さやか・ふたなり
美樹さやか×鹿目まどか


睡魔は待てども暮らせど、一向に訪れなかった。ベッドに潜ってどれほど時間が経ったのか、考えるだけでも億劫だったので、ただ無心に目を瞑る。
瞼に閉ざされた暗闇に浮かび上がるのは、数時間前に繰り広げた魔女との戦い。今回辛くも彼女は勝利したものの、手には肉を切った感覚が、耳朶は魔女を断末魔を確かに記憶していた。暗黒の世界は、それらを克明に蘇らせる。
背筋を悪寒が駆け抜た。胃の腑からは不快感が込み上げてきて、思わずベッドから飛び出したさやかは、ゴミ箱へと胃液を吐き出していた。
魔法少女の宿命がもたらす過度のストレスは、彼女を限界近くまで追い込んでいた。ただでさえ多感な年代の少女に、この役目は重すぎる。それを十二分に理解した上で構築されているシステムなのだから、悪辣の一言に尽きるものだった。
けれど彼女は、望んでシステムの上に立ってしまった。あくまでもそこには彼女の自由意志があったのだから、彼女はシステムの悪辣さを責めれば、自己の愚かさも認めることになる。
逃げ道を奪われた上で、破滅への片道切符を彼女は握らされていた。
誰が言ったか、魔法少女に救いはないと。さもありなん。魔法少女とは単純な効率を重視したシステムであり、契約する少女たちはラインの上を流れる製品でしかないのだから。

(もう、嫌だよ)

ゴミ箱を両手で掴んだまま、さやかは慟哭する。体が芯から凍えていくのが分かった。絶望や希望。様々な思考が頭の中でゴチャゴチャになって、頭痛がしてくる。
その頭痛を取り払う手段を、彼女は一つ知っていた。
自分だけなのか、それともマミさんや転校生も“こいうこと”をやっているのか、それは分からない。
直感的にこれはイケナイコトで、間違っていると彼女は思っていたけれど、一度知ってしまえば溺れるのは早かった。
才能があったのかもしれない。それはきっと、彼女が望んだ類の才能ではなかっただろうけど。

ソウルジェムを取り出したさやかは、意識を集中させる。
彼女達の地区を担当するインキュベーターも驚いていたのだが、美樹さやかは肉体制御系の魔術行使に関して驚くべき適正を示していた。
彼女は自己の肉体構成を徐々に、無理のない速度で改変していく。
早すぎず、遅すぎず。そのバランス感覚は、彼女のセンス所以だろうか。数十秒と待たずに彼女の寝間着の股間部分は、下から押し上げられていた。
寝間着のスボンとショーツを足から抜き、下半身だけを空気に晒す。暗闇にぼうと浮かび上がる彼女の下半身は、ひどく歪な美しさだった。
ひっそりと閉じ、未だ穢れを知らない淑やかな秘所。そこのやや上方でそそり立っているのは、少女の肉体にとっては明らかな異形。

(あたしの、おチン○ン)

醜悪な肉棒が、彼女の股間に陣取っていた。
まるで別の生き物のように、ピクリピクリと、何かを期待するかのように脈動している。
正体は肉体制御によって肥大化した性感帯。さやかであれば形を変えずに感度だけを調整することも可能なのだが、彼女はこれを気に入っていた。
刺されるよりは、刺すほうが好みだったのだ。
彼女は幹の部分に指を絡め、上下にスライドさせる。

(気持ちいい。おチン○ン気持ちいいよぉ!)

体をくの字に曲げ、ギュッと唇を噛み締めながら彼女は快楽を貪る。
敏感に調整された性感帯は、真っ当なマスターベイションで味う合うことの出来る快感を、二桁の倍数で超えていた。
どんなアルコールやドラッグよりも強く、脳を刺激する快感に抗う術を、当然のように少女は持っていない。
華奢な体が押しつぶされてしまいそうな、過度なストレスから逃れるために、彼女は異常な自慰行為に没頭していった。

右手で肉棒をさすりながら、左手の中指を膣口に押し当てた。既に必要十分な湿り気を帯びていた秘所は、指の一本を難なく飲み込む。
浅く挿入された指先は、敏感な粘膜を刺激し、肉棒とはまた別種の刺激を彼女の脳裏へと刻みこむ。
二種類の異なる刺激がない交ぜになる感覚は、決して常人では味わうことは出来ないし、耐え切れることも不可能だった。
けれど、彼女の言うところの奇跡と魔法はそれを可能にする。
指を浅く抜き差しながら、リズミカルに肉棒をさする。あまりに許容量を超えた感覚に、目眩がしてしまいそうだった。

(気持よすぎて、気持よすぎて変になっちゃう!)

あまりの快感がもたらす熱に、体が溶けてしまったようだった。ただ下腹部から送られてくる快美感が、全てを支配する。
まるで自分が快感を感じるだけの生き物になってしまったかのような錯覚に陥るが、それでも構わなかった。

「あッ、くぅ!」

思わず声が漏れでてしまう。
既に肉棒は限界を超えて膨張していて、膣内も異様な熱を持っていた。
限界の限界を超えて、決してたどり着くはずのない天井がさやかの前には待ち構えている。
思考さえもどろどろに蕩け、ただ一心に彼女は快感へと没頭していった。
肉棒をさする速度を倍加させ、同時に膣内へと指をもう一本挿入する。
とろとろ膣口から垂れ落ちる愛液と、肉棒の先から滴るがまん汁がカーペットを汚すが、それを気にしている余裕など無かった。
ただ一点へと向って、駆け上がっていく。

「う、つぁぁ!」

息が苦しかった。ひどく酸素が薄いような気がして、自然と息が荒くなる。
室内に充満するのは、春先の冷気とは異なる、粘着くような熱気。
額に汗を浮かべながら、息を荒げ、一心不乱に少女は二つの性器を刺激する。二本の指を歓喜しながら女性器はくわえ込んでいて、男性器はほっそりとした少女の指に急かされるように、硬度と体積を限界まで増加させている。
その光景はひどく歪だった。どこかが確実に狂っていると、誰でも分かる。

(駄目、駄目。これ以上は、もう――――)

ラストスパートによって送られてくる快感は、そう長い間耐えていられるものではなかった。
決定的な何かが、下腹部から津波のように押し寄せてくる。

「う、ひぐぅぅッ!」

肌が粟立ち、視界が霞む。体の回路が次々と断線していくような錯覚が連鎖し、びゅるっと飛び出た射精感に身震いをした。
そんな全てから解放されたような光悦感に浸ったのも束の間。
押しかかってきた途方もない脱力感に、さやかは気を失うようにベッドへと倒れこんだ。

鳥の鳴き声で、朝の到来を知った。
睡眠時間はごく短く、まだ頭の中には靄がかかっているようで、散漫と思考がまとまらない。
疲れというものには無縁の体らしいのだが、全身を支配している倦怠感はベッドに彼女を縛り付けるには十分だった。
まだ起きるのは早いと、意識は混濁とした沼の底へと沈んでいく。

(ノックの音?)

まどろみの中で、さやかは部屋の扉がノックされる音を聞いた。
カーテンの隙間から差し込む陽光は徐々に自己主張を増していき、時刻が日中に近いことを告げている。
母親が早く起きろと催促に来たのだろうか。
まだ起きだす気はなかった彼女は、ノックの音を無視するが、鍵をかけていなかったために、キイっと扉が開いて室内へと来訪者は足を踏み入れた。

「さやかちゃん、起きてる?」

母親の声ではなかった。聴き慣れた級友の声。

「……まど、か」

億劫な体に鞭打って、さやかは上体を起こす。
視線の先には、はにかんだような、どこか遠慮がちな笑みを浮かべる少女の姿があった。

「さやかちゃん。昨日は、大丈夫だった?」
「うん。まぁ、ね。慣れてきたっていうのも、あるんだろうけど」
「強くなったもんね」
「そうかな」
「うん、そうだよ。前は危なかっしかったけど、今のさやかちゃんは頼りになる気がするもん」
「お、言ってくれますねぇ」

さやかの魔女退治には、毎回まどかが同行していた。力不足でまどかを危機に晒したことは一度や二度ではないのだけど、それでもまどかはさやかの側を離れようとしなかった。
親友だから。きっとそうだ。
小さい頃から、まどかと一緒に居た。だから一緒にいるのが当たり前で、それは魔法少女になっても変りなかった。
そういうこと、なんだと思う。

「ほら、今日はいい天気だから、どこか遊びに行こうよ。布団にくるまってちゃ勿体ないよ」

まどかがカーテンを勢い良く開く。
春の温かな日差しが、室内へと差し込んできた。普段であれば活発なさやかが、いの一番に飛び出しているのだけれど、今の彼女はそんな気分になれなかった。
布団から未だに起きだす気配のないさやかに対し、むっと頬を膨らませたまどかは、さやかの掛布へと手を伸ばす。
この時点まで、さやかは重大な事実を失念していた。昨夜はあのまま布団に入り、それこそ泥のように眠ってしまった。
つまり昨夜の肉体改変は、未だに解除されていないのだ。

「――――!駄目、駄目だってまどか」
「いいから。起きなきゃダメだよ、さやかちゃんっ!」

反抗すれば、まどかもムキになって掛布を引き剥がそうとする。
その下に何が眠っているかも知らないで。

「起きる、起きるからさ」
「本当に?」
「うん。だから、少し部屋から出ててよ」
「何で?いつもはそんな事言わないのに」
「いや、ほら。着替えなきゃいけないしさ」
「――――?」
「いや、だから……その」

訝しげに小首を傾げるまどかに、さやかの心中では焦燥感が募っていく。
どうする。行くと言ったからには布団から起きないといけない。しかし改変を解除する為には、ソウルジェムを手に精神を集中しなければいけなかった。
加えて厄介な事象が一つ、発生していた。
寝起きの男性器が直面する生理現象が、起こっていたのだ。

「今日のさやかちゃん、何か変だよ」
「そ、そんなことないよ」

掛布の一部を押し上げ、自己主張している男性器をカモフラージュしながら、さやかは必死で思考を巡らせる。
まどかにこれを見られたら、一体どう思われるのか。それだけは何としても避けなくてはいけない事態だと、さやかは決意する。
しかしまどかは、不思議と勘の鋭い少女だった。

「さやかちゃん、あれ……」
「え、なに?」

さやかの意識がまどかの視線の先へと誘導された一瞬、まどかは勢い良くさやかの掛布を取り払った。

「あッ!」
「え。え?」

まどかの眼前に晒されたのは、朝勃ちしているさやかの男性器だった。
必死に言い訳を考えるさやかを尻目に、まどかは魅入られるようにさやかの男性器を凝視している。

「こ、これは、その……」
「さやかちゃんの、おチン○ン」
「あのね、まどか。これは」

まどかがゆっくりと、ひどく緩慢な動作でさやかの男性器へ手を伸ばす。
先端の敏感な部分へと触れられ、さやかは上体を震わせた。

「や、やめなってまどか。気持ち悪いでしょ、こんなの」
「…………」
「まどか?」
「さやかちゃんは、上条くんが好きなんだよね」
「いきなり、どうしたのさ」

意外にも真剣な語調に、戸惑いながらまどかの目を覗き込む。その行為は、彼女がどうにもふざけてはいないらしい、ということを再認識しただけだった。

「答えて、さやかちゃん」
「好きだよ。恭介のことは」
「けど、おチ○ンが付いてる女の子を、上条くんは好きになるかな」
「何が、言いたいの」

まどかの雰囲気が、普段のそれとは明らかに違っていた。
こんなまどかを、さやかは知らなかった。

「わたしね、実は好きな人がいるの。わたしとその人は一緒にいるのが当然で、この感情がそういう物だってわたしも、つい最近まで気がつかなかった。けどね、その人が傷つきながら戦うのを見ていると、わたしも心が悲鳴をあげるの。
その人が傷つくのも厭わずにわたしを助けてくれたときは、申し訳ない気持ちと嬉しさで一杯だった。
最近はずっと、その人のことを考えてるんだ。この感情はきっとイケナイものだって分かってた。叶えることは無理だって理解しているし“彼女”はきっとわたしを受け入れてくれないだろうって思ってた」

まどかの真摯な瞳から、さやかは視線を外すことができなかった。
冗談だろうと笑い飛ばしたいところだったが、それすらも許さない、ピンと張り詰めた空気が室内には充満している。

「好きになって、なんてそんな厚かましいことは言わない。けど、一回でいいの。一回でいいから、上辺だけでいいから、わたしを愛して欲しいの。この、さやかちゃんのおチン○ンで」

まどかの言葉を、さやかは上手く理解できなかった。
(まどかは……あたしのことが、その、好きってこと?なんで、だってまどかとあたしは親友のはずじゃあ)
困惑するさやかの理解を待たずに、状況は進行を続けていった。指を肉棒に絡めたまどかは、ぎこちない手つきで男性器をしごく。
感度の調整は昨夜のままだったので、さやかの背筋を途方も無い快美感が駆け上がった。再び調整を行おうにも、ソウルジェムは床に転がっていて手が届かない。

「まどかっ!やめてよ……お願い」
「ごめんね。けど我慢できないの。好きだよ、さやかちゃん」

まどかは肉棒から手を離すと、床に両膝を突いてさやかの股間へと顔を近づけた。
幹の部分を、まどかの薄桃色の舌が這い回る。ゆっくりと、さやか自身を味わうかのように。
裏筋をツウっと舌でなぞられた瞬間、さやかの腰がビクンと跳ねた。

「ひぅッ!」
「……ここが、気持いいんだね」
「こんなの、おかしいよ。まどか」

さやかの懇願を聞き入れる様子もなく、まどかの舌は弱点と認識した裏筋を何度も往復する。
その度にさやかは耐え難い快感に翻弄された。先端からはがまん汁が滴っている。肉棒の刺激に誘発されるように淫唇は花開き、何かを期待するかのように湿り気を帯びていた。
秘所の変化に気が付いたまどかは、カギ状に曲げた指先を膣内へと挿入する。

「ひ、あぁぁ!」

まどかに膣肉の上部。ザラついた粘膜の部分を愛撫され、一際甲高い嬌声が室内に響いた。

「さやかちゃんの中、暖かくてわたしの指が溶けちゃいそうだよ」
「そんな、こと」
「けど、さやかちゃん。あんまり大きな声を出すと、お母さんが来ちゃうよ。扉にはカギもかけてないし。こんな光景、見られたくないよね」

言って、まどかは愛撫を加速させる。
指先は執拗に膣肉を圧迫しながら、舌は裏筋を伝い、亀頭を刺激していた。
敏感に調整されたさやかの性感は、既に限界寸前だった。波が押し寄せるたびに嬌声をあげそうになるが、それを必死で抑えこむ。

「ん――――んん!」

声を噛み殺し、体がわなわなと震える。目の端には苦しさからか涙が浮かんでいた。
けれどさやかの体は、先程よりも敏感に刺激へと反応を示すようになっている。我慢しろと言われ、この状況の異常さに気が付き、背徳感が快感へと油を注いでいるのか。
それとも。
(さやかちゃん、実は苛められるのが好きなんだよね)
まどかが心中で確信したことが正しいのか、それは分からなかった。
どちらだろうと、乱暴とも思えるまどかの責めは、さやかを着実に逃げ場のない場所へと追い詰めていく。

「ふ、んんん。まどか、お願い。もう、あたし」

さやかが涙を溜めながら、首を左右に振り懇願する。
下腹部には、今までに経験したことがない程の波が押し寄せてきた。射精感は男性器だけに留まらず、女性器にも訪れている。

「イッちゃう?いいよ、いつイッても。わたしが受け止めてあげる」
「まどか――――ダメだよ、ダメ!」

まどかの小さな唇が、膨張しきったグロテスクな男性器を飲み込む。三割ほどを口腔内に収めたまどかは、口腔全体を使って肉棒を愛撫する。
それだけでなく、膣肉への刺激も収束するどころか、さらに激しさを増した。
二箇所で響く淫靡な水音。必死に唇をかみしめ、抗っていたさやかも、既に我慢の限界だった。
下手に耐えた分、いつもよりも押し寄せてくる快感は大きい。
ゾワゾワと、肌全体が粟立つ。瞼の裏で、何かが蠢いている気がした。

「ん、あ、あぁぁ、あ――――くぅぅ!」」

耐え切れない波に腰を何度も跳ねさせ、さやかは絶頂を迎えた。
瞼の裏では燻っていた火が燃え上がり、白色にスパークする。男性器は精液をまどかの口腔へと吐き出し、女性器もそれに連動するかのように、透明な液体を断続的に吹き上げていた。
二箇所から感じる射精感は、さやかの理性を吹き飛ばし、一時的に気を失わせる。

「ん、げふっ」

さやかを目覚めさせたのは、口内に流れこんで来た粘ついた白濁色の液体だった。
二人の唇が、気がつけば重なっている。
気を失ったさやかの口内へ、まどかは精液を流し込んだのだった。

「ん、んん」

吐き出そうにも、唇は塞がれていて不可能だった。奇妙な苦味が広がり、不快で仕方が無い。飲み込もうにも、喉に絡みつくから厄介だった。
困惑するさやかを愉しむように、まどかはさやかの口内へと更に唾液を流し込む。
あまりの苦しさで涙と鼻水を垂らしながら、さやかは苦心しながら自らが放った精液を飲み込んだ。

「あ、はぁ、はぁ」

ベッドの上で肩を震わせながら息を整えるさやかを見て、まどかは内心に充足感が広がっていく。
(なんて可愛いんだろう)
思わず頭を撫でたくなるけれど、それを我慢してまどかはスカートの間からショーツを脱ぎ去った。
湿り気を帯びた秘所が空気に晒されて、まどかは一つ身震いをする。

「さやかちゃん。お願い」
「まどか……」
「わたしの、初めての人になって」

強すぎる絶頂に翻弄され、意識が朦朧としているさやかは、まどかの言葉の意味を完全に理解できなかった。
反射的に拒絶の言葉を吐き出そうとするが、射精したばかりの敏感な男性器を更に刺激され、二の句が告げなかった。

「ひうぅ!」

まどかの指先で数回しごかれると、男性器は簡単に硬度を取り戻した。
そこへとゆっくり狙いを定めながら、まどかは自らの秘所を押し当てていく。

「ふ、うぅぅ」
「ちょっと、大丈夫?」
「さやかちゃんは、じっとしていて。心配ない、から」

先端がふれあい、まどかは覚悟を決めて徐々に腰を降ろしていく。
ズブズブと肉棒がまどかの膣内へと飲み込まれていった。
まだ男を知らない膣道が、入り込んできた異物によってグイグイと押し広げられていく。

「く、うぅう」

さやかの肩に回されているまどかの手に、一際力がこもる。
今までも十分な抵抗を感じている肉棒が、更に大きな抵抗に行き当たった。
まどかの躊躇が感じ取れる。
一秒にも見たない間に逡巡したさやかは、まどかの腰を両手で掴むと、一気に腰を跳ねさせた。

「ひあぁぁ!」

まるで刃物で切り裂かれたかのような痛みがまどかを襲い、さやかの肩に爪の跡を残す。
結果として肉棒はその凶悪な図体の大半を、まどかの膣内へと収めた。

「まどか。あたし決めたよ」
「さやか、ちゃん?」
「ここまで来たら、迷っても仕方ないもんね。あんたはあたしが面倒見てあげる」
「それは――――」

言葉ではなく、答えはキスで示された。
どこまでも優しい口付け。さやかの唇が、まどかに重なる。

「好きだよ、まどか」
「だけど、さやかちゃんには――――」
「いいの。これはあたしが決めたんだ。後悔なんて、しないよ」
「さやか、ちゃん……」

呼びかけに頷くと、さやかは腰の律動を開始する。
まどかも動きにあわせ、腰を使ってさやかの肉棒をより深みへと導いた。
二人は息のあった動きで、互いを絶頂へと引き上げていく。

「さやかちゃん、さやかちゃん!!」
「まどか、まどかぁ!!」

二人を充足感が満たしていた。
一人ではないという安心。確かに相手と、肉体的にも精神的にも繋がり合っているという、確固な関係性。

「く、うぅぅぅ」

膣道のキツ過ぎる圧迫に、さやかの肉棒は既に限界だった。
まるで膣内全体が精液を搾り出そうとしているみたいに、さやかには感じられる。
幾度かのピストン運動の末、背筋を駆け上がる一つの強烈な感覚。それは克明に、射精が近いことを告げていた。

「まどか。出すよ、中に出すよ」
「うん。さやかちゃん」

淫熱で蕩けきった二人の視線が絡まる。さやかは一際深く腰を打ち付けると、まどかの最奥に精を放った。

「う、ぁぁぁぁぁぁ――――!」

まどかが小刻みに体を震わせながら、さやかに倒れこむ。
華奢な体を受け止めながら、さやかは優しくまどかを抱きしめていた。
小動物のように柔らかな存在。彼女を自分は守らなければならない。
ここに、戦士は騎士として生まれ変わった。守るべき何かを、彼女はたしかにその手に感じ、戦闘存在として最後の一筆が記された。
床に転がっているソウルジェムが輝きを増す。守護者としての彼女の高潔な決意に、魂が応えた瞬間だった。

まどかをベッドへと寝かせて、さやかは彼女の頭を撫でる。
彼女の膣口からは、逆流した精液と破瓜の血が混ざり、薄紅色の液体がドロリと漏れでていた。

某月某日。見滝原市に未曽有の厄災が襲い来る。

「あんたは、何回もこんなのと戦ってたんだ」
「あら、信じてくれるの」
「うん。嘘を言ってる目じゃないから」

二人の少女が、災害と相対していた。
青と黒の騎士だ。彼女たちは、一人の姫を守る為に命を賭す覚悟だった。

「それに、目的は一緒なんだ」
「そうね。ええ」

青の騎士の周囲には、数えきれない程の無数の刀剣が生み出されている。
黒の騎士の周囲には、ありとあらゆる近代兵器が群れをなしている。

「あたしは、まどかを守りたい。その為だったら、この命だって惜しくない」
「珍しく意見が合うわね。わたしの命も、彼女に捧げているわ」
「――――約束しよう、ほむら。どっちか生き残ったほうが、まどかを幸せにするって」
「生き残れたらね。後のことを考えるより、今は少しでもアレに勝つことを考えなさい」
「そうだね。いくよ、ほむら!」
「ええ」

その日、見滝原市では幾千の魔剣が啼き、数多の銃器が咆哮した。






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