憎たらしいけど憎めない
松田幸久×野田恵


「よっ。変態ちゃん」

コンヴァトの校門で声をかけてきた男性。

「…松田さん!」
「待ってたんだ。千秋、今パリにいないんだろ?オレ、客演で来たんだけど今夜空いてるんだ。飲みに行かない?」
「行きませんヨ!のだめは課題曲の練習をしなくちゃいけないんデス」

くるっときびすを返して歩き出すのだめ。

「あれ〜、冷たいなあ。パリで一番いいホテルのレストランでおごるよ?」

のだめの後ろをくっついてくる松田。

(レストラン…ダメ、ダメです!練習しなくちゃいけないし…)

後ろでちゃりっと金属音がした。

「これ、変態ちゃんちのじゃないの?」

拾い上げる松田。

「・…!むきゃー!返してクダサイ!」

松田の手に握られたのはまさにのだめの部屋の鍵だった。
松田は手を上に上げて、奪い返そうとするのだめを牽制する。

「ちょっとだけ、一杯だけでいいから付き合ってよ〜。久々のパリ初日の夜が一人なんて寂しいじゃん。」
「・・…」 

考えるのだめ。

「ホントに練習があるんで、一杯だけデスよ!
「やったあ♪」喜ぶ松田。

松田が選んだのは、本当に素敵なレストランだった。
高層ホテルの最上階にあり、エッフェル塔やパリの景色が一望できる。
ウエイターにさくさくオーダーを取る姿は、千秋ほどではないがスマートでキマってると思ってしまった。

「さすが女好きデスね。慣れてマスね。パリに来た時の連れこみレストランがここなんデスか?」
「変態ちゃん…オレのこと誤解してるようだね。オレは真面目だよ?今は彼女いないしさ。本当に仕事一筋なんだよ。
このワインは美味しいからちょっと飲んでみて」

松田にすすめられたワインは本当に飲みやすくて食事がすすんだ。

「千秋、もう1ヶ月もいないんだろ?寂しくない?」
「のだめも学校がありますし、課題もいっぱいだから忙しくて寂しがってる暇ないデスよ。
それに先輩は毎日連絡くれてマスし!」
「へえ、意外にマメなんだな」
「ラブラブですから〜」

だんだんといい気分になるのだめ。

(ふわふわして来まシタ…)

「でさ、千秋ってあっちのほうはどうなの?」
「あっちって?」
「セックスだよ!」

ぶはっ!
ストレートな物言いにワインを吹き出すのだめ。

「そっ、そんな事聞かないでくださいヨ!」
「やっぱセックスの時もオレ様なの?自分だけイッたら満足とか?」
「先輩はいつでも素敵デスよ!そんなことばかり聞くならもう帰りマス!」

勢いよく立ちあげるのだめ。

(ほんとに失礼な人!)

バッグを手にとり、歩き出そうとした瞬間、目の前が真っ暗になった…

(千秋…先輩?)

真っ暗な視界の中で、先輩の煙草の香りがした。

「せんぱい…」

ふわふわする。ここは、のだめのベッド?
顔のすぐそばに、先輩の吐息を感じた。
安心する、ゴロワーズの香り。

(先輩、帰ってきたんだ)
(でも、すごく眠い。体が重い。目が開けられない…)

のだめは半分目を開いて、暗闇の中で黒髪を確認すると、近づいてきた唇を受け入れた。
いきなり舌が差しこまれる。深く、深く。

(先輩、お帰りなさい…)

のだめは夢中で自分の舌をからませた。
大きな手がのだめの乳房を包み込む。
ひやっとしたシーツの感触を全身で感じた。

(いつの間に裸になったの…?)

舌を受け入れながら、黒髪に指を差しこみ、キスを受け入れるのだめ。

「ああっ…」

指先で乳首をつままれる。
反対側の手がのだめの内腿に入り込み、そっと脚を開かせた。
指がのだめの大事な部分に入りこむ。
クリトリスの表面を指先でなでられ、くちゅ…っと粘着質な水音がした。

「あ、んふ…っ」

のだめはますます腿を開いて、指を受け入れやすくしてしまう。

その時。

「すごい濡れ濡れだよ、変態ちゃん」
「・…!」

今、この状況で聞こえるはずのない声が聞こえた。
のだめは重いまぶたを見開いた。唇を離すと、長いキスのせいで、唇のはしから糸がつたう。

キスをしていた相手は…松田さんだった。

「や・…っ!松田さん!なんで…」

起きあがって体を離そうとしたが、思い通りに体が動かない。
松田も裸だった。まわりを見まわすと、どこかのホテルの一室のようだ。

「ここはさっきのレストランが入っているホテルだよ。オレはここに泊まってるんだ。
変態ちゃんが気を失ったから連れてきたんだよ」

がくがく震えて、起きあがる気力もない。

「のだめ…どうしてこんな…??」
「覚えてないの?ちゃんとうちに送り届けようとエレベーターに乗ったら、君からオレにキスをしかけてきたんだよ」
「嘘!」
「その上、ズボンの上からオレのあそこまで触ってきて。一緒に乗ってる客もいたから、とりあえず自分の部屋の階のボタンを押して
部屋で落ち着くまで待とうと思って連れてきた」
「嘘デス!覚えてまセン!」

いやいやと顔を振るのだめ。

「オレだって嘘でこんなこと言わないよ。オレは本当に紳士に部屋で落ち着くまで休ませようと思ったんだよ。
ベッドに君をとりあえず寝かせたら、君がいきなり服を脱ぎ出して、オレにキスしてきて…
さすがのオレも、後輩の彼女に自分から手を出そうとはしたくなかったけど…
オレのズボンを最終的に脱がせたのは君だよ」

「いやー!うそデス!」

涙がにじんでくる。のだめ、なんてバカなことしちゃったんだろう…!!

起きあがろうとしたけど、脚がしびれていて、全然思ったように体が動かない。
ベッドに全裸ではいつくばり、涙を流すのだめ。
松田がのだめの肩を抱いて耳もとでささやく。

「まだ当分動けないと思うよ。かなり強い酒だったからね。
…ここまできちゃったら、セックスしてもしなくても、一緒だと思わない?
君はオレの前で自分から裸になって、愛撫されちゃったんだよ。
こうなったら一晩楽しもうよ。千秋には絶対に言わないからさ」
「冗談じゃありマセン!帰りマス…」
「そんなの口ばっかり…体は帰りたいなんて言ってないよ」

うつぶせにベッドに横たわるのだめに後ろからのしかかり、お尻側から陰部に指を差しこんでくる松田。

「あああ・…」

ぴくっと体が動いてしまう。自分でもわかる、相当濡れてしまっている。

「こんなに濡らして…千秋としばらくやってないからだろ?」

松田はひとさし指と中指で大陰唇を挟みこみ、こすりあげる。
ぬるぬると滑って、大きな水音がくちゅ、くちゅと部屋に響き渡る。

「こんなに濡れる子、初めてだな。千秋に相当仕込まれた?」
「ああ、やめて・…やめてください…お願い」
「千秋、まだ一ヶ月は帰って来ないんだよね?こんなになっちゃって、それまで我慢できるの?
秘密にしとくからさ、ここらで発散しておかない?」

松田はいきなり指をぐいっとのだめに差し入れた。

「やああ…!」
「ほら、濡れすぎて指が簡単に入っちゃった。びっくりだよ。
オレの指入れちゃって、こんなに感じちゃったら、もうオレのペニスを入れても一緒なんじゃないかな〜」

からかうような意地悪な口調で松田が続ける。

水音がますます大きくなる。ぐっちゅ、ぐっちゅ。

松田はのだめに後ろからおおいかぶさり、右手をのだめの膣に、左手で後ろから乳房を揉みほぐしてきた。

「やめ…やめて」

搾り出すような声を出すのだめ。
自分でもおかしいと思う。どうして、こんなに体が動かないのか。
頭では千秋先輩に悪い、こんな男に触られたくないと思ってるのに、大事な部分は感覚をなくして濡れつづけてしまう。

「変態ちゃん、実はいい体してるよね。驚いたよ。
でっかいおっぱいに、ピンクの乳首。あそこもじっくり見せてもらったけど、
毛は薄いし、ピンクだし。オレが今まで抱いた女の中でも一、二を争うくらい、いい体してるよ」

松田が甘く優しい声で耳もとでささやく。

「ね…だから、今日だけ、オレと…しよ?」
「あっ…」

くるっと体をひっくり返されて仰向けになる。
松田が何かペットボトルを口に含んで、のだめに口移しする。
口移しされそうなことは途中で予想したが、体が動かず拒否できなかった。
甘い液体が口内に注がれ、ごくんと飲みこむのだめ。
松田の舌がのだめの口内に入りこむ。

(また…ゴロワーズの香り。これのせいで先輩と間違えちゃったんだ)

「この煙草…」
「最近変えたんだ」
「先輩と一緒デス…」
「それは偶然だな」

松田はのだめの首筋にキスしながら髪を指で梳かす。

(なに、普通に話しちゃってるんだろう?なんだか…体がのぼせてて変デス…今、この甘いのを飲んでまた…)

「松田さん、何か入れました…?」
「…は?何って、薬とか?人聞きの悪い。そんなわけないだろ」

手の平でのだめの乳房を包み込み、舌先で乳首を転がす。
この人の愛撫は、千秋先輩とは違うけど…すごく繊細で優しい。

「きれいなおっぱいだね。感じてる顔もすごく可愛い。
どうせ千秋が帰って来ないなら、今だけオレを千秋だと思ってよ」

松田の舌先がつつーっとのだめの腹部を通り、のだめの大事な部分へと近づく。
松田はのだめの両足を大きく広げ、のだめの大事な部分のまん前に顔を近づけた。

「や…、見ないで!見ないでクダサイ!!」

脚に力を入れて閉じようとするが、両足首をつかまれ広げられて思うようにできない。

「どうせさっき見ちゃったよ。ピンク色でちっちゃくて…綺麗で、かわいいよ」

松田はのだめのクリトリスを舐め上げた。

「あああああ、あ・…」

のだめは体中の力が抜けていくのを感じた。快感に全身が支配されている。
舐められた瞬間、腰がベッドから無意識に浮いた。
松田はそののだめの反応を見て、舌を深くのだめの大事な穴に差しこんだ。

「ううーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

ちゅぱちゅぱ、れろれろ、と激しくのだめの穴と周りを舐めまくる松田。
野性的で動物的な愛撫。

「気持ちいい?…すごく良さそうだね。嬉しいよ。千秋は、こんな風に舐めてくれないの?」
「やっ…ああ、はあ…」

顔を左右にふりながら悶えるのだめ。

「千秋はバカだな…こんな可愛い彼女を一人にしておくなんて」

のだめの尻を少し浮かせ、お尻の割れ目まで舌を這わせる。びくびくと揺れるのだめの体。
もう抵抗する気力はどこにもなかった。

(先輩…のだめ最低デス…ごめんなさい…ごめんなさい)

松田の愛撫は執拗に続いた。
丹念にのだめのクリトリスを舐め、舌で転がし、指先でつぶすように押しつけたかと思うと優しくなぞりあげる。
千秋の愛撫も執拗だが、松田のそれはもっと野性的で…でも優しくて…

のだめは快感に声を上げ続けた。

「変態ちゃん…可愛い。もっともっと感じて。こんなに感じる子初めてだよ。オレも気持ちいい」

この人の声はなんて優しいんだろう…
気が遠くなっていく。松田に身を任せる。

指先がふっとのだめの体から離れた。松田を見上げるのだめ。
松田はベッドサイドに置かれた小箱から何かを取り出している。

「あっ…」

のだめは一瞬たじろいだ。

「…入れたい。・…いい?」

松田は一瞬でそれを自分のペニスにはめた。のだめを組み敷く。

「あの…っ」
「やっぱり…ダメ?」

少年のような目で松田がささやく。

「今だけ…変態ちゃんの…いや、恵ちゃんの恋人になりたい」

松田がキスをしながらささやく。

「お願い…」

のだめは頭がしびれて、何も返答できなかった。
気がつくと脚を開かれ、正常位での挿入の体勢をとらされた。
何も答えられないまま、松田のペニスの先がのだめを突つく。

「んっ…!」


その時、のだめの携帯が鳴った。千秋の着信音だ。
のだめははっと我に返って、ベッドサイドのテーブルに置かれた携帯に手を伸ばそうとしたが、
その手は松田に取られてしまった。手をベッドに押しつけられる。

「ダメだよ、千秋…だろ?
今はオレが君の恋人なんだよ。オレだけを見て…」
「やっ…!」


PPPPPPPPP!PPPPPPPPP!

着信音が部屋に鳴り響く。
松田のペニスがのだめを一気に貫いた。

「あああ……!!!」

執拗な愛撫によって濡れまくってしまっていたそこは、のだめの感情とうらはらに
容易に松田を深く飲みこんでしまった

「すげえ・…!!!気持ちいい」

松田がのだめの上で感嘆の声を上げる。

「なんだ・…ココ?すごい、吸いついてくる」
「いや、いやデス…もう…やめて」

松田がのだめの上で動き始める。のだめの中の感触を味わうように、ゆっくりと、でも力強く。
もうくちゅくちゅなんて音ではなく、ぐちょぐちょという水音が響き渡り、
のだめは自分の愛液でシーツがびしょびしょになっているのを感じた。

携帯の着信音が止まった。

(先輩…ごめんなさい。のだめは最低です…)

松田がのだめの両脚を深く抱え上げ、より深くつながる体勢をとる。
また水音が変わり、ぱしゃぱしゃという音になる。

「すごいいいよ、恵ちゃんのココ…最高だよ…すっげえ、本当に気持ちいい」
「んっ、んっ、んっ」

のだめはきつく目を閉じて、早く松田がいってくれることを願った。
なのに体は新たな体液を出してしまっている。水音が変わりながらも出つづける。

「ペニスが真空パックされてるみたいな感触だよ。すげえ気持ちいい。きつい…
千秋はこんな気持ち味わってきたんだ」
「千秋先輩のことは言わないでクダサイ…」

もう今は、先輩の名前は聞きたくない。

「今だけはオレが恋人だもんな…」

松田は泣きそうな表情を見せた。

「恵ちゃん…一晩だけなんてイヤだけど…夢を見せて」

本音なの…?
なんでこの人は時折少年のような寂しげな目をするんだろう。

くるっと後ろを向かされて、バックから挿入される。

「見えなくなれば、オレだって思わないでしょ?」
「ああ、あっ、んっ、んっ」

四つんばいになって胸を大きく揺らし、バックから突かれる。
ギシギシとベッドが揺れる音がする。結合部からぴちゃぴちゃと音が響く。

「恵ちゃん、最高…すごい締まる」
「はあっ、はあっ…ああ、あああ…」

さっきまでは早く終ることを願っていたのに、今はこの人を受け入れつづけたいと思っている?
今度は横向きに寝かされ、側位で挿入される。

確かにのだめは感じてしまっている。それも、いつもよりも…?

「いいよ、これもすげえ気持ちいい…」

横から突つき続ける松田。
指でのだめのクリトリスを愛撫する。

「き…気持ちいいデス…」

小さな声でのだめはつぶやいてしまったが、松田には聞こえなかったようだ。


「恵ちゃん。最後だけ、顔を見てイカせて」

松田はのだめを最初の正常位にした。

「ダメ…?」

また、あの顔。

「いい、デスよ…」
「ありがとう」

松田はのだめの両足をひじにひっかけ、大きく開かせる。
ぬぷ、と音がしてまた容易に松田を飲みこんだ。

「ちょっと乱暴に動くかもしれない…」

松田はいったん完全に抜いて、またのだめの一番奥まで入れて、を繰り返す。
野性的で乱暴な動き。でも…

「ああ!!  ああ!! あああ!!!」

松田のものが奥まで押しこまれるたびにのだめが大きな声を上げる。

「ああ、ほんと、すげえ気持ちイイよ、最高だよ、恵ちゃん」

松田が顔を上気させて動き続ける。本当に気持ち良さそうで…
あの少年のような寂しそうな目が、今は見られなくなって、よかったと思ってしまった。
もう何がなんだかわからない。
ぱん、ぱん、ぐちゅ、ぐちゅ、と大きな音がひびき、ベッドが揺れる。
松田は背中まで汗がびっしょりになっている。

「恵ちゃん、もうオレ…」
「いって…いっていいデスよ、松田さん」
「恵ちゃん…!」

のだめは自分から松田の背中に腕を回して抱きしめた。
その時松田の動きが止まり、のだめの中で松田のものが跳ねるのを感じた…



・・…「夢、か」


松田はホテルのベッドで目を覚ました。朝だ…


足元にはビールの缶が数本転がっている。

「すげえ、リアルだったな」

自分の体やまわりを見渡したが、今のが現実だった痕跡はない。

昨日パリに着き、空港からホテルに向かうタクシーから学校帰りの変態ちゃんを見かけた。
千秋がパリにいないことは知っていたし、夜はなんの予定もなかったから、
変態ちゃんでも一緒に飲んでくれないかな、と一瞬頭をよぎったが…
声をかけることはできなかった。

「いくらオレでもな、憎たらしいけど憎めない後輩の彼女に手は出せませんよ」

松田は部屋に転がったビールの缶を拾い集めながら、窓の外のパリの朝の景色をいつまでも眺めていた。






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