野球部の部室
岩瀬健×吉田礼


クチャ…クチュクチュ…
ペチャペチャ…ジュル…

『あ…ン』

放課後の野球部の部室で静かに響いている。

あられもなく開かれた脚。スカートを履いたまま片足のルーズソックスの上にはパンティーがずり下げられている。

『ン…あっ。だめ、』

ロッカーの前で立ったまま片足をあげたままの状態でクンニされる礼。

『だめなの?
…つーかココはダメなんて言ってるみたいだけど?』

ジュルジュル…

クリトリスに舌を這わせて口で吸い上げる健。

『んぁっ、ケ…ンゾーのバカ…んっアッ…』

健はセーラー服姿の礼を弄んでいた。

チュクチュク…

『礼…?舐められるとどぉなの?』

健の舌遣いに滴り落ちる愛液…。
光るその液が礼の感じているのを物語っているのは明らかだった。

『ンッ。どっ、どぉもしな…ぁ、いよ。ケンゾー下手、ァン、くそだし〜。』

強がりながらも、ぷっくりと膨らんだ高揚したクリトリスはヒクヒクしている。

『へぇ〜。俺下手くそだもんな。』

そう言いながら健はポケットからローターを取り出した。

迷わずに礼のクリトリスにローターをあてがう健。

『ひゃ…何っ…?』

わざとローターの先しか当てず、弱のままで攻める…

ピク…

さっきまで舐めまわすように攻められていた礼には少し物足りない振動だった。

『ン…。ケンゾー?』
『俺下手くそだからさ。』

わざと嫌みをいう健。

更に『礼はお子ちゃまだから玩具が良く似合ってるよ。これで喜んでイクんだろ?』と続ける。

すると礼がムッとして『こ、こんなんじゃぜぇ〜ったい感じないんだからね。』と強気に言った。


それを聞いた健はニコっと笑って更にクリトリスを攻めた。
触れるか触れないか程でローターを当て、弱から徐々に速度を上げて行く…。

次第に礼の表情が崩れていった。

ヒクヒクとクリトリスと内股が痙攣していくのがわかる。

『ンッ…やッ…ンンゥ!!!アッアーッッ…ヒッ…くぅっ』

声もだんだんと大きくなってきた。

『何?礼どーしたの?やっぱりお子ちゃまだから玩具で喜んでるの?』

その言葉に礼は手を使って口を必死にふさぎ、目を閉じて食いしばる。

しかしそんな礼とは裏腹に健はだんだんと速度を上げていく…。

んー…!!!!アァ!!!!


ツンツンとクリトリスをつつかれる礼は口を必死にふさぎながらも声が漏れてしまう。

礼の頭の中は今にも真っ白になりそぉな位だ。

プライドの高い礼は必死に堪え続けた。

ブゥンン…ブゥンンンン!!

ついに振動は最大に…。

『ハァァアァァンンンン!!!!ァッンフッ!!!ンッンッ!!!!』

あまりの快感に手で口も抑えることも出来なくなり、口を塞ぐ事すら忘れて淫らな声を出す礼。

『すっげ…。礼からスッゴい出てくるよ。何これっ。イっちゃうわけ?』

礼の割れ目からとめどなく溢れ出る愛液を指ですくって舐める健。

最大になったローターに体をのけぞらせて痙攣する礼。もう限界なのか、

『ンァァアアァ!!!だめっ、イッちゃう…、ヤァァァ!!!!ァンアァア!!!』

部室に響き渡るほどの声をあげた。

礼はもう絶頂寸前だった。体はとろける程に熱くなり、立っているのが困難になるくらいの激しい快感に頭が真っ白になろうとしていた…



…しかし健は礼がイク間際でスイッチを切った。

『玩具なんかつまんないよな?俺も下手くそだし、礼も嫌そうだからやめにするわ。帰る?』

健は冷たく言い放った。

『ケンゾー????』

イク間際でまんまとおあづけを食らった礼。

『なんか無理にこんな事してわるかったな。俺たち幼なじみなのにな。』

突然健は真面目になっている。

『ちょ…。』

礼は戸惑った。

途中で止められ濡れそぼくった淫らなアソコは欲しがり疼いていた。

『何…?何か言いたい事あるの??』

健は知っていてわざと問い掛けた。

『し…、知ってるくせに何でそんなこと言うのよばかぁ!!!』

礼は頬を赤らめながら健を睨んだ。

『何キレてんだよ。わかんね〜よ。言う事ないんならもう帰るわ!』

健はそっぽ向いて帰ろうとする…

それを見た礼は

『待って…!!!』

健に後ろから抱きついた。

『ケンゾー…行か…ないでっ。』

ニヤリと笑って健は『どうしてほしい訳?』

すると礼はもっと真っ赤になった。

『知ってるくせに…!!!』

『言って…?俺に何してほしいの?』

健はわざと礼にいやらしい言葉を言わせたかった。

『も…もっと…。してほし…』

礼は恥ずかしくて下を向いている。

『それじゃあわかんない。どこをどうしてほしいのか説明してよ?』

健は自分が優位に立っているのでいつになく強気だった。

『さっきの…続き…して…?』

礼は小さな事で言った。

健はニコっと笑って礼にローターを差し出した。

『これ、欲しいの?』

礼は恥ずかしそうにコクりと頷いた。

『どーしよっかなぁ〜。礼には散々文句ばっかり言われてきたし…』

礼はアソコが疼いてたまらない…。
無意識に手で抑えていた。

それを見た健は言った。

『わかった。続きするかわりに…
礼自分でこれ使って』
『え…?』
『嫌ならいいけど???』

勿論嫌と言うわけもなく、礼は健の前で公開オナニーをする事になった。

『もっと、脚開いて。こっちに見えるようにひろげて見せて』

礼を部室の机の上に先程と同じセーラー服で足を開脚されたままの状態で座らせた。礼は指で濡れそぼったビラビラをひろげている。

健からは先程よりも丸見えだった。
ピンク色で綺麗なアソコを食い入るように見つめる健。

『じゃあ始めて。』

健の合図に礼は馴れない手つきで自分を慰める…
健のようにうまくGスポットには当てられなかったが気持ちよくなっていた。

『…ァン。』

小さく声が漏れる。

『我慢しないで声ちゃんと出せよ。』

健の言葉に堪えていた声を出し始める…

『ハァッ…アンッ…ア…』

少しずつわかって来た礼は徐々に感度が増していく…。それと同時に息遣いと声も荒くなっていく…
目の前の礼は自らの手で自分を犯している…。気持ちよさそうに乱れながらひたすらローターを震わせる…

いつもは真面目な可愛い礼が今は自分の支配下にある。

その姿を見て健の興奮度も更に上昇していった。

『礼、気持ちいいの?』

ブゥンブゥ…ゥン…

『うん…。気持…ちいい…。』

目を潤ませながら礼が言った。


…と部室の外から聞き覚えのある声がした。

『わざとじゃないって。無くしたとかじゃなくって〜!!!!忘れただけだって〜っ!!!』

ツルだ。
今日は部活は休みの筈なのに何故…?

今までのイヤらしい雰囲気から一瞬に我に帰る2人。

『ケンゾーっ!!!ツルの声っ!!!なんでっ???どうしよう…』

『わっかんね〜よ。あ゛〜〜っ。え〜っと、取り敢えず隠れろっ。礼こっちっ!!!』
『でも隠れるってどこに???』

『いいから早くっ』

パタンっ。
ガチャっ。

健と礼がロッカーに隠れるのと同時にツルが部室に入って来た。
間一髪だ。

『ちょっとツルっ!ほんとに部室にあるんでしょーね!?なかったら殺すからっ!』

そう言いながらツルと一緒に入って来たのはエリだ。

『ほんとほんとほんとっ!!ぜぇ〜ったいあるからっ!』

何か探し物をしているようなツルとエリ…。

狭いロッカーの中で身動きを取れないままで息を殺す健と礼…。

『んっ?な…にこの部室っ!!なんか変なにおいしない???』

室内はさっきまで礼が感じて溢れた液のイヤらしいにおいがあたりに充満して漂っていた。


やば…;;
ロッカーの中の2人は息を飲む…。

『ん〜…!!俺、鼻詰まってるから何も感じないや(^▽^)ゞ
ムサい男だからけの部室だからねっ。
あ、俺はいつでも石鹸のにおいがするんだけど♪』

ツルナイスっ!!!!
(健と礼の心の声)

『ふ〜ん。まぁ、いいや。それよりCDは?さっさと取って帰りたいんだけどっ。』

『あ〜っっ。はいはいっ。ちょっと待っててね〜エリぃ。愛してるよ〜☆』
『うざっ。早くしてよね〜。』


え…。
ツルのロッカーって…。

ガタンっ!!!

ツルのロッカーは健の隣…。
2人が隠れているのは健のロッカー…。
そう、隣のロッカーが勢いよく開かれた。

狭いロッカーの中で密着する2人…。
礼は先程の片足のルーズソックスにパンティーがずり下がった状態で片手には先程オナニーに使用していたローターが握りしめたまま…。
健は礼を抱きよせた体勢…。2人の体は絡み合い狭い中では普段は気付かなかった礼の柔らかなたわわな胸が健に密着して張り付いていた。
隣にはツル…。
絶対に見つかってはならないこの状況が健の理性を更に激しく熱くさせた…。

健の手は礼の胸へと伸びていく…
健の体に密着する胸の中心を掴むのは簡単だった。
礼の大きな胸はつぶれてむにゅ…となり乳首は形までもがくっきりとわかる…。
健は迷わずに乳首をコリコリと転がした。

ぁ…。

礼は一瞬身をビクッとしたが隣にツルがいるので一切抵抗ができない…。

それをいいことに健の動きはだんだんとエスカレートしていった…

固くなっていく乳首に服の上からでは物足りなくなった健は大胆にもセーラー服をまくりあげブラに手を入れて胸を揉みしだく…。
柔らかな感触にさらに興奮する健…。
気がつけばブラもずらして乳首を口に含んで夢中で舐めまわしていた。

チュウチュウ…チュパ…

口にふくむと柔らかな胸とは対照的に固くなった乳首がコリコリしている…
礼が感じていると分かると健はますます舌で舐めまわした…

『チュウチュウ…?』

ツルがいきなり言葉を発した。

健が夢中で舐めまわしていた為に知らぬ間に吸い音をたててしまっていた…。

やべぇ…!!!!
バレた????

健は一気に脈拍が早くなる…

ドクドク…;;;

『この音…。もしかして…』

ツルの言葉にあられもない姿な礼はガクガクとおびえる…
こんな状況がバレたら…考えるだけで怖い…。
しかし、

『ネズミかな?ん〜、ネズミだな!お〜いエリ!なんかここネズミいるっ!』

ツルはバカだった。

『えっ;;;ネズミぃ?やっだ。きもちわるっ。ツル早く探して来てよっ。あたし入り口で待ってるからね』

エリはネズミと聞いて部室のドアの外に非難する…

ツルはCDがなかなか見つからないようで『あっれ〜?』『おかしいなぁ〜…』独り言を言いながら探す。


バレなかった事と礼のおびえる様子に健は更にヒートアップしていく…

片方の乳首を口に含み、舌で転がしながら片手は礼の手の方へ…

ローターを取り上げた健は反対の乳首に押し付けてツルに気づかれないようにスイッチを弱に…。

片方は口で犯され
片方はローターで犯され…礼の乳首はダブルで健に責められている…。

はじめて胸を攻められた上にダブルで…礼は必死に堪えていた…。

目をつぶったまま声を押し殺し、身動きも抑える礼に健は更に大胆にも乳首に当てたローターをブラで固定し左手は胸を掴みながら舐め、開いた右手はスカートの中へ…


ヌプ…っ。

健の二本の指が礼の中に入っていく…

んぅー……

男性経験のない礼は指を入れられるのも初めてだった…。

ついさっきまでは健の忘れ物に付き合って部室に来ただけだったはずなのに…。
どうしてこんな事になったんだっけ…?



―30分前…―

礼『ったくケンゾーは抜けてるよね〜っ。』
健『うるせーっ』
礼『あ、そぅゆう事言う〜っ?忘れ物したってゆうから付き合ってあげてるのに〜っ』
健『別に、頼んでねぇし。礼が勝手について来ただけだろ』礼『あーっ!!マネージャーのあたしが鍵を持ってたから中に入れる事を忘れないよぉにぃ〜っ』
健『はいはい、礼さんのおかげです。ありがと〜っございますっ。』
礼『何それっ。ふふっ。よろしい〜っ』
普段と変わりなく2人で部室に入った…

礼『で、忘れ物ってなんなの?そんなに大事なもの?』

健『別に大事じゃないけどツルのCDっ。』
礼『え〜っ。たかがツルのCDの為に学校まで戻って来たの〜っ?ありえない〜っ』
健『なんか知らないけどツルが今日返せってうるさいんだよ。昨日借りたばっかなのに…』
礼『ま、ど〜でもいいけどねぇ〜。じゃあさっさと探してショーグン行こうよ。どうせツル達いるんでしょ?』
健『おぅ。』
礼『あ〜っ!!またユニフォームこんな所にある〜っ。も〜っ。洗濯するから出してって行ってるのにぃ…。仕方ないなぁ…』
ロッカーの上にあるユニフォームを礼が取ろうとする…『』健『おい。そんな高いとこ届くのかよ。』
礼『届かないよ♪』
健『?』
礼『ケンゾーっ♪』礼はニヤっと笑った。
健『…って、なんだろこれっ。』
礼『お馬さんは黙ってなさぁ〜い。あ、上向いたら命ないからね〜っ』

健が踏み台になって礼がロッカーの上のユニフォームを取っていた。

健『は?上って…』

健は意味がわからずにくるりと振り返り上を見上げた。

健『あ…』

上を見上げると礼のスカートの中は丸見えで薄いピンクのパンティーが目に飛び込んで来た。

礼のパンツなんか見たって別に…。


そう思ったはずだったが放課後、2人きりのこの状況…。

あの中はどうなっているんだろう…。


見てみたい…

礼『ケンゾーありがとね〜。よしよしっ。お馬さんっ♪』

健『礼…』

健はいきなり礼にキスをする…。

礼『んッ…』

突然のキスに戸惑う礼…。びっくりして健の方を見つめる…健は真剣な眼差しで礼を見つめながらキスをしている…

ずっと好きだった健…。気持ちを伝えられなかった健…。
その健があたしにキス…???

健は更に舌を絡めてくる…。戸惑いながらも次第にキスを受け入れていく礼…。

健…。もしかして健もあたしの事…?

キスをしながら健の手はスカートの中へ…。

礼はびっくりして健の手を押さえた。

礼『ケンゾー…?』
健『俺の事嫌い…?』
礼『嫌いじゃないよ…でも…。』
健『でも…何?』

礼は戸惑った。
今まで誰かと付き合った事もない…。
もちろんキスも初めて…。
小学生の運動会でたまたまケンゾーとキスしちゃった事はあったけどあれは自己だし…

キスも初めてなのにその先なんて…。
これが普通なの…?

健『もしかしてはじめて…?』

健も童貞だったが礼は知るよしもない。健の妙になれているような口調に
きっと初めてだったらひくよね…;;
とわざと強気に答えた。

礼『は、初めてな訳ないじゃないっ!!!』

その言葉に健はショックを受けた。

初めてじゃない…。

じゃあ他の誰かは礼と…


健は嫉妬で理性が吹っ飛んだ。
どうせ叶わない恋ならば…嫌われたって構わない…!!!!

健はそのまま礼の手を振り払ってパンティーの中に指を入れた。

『きゃ…』

いきなりパンティーの中に指が入って来た礼はびっくりしている。

そして礼はもちろん全く濡れていない…
自分はビンビンで堅くなっている健はそれにも怒りをあらわにした…。

他の男の前ではヤッてる癖に俺じゃあ濡れもしない…?


健はかがみこみ、スカートの中に頭を突っ込み無理やりパンティーを下ろし、舐めはじめた…。

『いやぁっ!!!!』

突然の健の行動に礼はただただ呆然と立ち尽くす…。

さっきまで幼なじみのいつもと同じく楽しく会話していた健とは別人だ。今はまるで獣のように自分のアソコを舐めまわしている…。

礼の『いやぁっ!!!』と言う言葉が健を更に嫉妬心を深くさせた。

何で俺じゃダメなんだよ…。そんなに他の男の方がイイのか…?なら俺が1番感じさせてやる…!!!

健『礼、片足あげて。』
礼『ケンゾー…?』
健『嫌なの??』

礼は複雑な気持ちだった…。健とこうなれて嬉しいはずなのに…。
これが普通なんだっ。礼はそう思い込み、絶対に初めてだと気づかれないようにいつも通りに振る舞おうとした…。

礼『ほ、欲しいんならそう言えばいいじゃないっ。』

その言葉に健は
追い討ちをかけられ
健『ほんとは濡れてんだろ…?』

礼のクリトリスをむさぼりはじめた。

そうだ…。
健とは忘れ物を取りに来ただけだったのにこんな状況になったんだった…。

礼のまだ貫通していない小さなアソコは健の二本の指だけでもうキツキツだった。

しかし濡れているので滑りがいい…。

健はゆっくりと指を抜き刺ししていく…
初めての感覚に礼はもう頭がおかしくなりそうだ…。

エリ『ツルっ!!!あんたいつまでCD探してんのっ!?』
ツル『だって〜…探してもな…あ!俺のロッカー探してもあるわけないよな。健に貸してたんだったo(^▽^)o』


礼はハッ!とした。
健の忘れ物って確か…!!!!!!


エリ『ばっかじゃないの!!だったら健のロッカーにあるんでしょ?』
ツル『エリってあったまいい〜♪さすがだよエリぃ〜☆』


ロッカーの中には今、ひたすら健に犯されている礼と獣と化した健が…

2人はもうパニック寸前だった。
礼に至っては2つの意味で失神寸前だった…

エリ『も〜!早くしてよ。いーや。もうあたしが探すっ』

ツルより先にエリが健のロッカーの前にツカツカ歩いて行きロッカーに手をかける。


ガチャ…





♪〜チャーララ チャラ〜チャララララ〜♪

ツル『もしもしぃ?
あ、幹雄?えっ。CD?なんだよ〜。お前が持ってんのかよ。チビじゃないゎぼけぇ!!!エリに変わる〜ぅ。』
エリ『え、何?ツル。幹雄から?あ、もしもし…。ツルに借りたら中身が違ってた?わかった。すぐ戻るね〜』

ドアが開きかかった瞬間に幹雄から電話がかかってきた。
どおやらツルは健と幹雄に貸したCDの中身を逆にしてしまっていたようだ。


エリ『さっさと行くよっ。役立たずっ!』

ツル『間違いの一度とか二度とか三度くらいさぁ〜…………』

間一髪で免れた…


ほっとしたのも束の間
『邪魔はもうはいらない』といってロッカーの扉を開けて礼を床に押し倒した。


『くぉぉぉら!岩瀬!吉田!こんなところで何やってる!』

『い、伊藤先生・・・!』
『まったく・・・』
『・・・・・(赤面)』

『・・・・俺も混ぜろ!』
『どんだけ〜』

伊『岩瀬!そもそもおまえゴム持ってるんだろうな?』
健『・・い、いや・・・・ない、です・・・・・』
伊『なんだ、ローターはあるのにゴムはないのか。相変わらず要領の悪い奴だな。榎戸のロッカーを見てみろ』

健が幹夫のロッカーを開けると、ボックスの中にリストバンドや制汗スプレーと共にゴムが置いてあった。

健『あ、ありました・・先生なんで・・』
伊『いいか!高校野球の基本はセーフティーバント、セックスの基本はセーフティーセックスだ!』
健『・・はい』
伊『よし。始めてよし。監督らしく俺が指示を出す』
健『い、いや、監視下でできるほどマニアックじゃないですよ・・・』
伊『(無視) 部室でやるからには野球にも役立つものでなければならん。岩瀬!おまえ膝つくんじゃないぞ』
健『えっ・・』
伊『腕立ての姿勢だ。筋トレになるぞ。吉田!マネージャーらしく声は盛大に出すんだ』
礼『そっ、そんな・・』
伊『監督の指示は絶対だ。プレイボーイ!』
健礼『・・どんだけ〜』

結局伊藤先生には正座で許しを請い、解放された頃には夕方だった。ローターは没収された。

夕暮れの中、礼が健の前をスタスタと歩いて行く。

『なあ、礼・・なに怒ってんだよ』
『別に』
『嘘だ、お前怒るとますますいかり肩になるからすぐ分かるんだよ』

そこで礼はぴたっと止まると振り返った

『じゃあなんで怒ってるのかも分からないの?!』
『わかんねーよ。そりゃ部室でやろうとしたのは悪かったけど、お前だってすげー声出してたし・・』
『あっ、あれは勝手に・・ていうか、いきなり、あんな・・・』

礼も女の子である。ロマンチックな告白に憧れる歳でもあった。

『いきなりあんな道具持ち出して、何なの?!どうせ他の女の子と使うつもりだったのに振られたんでしょ』

言っているうちにますます腹が立って、情けなくなってきた

『あんないやらしいこと、よくできるよね。代わりになれなくて残念でした。早く次の彼女見つけてせいぜいがんばれば!』
『なんだよそれ。可愛くない女』
『こっちこそ、初体験があんたみたいなサルじゃなくて良かった!』

はっと顔を見合わせる。

『初体験て・・・ま、まじで・・?』
『・・・・・ケンゾーには関係ないでしょ』

情けなくて、泣きそうだった。前を向いて歩き出そうとする

『ご、ごめん。いきなり、あんな経験させて』
『・・・・・・』
『礼がもう他の男のものだと思ったら、なんか悔しくって・・ほんと、ごめん』
『・・・』
『お、俺だって経験ないよ。けど、ちょっと興味があって・・・奮発して19800円で買ったんだ。お年玉で・・・』

だんだん話がずれていく。百ほどの突っ込みが礼の脳内に浮かび、振り返って口を開こうとすると、

『礼が好きで好きでしょうがなかったんだよ。』

いつになく真剣な目をしている健

『いつも横にいるのに、手は届かないし・・・ でも俺も男だし、なんか、もうあのとき我慢できなくなっちゃって』
『・・・』
『本当にごめん。でも、礼じゃなきゃだめなんだよ、俺』

健の目は心なしかうるんで見えた。

『ケンゾー』
『・・うん』
『さっきの、もう一回言って』
『え・・?れ、礼じゃなきゃダメなんだ』
『その前』
『奮発して19800円で・・・』
『じゃなくて』
『・・・好きだ。礼のことが』
『もう一回』
『好き。大好き。超超超超大好き』
『ふふっ』

初めて、キスをした。高校生らしいキスを。
礼の腕をとり引きよせ、ぎゅっと抱きしめる。

『あーもう俺、幸せ貯金使い果たしそう』
『なにそれ』
『貯めてたの。この日のために』
『ふふっ・・・なくなったら・・・私が貸してあげる』
『・・・もう、怒ってない?』
『うん。しょうがないから、許してあげる』
『ほんと?じゃあさ、・・・仲直りの印に・・・・エッチしよ?』
『?!』

そう言うと、健は礼の手を取って学校へと駆け足で戻って行った。






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