識・経験は勿論、的確な判断力・その他モロモロ・・まあ要するに誰かさんとは正反対。やっぱり素敵よねぇ、弁・護・士って。」
「何かその言い方、含んでます?」
「あら?私は率直な感想を言っただけよ。」

「そーいえば住吉先生、山田先生への態度随分とあからさまでしたよっ。
話し方だって、俺と話す時より2オクターブは声高かった。
あんな猫みたいな話し方出来たんですね」
「当たり前じゃない。弁護士とのパイプは多ければ多い程、強ければ強い程
良いに決まってるじゃない。ユトリはそんな事も解らないの?」
「・・っ!」

それから、程なくして事務所に山田先生から住吉先生宛てに電話がかかってきた。

「何で、俺じゃなくて住吉先生に電話が来たんですか?」
「さぁねぇ〜♪田村よりも私の方が話が通じると思ったんでしょ。
さもなければ・・・私の魅力に引き寄せられた一人かも・・・。」
「・・・・!!!!。」

ヤバイっ。この展開は絶対にヤバイ流れだっ。
住吉先生って一見、結界はってるみたいにガード固そうに見えるけど・・
何てゆーか、攻め方変えてみると隙だらけみたいなところがある。
本人は自覚してないだろうけど。

(やっぱり、何としてでも行かせるんじゃなかった。
でも相手は仮にも弁護士・・・。まさか・・・な・・・)

チョット、田村の反応が見たくなって
軽い気持ちで山田先生からのお誘いをOKしてしまった。

「まあ、山田先生。先日は、どうも・・・えっ、今度の金曜日ですか?
 えぇ、特に予定はありませんけど・・・。」

田村が、というか事務所の全員耳をダンボにしている気配がする・・・。
田村が睨むようにこちらを見て、そっぽを向いた。

(なぁにあれ?・・・カッワイクない・・・。いいわよっ、そっちがそうなら・・)

「光栄ですぅ。ええ是非。・・はい・・ではまた・・・。」

「ありゃりゃ、住吉先生 ひょっとしてデートのお誘いですかぁ?今の」
「そんなんじゃないですよぉ、栄田さん。山田先生は若輩の私にいろいろと教えて
下さろうとしてるんですよきっと。・・・では、お先に失礼しまーす。」

(ハァ〜。)  

外に出て・・溜息が出てしまった・・・。
あの突然のキスから・・田村と私の関係は・・・何の進展もない。
次の日からお互い、いつも通りの仕事に忙殺される日常に入ってしまったとはいえ、
やっぱり素直になれない私のせい・・。

「嬉しかった。・・・私も田村が好き。」

なんて言えたら・・・。

「カワイクないのは、私か・・・。」

山田先生が連れて行ってくれたのは、住宅地にある隠れ家的なフレンチレストラン。

(庶民の私でも居心地の良いお店を選んでくれたのね。大人だわぁ。)

「田村さんは、本当に実直という言葉が似合う方ですね。弱者の為なら
身を投げ打っても全力で立ち向かって行く。情熱に溢れた方です。」
「まあ、そこが田村の取り柄ですから・・・。」

「只、彼のお父様は百戦練磨の腕利き弁護士です。
失礼だが彼が太刀打ち出来る相手とは思えません。
今回は示談に持ち込む事が出来て本当に良かった。」
「ハァ。やっぱり、そうですよねぇ・・・。
どうか田村の事、これからもよろしくお願いします。」
「勿論です。私も微力ながら、お手伝いさせて頂きます。・・・。
 田村さんのような、若い情熱のある法律家を応援するのも私の役目だと思ってます。」
「山田先生・・・ありがとうございます!」

それからも、委員会の裏話をチョット教えてくれたりして会話は弾んでいった。

(これよこれっ。刺激的で、私の知的好奇心を満たすには十分過ぎる相手。
田村とは月とスッポン。いや、それじゃスッポンが気を悪くする。)

「ところで、・・プライベートな事なので答えて下さらなくても構わないのですが、
・・・住吉先生と田村さんは、個人的なお付き合いはされているのですか?」

「はっ?そっ、そんなのされてませんっ。
仕事に私情は一切持ち込まないのが私の主義です。」

咄嗟に否定してしまった。

「そうですか。・・それをうかがって、安心しました。」

(えっ?・・・それって・・まさか・・・)

まっすぐ私を見る山田先生の視線に、ドキっとした。

(マズイ・・気を持たせ過ぎたかも)

「でっ、でも、そんな所が却ってほっておけなくなるんです。」
「今まで、田村ほどまっすぐで、バカが付くほど正直で理想を追いかける法律家には
会った事がありませんでした。 そんな彼が羨ましいというか誇らしくて、
彼と一緒に仕事が出来る私は・・とても幸せです。」

「・・・・彼の事をとても信頼しているんですね。・・・」
「・・はい。」
「そして僕はたった今、予防線を張られてしまったようだ。」
「・・・ごめんなさい。・・・」

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「今日はとても楽しかったです。ご馳走さまでした。」
「僕の車で、お宅までお送りしましょう。」
「いえっ、結構ですっ。」

(あんな、小さなアパート見られたくないし・・・。)

「・・・そんなに僕は信用出来ない人物ですか?」
「えっ!いえそうゆう事では決してないんですけど・・・。」

(ご機嫌損ねたかしら・・・?これからの先の事考えると
それはよろしくないか・・)

「じゃあ、お言葉に甘えて・・近くまで送っていただけます?」
「勿論ですよ。」

車に乗り込んで程なく、目の前が少し暗くなった気がした。
・・・どうしたんだろう。・・気持ちが悪くなってきた。

「どうしました?大丈夫ですか?」
「えぇ・何かチョット目眩が・・。
どうしたのかしら・・私ったら・・。」

助手席にもたれかかる。

「きっと、お疲れなんですね。お仕事お忙しそうですから。」
「忙しいっていうか、あの田村のお蔭で面倒な仕事が増えちゃうんです。」

微笑みながら、彼が言った。

「大丈夫ですよ・・・・。お宅に近くなったら起こしますから休んでください。」
「本当にスイマセン。・・・」

車がゆっくりと動き出す。

(って、私行き先 言ったかな・・?)

でも・・・そのまま、私は意識を失ってしまったらしい。
車はそのまま走り出した・・。

意識が戻った時、首筋に何か柔らかいものが触れている感じがした・・・。
目をそっと開けると、真っ白な高い天井・・薄暗い照明・・・。
・・・体が動かない・・・!!! 

(誰か体の上にいる・・?・・!!)

「なっ、何してるんですか?・・・山田先生っ・・?」

私の髪を撫でながら、彼が見つめていた。

「お目覚めですか?・・今から・・貴方を抱くところです。」
「えっ?」 また、私の首筋にキスしようとする。
「なっ、 やめて下さいっ!・・どうして、こんな・・ここは何処?」
「僕の家です。・・あまりにも寝顔が可愛かったので連れて来てしまいました。」

そう言いながら、唇にキスをされる・・

「やっ、・・いやっ・・・ん・・・んーっ・・」

・・と、自分が下着姿なのに気付いた。

「えっ?・・・ウソ・・・こんな・・」
「ちょっと手間取りました。・・女性の服を脱がせるのは久し振りなので・・」

そう言いながら、彼もネクタイを外し・・シャツを脱ぎはじめた・・
これから何が起こるのか想像がついてきた。身体が勝手に震え出す。逃げ出したいのに、動けない。

「やっ、やだっ・・・お願いやめて下さいっ。」

彼が覆いかぶさって来た・・胸板を押し返そうとしても・・びくともしない。

「余計にそそられるんですよ、こういうの・・。」

無理やり唇を押し付けて、強引に舌を入れてきた。
その手は、私の体をまさぐり出す・・そして・・・いつの間にかブラジャーも剥がされて、・・・乳首を口に含んで舌で転がされる。
その手は、腰に廻され 内腿に這ってくる。

「あっ・・・ダメッ・・」 彼が触れる度に、体が勝手に反応してしまう。

彼が微笑みながら、「貴方も、男に抱かれるのは久し振りみたいですね。」

「・・・・!」

彼は、私の体中を愛撫し始めた・・・。

「やっ、あっ、はぁぁっ!」

やがて膝の間に強引に足を入れ、パンティの中に指を入れてそっと滑らせる

「あっ・・・はぁっ・・・やっ、やめっ・・」
「もう、大丈夫そうだ・・・」 

そのまま指を奥まで入れて来た。

「やだっ・・・やめて・・やっ・・・あぁっ・・・たむらぁ〜。」

彼の動きが一瞬止まった。

「・・もう少し貴方を味わいたかったんですが・・しょうがないですね。」

急に彼は乱暴にパンティーを引きずり降ろした。

「きゃぁっ!・・・やめてぇっ!!」

そのまま、私の片足を抱えながら彼は無理やり入ってきた。

「あぁぁっつ!・・いやぁぁぁあ!・・」

固いものが挿入された感覚が、徐々に全身に拡がっていく。 
ゆっくりと腰を動かしながら 彼が耳元で囁く

「この事知ったら、どんな顔するでしょうね?彼は。」
「えっ?・・そんな・・あっ・・やっ・・ああっ!!」

あんなヤツ・・・僕より・・あんな独りよがりの正義感振りかざして
るだけの・・ヤツがいいなんて・・・」
段々と、彼の動きが激しくなっていく

「・・いやぁ・・・やだぁ・・・ん〜っ」

そむけた顔に 無理やりキスをしてくる・・
さらに、体重をかけて奥まで貫かれて、激しさが増していった

「・・はぁっ・・あっ・・あっ・・」

思わず反らせた身体を、彼に抱きしめられて・・更に突き上げられる

「貴方はもう、僕のものだ。」

涙が溢れて 何も見えない・・。

(田村っ・・。ごめん・・私・・何てバカだったの・・)

そして・・・彼は・・私の中で達した・・。






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