ヨコヤァァ!!!ネタ10
ヨコヤァァァァァァァァッ


密輸人:ナオ
検査官:ヨコヤ
検査ルームでの会話。

相手がヨコヤとあって緊張した面持ちで入室するナオ。
対するヨコヤは余裕のある表情で一匹のネズミと戯れている。

「さて…検査をする前に…実は困った事になってましてね。」
「…はい?」

いきなり訳のわからない事を言われてナオは問い返してしまった。

「この連れがこの部屋で居なくなってしまいまして。」

そういって掌にネズミを乗せてナオに見せる。

「足元に居ると思うのですが…見てもらえませんか?」
「で…でも…。」
「もし…まだボクの上に居たとしたら、落ちてしまうから。協力して貰えませんか?」

ナオは少し考えたが、大したことではないので協力する事にした。
ヨコヤの指示で膝をつき、しばらく机の下も探すが…居ないようである。

「ヨコヤさん、居ないようですけど…」
「あっ…ココに居ました。」

そう言ってヨコヤは片手を差し出すとネズミは二匹とも一緒に居た。

「良かったですね。」

と膝をついて座り込んだまま、素直に喜ぶナオ。

「触ってみますか?」
「えっ…いいんですか?」
「キミが良ければ…どうぞ、そっと握って下さい。」

ナオはヨコヤの手から、そっとネズミを受け取った。

「かわいいですね。」
「ええ、餌を両手で持って食べたりします。あげてみますか?」

そういってポケットから小さなクッキーの袋を取り出した。

「人間のお菓子なので、食べれますよ。」
「そうなんですか…ありがとうございます。」

そう言って差し出されたクッキーを一枚とった。

「それ、咥えて下さい。」
「えっ?…こう…ですか?」

素直に貰ったクッキーを口元で咥えた。

「そう。それから割って更に小さく砕いて渡してやるんですよ。」

言われた通りに砕き、ネズミに渡すと、確かに両手で受け取り食べ始めた。

「くっくっくっ…楽しいひと時もこれで終わりです。」
「???」

ヨコヤはナオからネズミを受け取り、自分の肩に乗せた。

「さて、ゲームに戻りましょうか。」
「!…はい。」

「ダウト一億。」
「えっ…。」

チェッカーが確認をすると中はカラッポだった。

「先程のお礼です。では、また…。」

そう言ってヨコヤは検査ルームを去った。

後に残されたナオは訳のわからないまま…検査ルームを後にした。


〜 同時刻、南の国 〜

検査ルームを見ていたフクナガは直の不可解な行動を目撃していた。

「ナオのヤツ…何してんのかしら?」

フクナガの言葉に他のメンバーも集まってくる。

「あれ?ナオちゃんが居ない。」
「ちがう。何かヨコヤの傍に行って座り込んでるのよ。」
「…?じゃあ、何してるんだろ?」

一人椅子に座って考え事をしてたアキヤマも、さすがに視線を検査ルームに向けた。
その時、スピーカーから会話が聞こえてきた。

『触ってみますか?』
『えっ…いいんですか?』
『キミが良ければ…どうぞ、そっと握って下さい。』

プツッ、とスピーカー音が消えた。

「何だ?今の…。」
「ナオちゃん…触るとか…握るって…何を!?」

明らかに全員に動揺が奔る。
アキヤマも椅子から立ち上がり、他のメンバーと同じく検査ルームを確認した。
まだ、ナオの姿は見えない。

すると、またスピーカーから会話が聞こえてきた。

『それ、咥えて下さい。』
『えっ?…こう…ですか?』

再びスピーカー音が消えた。

「ナ…ナオちゃん…。」
「うわぁ〜マジかよ!」

そして…怒りを露わにしたアキヤマが拳を握り締めながら唸る。

「ヨコヤアァァァ!!」

部屋から飛び出そうとするアキヤマをメンバー全員で押さえ込んだ。

しばらくして、スピーカーから…今度はコールが聞こえた。

『ダウト一億』

《さてチェッカーの確認は…ゼロです!見事に南の国、慰謝料をゲットしました!》

「はぁ?いったい、どうなってんのよ!」

とにかくナオが戻ったら:問い詰めるしかないと、フクナガは思った。

数分後、ナオが南の国へ戻ってきた。

他のメンバーにアキヤマを押さえつけさせたまま、フクナガがナオに近づいた。

「アンタ、さっきヨコヤと何ヤッてたのよ?」
「はい?」
「まさか…アンタ…ヨコヤと…。」

ナオは小首を傾げてながら答えた。

「えっと…ヨコヤさんのネズミさんを探してて…。」
「…ネズミ…?」
「はい。触らせてもらっちゃいました。」
「じゃあ、咥えるってのは何の事よ?」

一瞬、ナオは意味がわからなかったようだが、思い当たる事があったらしくハッと目を見開いた。

「あ、クッキーの事ですね。」
「クッキー?」
「お菓子なんですけどネズミさんも食べるそうで…咥えて砕いてあげました。 両手で持って可愛かったですよ!」
「……どうせ、そんな事だろうと思ったわ。」

フクナガは溜息をつき、事情を他のメンバー…特にアキヤマに説明した。


〜 その頃の北の国 〜

「ヨ…ヨコヤさん、今のは…。」

アカギが戻ってきたヨコヤに興奮しながら声をかけた。

「…やはり女性の求めには答えるものでしょう。」

おおっ…と他のメンバーからも感嘆が漏れる。

「もてるのも辛いところですから…ねぇ?」

同意を求めるように掌のネズミに話しかけた。


〜 ディーラールームにて 〜

「さすがヨコヤですね、ネアルコさん。」
「ええ。何をやっているのかと思えば…。」

監視モニターから全てを見ていたレロニラとネアルコはヨコヤの狙いに気付いていた。

「南に動揺を誘い、北では自分の株を上げるとは…やはりヨコヤは怖いですね。」






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ