ききっちとちゃま
ききっち×ちゃま


ずっと独りだった。
でもお金は沢山あったし。
父ちゃんや母ちゃんが留守でもお金で大抵の事はできた。
高い玩具もゲームも、欲しいモノは何でも買えたし。

でもオレが欲しかったのはそんなモノじゃなかったでしょ。
父ちゃんと母ちゃんともっと一緒にいたかったし。
友だちだって欲しかったし。
でも周りは誰もオレの言うことなんか信じてくれないし、
お金持ちの子どもだからって毛嫌いする奴もいたし。

だから、お前たちがオレを嫌うなら、オレだって…
って、周りの人に随分ひどいイタズラをしたような気がする。
つっても、バナナの皮で転ばせたりする程度だけど…
でもそんな時に、移動図書館の絵本騒動でまめっち達とたまともになれた。
まめっち達はオレの言うことを信じてくれた。
嬉しかったし…

まめっち、くちぱっち、めめっち、そしてちゃまめっち…
みんな大切なオレの友だちだし…

「眠れないんですか、ききっちちゃま?」

「…」
「…?」

ちゃまめっちに話しかけられて思考が止まったし。
そう言えば今日、ちゃまめっちといもっちがオレの家に泊まりに来てたんだっけ。
んで今は夜の12時、オレとちゃまめっちといもっちでベッドの上で寝て…

「ききっちちゃま、もうおねむの時間ですよ〜」
「わ、わかってるし…」
「むにゃむにゃ…」

…喋りながら寝ちゃったし…
ってか、こっちにもたれながら寝ないで欲しいし…

「………」
「Zzz…」

…この体勢はマズいでしょ…
ちゃまめっちが覆い被さるように倒れてきたから
抱き合うような形で押し倒されちゃったし…
ってか動けないし…

「ちょ…ちゃまめっち…」
「…ききっちちゃま…」
「………」

寝言とは言え少しドキッとしたでしょ…
そう言えば、最初にオレの事を素敵って言ってくれたのはちゃまめっちだっけ…
オレの事なんてみんな嘘吐き扱いしたり気味悪がったりするだけなのに
ちゃまめっちはオレの言うことを何の疑いもなく信じてくれたでしょ…

「ちゃまめっち…」

そう小さく呟きながら、
オレはちゃまめっちの小さな身体をギュッと抱きしめてみる。

「………」

ちゃまめっちの身体の暖かさや鼓動が、体越しに伝わってくる。
呼吸の度にお腹が上下してちょっと苦しいし、
ちゃまめっちの息が首筋に当たってくすぐったいけど凄く暖かいし…
まるで…

まるで…昔の母ちゃんみたいだし…

「…」
「Zzz…おにいちゃま〜…また失敗したんですか〜…」

セレブリアがまだなくて、仕事もそんなに忙しくない頃は
父ちゃんも母ちゃんもウチにいて…
よく母ちゃんと一緒に寝たっけ…

「……」
「Zzz…くちぱっちちゃま〜ちゃまは食べ物じゃないですよぅ〜…」

絵本の騒動から父ちゃんも母ちゃんも仕事の合間を縫って
オレと一緒にいられる時間を作ってくれてる…
でもやっぱり寝る時間はバラバラだし…

「………母ちゃん…」
「……?ききっち…ちゃま…?」

もう一度、母ちゃんとオレ…あと父ちゃんで…
同じお布団で寝たいな…

「ききっちちゃま!!」

「へ?」

ちゃまめっちに大きな声で呼ばれてハッと我に帰る。
気がつくと、ちゃまめっちが心配そうな顔をしてオレの顔を覗き込んでいた。

「ききっちちゃま…」
「…って、おわぁッ!」

オレは急いでちゃまめっちの背中に回してた手を解いて、
ちゃまめっちの下から脱出する。
いくら成り行きとは言え、女の子を抱きしめてたなんて…
言い訳できないでしょ…

「ちゃ、ちゃまめっち!これは違うんだし!あの、その…」
「ききっちちゃま…」
「いや、別に変な事考えてた訳じゃないし!オレは…」
「ききっちちゃま…なんで泣いているんですか?」
「え…」

自分の顔に手をやると確かに濡れていた。
自分でも気がつかないうちに泣いていたらしい。

「な…なんでもないし…」
「ききっちちゃま…どこか痛いんですか?」
「な、なんでもないしッ!」

ついつい語調を荒げてしまう。
ちゃまめっちが更に不安そうな顔でオレを見つめてくる。

「ききっちちゃま…」
「…ごめん…でも本当になんでも…ない…し…」

そこまで言うと不思議とオレの眼からポロポロと涙が零れてきた。

両手で顔を拭うけど、全然止まらなくて、
ちゃまめっちもどうしたら良いのかわからないような様子でこっちを見つめている。

「…ききっちちゃま…」
「ごめん…ひっく…本当に…なんでも…ひっく…ないし…」
「………」

気まずいし…

「ききっちちゃま…!」

ちゃまめっちがこっちに近づいてきて、
俯いたオレの顔を優しい顔で覗きこんだ。


「…ちゃまめっち…?」
「ききっちちゃま…何か悩みがあるならちゃまにお話してください…
ちゃまはききっちちゃまの…たまともなんですから…」

たまとも…オレが…ずっと欲しかったモノだし…
でも今欲しいモノは…

「母ちゃん…」
「…?」
「母ちゃんと…もっと一緒にいたいし…」

寂しいし、淋しいし、前より一緒にいる時間は増えたけど、
もっと一緒にいたいし、一緒にご飯食べたいし、
一緒に同じお布団で眠りたいし…
オレの口からそんな言葉がとりとめなく溢れ出てくる。
こんな事、他人に言うつもりなんて全然なかったのに…

「ききっちちゃま…」
「…ごめん…オレ…」

あらかた喋り終わると、オレは少し落ち着いた。
でも落ち着いたら、凄く気まずくなって…
ちゃまめっちの顔を真っ直ぐ見れないし…

「………ごめん………」
「…もうっ!ききっちちゃまは寂しがりやさんですね〜」
「………」

その通りだし…
反論できないし…

「…」
「だから今日は…ちゃまがききっちちゃまのお母さんになってあげるです…」

オレは寂しがり屋の構ってちゃんだし…
…って…え?

ちゃまめっちが俺の身体をギュ〜ッと抱きしめる。

「ちゃまめっち…?」
「今日だけじゃないです…ききっちちゃまが寂しい時は、
何時でもちゃまがお母さんになってあげるです
だからききっちちゃま…泣いちゃ駄目です…」

ちゃまめっちが俺の頭を撫でながら微笑む。

「ちゃまめっち…」
「ききっちちゃま…」

俺はちゃまめっちと抱き合ったままベッドに横になって、
ちゃまめっち自身の暖かさを感じていた。

「ちゃまめっち…」
「…!ききっち…ちゃま…ッ!」

でもなんだがそれだけじゃ足りなくって…
オレの手はちゃまめっちのパジャマの中に入っていくし…

「だ、駄目ですよぅ、ききっちちゃま…ひゃうッ!」
「オレ…ちゃまめっちのこと…好きだし…」

中に入れた手でちゃまめっちの全身を撫でる。
服の上からより…暖かいや…

「だ、駄目…です…!いもっちちゃまが…起きちゃいますよぅ…!」
「大丈夫でしょ…さっきからずっと起きないし…」
「ききっちちゃま…」
「それとも…ちゃまめっちはこういうの…嫌い?」

オレはちゃまめっちのパジャマを上にまくしあげて、
ちゃまめっちの胸に顔を押し当てる。
ちゃまめっちの心臓の高鳴りが、直に身体に伝わってくるし…

「…ききっちちゃまのえっち…」

ちゃまめっちの顔が真っ赤に火照る。

「こないだ…TAMAX-TVの深夜放送で観たんだけど…」
「…!きゃうッ!ききっち…ちゃま…ぁ…ッ!」

ちゃまめっちの小さい胸に舌を這わせる。
俺の舌が胸の突起に触れる度に、ちゃまめっちは身体をびくびく震わせるし。

「こういう事すると…女の人って喜ぶでしょ…」
「は…ぁ…っ…ききっちちゃま…やめ…」

ちゃまめっちが涙眼でオレの眼を見てきて、
言いようがない罪悪感に襲われたけど、
ここまでやっといて止めるなんて選択肢はもうないし…

「ちゃまめっち…」
「…ッ!ぁ…ッ!!!」

オレはちゃまめっちの胸の僅かに膨らみを口に含む。

「んっ…ちゃまめっち…」
「ききっち…ッ!ちゃまぁ…ッ!」

汗でちゃまめっちの全身がしっとりと湿って、
身体もさらに暖かくなる。

ちゅっ ちゅうっ じゅぷっ
と液体音を響かせながら、オレはちゃまめっちの胸を舐め続ける…。

「ききっちちゃま…ぁッ!…だめぇ…ッ!」

ちゃまめっちがそう押し殺した声で叫びながら全身を震わすし。
ちゃまめっち…可愛いでしょ…。

「あっ…ひゃう…あっあぁ…ぁッ!」

じわっ…とちゃまめっちの下着から、
黄色い染みが広がって…って!

「うわわっ!ちゃまめっち…ッ!」
「…ッ!……んぅッ!…」

ちゃまめっちは内股になって両手でお股を抑えてるけど、
両手の合間からおしっこが漏れてベッドのシーツを濡らしていくし。
もう手遅れでしょ…

「あ………」
「ひっく…えぐ…」
「…ちゃ、ちゃまめっち…ご、ごめんだし…」
「もぉ〜!ききっちちゃまのバカぁ〜ッ!ちゃまお漏らししちゃったですぅ〜!」

ちゃまめっちはそう言いながらわんわんと泣く。

「ご、ごめん…あ、そうだ!オレがしたってことにするから!」
「…」
「だから…ね!泣かないで…」
「…」

どうしよう…黙っちゃったし…

「ご、ごめん…」
「…ききっちちゃまのバカ…」

そうボソッと呟いたちゃまめっちは
俯いたままオレを見てくれないし…

「仰る通りでしょ…」
「………………」

………………………

「でも…
いつものききっちちゃまに戻ってくれて…良かったです…」

ちゃまめっちはそう言うと、オレに向かって力なく微笑んだ。

「ごめん…」
「別にいいです…ききっちちゃまが落ち着いたなら…
でももう…えっちな事はいやですよ…?」
「うん…わかった…」

父ちゃんと母ちゃんがいない時でも、
こんな優しいたまともが居るなら大丈夫でしょ…
そんな事を思いながら、
オレはまた暫くちゃまめっちと抱き合っていたし。

…それにしても…
明日いもっちになんて言い訳すれば良いんでしょ…?






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