百合百合にしてくれるわ
巴マミ×鹿目まどか


痛い。もう痛みを感じられるはずもないのに、何故か、痛い。痛い、痛い。あまりにも痛すぎて、かえって私は冷静になりつつあった。
頭は割れて、首から下と離れている。しかし、それが気にならないほどに、胴体の方もぐちゃぐちゃに損傷していた。
端から見れば、私は血みどろの肉塊にしか見えないだろう。

(だけど、死には至らない)

『死にたくない』

それが私の願い。生への執着心がある限り、私は死ぬことはない。どんなに苦しくても、醜くても、私は死にたくない。
早く肉体を再生させて、鹿目さんたちに会いたい。なのに……。
思い出せない。私、巴マミとは一体どういう姿をしていたのか。そもそもにんげんはどういうかたちをしているものなのか。

(タスケテ…カナメサン…)


「マミさん…マミさん…、ごめんなさい…」

何かを考えているわけでもなく、わたしは今日もマミさんの家に入り込んで嘆いていた。
何も考えず、ただマミさんに赦しを請うのが、わたしにとって一番楽な時間だ。
ほむらちゃんのことも、さやかちゃんのことも、そしてこれからのことも、今は考えたくない。
そんなふうに呆然としていると、どこからか、地獄の罪人が絞り出すような、悲痛な声が聞こえてきた。

「タス…ケ…カナ…」
「何っ…、何なの!」

とにかく逃げようと立ち上がると、トマトが潰れるような嫌な音とともに、目の前に血と肉のミンチのようなものが落ちてきた。

「っ…うわああ…」

恐怖のあまり脚がすくんで、逃げることもできない。この期に及んで、わたしはただただ誰の助けを願っていた。
そのまま何もしないでいると、目の前のミンチから、さっきと同じうめくような声が聞こえてきた。

「…カナ……メサン…」
「これはマミだよ」

目の前のミンチの正体について思考をめぐらせていると、無機質な声とともにキュウべえが現れた。

「マミさんって、どういうことなの!?」
「マミの願いは『死にたくない』というものだったんだ。それがマミの圧倒的な強さだった。だからこんな姿になってもマミは生きてる」

キュウべえは仮面のように表情を変えず、マミだというものに近づきながら、言葉を続けた。

「いくら死なないからといって、こんな状態じゃ生きてても意味がないし、助けようもない。それどころか苦しみのあまり呪いを生みだすかもしれない」
「それって…つまり…」
「魔女になるってことだよ。だからその前に、マミの願いを解除して、楽にしてあげるんだ。」

キュウべえがわたしの顔を見て、付け加えた。

「けれど、まどかならマミを助けることができる」
「わたしに…?」
「そうだよ、どうしようもない運命も、まどかなら覆すことができる。まどか、君に魔法少女になってほしんだ」

魔法少女になる。それは、わたしも目の前のミンチのようになるかもしれないということ。
けれどそれは普通に生活していても同じかもしれない。わたしたちが今生きているのだって、魔法少女のおかげなのだから。

「本当に、マミさんは助かるの…?」
「うん、まどかの力なら絶対に治せる。さあまどか、願い事を言うんだ」

マミさんがいてくれれば、この悲しみは消える。それに二人ならきっと大丈夫なはず。ためらう理由はなかった。

「わたしはみんなの願いを守りたい。わたしに、そんな力をください」
「さすがまどかだ、良い願い事だよ」

キュウべえがそう言った瞬間、光とともにわたしの指に指輪が現れた。

「君にあるべき力が授けられた。さあ、マミを助けてくれ」

私の身体が指輪と同じ光に包まれて、別の服装に変わっていた。ノートに落書きしたあの格好だ。

「っ!」

身体が軽い。力が溢れてくる感じがする。それに知っているはずもない古の魔法の呪文が勝手に頭に浮かんでくる。知らなくても分かる、これはマミさんを救うための呪文だ。

「Thiby Magunumul. Inomiy Shiga Stheram. Inomiy Ameg Stheram…」

わたしの声に呼応するかのように、マミさんだったものの周りに魔法陣のようなものが浮かび上がり、淡い光を放ち始めた。

「Lheno Mi Kon Lyopt. Nvas-Triagon!!」

呪文を言い終えたころには、部屋中が生命の輝きのような光が満ちて、魔法陣の中心に、わたしがよく知っているマミさんが立っていた。

「あ……ああ…、鹿目…さん?」
「マミさんっ!」

最初マミさんは呆然としていたけれど、わたしが抱きしめ続けると、気がついたのか何度もわたしの名前を呼びながら抱きしめ返してくれた。
マミさんの身体を治したのはわたしだけれど、わたしの傷ついた心も、マミさんのおかげですっかり癒やされていた。

「鹿目さんだなんてよそよそしいですよマミさん。まどかって呼んでください」
「うん…。本当にありがとう、まどかちゃん。私、まどかちゃんのおかげで本当に幸せだわ」
「えへへ、わたしもマミさんに会えてすごく嬉しいです」

わたしたちは感極まっていたので涙を流していたけれど、今はとびきりの笑顔を見せ合えた。

「まどかちゃん……好きよ」

そんなふうに見つめ合っていると、マミさんの手がわたしの頬に触れ、愛おしい者を見るような目つきで、顔をゆっくりと近づけてきた。

「わたしもです。嬉しいです…」

マミさんの綺麗な顔が近すぎて、だんだん恥ずかしくなってきたのでわたしは目を閉じた。
マミさんの唇が、わたしのそれにそっと触れた。
心臓がものすごい勢いで動いて、わたしはたまらなくなってマミさんにぎゅっとしがみついた。

「んっ…」

マミさんの舌がわたしの唇をなぞった。びっくりして声を漏らすと、そのまま口の中に入ってきた。
舌が触れ合う感触はとても甘美で、もっと欲しくなって自分から舌を伸ばした。
そうすると今度はマミさんがわたしの舌を思い切り吸った。全身に駆け巡る未知の甘い痺れに耐え切れなくなって、膝が崩れてわたしは座りこんでしまった。

「ごめんなさい大丈夫?嫌じゃなかった?」

マミさんが心配そうな顔でわたしを支えてくれる。

「マミさん…、とっても温かい」

マミさんはわたしを心配してくれたけれど、わたしはすごく恍惚とした表情をしていたと思う。
温もりを感じて、そこに命の存在を強く感じて嬉しかったのだから仕方ない。
わたしはもっとマミさんの温もりを感じたくなって、マミさんのふくよかな胸に顔をうずめた。
とても気持ち良かったけれど、直に触れたらもっと気持ちはずだとも思った。

「マミさん、身体に…接触らせてください」

そう言いながら、わたしは我慢できずにマミさんの服をめくり上げた。眩しいほどに白い肌、見事にくびれた腰、滑らかな肌触りに思わず息を飲んだ。

「いいわよ。ふふ…、意外とまどかちゃんはえっちだわね」

そう言われて、自分が大胆なことを言ったことにやっと気付く。頬が真っ赤に火照るのが分かる。

「ああ…そんな…」
「可愛いいわまどかちゃん、おいで」
「すごいです。綺麗すぎますマミさん…」

露わになったマミさんのおっぱいは神々しいほどに見事なものだった。
わたしは惹かれるようにそれに触れた。ああ、どんなに素晴らしい感触なのだろう!!

「まどかちゃんのも触りたいわ」

しばらくマミさんのおっぱいを堪能していると、わたしと同じように頬を上気させてマミさんがそう言った。

「…はい」

マミさんに比べたら明らかに貧相な自分の身体なんて見せたくないと思ったけれど、マミさんに触られることを考えただけで生じた甘い痺れには抗えなかった。
マミさんと同じように上を脱いでいく。服を脱ぐことなんて簡単なはずなのに、手が震えてうまくいかない。
マミさんに見られているだけでこんなにも恥ずかしいだなんて。興奮しすぎて、ブラジャーを外すことは全然上手くいかなかった。

「可愛い…、とっても素敵だわ」

マミさんがわたしに口付けながら、ブラジャーを外した。そのまま唇が降りてきて、胸の頂点に触れた。

「ひゃうっ…。ふあぁ…」

不意に衝撃のような快感が全身に走った。乳首を吸わたことに気づいたときには、全身が震え、喘ぐような声を出していた。

「あっ…んああっ、あっあっ」

マミさんの舌と指が、わたしの身体中を優しく撫でまわした。まるで快感そのものに直接触られているかのような愛撫だった。

「のここ、すごく熱くなって濡れてるわ」

わたしはいつのまにかスカートもショーツも脱がされて完全に裸にされていて、マミさんの指先がわたしの秘部に触れていた。わたしは強すぎる快感と羞恥のあまりに我に返った。

「やぁ…、そんなとこだめぇ」
「そんな可愛い声で恥ずかしがられたら、嬉しくなっちゃうわ」

わたしが弱々しい声で抵抗しても、マミさんはやめるてくれそうになかった。それどころか、わたしの腰を抱きかかえて、秘部の様子がよく見えるようにされた。
マミさんの息がかかるだけで、ゾクソクとした感覚が背筋に駆け巡る。この先の想像できないほどの快感を考えてると、期待を通りこして恐怖を感じた。

「はぁ…、はぁ…、もうゆるしてえ…」
「だーめ。まどかちゃんの一番えっちなところ、いっぱい触らせてね」

懇願もむなしく、マミさんは秘部に口づけた。

「ああっ!あっあっあっ……くふぅ。んああっ!」

身体がめちゃくちゃに震えて、自分でも意味の分からない声が出る。
快感に全身が支配されて、何もかもが分からなくなる。分かるのは、目の前にマミさんがいるということぐらいだった。

「あああああっ!マミさんっ!マミさんっ!」

容赦なく快感が昇り詰めていき、わたしは意識を手放した。

「おはよう。ふふふ、寝顔もとても可愛かったわ」

起きた瞬間、目を開ける前から正体不明の幸福を感じた。寝ぼけた頭でなんでこんなにも幸せなんだろう?と理由を探そうと思ったら、目を開けた瞬間にその答えが見つかった。

「おはようございます…」
「すごくお腹すいてるでしょ?もうすぐ朝ご飯できるから食べましょう。そういえばまどかちゃんのお家にはわたしが連絡しておいたわ」

マミさんの言葉を聞いて自分が朝まで寝ていたことに気付いた。
意識を失うほどに、あんなことをしたことについて少しは文句を言いたかったけれど、
空腹が辛すぎたので、ありがたくマミさんの手料理を食べさせてもらった。






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