逃がさない
田村勝弘×住吉美寿々


自分でも、こんな事までするつもりはなかった。

でも事務所で鈴のような笑い声を皆に聞かせたり、
クライアントの相談に真摯にアドバイスしている姿や
何事もなかったように、俺と仕事の打ち合わせをする彼女を見ていたら
無性にやりきれなくなってきた。

...俺の事は、どうでもいいんですか?

先生の気持ちを、どうしても確かめたくなった。

先生の小さな口元から漏れる吐息と微かな喘ぎ声を聞いたら
もう止まらなくなってしまった。
先生の膝の間から、太腿に手を差し入れる
暖かくて、柔らかい感触に包みこまれた。

「たむらぁ....お願い....ホントに...もうやめてぇ...。」

か細い声に、むしろそそられるのを気付いていない。
更に、奥に手をずらしていくと・・・先生が声を出さないように
一文字に口を結ぶ。その目は、涙でうるんで必死に俺に訴えている。

....たまらない....もっと先生を困らせたい。

ストッキングの上から下着をそっとなぞると
そこはもう濡れていた....。
先生が、俺の肩に顔を埋めてイヤイヤをした。
前髪が俺の顎に..甘い匂いがする。
彼女の唇を奪いながらストッキングを一気に下げた。
先生が体をのけぞらせるのを押さえ込み、下着の間に手を入れた。

「ん----っ!」

口を塞がれいる彼女は 腰を引こうとするけど
俺は逃がさない。
長い睫が、涙に濡れて震えていた。






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