のだめカフェ
千秋真一×野田恵


「おかえりなさいませ、御主人様♪」
「はぁ」

自分ちのドアを開けたら見慣れない格好をしたのだめがいた。
黒のワンピース(襟だけ白く前ボタン仕様・パフスリーブ・スカートはふんわり膝丈・スカートからは白いペチュコート)
黒いハイソックス(微妙に素足が見える)
白いエプロン(ハイウエストだから胸が異様に強調されてる)
頭にはナースキャップみたいなこれまたフリフリ仕様のカチューシャ?が乗っている


「なんなんだその格好・・・」

・・・まるでメード?

「ニホンで今流行のメイドカフェですよ〜御主人様。うきゅ♪」

・・・やっぱり

「それは何となくわかる・・・わかる・・・が、なんでそれをお前が俺んちでやってんだ?その意味は?」

こいつに意味を問い質したところで、まともな答えなんて返ってくるはずなんてないのに聞ずにはいられなかった。

「簡単デス。御主人様にニホンを懐かしんでもらおうと思ったんデスよ。妻の愛デス〜」
「はあ?誰が妻だ。それになんでメードカフェで日本を思い出すんだよ。そんな奴お前と同類のアキバ系オタクぐらいだ!」

大人気もなく声高に叫んでしまった。

「だってネットでみたらニホンで流行っててすごく男の人が癒されて喜んでるって書いてあったんデスよ。のだめも最近お疲れ気味の先輩を癒そうと思ってがんばってみたんですヨ。気に入りせんでしたカ?」

小首を傾げて白いレース仕様のエプロンをいじいじと触るのだめ。

くそぅ。可愛いじゃないか、変態の癖に。気に入ったに決まってるじゃねえか。
思わず緩みそうになる頬を引き締めて出来るだけ素っ気なく聞く。

「ふーん、で、その服はどうしたんだよ?」

さっきのいじいじは演技かよ!と突っ込みを入れたくなるくらいに、にっぱーっと笑って自慢気に

「ヨーコに作ってもらったんですよ。似合いますか?」

言いながら両手でスカートをつまみ上げてくるりと回ってみせた。
黒いスカートからでるレースとハイソックスの間、わずかに見える脚がなんともいえない。

「ヨーコったら千秋くん好みにvってのだめの頼んでたのよりスカート丈を短くしたんデスよ。Hですよね〜うきゅ」

・・・おい、待て。なんでお前の親に俺の好みがバレてんだよ。
いいのかよそれで、お前の親は?
突っ込みどころが満載過ぎて、もうどうでもよくなってきた。
そうだ、俺はここのところ毎日毎日本当に忙しくて、心もささくれ立つ寸前だったんだ。
お誂えむきにのだめが珍しく気を使って癒してくれると言うなら癒してもらおうじゃないか!
日本には据膳食わぬは男の恥って言葉もあるしな。
あーもう面倒だ!

まだくるくると回っているのだめを抱き抱えてベットに運んだ。

「ぎゃ〜何するんですか先輩!」

手足をばたつかせて抗議している。

「先輩じゃないだろ?御主人様だろ?」
「あー、えー、はい」
「お前俺を癒してくれるだよな?御主人様の命令は絶対なんだよな?」
「え、えっと・・。命令によりけりデス。・・・やだ先輩顔怖いデスよ」

怯えるのだめをよそにベットに組敷く。
もう理性もプライドもふっとんだ。
こんな格好してるこいつが悪いんだ。
俺は御主人様なんだからなにやっても許されるんだ。
自分自身に言い聞かせてのだめにキスの雨を降らせた。

「だーダメです。先輩!」
「なんで?」

指はもうワンピースのボタンを外しに掛かってるのに。
下半身はもう準備万端なのに。
今更お預けとかふざけんなよ。

「ダメですって。のだめカフェは今から開店なんデス。これからまだ他の御主人様がいらっしゃるんですヨ」

はぁ?今なんて言った・・・他の御主人様って・・・はぁ?・・・何考えてんだこいつ

「他って誰だよ」

努めて冷静な声で聞いた。
腹腸は煮えくりかえっていたけど。

「えと、黒木くんとポールデスよ」
「なんで?」
「えっ。なんでって黒木くんにはニホンを懐かしんでもらうためデス。ポールにはニホン文化をより理解してもらうためデスよ。いわゆるのだめは親善大使デスね」
「・・・」

馬鹿だこいつ。
あー腹立つ。
なんでわざわざ彼氏の家で他の男にこんな姿見せた上に御主人様なんて呼ぶんだよ。
あーもう許さねえ。
絶対こんな姿見せてたまるか!
見せれない様にしてやる。
呆然とのだめの受け答えを聞いてる間止まっていた指を、俺は忙しなく動かしだした。

「もう、先輩ダメですって」

無視

「ぎゃーーーー。イヤだって言ってるデしょ」

ドカッ

ピーンポーン

のだめの蹴りが鳩尾にクリーンヒットしたと同時にチャイムが聞こえた 。
ベットの脇で痛みのため蹲る俺をヒラリと跨ぐと一瞥して玄関に走るのだめ。
そして聞こえた。

「おかえりなさいませ。御主人様〜♪」

絶対許さねえ。
覚えてろよ。
今夜はお仕置だ!


「め、恵ちゃん・・・その格好・・・」
「ひゅ〜のだめ可愛い!」

正反対な反応が玄関から聞こえてくる。

「どうぞ〜御主人様」

それに答えるバカのだめ。
このまま放って置くとなにをしだすかわからないから、まだ痛みの治まらないみぞおちを押さえながら俺は玄関に向かった。

「いらっしゃい」

おもいきり不機嫌な顔と声で出迎える。
俺が纏う負のオーラとのだめの異様な格好に黒木君はただならぬ何かを感じ取ったようだった。

「ち、千秋くんこんにちは。あー、め、恵ちゃん折角呼んでもらったんだど、ぼ、僕ら急用が出来たんだ。な、ポール!」
「えーヤス。何急用って。今日は一日ゆっくり出来るって言ってたじゃないか!」
「いや、出来たんだ。ごめん。千秋くん恵ちゃん。僕らこれで帰るよ。じゃまたね」
「あー黒木君、ポールまたガッコで〜」

扉から体半分出してのだめが手を振る。
俺はポールを引き摺った黒木君の背中に「すまん」と心の中で手を合わせた。

ドアを閉め部屋に戻りながら

「黒木君どうしたんですかね〜。お腹でも痛くなったんでしょうかねえ。あんなに急いで」

人の心配はいいから今からのお前は自分の心配をしろ。と言いたいところをぐっと堪えた。

「やだ先輩また怖い顔してーハンサムなお顔がだいなしデスよ」

そう言って俺の頬をぶにゅっと抓った。

誰が台無しにしたんだよ。
久しぶりに二人でゆっくりしようと思ってたのに。
恋人に蹴りを食らわすような女はこうしてやる。

再度心の中で手を合わす。
今度はのだめの母であるヨーコさんに・・・折角作ってもらったものだけどこれを着るこいつは危険過ぎるからこうさせてもらいます。

「こい」

玄関からのだめをベッドに引っ張りそのまま押し倒した。

「ぎゃー何するんデスカ」

軽いデジャヴ。鳩尾の痛みが甦る。
くそう。
怒りに任せワンピースの前ボタンを襟元から左右に一気に引き裂いた。

ブチブチブチ

ぎやー

ボタンの飛び散る音とのだめの絶叫がユニゾンする。

「な、何するトですか」

頬は怒りと恥ずかしさでか赤くなっている。

「ナ・ニ・するんだよ」

自分でもわかる程、意地悪に微笑んだ俺は。
驚きのあまりのだめは次の言葉が継げず押し黙ってしまった。

のだめに覆い被さり、さっきみたいに蹴りを食らわないように片足で股を割る。
膝をのだめの敏感な部分にわざと当たるようにし、腕だけワンピースから脱がせ、暴れないように頭上に縫い止めた。
中途半端に脱がされたワンピースは腹の辺りにある。

準備が整いキスを落とそうとしたらおもいきり顔を背けやがった。
ふーん、そっちがその気なら俺も鬼になりきれるってもんだ。
左手はのだめの両手を頭上で捕らえたまま、右手は顎を掴んだ。

「いや・・・」

強引に正面を向かせ抗議の言葉を発する愛らしい口を塞ぐ。
固く閉じた唇をこじあけ舌を捩じ込む。
逃げ惑う舌を追いかけ捕まえ搦めとる。
口内を蹂躙する間も右手は忙しなく胸を揉みしだく。左手の拘束は解かない。
股に割り入れた膝でぐりぐりと秘所を擦ると腰が僅かに動いた。

感じてきたかな?

可愛らしい喘ぎ声が聞きたくて口内の蹂躙をやめ腕の拘束も解いた。
そのまま唇と指を顎から首筋、胸の頂へと這わす。
なのにのだめの奴口を真一文字に結び、俺を睨んでやがる。
ふーん、面白いじゃねえか意地でも感じないつもりだな。
いつまで我慢出来るかお手並み拝見だ。

頂を口に含んだまま、指先は脇腹をそっと擦る。
脱がしきっていないワンピースが邪魔だけど、黒に白い肌がやけになまめかしく映る。
捲り上げられたスカート部分から見える脚も卑猥でいい。

脇腹から内腿に移動させた指は怠惰に熱を誘うように動かす。
ぴくりぴくりと小刻みに揺れる躰。
早く快楽に身を委ねればいいものを。
お前のそんな態度が一層俺を駆り立てるってまだ気付かないのか?

ショーツの上から人差し指で割れ目をそっとなぞる。
表情を窺うと我慢のあまり眉間に皺が寄っていた。
唇は相変わらず引き結んだまま。

これでも我慢出来るか?
指の代わりに次は舌で割れ目をなぞった。
ショーツが湿り気を帯びてゆく。
あーあ、躰はこんなに正直なのに

「のだめ声聞かせて」
「い や デ ス。の だ め お こ っ て る ん デ ス。 せ ん ぱ い ヒ ド イィ」

喘ぎにも似た声でとぎれとぎれ答える。
可愛くない。

「あっそう。俺も怒ってるから止めない」

クロッチ部分を端に寄せ指を入れると溢れ出した蜜でぐっしよりしていた。
こんなになってるのにまだ強がるか?
仕方ない。
俺は一気に二本の指を秘口に差し入れた。
すでに潤っているそこはあっけなく俺の指を飲み込む。
壁をさすってやるとほら、腰がゆるゆると揺れだした。
片手で花弁を擦りながら二本から三本に増やした指を忙しく抜き差しすると・・・

あ、きつくなってきた。
イキそうだな。

のだめの躰が硬直しそうになる寸前に指を引き抜く。
突然絶頂の寸前で快楽を取り上げられたのだめは唖然と俺を見ている。
俺も暫く熱に潤んだのだめを見つめ返した。
のだめは恥ずかしくなったのか気弱そうに視線と共に躰ごと横を向いた。

やっと可愛くなってきたな。

耳元で優しく呟く。

「どうするもう止める?」

フルフルと首を振る。

「じゃあどうして欲しい?」
「・・・・・」
「口で言わなきゃわからない」

今日はどうやってものだめ口から言わせたい

「カズオ・・・」
「じゃあ止めよう」
「・・・ィレテクダサィ・・・」

小さな小さな囁くような声。

「なにを?」
「イジワル」
「どうせ、カズオだし」
「・・・真一くんのをのだめに・・・入れてクダサイ」
「うん、良く言えました。じゃあ俯せになって」

いわれるままコロリとひっくり返るのだめ。

「で、膝立ててもっとお尻突き出して」

着けてる意味のないぐっしょりとしたショーツの紐を外し外気に晒された、愛らしい尻を一撫でするとそれだけでフルルと腰を揺らした。

正直俺も、もう入れたくてうずうずしている。
さっさと下半身を覆っているもの全てを取り払い、屹立した自身にゴムを填めた。
突き出され丸見えになっている秘口の潤いを確かめるためぺろりと舌で舐めあげると、

「あっ、うー」

漸くのだめの口から喘ぎが漏れた。
軽くゴムを填めた自身をのだめの花弁に擦り付け蜜を付着させる。
喘ぎ声と共にユラユラと揺れる腰を押さえつけ一気に挿入した。

イク寸前だったのだめの中はいきなり俺を締め付けてきた。
さっき焦らした仕返しのように・・・。

腰をきつくのだめの尻に打ち付けるといやらしい水音とのだめの汗ばんだ声が響く。
何度かに一度深く突き入れては止め、背後からのしかかり胸を揉む。
激しく出し入れしては、また深く突き入れ腰を捕らえ花弁を擦る。
のだめの声は一層潤いを帯びてくる。そして、俺への締め付けも一段ときつくなる。
繰り返し繰り返し獣のような格好で繰り返される行為にそろそろお互い限界が見え始めた。

「まだ、イクなよ」

一言告げると、自身を抜きのだめを仰向けに転がした。

いきなり目が合う。
何か言おうとする(たぶん2度も取り上げられた絶頂への抗議だろうと思うが)口を塞ぎ、もう一度今度はのだめの顔を見ながら挿入すると一気に突き上げた。




放心状態ののだめの耳に囁く。

「やっぱり最後はお前の顔見ながらイクのがいいな」
「・・・センパイハヤッパリカズオデス」

翌日珍しく俺より早起きしたのだめがなにやら俺のワードローブをごそごそしている。

「おはよ、何やっての朝から?」
「オハヨウゴザイマース。いえね、昨日のだめがセンパイをメイドで癒してあげましたからお礼をしてもらおうかと思いましてネ」
「はー?」
「今、池袋通称乙女ロードでは”執事カフェ”なるものが流行ってるらしいんデスヨ。で、センパイにもこれを着てもらって執事さんやってもらおうとおもったんデスヨ」
「はーーーーーーーーー?馬鹿じゃねえのお前。なんで俺が執事ぃ」
「センパイ、そんなこと言えるんですか?昨日のだめにしたことをヨーク思い出してクダサイ。ある意味あれはハンザイですよ?この程度で水に流してあげるんですから有り難いと思ってクダサイヨ」
「・・・・・」
「ハイ。では、これ着て」

手渡されたのは俺の大事なフォーマル燕尾。
なんでこれ着て・・・

「爽やかににこやかに微笑んでクダサイね。そして、のだめのことは”お嬢様”って呼んでくださいね!」

暫く放心状態のままベットに腰掛けていた俺の頭上に

「あー先輩に言ってませんでしたっけ?のだめの座右の銘は”目には目を、歯に歯はを”のハムラビ法典なんですよ〜以後気をつけて下さいネ。ウキュ」






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