セキレイの番
佐橋皆人×浅間美哉


大家さんによる部屋割りが行われてから、前より寝るのは楽になった。
興奮して寝付けなくなったり、結ちゃんや月海に豊満な身体を押し付けられることもなくなった。
けど今思えば、あの状況はもっと楽しむべきだったのかもしれないと少し後悔した。

今晩もまた、一人で寂しく寝ている。
一人になったのだから、これで遠慮なく性欲を処理できるというものだけど、気のせいか性欲がさっぱり無い。俺はどうしたんだろうか。

みんなに添い寝されていた時は爆発しそうなのを必死に我慢していたけど、今はどういうことか性欲も無いし、男としてちょっとやばいんじゃないかと思う。
けれど毎日セキレイのみんなに振り回されている俺は、何もしなくても、ぐっすりと眠りにつくことができた。

また明日も、忙しないんだろう……な……ぁ………。
すー……すー……

――皆人が寝息を立てはじめ、完全にそれを確認したところで、音もなく部屋の扉が開かれた。入ってきた人物は女性。
女は静かに扉を閉めると、皆人の布団に近付いていき、皆人の目の前に顔を近づけると唇を重ねた。

皆人が起きないように短めの口付けを交わすと、女は布団の横側から中に侵入していく。
暗闇の中、自分の息だけが聞こえる、むせるような空間。足に触れないように注意をしているのか、皆人のズボンを下ろし、下着も下ろし始めた。

女は少し微笑したように見えた後、皆人の肉棒を取り、手で触り始める。
皆人が言っていた通り、性欲が感じられない状態なのか、それは元気がないように見えた。
女はまた微笑を浮かべると、口に唾液を含み、小さめの肉棒をやさしく舐め上げてみる。唾液は糸を張るほどの粘りを帯び、肉棒をぷるんと弾かせた。
興奮してきたのか、女は両手で棒を握り、唾液をたっぷりと含んだ口内へと挿入させていく。

唾液の量があまりに多いためか、ねっとりとした粘り気のある液体が肉棒から滴り落ちる。女は「しまった」と言わんばかりに、こぼれた唾液の痕跡を残さないように、舐め尽くそうと必死に舌を這わせていった。

ぴちゃ、ぴちゃと卑猥な音が布団の中で響かせることしばらく、肉棒はギンギンに反り返り、赤黒くグロテスクな色を強調しながら勃起していた。

うっとりとした女は、肉棒を亀頭のくびれから咥えこみ、おもいきり口内へと挿入させていく。ズププッと唾液の海に侵入すると、この時を待ち焦がれていたのか沸騰した舌を執拗に絡みつかせた。
ぶちゅぶちゅっと口内では舌の絡みが激しくなり、肉棒は快感からか跳ね上がって悦んだ。

女性の性器のごとく絡みつく舌遣いに加え、唇をすぼめての圧迫感、肉棒の先端から根元までを一気に飲み込もうとするピストンの動きには、膣内に挿入しているといっても過言ではないと思えるほど、気持ちがいいものがあった。

皆人はまだ眠った状態のまま、下半身だけがビクビクと痙攣する。
唾液と精液を撒き散らしながらピストンを早めていき、手で玉袋を揉みながら射精を煽ると、我慢をすることができない皆人はビクンと震え、肉棒から勢いよく白濁液を射精した。
ドプッドプッと勢いよく溢れる白濁液は、女の口内にすべて注ぎ込まれていく。
涙目でそれを受け止めると、口で受け止めきれずに零れ落ちた精液を、舌を使って舐め取っていった。

そしてすべて綺麗に舐め尽くしたと思うと、女は満足した笑みを浮かべ、布団を整えてから皆人の部屋を静かに出ていった。


――翌朝。

「ふあぁぁ〜……ぁ。今日も頑張るか〜。 ああ、なんか気分がいいなぁ。なんだろ、すごいすっきりしてるなぁ」

皆人の気分は当然で、溜まった精液をすべて吸い取られた果てに感じられるものだった。同時に、部屋の扉が開かれる。

「佐橋さん、おはようございます」
「あ……大家さん、おはようございます」
「なんだか、とても元気そうですね?」
「ああ、はい。なんかすごく気分がよくって、今日も頑張るぞって気分です。はは…」
「ふふっ 喜んでいただけたようで、何よりです……」
「?」

皆人を見ながら微笑をする美哉、それを不思議そうに感じる皆人。
美哉の視線はいつものようにニッコリと笑っていたが、うっすらと頬が赤く染まっている。
微笑する表情の中、美哉の口内では熱く火照った舌が、肉棒の感触を思い出すように、ヌラヌラと動いていた。 早く舐めたいという衝動が先走りすぎたのか、唇から舌が少し飛び出してしまい、舌なめずりをしているように動いて見えた。


皆人は何も気付かぬまま、今日もまたいつもの日常が流れていく――






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