紅の祈りと蒼の願い
美樹さやか×佐倉杏子


※注意書き
・杏子×さやか
・百合注意。
・前半は杏子が上条君に変身してのエロ。
・時期は8話で上條と仁美のカップル目撃後、ほむほむではなく杏子に会っていた場合という分岐。
・魔法が超万能設定。
・もしかしたら少しキャラが壊れているかも。
・けっこう長いです。



美樹さやかの消耗が激しい…
暁美ほむらの家でキュウべぇからそう聞いた杏子はそれを聞いていても立ってもいられなくなり彼女を探していた。

(くそっ…!どこ行ったんだあのバカ!)

昨日の戦いのさやかの様子は明らかに異常だった。詳しくは知らないが、教会で分かれた後、何かがあったのは明白だ…。
彼女の根本を揺るがす…何かが…。

「あいつが叶えた願いは……くそっ!」

少し考えただけで想像がついた。同時に彼女の魔力を近くに感じた。

とある公園。さやかは木の影から一組のカップルを覗いていた。
間違えるはずも無い…自分が魔法少女になった理由でもある上條恭介と、クラスメートで親友の志筑仁美だった。

「………」

会話は聞こえてこないが、二人とも幸せそうだ。あんな上條の笑顔を、さやかは知らない…。
そして、そんな彼や親友に向けるこんなドス黒い自分自身の思いも彼女は知らなかった。

「…ありゃあ、随分とアツアツだねぇ。全く割り込む隙が無いって感じ?」

ふと、後から声がした。振返るとそこには赤い髪の少女の姿が合った。

「…何しにきたのよ?」

冷たい声で、彼女は振返る。

「別に?まぁ…あえて言うなら、コレを返しにさ。」

そう言って彼女は、昨夜受け取った影の魔女のグリーフシードを見せた。

「それはあんたにやったって言ったでしょ…そんなのいらない。」

感情の無い静かな声で、そう応えるさやか。

「あっそ、じゃあ…」

その瞬間、彼女の姿が赤い槍使いの魔法少女のものへと変わり、獲物をさやかの首元に向けていた。

「何のつもりよ?」
「あたしとしてもさ、ああいう戦い方されるとムカつくんだよね。そんなので取ったもん貰っても嬉しくないっての!」

相変わらず、淡々と語るさやかに対し杏子はあくまで軽く、そして煽るように語りかけていた。

「私の勝手じゃない…言ったわよね。私は私の戦い方を続ける…それを邪魔するなら…」

一陣の風の後、その姿が剣士の魔法少女へと変わった。

「上等じゃんか、こっちは最初からそのつもりでこの町に来たんだ…。」
「…場所、変えるわよ。」

そこはいつかの路地裏だった。二人が始めて出会い、戦った場所。そこで再び、青と赤が交差した。

「は!相変わらずなってない、適当に投げて当たるか!」
「うるさい!」

さやかが攻める、それを受け流す杏子。更に投剣を打ち出すも、軽くいなされてしまう。

「そういえば、あたしたち、最初は殺しあう仲だったっけね。生温いって、あのとき、あたしがもっとぶちのめしても、あんたは立ち上がってきたじゃんか。怒ってんだろ。何もかも許せないんだろ。」
「ああ、憎い!死ねばいい!みんな滅びろ!」

怒りに任せ、無数に生み出す刀剣をしかし、杏子は弾き、壊し、潰していった。

「そんなに男取られて悔しいかよ、だったら言ってやれよ。あんたの腕を直してやったのは私だって!」
「黙れ黙れ!アンタにわたしのなにがわかるの!」

剣を投げるか、叩きつけるか、振るか…それしか知らないさやかに対し、
杏子の戦い方は槍を捌き、流し、形状を変える。まさに千差万別の戦いを知っていた。
経験の差で、すでにさやかに勝ち目は無い…。

「ああ、分からないね!腕を治して満足したんだろアンタは!それで後悔は無いってあんたはそういったはずだ!」
「このっ!黙れって言ってんでしょうが!」

それでもこの戦いがここまで続いている理由は二つ。
1つはさやか自信が昨晩と同じく痛みを完全にシャットアウトしている為、ちょっとやそっとの攻撃じゃ倒れず、常に全力で攻撃を放ってくる事。そしてもう1つは…

「こんな身体だから?もう死んでるからか?ああ、こんな石ころを愛してくださいとか言える分けないか!ははは!!」
「そうだよ!誰が私みたいなモノを愛してなんていえるもんか!」

獲物同士が交錯しあう瞬間にも会話が生まれている。コレは間違いなく殺し合いであり、本来、そのような隙など生まれるはずは無い。現に戦いが始まって最初の方はさやかは杏子の言葉を無視し続けていたが、今では、その1つ1つに答をぶちまけていた。

「じゃあ、キッパリ諦めろ!犬にかまれたとでも思って綺麗さっぱりあんな男のことなんて忘れちまえ!」
「出来るわけないでしょ!私がどれだけ…」

「アンタは…あいつの怪我を治したかったのか!それとも怪我を治した恩人にでもなりたかったのかよ!?」
「…ッ!」

さやかの言葉を遮るように叫んだ一言。それはいつか、魔法少女の先輩がさやかに向けて言った言葉と全く同じだった。

その瞬間、さやかに決定的な隙が生まれた。

槍の形状を多節根に変え、さやかの身体を縛る。
たとえ痛みを感じなかろうが、治癒が早かろうが動きを封じられればもう終わりだった。

殺さずにさやかの動きを封じる。これが戦いが長引いていたもう一つの理由でもあった。

「あんた、信じてるって言ってたじゃないか。この力で、人を幸せにできるって…それは嘘だったのか?」

「私は…私は……うう。」

痛み…。
完全にそれはシャットアウトしていたはずだった。心の痛みも戦いの中、感じる事は無かった。
しかし、杏子はそれでも彼女の心に向けて叫んでいた。まだ人であるうちに…まだ間に合う内に…。

「…う、う…私、恭介が好き…!愛してる!でも、もう無理だよ…こんな身体じゃあ…
でもだからって仁美に盗られるのはイヤなの…!仁美を見殺しにしておけば!でも…友達だもん…そんな事できるわけ…。」

「……わかるよ。私でいいならいつでもその気持ちぶつけて来い。それで気が済むなら、…いいさ。」

いつの間にか、お互いの変身は解け、泣き崩れるさやかを杏子はその胸に優しく抱きしめていた。

「私…私、どうすれば…まどかにも酷い事言って…
恭介を見るだけで、もう死にたいほど苦しい…」

少しずつ落ち着いてきたのか、涙でグシャグシャになった顔で
杏子に縋るようにさやかは言った。

「…1つ、手はある。」
「え?」

杏子の一言にさやかは呆気に取られる。

「言っとくけど…無理強いはしない。
アンタにとってもかなりきついし、あたしの事を恨むだろうからね。」

焦らすつもりは無いが、どうにも言いにくい部分があるらしく彼女は言い渋った。

「一体、なんなの…?」
「アンタの中から、上條恭介の思い出を消す。」

「!!」

それは、全く考えの及ばなかった手段だった。
今までさやかが生きてきた中で、恭介という存在がどれだけ大きいか。
ここまで狂わせたほどなのだから、杏子にも察しはついているだろう。
それを全て『なかったこと』にする。聞き様によっては残酷な事であった。

「…お願い。」
「え…?」

「お願い、あたしから…恭介を消して。」
「お、おい…?」

迷い無く、さやかは真っ直ぐ杏子を見て言った。その目に狂った色はもはや無い。
ただただ真っ直ぐ、優しくも熱い、いつもの少女の目だった。

「あんたに色々言って、吹っ切れたよ…、あたしは…このままだとどうにかなっちゃいそう…
そうなったら…きっとアンタやまどかにも迷惑かけると思うから…」

そう言って、彼女は薄っすらと笑った。今にも消えてしまいそうな…そんなはかない笑みで。

「いいのかよ!ずっとお前が好きだった坊やだろ!」
「言わないで!…迷うから、あたし…絶対忘れたくないって言うだろうから…。」

それだけの決意。自分の中で上條との思いで全てが消えることは死にも等しいだろう。
だが、それでも……

(私は…もうだれも呪いたくないから…)

今にも湧き上がりそうな心の奥の呪いを押し込め、彼女は決断していた。

「……わかった。」

その決意になんとなく気が付き、杏子もこの魔法を使う事を決めるのだった。

「…その前に、1つだけ…わがまま言わせて。」
「…?」

さやかの部屋…そのベットの上にさやかは戻っていた。

「あのさぁ、こんな事してなんか意味がある?」

と、その目の前には…一人の少年の姿があった。

上條恭介…。その声、その姿…間違いなく彼に違いなかった。

「うわぁ…ホントにそんなことも出来るんだ…」
「あんま、ジロジロ見んな…変身魔法なんて、殆どやった事ないんだから…」

実はコレ…杏子の変身した姿だった。

「あの…当然、下のほうも?」
「本気でする気かよ…」

『忘れる前に、一度だけ恭介と寝たい。』

それは彼女のたっての願いだった。

「言っとくけど、こんな事しても忘れるんだからな…。」
「分かってるわよ…でも、初めては…ほら、好き…だった人とやりたいのが乙女の夢って言うか…」

それ忘れて、気が付いたら処女じゃないとかむしろ悪夢じゃないかと杏子は突っ込むのをやめた。

「とりあえず、ちょっと脱ぎなさいよ!」
「おま!変身してても脱ぐ事には変わりないからかなり恥かしいんだぞ!」
「……わがまま聞くって言ったのに。」
「ああー!もう分かった!」

どこと無く、さやかが嬉しそうなのが気になるが
恭介の姿をした杏子は仕方なく、制服のズボンを脱いだ。

「くぁwせdrftgyふじkぉ@!!」

瞬間、人払いの魔法掛けてなかったらやばかったほどの絶叫が
さやかから飛び出した。
おかげで変身が解け、恭介は元の杏子の姿に戻っていた。

「なんだよ!出せって言ったのアンタだろ!」
「なんであんなにモッサリ大人サイズなのよ!バランス考えなさいよ!」

「知るか!!大体、親父のぐらいしか見たことないし!」
「はぁ!?こういう場合、そういう本とかDVDとか参考にするもんじゃ!」
「あたしら学生だろ!?まだ色々と早いっていうか…」
「これからやる事考えなさいよ!だいたい、林檎の出所が不明な奴が言うなーーー!!」

その後、しばらくさやか先生のレクチャーが続き
イチモツのサイズに関しても何とか要望どうりに調製した。
その際、御互いに『あたし、なにやってんだろう…』と考えていたのは秘密だ。
また、杏子が意外と性知識に疎く、実はこれから何するのかも
あんまり知らずに赤面しまくったのも秘密だ。

「とりあえずわかった、と…とにかく。さ、さっさと始めようぜ。」
「……む〜」

再び恭介に変身した杏子だが、気が付けば、さやかはむくれていた。

「なんだよ!」
「話し方!恭介はそんな言葉遣いしない!」

「…じゃ、じゃあ…初めてもいいかな…さやか。」
「うん、恭介。」

面倒くせぇ…。なんか幸せそうに笑うさやかに、杏子は本気で後悔しかかっていた。

が、目の前で何だかこれから始まる事にモジモジしているさやかを見て、
急にドキリと来るモノがあった。

(かわいい…)

隠しようも無く、杏子が感じたものはそれだった。

「どうしたの?」
「いや、じゃ…じゃあ…脱がすよ?」
「うん…」

そうして制服を一枚一枚脱がし、すぐに下着に手をかけた…。
彼女によく似合う、青い健康的なスポーツブラとパンツが目に入った。

(…ちょっと待てあたし!女同士なのに、なんでこんなドキドキしてんだコラ!)

一刻も早く終わらせたいところだが、緊張して手が上手く動かない…。

「あっ…」
「ご、ゴメン!」

手が滑って、肌に爪が当たる。
それだけなのに御互いに何だか不思議な気まずさがあった。

(あああああ!くそっ!もうヤケだ!)

顔を真っ赤にしながら、恭介(杏子)はさやかの下着を思いっきり脱がしていった。

「きゃあ!ちょっと…恭介、恥かしいよ。」

「はぁ…はぁ…はぁ…」

なんだか、全然ロマンチックじゃない息遣いだなと自分で感じながら改めてさやかをみた。

最初はかわいいと思った。
しかし、再び見たその姿は…綺麗だった。
健康的な白い肌、見ただけで柔らかそうに見える胸。
他人の裸を見たことなど殆ど無いが、こんな劣情を催す肢体はなかなかお目にかかれないと思った。

(ふ、服脱がすだけでもコレなのに…ホントにさっき教えてもらった事出来るのかあたし!?)

正直もう一杯一杯だった。
いっそ、獣の様に襲い掛かった方がいいんじゃないか?
いやしかし、さやかは処女だって言ってたし優しく…?

そんな事を考えてると。

「恭介ぇ…ん。」

「へうっ!さ、さやか!なにを…!?」

いつの間にか、股間に生えたものに近づき、その柔らかい胸で、しごき始めていた

「こうして…んむ、濡らさないと…痛いって…ペロ…聞いたから…ペロ」

柔らかく、とても暖かい、さやかの胸…更に舌まで這わせられ、それに圧迫されるたびに、
股間に電気が走ったかのような感覚に襲われる。
魔法で作ったものとはいえ、その機能や感覚は本物に近くしているハズだ。

「ちょ、やめ…出る…」
「出していいよ。」

その言葉と共に、そのイチモツから白い液体が噴射され、さやかの顔を汚した。

「あは、恭介の…おいし。」

魔法で作った精液、子供を孕ませる機能はもちろん無く
味も本物を知らないため無味のはずだが、さやかはそれを嬉しそうに指で掬い舐めていた。

「さ、やかぁ…」

「恭介、あたしのここ…濡れてるでしょ。
お願い、来て?」

さっきから、さやか自信も興奮しているのか、彼女の膣はいつでも受け入れる体制に入っていた。

「う、うん…行くよ。」

恭介(杏子)はそれに答えるように
両手を広げた女神に吸い込まれて行った。

「うっ…!さやか!痛く、ない?」
「はぁ、恭介…うん、大丈夫。だいじょ…ぐっ!」

一気にそのイチモツでさやかを貫き、破瓜の血が膣から流れた。

「…動くよ?」

普段の彼女からは考えられないほど慎重に
恭介(杏子)は返事を求めた。

それを断られるわけが無く、彼女は動き始めた。

「はあっ!はあっ!恭介、感じる!あたしの中に…恭介の…感じるよ!」
「はぁ、これ!さやかの膣内、熱い!」

二人はベットの上で激しく動いている。
恭介(杏子)のイチモツが何度も何度も何度もさやかを突き、
その中で感じた事のなかったエクスタシーが何度もはじけていた。

「はぁ!はぁ!あたし、嬉しい…幸せだよ…きょう…はぁっ!」

ふと、その快楽の中で…恭介(杏子)の中で黒い物が生まれつつあった。

(なんだよ、恭介って奴は…どうして…)

幸せそうなさやかを見ながら、コレが幻想に過ぎない事に杏子は気が付いていた。

恭介と結ばれず、こんな夢で満足して…本当に彼女は幸せなのだろうか…?

「このっ!このっ!」
「はうっ!はああああ!奥、奥来てるうぅぅ!!」

いつしか、快楽ではなく怒りも混ぜて、
さやかにスパンキングをしていた。

(さやか、さやか!)

「イクッ、気持ちよくで、あたし…イッちゃうよぉおおお!」

涙を流し、幸せそうに喘ぐさやか…。
しかし、その目に移るのは自分ではない…。

(さやか!!)

それが、何故か悔しかった。美樹さやかと今、セックスしているのは佐倉杏子ではない。
上條恭介だ…その歪んだ事実が、途方も無く悔しくて…彼女の目に涙が溢れていた。

「さやかあああああああ!!」
「杏子ぉおおおおおお!!」

声が重なり、御互いに絶頂を迎える。
ただ、その瞬間…さやかが呼んだ名前を、杏子は聞き間違えはしなかった…。

変身が解け、御互いに何も身につけず、
生まれたままの姿で一緒のベットの中で背中を合わせていた。

「………その、ありがとうね。私のわがまま、聞いてくれて。」

御互いの沈黙を、さやかの方から破った。

「…いや、別にいいけど…。その、最後の……。」
「ねぇ、あんたさ…どうしてあたしなんかのためにここまでしてくれるわけ…?」

杏子の言葉を遮り、さやかは訊ねた。

「…この力の使い方…あたしだって、考えてみたら、そういうのに憧れて魔法少女になったんだよね。
すっかり忘れてたけど。あんたはそれを思い出させてくれた。」

少し照れながら、彼女は言った。
魔法少女になって、家族が壊れ、魔女と戦うしかなかった日々。

そんな中、自分と同じく他の人間の為に契約してしまった少女にいつしか自分を重ね、
そして…助けたいと思っていた。

「そっか…、悪いね、手間掛けさせちゃって…。」
「なんだよ、らしくないじゃん。」

「さっきまで、どうでもよくなってたから。結局私は何が一番大切で、何を守ろうとしてたか…
わけわかんなくなっちゃってた…。」
「………。」

それを聞きながら、杏子は体勢を変えさやかの背中によりそう。

「わたしって、ほんと…バカ。」

ポツリと呟くそれを杏子は黙って聞いていた。
愛した人も離れ、親友も傷つけ、目的すら失った彼女は酷く儚く、小さく見えた…。

「さやか…」

ふと、杏子はその名前を呼ぶ。

「心配すんなよ、さやか。独りぼっちは寂しいもんな。」

そう言って杏子は彼女をギュッと抱きしめる。

「杏子ぉ…う、うわぁあああああああああああん!!」

彼女の胸にさやかは身を埋め、泣いた。
これまで必死に溜め込んでいたものを吐き出すように…

「いいよ、一緒にいてやるよ。さやか…」

その頭を抱き、滅多に見せないような優しい顔で杏子はさやかを優しく抱きしめるのだった。

「ん、ちゅ…はぁ…」
「はぁ、ん。レロ…」

数分程立っただろうか、さやかも落ち着き
御互いのソウルジェムに溜まった濁りもグリーフシードに浄化してもらった。
しかし、彼女達はまだ記憶の操作を行なわず、未だに全裸のままの姿でベットにいた。

「はぁ、すごい…杏子、うまいよ。」
「ば、か…そんなわけ無いだろ、初めてなんだから。」

濃厚なファーストキスを交し合い、
そんな事を言い合う二人、どうしてこうなったのか。

「魔法使う前に、あたしがそいつの事忘れさせてやる。」

杏子は落ち着いてきたさやかにそう言った。

「もし、何かの間違いで記憶が戻られるとヤバいからな。念には念をってわけさ…」

そう言っているが、本心では先ほどのセックス…
自分自身の姿で彼女とヤッていなかった事がどうにも不満だった用だ。

「うん、杏子になら…いいよ。」

そんな杏子の事を知ってか知らずか、
さやかも微笑んで、承諾した。

キスを終え、さやかは改めて杏子の身体を見た。
何度も戦いを乗り越えてきた、引き締まったスレンダーな肢体。
普段何か食べまくってるイメージがあるのに、全く太っていると感じない。
彼女らしいキリリとして、それでいてどこか暖かさも隠した身体だった。

「…あれだけ甘いものばっか食べてるのに、なんかズルイ。」
「その分動いてんだよ!だいたい、コレはお前の方が!」

そう言って、ガッとさやかの胸を掴む。

「ひゃ!杏子…。」
「……柔らかし、大きいし…」

顔を赤くし、少し目線を漂わせて言う。

「ふふ、えい!」むにっ!
「わっ…!」

お返しといわんばかりにさやかも正面にある彼女の胸を揉む。

「じゃ、おっきくしてあげる…」
「む、こっち…だって…」

と、御互いに刺激しあいながら言葉どうり乳繰り合いを始めた。

「はぁ、はぁ…」
「ん、はぁ…はぁ…」

初めは手で乳首や全体を軽く愛撫しあうだけだった。
しかし、どんどん物足りなくなり次第に力を強めそれでも足りず、
いつしか…御互いの乳首どうしを擦り合わせるまでに密着していた。

「はぁ、ん…さやかあ…んく…」
「きょう…こぉ、ん、気持ち…いいよ。」

御互いの息が、心音が聞こえる。汗や相手のにおいを感じる…。
顔を紅潮させ、息もどんどん荒くなっていった。

そうして、胸を揉んでいた手はいつしか、相手の秘部へと伸びていた。

「はぁ、はぁ、濡れすぎ、でしょ…あんた。ひうっ!」
「ひとのこと、言えるかよ。はぁん!」

御互いに完全に濡れ切っている秘部を弄くり、その度に軽く意識が飛びそうになる。
実は御互いほんの少しだけ、魔力で感度を高めていた。

「ん、あっ!熱っ!ふあ!」
「うん、くっ…くはっ!」

秘部と乳首を激しく刺激しあい、互いに絶頂に近づいてきていた。

「ふあ!す、すごい!さっきより…全然すごい!」
「ん、さやか!もっと…もっと動かして!」

時折、御互いの肌に舌を這わせ、感じやすい所を指で探りながら、二人の世界はなおも燃え上がる。

「はぁ、はぁ…イく…あたし、もうイッちゃう!」
「あ、あたしも!こんなの…初めてだ!」

それに答えるように指の動きは勢いを増す。くちゅくちゅと淫らな水音が更に激しくなった。

「はぁ!うっ!あああああああああああああ!!」
「くぅ…ひぅうううううううううう!!!」

ビシャアアアア

御互い、激しく愛液を散らし、完全に絶頂に達した。

「はぁ、はぁ…杏子、好き…。」
「さやか…あたしも…。」

息も絶え絶えで御互いの指を絡ませあい、それでも笑顔で二人は横になっていた。

「…責任、取ってよね。」
「こっちのセリフだ、ばーか。」

さやかの言葉に、杏子も笑って答えた。
その後も、御互い疲れ果てて眠るまで行為は続き、何度も唇を重ね、何度も絶頂に達した。
まるで、上條恭介との思い出を、塗り変えて行くかのように…

次の日の朝、
さやかは最初にまどかに昨晩の事を謝りに行っていた。
彼女も一晩中探していたようで、見つけたときには酷く泣き付かれた。
そんな彼女に、さやかは何度も何度も謝罪の言葉を繰り返した。

その後、自身の決意を彼女に話した…。
最初はやはり否定的だったまどかだが、さやかの決意が固い事を知ると
記憶を消す事に納得せざるを得なかった。


そして…数日が経過した。

「それでは鹿目さん、さやかさん。私はお先に…。」
「おやおや〜?もしかして上條くんとデートですかぁ?」

授業を終え、仁美が帰ろうとするとき、
さやかはイジワルそうな顔で茶化した。

「うふふ、今日は一緒に帰るだけですわ。」
「相変わらず熱いね〜。しっかし上條君も幸せだね〜
仁美みたいないい子に好きになってもらえるなんてさ!」

杏子の魔法は完全に成功していた。
さやかの中からは上條恭介の記憶はあっても
彼に対して何をしていたのか、
どう想っていたのかという重要な部分は完全に消去されていた。

さらに念のために、
仁美と恭介…
その他、彼女の想いに関連する者達にも同じような記憶操作の魔法をかけている。
さやかが上條を想っていた事を知る人間は、殆どいないだろう。
さやか自身も記憶を消す前に上條に関するものは全て処分し、
記憶が戻る可能性は殆ど無かった。

「まどかもそう思わない?…ってまどか?」

「う、うん…そ、う…だね。」
「…?」

まどかは涙を溜めて、そう呟く。
彼女は記憶を留める選択をしたのだ。

それが悲しくても、苦しくても、
親友としてさやかの本当の願いを知り
死ぬまで胸に留める事が彼女に出来る唯一の事だと、そう思った。

…その日の夜。

とあるビルの屋上に、
今この街にいる魔法少女3人とまどかは集まっていた。

「いい、ワルプルギスの夜の攻撃方法や対処方法は教えたわ。後は上手くやりなさい。」

風に黒髪を靡かせながら、ほむらは後ろの二人に告げる。
いよいよ今夜…この町に最強の魔女、ワルプルギスの夜が現れる。

「はいはい、分かりましたよ。」
「さかやちゃん、本当に大丈夫?」

軽はずみな返事に、まどかは心配になっていた。
こうした油断が危ない…何度も彼女達の戦いを見て、そう感じる事が出来てきていたのだ。

「大丈夫だって!私はこの街の平和のために契約した魔法少女だよ!
こんな事で負けてられるかっての!」

それを聞いて、また少しまどかの顔が曇る。
慢心するつもりは無い、彼女の目がそういっている。
しかし、本当に契約していた内容を忘れている事に悲しいものを感じざるえなかった。

「…分かってると思うけど、これしかなかったんだ…アンタの友達には…悪い事したと思ってる…」
「ううん、いいの。さやかちゃん、あれ以来無茶な事もしなくなったし…
前よりなんだか、幸せそうだもん…。きっと、コレでよかったんだよ…きっと」

杏子の言葉をまどかも受け止めた。
この魔法を使ったことに罪悪感を感じているのが分かった。

「こらー!まどか!何私の杏子と内緒話してるんだよー!」
「だ、だれがお前のだっての!」

と、二人だけで話していたのが気に入らないのか間に飛び出して杏子を引き寄せるさやか。

「あれー?昨日の夜の甘えん坊杏子ちゃんはどこへ行ったんでしょうねー。」
「…?」
「わー!わー!さやかテメーぶっ飛ばすぞ!」

イジワルな顔を浮かべるさやかに杏子は赤面して慌てた。
そういえば、最近は二人で夜遅くまでどこかで魔女を狩っているらしいが
それに連れて行ってもらう機会が少なくなってきていた。
二人きりで何をしているのだろう?

「…真面目にやってくれるかしら。」

ふと、ほむらが真剣な顔で割り込む。

「分かってるっての、アンタこそ…サポートしくじらないでよ。結構頼りにしてんだから。」

この数日で、さやかはまどかからマミが死んだ時、ほむらがどういう状態だったのかを知った。
また、理由は知らないがまどかを守ろうとする気持ちには嘘がない事を、自分なりに理解できていた。
何より、愛する杏子からの評価もそれなりのようで、今日ぐらいは彼女を信じてやることにしていた。

「……貴女から、そんな事を言われたのは初めてだわ。」
「…?」

そう言うと、ほむらはワルプルギスの夜が出て来るであろう方角を見つめる。
既に下準備は済み、あとは全力でかの魔女を打ち倒すだけだ。

「美樹さやかと佐倉杏子が生きてここにいる時間はコレまでなかった…
…今回は…いけるかもしれないわね。」

誰にも頼らない…そう決めていた彼女だが、振返れば仲間がいる事に、
どこか…希望を感じずに入られなかった。

「…どうしたのほむらちゃん?」
「なんでもないわ…。」

一度だけ救うべき対象を見ると、ほむらは再び敵の方角に視線を戻した。

「そう上手く行くといいけどね。」

いつの間にそこに現れたのか、白い生命体が相変わらずの無表情で彼女達の前にいた。

「…何しに来たの、キュゥべぇ。」
「わかっていると思うけど、相手は今までの比じゃない最強の魔女だ。もう一人くらい戦力を加えないと、とてもじゃないけど太刀打ちできないな。」

こいつが言わんとしていることにほむらは内なる怒りを爆発させそうになった。
しかし…

「キュゥべぇ…私は皆を信じるよ。」

まどかが一歩踏み出して言った。

「あなたが何を企んでいるのかはわからない。
でも、ほむらちゃんやさやかちゃんが守ってくれるこの命を…
あなたのためには使わせない…。」

「…そうか、まぁ…好きにするといい。
危なくなったらボクはいつでも力を貸すよ。まどか。」

ニッコリと笑顔でそう告げたキュウべぇに二つの影が迫る。

「「二度と顔見せんなあァァァァァッ!!!!」」
「きゅべーーー!?」

さやかと杏子、息を合わせた二人の剣と槍が、
キュウべぇをその場から殴り飛ばした。

「ったく…ここまで来て余計な事言いやがって。」
「まったくね、でもま…少しはスッキリしたかも。」

飛ばされたキュゥべえが見えなくなると互いにニッと笑いあった。

「…クスッ。」
「ほむらちゃん…もしかして今、笑った?」

その一瞬に気が付き、まどかが驚く様に言う。
それを聞いてさやかと杏子も唖然としていた。

「…さあ。」

適当にごまかしたほむら…だがその顔は先ほどより柔らかくなっている……気がした。

「それじゃあ…行きますか!」
「おう!」「ええ。」

さやかが号令をかけ、二人がそれに続く。

「みんな…頑張って!」

一人残された少女は、彼女達のために祈る。
こうして、この街の魔法少女たちの運命を掛けた戦いが始まった。






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