離れたくない
千秋真一×野田恵


「先輩…離してください…!」
「やだ」

「もう、ほんとにぃぃ離してってば!」
「嫌だ」

「はぁっ…!もう…!!」

なんとか逃れようと身をよじるのだめだが男の力には敵わずに、ため息を付きながら千秋を睨み付けた。

千秋の部屋のベッドの中
いつものように情事を交わした二人だが、その日の千秋は飽く事も無く、何度でものだめを求めた。
三度目を終え、そろそろ明日の学校に備え、準備をしようとするのだめを後ろから抱きしめ、離そうとしない千秋だった。
最初は、いちゃいちゃの延長だと思っていたのだめだったが、あまりにもしっかりと抱き、離そうとしない千秋とのやりとりに疲れ果てていた。

「もう、いい加減にしてください先輩!のだめ怒りますよ!」
「別にいいよ」
「なんなんですか…もぉー…」

思い返すと今日は最初から違った。
いつもは、最中でものだめを労わり、性格に似合わず甘い言葉をささやいたりする千秋も今日はただ無言で、強引に事を進めていた。
それは、まるで動物のようで、それでいて背徳的な雰囲気で、一時はのだめを酔わせたのだが流石に今の状況は少し異質だ。
あまりに力強く抱きしめられ、息苦しくなると同時に言っても無駄だと悟ったのだめだった。

「もう分かりました。のだめこのまま寝ますよ。トイレもここでします。いいんですね!?」
「それは困るけど…」
「もう聞こえまセン!!ぐーぐー」
「俺も寝る…」

「寝ちゃダメですヨ!」
「ここにいてよ」
「いるじゃないですか…」
「もっと…」

「のだめ明日学校デスから…」
「離れたくない…また明後日からツアーだし」
「たった一週間じゃないですか」
「長いよ」

「どしたんですかー急に…」
「お前が…悪いんだ」

(フランクと…いつも一緒に…)

「なんでのだめが悪者なんですかー!」






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