恐竜時代
○○○×ミザリィ


「あたしもうイヤよお!!こんな所にいたくない!!」

ヒステリックに叫ぶ半裸の女性
年齢はおおよそ三十代半ば
栗色の髪をセミロングにした理知的な美人で
少し脂肪が乗ってきたとはいえまだまだイケてるナイスバディにシャツを巻きつけただけ
の姿は年増好きなら1ミリ秒で理性を跳ばすだろう

「おばさん、落ち着いて」

そう声を掛けるのは14〜5歳くらいの愛らしい少女
こちらもボリュウムは乏しいが青い果実のような瑞々しい肢体を脱いだ服で隠している
そしてもう一人

「帰れるものならすぐ帰してあげたいんだけど…」

やれやれといった調子で肩を竦める全裸の美女
スーパーモデルも顔色を失う完璧なプロポーション
緩やかなウエーブの掛かったライトグリーンの髪は腰まで届くほどの超ロング
左目を覆う前髪には紫のメッシュが入り
エルフのように鋭く伸びた耳と水晶の光を宿す瞳を持つ美女が
輝くばかりの裸身を隠そうともせず堂々と立つ姿は
地上に舞い降りた美の女神といった風情だった
全裸の美女は背後の茂みに視線を向けると

「とりあえずこれ以上男共にサービスする義理は無いから服を着ましょう」

茂みの奥に身を隠す人影に聞こえるよう声を強めて言った

ことの起こりは六時間前

宙明少年とその両親、そしてGFの牧村美穂が恐竜博の看板が掲げられたプレハブ小屋
を見つけたのが始まりだった
あからさまに胡散臭いと思いつつ受付の美人のお姉さんにチケットを切ってもらい
ちょっと得した気分の宙明少年ら四人はエレベーターで地下に降り扉が開いた途端
目の前に広がる白亜紀の世界に仰天する
そして受付にいた美女−ミザリィと名乗った−が今度はガイドとして「恐竜百万年」の
ラクウェル・ウエルチよりもセクシーな毛皮ビキニのコスプレ姿で同行すると聞いて
鼻の下を伸ばす男二人と僅かに殺気立つ女二人

「それでは出発しましょう」

長めの木の枝の先端に尖った石を嵌め込んだ粗雑な作りの槍を右手に持ち
一列縦隊の先頭に立って密林に踏み込むミザリィ
ほとんどTバック状態の毛皮のぱんつに包まれたミザリィの美尻が歩調に合わせて
ゆらゆらと揺れる
ミザリィのすぐ後ろを歩きプリンプリンのヒップがクイックイッと躍動する様を
かぶりつきで凝視する宙明少年とその父
スケベ心丸出しの男二人に対し心を一つにした宙明少年の母と美穂は顔を見合わせて
頷くと必殺の毒針エルボーを炸裂させるのだった

ミザリィの恐竜大紀行(注:アウターゾーン仕様)が始まって約二時間
真っ先にギブアップしたのは宙明少年の母だった
やり手のキャリアウーマンに見える宙明少年の母−実際共働きの夫より年収は多い−
は意外と逆境に弱いタイプだった
もっともトリケラトプスのスタンピートに踏み潰されそうになったり
バリオニクスとメガラプトルのタイマンに巻き込まれたりしてすっかり童心に返って
喜んでいる宙明少年とその父のほうがマトモではないとも言えるが
ちなみに美穂タンは本物の恐竜を目の当たりにして感動に打ち震える宙明少年の姿に
ちょっぴりときめいたりしちゃっている
ああもう恥ずかしいなあ!
だがそんな初々しい時期は二十年前に通過しているうえ恐竜好きでもない宙明少年の母は
すっかりパニックを起こし半泣きになって

「ここから早く出して!」

とミザリィにすがりつく

「仕方無いわね、じゃあ貴方だけ外で待ってて頂戴」

ミザリィは右手を掲げて念を込める
すると目の前の空間に光り輝くアウターゾーンの扉が
現れなかった

「あら?」

今度は両手を掲げて念を込めるミザリィ

何も起こらない

シェー!コマネチ!命!と思いつく限りのポーズをとり念を飛ばすミザリィだったが
アウターゾーンの扉は遂に現れなかった
ミザリィはジト目で見つめる四人を振り返ると握りこぶしをコツンと額にあて
舌をだして微笑んだ

「てへっ(はあと)」

「「「「『てへっ』じゃねーよ!!!」」」」


「要するに設定ミスなのよ」

四人に吊し上げられたミザリィは渋々自らの落ち度を認めた
この恐竜時代体験ツアー(アウターゾーン仕様)は内部時間−通常空間とは時間の流れる
スピードが異なるとはミザリィの談−で一週間経過しないと外に出ることは出来ない
ように設定してあり自分でも今から取り消すことは出来ないとミザリィに説明され
逆上する宙明少年の母

「冗談じゃないわ!一週間はおろか一日だって持たないわよ!!」

ラフなファッションの年増美女が毛皮ビキニの超美人に掴みかかるという
キャットファイト好きにはたまらない絵も自分の妻と母親が当事者では気楽に見物する
訳にもいかず力ずくで引き離した恐竜ママをどうにか落ち着かせると
一行は夜露をしのげそうな場所を探すためミザリィの先導で移動を開始した

「冷たくて気持ちいいですね!!」
「はしゃぎすぎて深みにはまらないようにね」
「シャンプーと石鹸が欲しいわ」

ミザリィの案内で岩山の麓の洞窟に辿り着いた一行は二手に分かれることになった
宙明少年と父親は森で食料の調達
そして女性陣は湖で−皆さんお待ちかねの−行水である
たわいも無い会話を楽みながら汗を流す美少女と美女二人
恐竜ママの裸身はさすがに年齢から来る肌の張りの衰えは隠せないものの
豊かなバストとセクシーにくびれたウエスト
プリプリのヒップは充分に男を誘うだけの魅力を備えている
一方の真穂タンは胸も腰も今後に期待と言わざるを得ないレベルだが
膨らみかけのなだらかな隆起とすらりと伸びた細い腿のラインは
この年頃の少女にしか出せない初々しい色気を醸し出している
そしてミザリィ
これはもう別格である
まさに黄金率を具現化したとしか思えない完璧なプロポーション
肌の色は穢れを知らぬ新雪のようにあくまで白く
濡れた髪がエメラルドグリーンの毒蛇のように白磁の肌に絡みついた姿は強烈な
セックスアピールを発散している
彼女の裸身を前にしては美の女神アフロディテさえも首を吊るだろう
そんな三人の中
真っ先に水から出た真穂タンが
続いて恐竜ママも身体のあちこちに張り付いたヒルに気が付いて悲鳴をあげ
一人だけヒルに集られていなかったミザリィにヒルを取ってもらった後
再びヒステリーを爆発させて冒頭のシーンとなる

「隠れてないで出て来なさいな出歯亀さん達」

慌てて服を着る真穂タンと恐竜ママを尻目に辛うじて乳首とその周辺をカバーするだけの
毛皮のブラを身に付けハンカチよりも布地の少ない毛皮のぱんつを履いたミザリィが
落ち着き払って声を掛けると岸から少し離れた茂みの中から引き攣った笑顔の宙明少年と
その父が現れる

「あなた達…」
「覗いてたの!?!」

怒り、驚き、困惑する恐竜ママと真穂タンだったが
男二人に続いて現れた一団を見て女二人のみならずミザリィまでもが驚愕に目を見張った
よく見ると宙明少年とその父は植物の蔓で後ろ手に縛られており二人を拘束しているのは
シュワルツェネッガーが三歳児に見えるような筋肉の化物達だった
前方に向かってせり出した額と横に広がった鼻そしてがっしりとした顎

「ピクル?」
「ネアンデルタール人よ…」

震える声でそれでも律儀にボケてみせた真穂タンにミザリィは緊張を滲ませた声で
ツッコんだ

どんどこどこどこどんどこどこどこ

某仮面の鬼のOPのような打楽器の多重奏が響くなか
ネアンデルタール人の集落に連行された五人は後ろ手に縛られた状態で広場に座らされ
百人近い原始人類の視線の集中砲火を浴びていた

「私たち一体どうなるのかしら…」

恐竜ママの表情には怯えの色が濃い

「分からん」

宙明少年の父も下手なことをいえば妻がまたパニックをおこしかねないと考え
曖昧な受け答えに終始している
そんな中ミザリィだけはネアンデルタール人が自分達−正確には自分と恐竜ママと
真穂タン−に向ける粘ついた視線に気付いていた

「ひょっとして食べられちゃうんじゃ…?」

震える声で呟く真穂タンに

「その心配は無いわ」

と即座に言うミザリィ

「なんでそう言い切れるんだよ!?」

余裕の無さが口調に現れている宙明少年にミザリィが説明する

「さっきから観察しているけどここには女性が一人もいないわ、恐らくこの集落の女性は
伝染病か何かで全滅しているのよ。そして女に飢えたネアンデルタール人の前に現れた
のが私たち」
「と言うことは……」
「ナニされることはあっても殺されることは無いわ」
「嫌ァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」

平然と答えるミザリィ
金きり声をあげる恐竜ママ

「助けて!あなた助けてぇっ!!」

涙と鼻水を垂れ流しながら夫に詰め寄る恐竜ママをネアンデルタール人のがっしりした腕
が捕まえる

「嫌あぁ助けてえぇっ!」

泣き叫ぶ恐竜ママの口に木の実を刳り抜いて作ったボウル状の器からドロリとした紅い
液体を流し込む
続いてミザリィと真穂タン
そして宙明少年とその父と必死の抵抗も空しく全員が怪しげな紅い液体を強制的に
飲まされ二〜三分が経過した頃

「はあぁぁん……」

恐竜ママの口から熱い吐息が漏れた

「な、何…なんなのこれ?」

未成熟な肉体を襲う未知の感覚に怯える真穂タン

「あ…熱い、身体が熱い……」

体の芯から湧き上がる官能の炎に身を焦がす恐竜ママ

「この私が原始人の薬なんかで感じるなんて、悔しい!でも…」

どこかで聞いたようなフレーズを口にしながらグラマラスな肢体を淫らにくねらせるミザリィ
そして宙明少年とその父は目を血走らせ口から泡を吹きながら

「ズッコンバッコン!ズッコンバッコン!」

と叫びつつ狂ったように腰を振っている
ミザリィ達が飲まされた紅い液体はお約束の例のモノだった
処女は処女なりに
経産婦は一層過激に肉欲に狂うその秘薬は驚くべきことにミザリィにまでバッチリと効いていた
まさにネアンデルタール驚異の原始薬術

「あ、何!?嫌ぁ!!」

突然猿人達に担ぎあげられ悲鳴をあげる真穂タン
恐竜ママとミザリィにもネアンデルタールの逞しい腕が伸びる
ブチブチブチッ!
原始人は三人の身体を縛っていた植物の蔓を綿のように引きちぎると何とか逃げ出そうと必死になって暴れる恐竜ママと真穂タン
そしてこちらは大人しくされるがままになっているミザリィを広場の一角に組まれた木製の櫓の上に乗せた

「一体何をするつもりなの…?」
「“する”んじゃなくて“させる”のよ」

何とかして体の疼きを止めようと両手で自分の身体を抱きしめながら震える声で呟く恐竜ママに
こちらも子宮の奥で燻る牝の本能に毛皮のブラ越しにもはっきりと分かるほど乳首を勃起させ息を荒げたミザリィが答える

「させるって…?」

高さ1メートル弱
広さ3メートル四方の木製の櫓に乗せられた美女と美少女の周を百人近い猿人が取り囲み
両手を打ち振り足を踏み鳴らして何かを急かすような訴えの叫びをあげている

「どうやら最初は私達のレズプレイを見物して楽しむつもりのようね」
「そんな…出来ません!」

ミザリィの言葉に桜色に染まった頬を一瞬にして蒼褪めさせた真穂タンが叫ぶ

「でもやらないとご主人とボーイフレンドの命は無いわよ」

ごらんなさいとミザリィが指差した先には蔦で簀巻きにされ地面に転がされた宙明少年とその父の姿
その背後にはひときわ逞しいネアンデルタール人の戦士がものごっつい棍棒を担いで立っていた






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