君すごくきれいだ
千秋真一×多賀谷彩子


「君すごくきれいだ・・・。」

音楽室で一人で歌っている彩子の後ろで一人の細面の男が座りながら彩子を見つめていた。
透き通った瞳と端正な顔つき。彩子はその男に見とれながらただ立ち尽くしていた。

「声が」

今を振り返ればそれがすべてを物語っていたのかもしれない。彼は声を愛し彼女は彼を愛した。
二人の気持ちの向かう先は一見お互いを見つめているようで、違っていたのだった。
ただか細い糸のような音楽と言う絆だけがつないでいたのかもしれない。彼女もしくは彼が
もう少し違う気持ちの出会いをしていればこれ以上はないパートナーとなっていたことであろう。

「千秋・・。真一君・・。」

女子の間でうわさになってた彼だ。しかし、よく見ればもっとルックスの良い男はいるし彩子は別に
関心がなかった。ただ夕暮れ時の音楽室で、斜陽が彼を実物以上の男前に見せたのか、音大受験を1年後に
控えている今の状況において自分を認めてくれる存在が心地よかったのか彼女は自分の身の上を話してしまった。

「そうか。でも今のままじゃだめだ。もっと低音域が出ないと。」

少し気持ちがへこんでしまった。

真一は教室のピアノに座り彩子の歌の伴奏をはじめた。

「俺が伴奏やるから、もう一度歌ってみろよ。」

あれから一ヶ月。

特に約束もしてはいないのに千秋と彩子は放課後音楽室で毎日
一緒になって練習をしていた。そして真っ暗になった道を一緒になって
帰って行った。

しかし
彩子が真一より音楽室に先に来てしまうと、今日はいないのかと思い
彼が先に音楽室にいると何をしたらいいのかわからず緊張してしまう。
彩子は声楽の練習よりも彼の事が気になりだしていた。

「だめだ!ヘタクソ!!」

ピアノに座っていた真一は楽譜を床にたたきつけた。
彩子の肩がこわばる。

「お前!何を見ているんだ!?ちゃんと俺のピアノに合わせろ!!」

「・・・・だって。だって・・・。」

彩子は立ちすくみながら顔を真っ赤にして床に大きな涙を二つこぼしてしまった。

それを見た真一は自分がしてしまったことを振り返る。音楽のことになると
周りが見えなくなる。自分で自分のことが少し怖くなった。

真一は彩子の両手をやさしく握りしめた。

「ごめん・・。言い過ぎた。」

彩子はその手を振り払うと音楽室を出て行ってしまった。

その次の日は雨だった。
真一は誰もいない音楽室で雨の音を聞きながら
デタラメにピアノを弾いていた。

「雨とピアノの協奏曲」

その音は雨のしずくを縫うように音楽室から漏れていた。

この音が彩子の耳に届いているかな・・。

この音が彩子の耳に届いているかな・・。

「今日も俺はここにいるんだよ。」

言葉にならない声が音楽室から響いていた。

彩子は自宅のベットで仰向けになっていた。
制服も着替えず窓の外から漏れる雨音を静かに聞いていた。

「今日は真一君いるのかな・・。」

彩子は真一のことを考えていた。今日何事もなかったように音楽室に行けば
彼にあえたかのなと考えていた。

でも彼に今会えば彼に対する気持ちが爆発してしまいそうで怖かった。
なぜなら彼は音楽に対して真剣で剥き出しである。自分も彼と一緒にいると音楽に対して
真剣に向き合えその気持ちを剥き出しになるが、同時に彼への思いもあふれんばかりに剥き出しに
なりそうだった。

「もっと私のことも見てよ!私にやさしくしてよ!!」

そんな言葉を言ってしまいそうだった。

まだメールアドレスも交換していない。
デートもしていない。
そんな相手にそんな言葉を言える立場じゃないのに・・。

あの時握ってくれた両手の感触は一日たっても残っていた。

彩子はその手の感触を覚えながら、左手を自分の制服越しの胸に押し付けた。

「真一君の手・・・。」

彩子は真一の手が自分の胸を触るような場面を頭で想像し続けた。

あの音楽室で二人でいる場面を・・・。

右手はブラウスをなぞりスカートに届きそのすそをめくり上げ
白いパンティーの中心、肉付きがよく少し膨れ上がった所をやさしくなぞった。

一方、真一は教室でピアノを引き続けていたが
その手をやめてしまった。

「彩子・・・。」

彼女の手をさわってしまった。
やわらかく白い肌。
細長い指。

鍵盤のふたをしめ、頬をそこにつけ窓の雨音を見ていた。
彩子がここにいたら・・・。そう考えると
真一の股間は次第に大きく膨れ上がってしまった。

「彩子・・・。」

真一の手は彩子の手のぬくもりを覚えながら、彼のそのこわばった部分へ
流れ込んだ。

目を閉じると彼女が見える。もし今日彼女がいたらきっと・・・。
そんなことを考え彼は彼自身をやさしく慰めた。

雨音が二人をつなぐ。
葉に落ちたしずくが地面にたれた。

熱いシャワーだ。

バスルームの外では洗濯機が勢いよく周り、リズミカルに音を出していた。

彩子は火照った体を冷ますために熱いシャワーを浴びた。
指先や太ももについていた自分の体液がさらりと流れ、体をつたい
排水溝へ流れて行く。
泡の付いたスポンジで足から下腹部、胸、脇隅々を洗い流した。
だがバスルームにある鏡に映った腫れた目元は洗い流せなかった。

バスタオルで体をよく拭き新しい下着と服に着替え、部屋の時計を見ると
時間は5時だった。

「微妙な時間。」

彼女はそうつぶやいた。でも今から学校に行けば6時に着く。もう少し
歌を歌いたい。

父親のやっている会社の知人がよくくるこの家では
声楽の練習などあまりできなかった。彩子の練習場所は学校か習いに行っている
先生の教室のどちらかだった。先生の教室の方が家から近いし、ちゃんとした練習
ができるはずだ。しかし彼女は選んだ。

「ヘタクソ」

真一のこの言葉が彼女の頭から離れない。
悔しい
悔しい
悔しい

「もっとがんばって見返してやるんだから!」

今から向かって6時について、完全に閉校する8時まで2時間ある。
2時間でも練習したい。音楽にしがみついていたい。
この2時間で何かが変わるかもしれない。

(もしかしたら真一君にあえるかもしれない)

そんなわずかな期待とともに彼女はもうすでに暗くなった道を一人で
歩いて行った。

ずんずんと暗い廊下を彩子は歩いて行った。
構内は誰もいない雰囲気があった。

(真一君にはあえないかもしれない・・・。でも・・。)

音楽室ももうしまっているかもしれない。練習もできないかもしれない。
彼にもあえない。薄暗い雨の中を一人で馬鹿みたいと自分で自分を責めて
しまいそうな気持ちをこらえて彼女は一人で音楽室を目指す。
こんな自分を誰かが見て「何がんばっちゃっているの?」なんていわれたら
大きな瞳から涙があふれ出てきそうだった。

ガラガラ
音楽室は空いていた。
真っ暗い教室。
ポツンとピアノだけがそこにいた。

彼女は少しショックだった。彼がいなかったから。

でも・・・・。

彼女は電気をつけ、楽譜を取り出し、一人で発声練習をはじめた。

「きっときっと届くよね・・。この声は!」

彼女にかかっていた重い雲のような雰囲気がぱあっと開けて、澄んだ青空が広がるイメージを彼女自身が感じていた。

彼女が得意とする高音域の効いたビブラート。
広がる様な声は日本のような海に囲まれた湿度の多いジメジメした国ではありえない声だった。

ガラガラ

そこにはコンビニの袋を持っていた真一がいた。

「彩子・・・。」

「うそ・・・、信じられない!」

自分の歌声が彼を呼んだと錯覚したような出来事だった。
自分が歌を歌ったから彼が来てくれた。
彩子は両手で顔をおさえ、立ち尽くしていた。

「肉まん・・・。買ってきたんだけど。食うか?」

真一は少し照れながら、横目で彩子をみていた。

充実した2時間はあっという間に過ぎ去った。
真一は音楽にしがみつこうとした彩子の気持ちを感じ
彩子も真一のひたむきな情熱が伝わった。

雨は止み大きな水溜りが、雲の間から見える星空を映していた。

今日はいつもの一緒の帰り道のはずなのに話題が尽きなかった。
すでに知っている話を何度もした。

学校の出来事
ヴィエラの話
彩子の実家の会社のこと
好きな音楽家のはなし
自分は指揮者になりたいと言うこと

そんな話はもう知っているのに真一は会話のネタを必死に探し
彩子はそれを真剣に聞いていた。

二人とも今日この時間がずっと続けばいいと思っていた。
だから真一は聞き飽きた話題も必死に続け
彩子もそれを聞いていた。

真一は改めて自分が音楽の事しか知らない人間だと自覚した。
もっといろいろな事が知りたい。知ったらもっと彩子と話ができるのに。
だがお互いどうでもいい話ばかり続けると肝心な事は聞けなかった。

「お互いの気持ち」とか。

次第に大きくなる胸の鼓動が彼女に伝わりそうだった。
それは彼女も同じだった。

いつもの帰り道の誰もいない公園に入った。

「真一君。私のことをどう思っているの?」

彩子は唐突に真一の話を遮り聞き出した。

「どうって・・・その・・・あの。」

彩子は返答に困っている真一に抱きつくと真剣な顔で声を出した。

「私、あなたが好き。」

彩子はこの言葉をいえるのは今日しかないと感じていた。
今日もしこの言葉が言えなければ、明日からまたただの
音楽友達だ。お互いを音楽抜きで見つめ合える時がきたのは
初めてだったので彩子はこの状況を敏感に感じ取っていた。

真一は学校では女子にちやほやされるが、抱きつかれたり
直接真剣なまなざしで「好き」と言われたのは初めてだった。
ほかの女子の態度は動物園にいるレッサーパンダを見つめるような
感じだと思っていた。「千秋様」と呼ばれていても
それが自身の深い部分を指している言葉じゃないことは
気がついていた。同時に少し寂しくもあった。

「真一・・・君。真一君の胸すごいどきどきしている・・・。」

彩子の胸が当たると、ドキドキドキと大きな心臓の音が伝わった。
彩子も真一の胸に耳を当てていたので彼の大きくて早い心臓の音
を聞いていた。

シャンプーのいいにおいが真一の鼻をくすぐった。
やわらかい細い体に触れられ
真一は自分のあそこが大きくなって行くのを感じていた。
そのこわばりは制服をズボンの一部を大きくこわばらせ
彩子の大事な部分に触れそうなほどだった。

「あっ・・・。」

二人は体の異変に気づき戸惑う。
今日彩子がくる前に散々もてあそんだそれがいまだに
元気を出していると言うことは・・・。
彩子の目をあわせられない。

彩子の方も再び自分のヒダが潤われむずむずした感覚に襲われて
もうどうしたらいいのかわからなくなっていた。

「私知っているよ。男の人はHなこと考えるとどう・・ん・・・う」

真一はそう答えると彩子の唇を自身の唇でふさいだ。
真一の舌が彩子の舌をなめ回す。
女を知らない真一は女性の体が同じように
一部が膨れ上がり、透明な体液を出していることを知らない。

彩子のさっき取り替えたばかりの新しい下着が濡れ
ヒダが合わさる部分が硬く張り詰めていることも。

「はあ・・はあ・・。彩子・・・。俺も君が好きだ・・。」

薄暗い通りは人通りがなく、ただ二人の息遣いだけが聞こえてくる。
真一は普段のクールさを完全に失っていた。
妄想にふけっている時だけに見えた女の体が今ここにある。
いつも隠れてこっそり見るアダルトサイトのモザイクで
見えない部分がここにある。

真一は唾液でべとべとになりながら激しく唇と舌を合わせ
右手で彩子のスカートの中を探り彼女の下着越しから彼女の尻を触っていた。
その手は尻の割れ目に忍び込み、彩子の濡れている部分に到達した。

「あっ・・・!!ふう・・・・ん・・・ん!!」

真一は初めて女性の性器に触れた。それはやわらかく底のない深い沼の様な感触だった。

そして指先に湿りを覚えた。

「濡れている」

くだらない男友達のシモネタ話で聞いていたことはあったが本当に「濡れている」
やわらかいその部分から手を引き抜くと
彩子のしっとりとした愛液が人差し指と中指についていた。
二つの指をゆっくり離すと糸を引くように湿った部分がのびていった。

真一は何か不思議なものを見るようにまじまじと観察をした。
自分の出す精液に似ているようだったがそれはすぐ乾きさらさらとした状態になった。

「はあはあはあ!」

彩子の激しい息遣いはとまらず、仕返しとばかりに真一のズボンへの侵入を試みた。
ベルトを少し緩め、その上から大胆に手をいれ真一の性器をすべてわしづかみにした。

「お返しだからね!」

真一のやわらかい二つの丸いモノが入った袋を揉むと真一は
少し顔をゆがめたが彩子を抱きしめた。

「彩子・・。少し痛いよ・・。でも、気持ちいい・・。」

真一の手も彩子の性器へ再び進入をした

「はあ・・・はあ・・はあ・・真一・・・気持ちいいよ・・・。真一・・大好き・・・。」

彩子の細長い指が真一の大きくなったペニスの先をつかむと
真一のその先端からでたぬるっとしたものに触れた。

「真一も・・・はあはあ・・・濡れてる・・・。これが精子?」

もう二人とも頭がおかしくなりそうなほどの興奮に襲われ
普段は口にしないような言葉を軽軽しく言った。真一はそれが
我慢汁だということを教え、精液ではないことを言った。

「真一・・もう・・・我慢できない・・。ここで脱いでHしたい・・・。」

真一はチャックを開け大きく勃起したペニスを露出して、彩子を後ろから
抱きしめた。彩子は下着をはいていたが、彼女の肛門から秘所にかけて彼の
性器がなぞると身もだえてしまった。そして彼女の膣の入り口を下着越しから
ゆっくりついた。
真一の性器が彼女の下着をおし当て、下着が彼女の膣の入り口を押し当てる。

「ああっ・・・・!あああん!!」

真一の両手は彩子の胸をわしづかみにして、親指と人差し指で彼女の乳首丁寧に撫で回す。
そして彼女の耳たぶをやさしく噛みついた。

「はあああん!!耳はだめえ・・・・!!感じちゃう・・・!!」

真一の激しいキスで彩子の耳や口元は唾液でべとべとになっていた。
彩子は真一の性器を感じ取るため自ら腰を真一の性器へ押し当てた。
もう少し激しく動いてしまうと、下着の脇からするっと膣に入ってしまいそうだった。


「はあはあはあ・・・だめだ・・彩子・・・。やっぱりここではやめよう・・。それにちゃんと避妊しなきゃ・・。」

「・・・うん。」

「今日、お友達の家に泊まるからね。」

携帯電話でそんな嘘をつく彩子。
コンビニの自動ドアが開き
恥ずかしそうに真一が出てきた。

「初めてだったからすごい恥ずかしかった。」

真一が小さな紙袋に包まれたものを彩子に見せた。
それはコンドームだった。
学校のアイドル「千秋様」がコンビニでコンドームを買う。
ありえない事が今起きている。

初めての告白から時間後、二人は裸で抱きしめ合っていた。
ホテルにはコンドームが用意されているなんて二人は知らなかった。

「でもいっぱいHできるね!」

と明るく笑顔で言った彩子は真一のペニスを
つかんで、膣に挿入させようとしていた。






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