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○○へ続く
岩瀬健×吉田礼


礼と付き合い始めて数ヵ月が経った
結婚式を飛び出してからいろいろあったし、相変わらず喧嘩もしたけど今のところ順調だ
でも、順調と言っても付き合い始める前となんだ変わりはなくて、付き合っているとは言いがたい
キスは数回したくらいで、その先なんて以ての外という感じだ
まぁ、礼の性格上何となく予想はしていたがここまで鉄壁だと「結婚するまでシない!」なんて言い出しそうで……
だからって無理にヤルのは絶対いやで…

礼を大切にしたいから、すごく大事だからどうしたらいいか分らずにいた




「ねぇ、ケンゾー?」
「ん?」
「今日ケンゾーの家行ってもいい?」
「……え!!なんで!?」
「やっぱり忘れてる〜…。今日はケンゾーの誕生日でしょ!」

あ〜…誕生日ね…。俺変な事考えてたし……相当ヤベーな

「…そう、だったな」
「もう!高校の文化祭の時も自分の誕生日忘れてたでしょ?ケンゾーは鈍すぎなんだよ」
「そんなに鈍いか?」
「うん、鈍いよ。…じゃ、また後で」
「え?何で?家に来んじゃなかったの?」
「一旦家に帰ってからいく。じゃね」
「あ、うん」

家のチャイムの音で目が覚めた。どうやら寝ていたらしい
寝起きでぼーっとしていると、ドアの向こうからは礼の不機嫌な声が聞こえてきた

「ヤッベ…」

急いで鍵を開けてドアを開けると、瞬間、頭を叩かれた

「いてっ!」
「お前いつまで待たせんだ!このバカ!」

この声にこの口調…まさか!?
急いで顔を上げるとそこには案の定ツルがいた
ということは……ツルの後ろには礼と一緒にエリと幹雄が立っていた

はーーーーー!?

何でこいつらがいんだよ!礼と2人だけじゃなかったのかよ!
すぐさま礼の腕を掴んで後ろを向かせてツルたちには聞こえないように小声で喋った

「何でこいつらがいんだよ!」
「何でって、ケンゾーの誕生日だからでしょ!」
「理由になってねーよ!」
「だから、去年の誕生日だって一昨年の誕生日だってみんなで祝ったからでしょ。」

当たり前だという風に答えて礼はみんなの所に行ってしまった

俺だって5人でいるのは嫌いじゃない。いやむしろ好きだ。だけど去年や一昨年とは全くと言っていいほど状況が変わっている。俺と礼ははれて恋人同士になったわけだし、ツルとエリだってそうだ。
だから、みんなに祝って貰うのは嬉しい事だが、やっぱり一番祝って貰いたいのは礼なのだ。
でも、ここまで来たらもうあいつらに帰って貰うのは無理だ。礼と2人とはいかないが我慢するか…

「でもさー、ホントあの時のケンは頑張ったよねぇ。」
「そうそう、コノ馬鹿たまに急に男らしくなるんだよ。俺の時だってさ・・・」
「俺の時?何かあったの?」

幹雄にやにやしすぎだから!

「え、いや、何でもない何でもない。ただ俺はエリが好きって話!」
「ってそこのカップル!俺の誕生日なんだけど!」
「はいはい、ケンゾー何も覚えてなかったくせに」
「ほんっと毎年毎年ケンは鈍いよねー!」
「それは、あれだっつーの、騙されてやってんだよ。」
「ハイハイ」


「じゃー明日も仕事だし、ツルそろそろ帰ろっか!」
「おう!また明日も牛乳飲まなきゃな。」
「それ、仕事じゃねーだろ。」
「うっせ!開発だよ、新・商・品の開発」
「エリも頑張ってね!」
「うん!礼もね、いつか礼に家建ててもらうんだから」
「じゃーバカっぷるを送っていくか、礼も乗ってくか?」

なにーーーーっ!幹雄!バカ!何余計なこと言ってんだよ!

「なーんてな、じゃーな!」

ニヤニヤしすぎーーーーーッ

「・・・」
「れ、礼。送るよ」
「え?う、うん。」


車の中では沈黙が続いた。あの時以来、お互いの気持ちは解っていながら・・・
それ以上進むには見えない壁のような、何かがあった。
本当にこのままでいいんだろうか、俺は、俺は・・・


→ホテル野猿編へ続く



ギシッギシッ

「・・・ッた」

「・・・・」
「ケンゾ」

ギシッギシッ

「ケンゾー、い、痛い」
「・・・こんな時もケンゾーって」
「だって、私だけのケンゾーなんだもん」
「礼」
「ケンゾーっていつもエッチなこと考えてたよね」
「か、考えてねー」
「ケンゾーの好きにしていいよ」
「礼・・・ ・・・」
 
ジュブジュプッ ギシッ


→どうしてケンゾーがくれるものはいつもブカブカなんだろう編へ続く



懐かしい・・・匂いがする・・・ ・・・

「おはよう、ケンゾー」
「れ、礼?!って あッ」

「お、おはよう」
「なんて、まだ朝じゃないし。ケンゾーってホント」
「ホントなんだよ」
「なーんだろ、ね。アハハ」

まったく、礼とはこうなってもいつものままだな。

「礼」
「ん?なに?」
「礼」
「なに?」
「気持ちよかった」
「は?あ・・・」

戸惑う礼。初めてみる顔だ

「な、なんだよ」
「な、なによ」

「礼・・・」
「ケンゾ ッン」
「ンン ケンゾー明る・・・い」
「いいんだよ」
「けして!」
「ぜってー やだ」
「けしッアア、ケンゾ、ケンゾ、やだ」
「礼、礼」

ジュ・・・クチュ ジュチュ

「礼、足開いて」
「ケンゾ  ・・・ごめんね」
「?」
「好き だから」

・・・!

「礼、礼」
「ケンゾ」
「ケンゾーが好き」
「ケンゾーがずっと好き」

ジュプジュ ジュプ

「れ・・・ぃ・・・!!」
「ケンッッゾッッ ンンンッッ!!!」


礼の中に放ちながら、俺は出会った時のことを思い出していた。
そして、それはきっと礼も同じだったと思う。


→とぼけても無駄だから、この子はどーしてもケンゾーの子でしょ編に続く



「礼」
「うん、いこっか」

あれから、初めて日の下で礼をみた
でも、やっぱり・・・手もつなげない

「ケンゾ、どしたの?」
「え?いや・・・」

ギュッ

「?! 礼っ」
「いいでしょ、たまには」
「すぐそこだし」
「いーじゃない、別に。いやなら離す」
「いやって訳じゃねーけど・・・」
「・・・ふーん」
「なんだよ」
「・・・ふーーーん」

「な、なんだよ。っていうかどうすんだよ」
「何が?」
「仕事、直接送るわけにもいかねーだろ」
「え?うん、私今日休みだよ・・・」

「??」
「ケンゾーの誕生日だったでしょ。だから休みとって
あげたっていってんの」

何で礼は赤くなって・・・あっ!

「礼・・」
「もぉ最悪」

よかった、過去に戻って本当によかった。
よし。

「あ、おはよう、ゲホゲホ、ございます。岩瀬です。」
「ケンゾ?!」
「シーッ! あ、どうも課長。実は体調が悪くて本日....」


こうするしかない、と思った。

「よし。じゃあ礼、どうしよっか」
「とりあえず俺の家・・・」
「しょうがないな、行ってあげるよ」
「なんだよ、それ」
「ふふ」


礼の笑顔が眩しかった。いつもと同じ礼の笑顔が・・・やけに眩しかった。


→ああー急にすっごい恥ずかしくなってきたー編に続く



ガチャッ

「ただいまーって汚なっ!」

そうか、、誕生日ってまだ昨日だっけ。

「れ」
「ケンゾー片付けてよね!」
い・・・。
ってばれてるーーーーーっ

「何いってんだよ、散らかしたのそっちだろ」
「・・・あれ?」
「スースー」
「ってそこ寝るなーっ」

「ふー・・・後でやろ」
「今度やろうは馬鹿野朗だぞ」
「それ」
「じいじのこと、ありがとね」
「ケンゾーがくれたものって一杯あるのに、すっごく嬉しいのに、
言えなくてごめんね」
「いや・・・」

一杯もらっていたのは俺の方だった。過去に戻るまでは、、、
何も気付けないでいた。


「ちょっと、寝よっか」
「うん、でも」
「そっち寄って」
「ちょっと、こっち狭いしぃ」
「もっとこっち寄ればいいだろ」
「え?う、うん」
「ふふ、暖かぃ」

「でも、本当にじいじの言った通りになったね。」
「うん?」
「ほら、あの見送りの時、うちの家系にはろくでもない男が丁度良い、
とか言って」
「ああ。って別に俺ろくでもなくねーし。」
「アハハ」

「そういえばファーストキスもあの時」
「ケンゾーだけね!」
「あれ、一回目っつったろ」
「ケンゾーだけね」
「なにそれ」
「アハハハ」


腕の中の礼は、今までで一番小さく、大切に思えた。


→師匠、合鍵はどうやったら手に入るんですか編に続く



礼?ウェディングドレス?ここは、、ってパエリヤの中?
ノォーーーーーーー!

グーーッ 

「・・・ そう言えば朝から何も・・・」

「スースー」

気持ち良さそうに寝ている。

「うーん、、ケンゾー」
「おう、起きた?」
「んんん、んー」
「どっち」
「んふふー」
「どっちなんだよ」
「もう少しぃ」

「・・・腹減ったし、ショーグンでも行くか」
「は!?」


チャリーン
「アニョハセ ヨ!」
「ヨ!」
「やっほ〜久しぶり〜」
「おいおい、お前ら仕事はどうしたんだよ」
「今日はお・や・す・み、この店は今日も休み?」
「今日もってお前な!」
「はーお腹減ってたけど、ここに来たら一気に食欲なくなったね。
ダイエット成功成功」

あれ、これは・・

「この看板どうしたの?」
「いかすだろ?あそこのショップの無理矢理もらったんだよ。
何つっても俺のNo1フェイバリットブランドだからな」
「たもっちゃん、ここに何か付いてなかった?指輪みたいなもの」
「うん?知らねーぜ」
「そっか・・」
「指輪がどうかしたの?ケンゾー」
「あ、いや、・・何でもない」
「ふーーん」


「さてと、じゃあ本当に飯食いに行きますか」
「そうしよっか」
「お前ら、また来いよ!」


→礼の不安、取り除いちゃいましょ編に続く


ブロォーンッ バタン

「よーし、ケンゾー見よ!」
「お、おう」
「ずっと見たかったんだよねー、LOST!」
「ケンゾーも野球とかサッカーばかりじゃなくて、
たまにはこういうのも見た方がいーよ」
「何言ってんだよ、スポーツこそ」
「先の見えない最高のドラマだっ でしょ」
「解ってんじゃん」
「ハイハイ、ほら、開けて開けて」


礼はいつも明るい、明るく見える。その明るさに、俺はいつも
甘えてばかりいた。


「・・・」
「はやく」

「ケンゾー?」

「礼、これ。」
「へ?何・・」
「家の鍵、さっき飯食ってる時に作っといた。」
「な、なんで?ケンゾー?」
「俺の家、何時入ってもいいから」
「え?」
「つらい時とか、悩んだ時とか・・・何時でもここに来ていいから。
何でも自分で、自分だけで決めるなよ。解決しようとするなよ。
俺には、、話せよな」
「ケンゾー・・・」
「俺も、まぁ、その、女心?解るように努力するから」

「・・うん へへ」
「なんだよ」
「んーん、何でも・・ない。ありがと」

「じゃー、開けるね」
「ん、あぁ」

ガチャッ
「・・・ただいま」
「おかえり」


俺達は今日何度目かの、そして礼からの初めてのキスをした。



→同棲って、どんだけ編に続く







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