バカ正直(非エロ)
仙道アラタ×神崎直


俺はいつも1位だった。

家は小さな町工場だった。だから裕福ではないため親父は銀行から融資を受けてなんとか生きていられるという状態だった。しかし、やがて銀行から融資を停止され・・・・・親父は自殺した。
お袋は水商売で稼ぎ俺を育ててくれた。
ある時俺は思った。結局金がすべてなんだって。一番大切なのは命とか言うけど金がなければ生きれないんだって。きれいごとなんだって。
俺は家庭の状況を少しでも変えるために必死に勉強した。おかげで奨学金で私立の理工大学に入り研究に没頭した。でも俺は常に思っていた。
すべては金だと。
だから研究室に残れという教授の誘いを蹴ってあえて銀行へ入行した。
そしたらどうだ!!
次から次に自分のもとに金が!!

俺は常に一番。
挫折など味わったことがない。

なのに・・・。

エデンの園。俺は完敗した。初めての挫折。俺はもうどうでも良かった。赤が揃おうが揃わまいが。挫折のダメージに耐えきれなかった。
俺は最後まで悩んでいた。真実に手をのばすか禁断に手をのばすか・・・。
ゲーム終了後のマネーの移動は禁止。
俺は禁断に手をのばしかけていた。
その時だった直さんは赤に入れるとほかのプレイヤーも。なぜだ?
すべての選択を俺に任せた?
俺が禁断に手をのばせば2億もらえてあいつらはマイナス1億だぞ?

けど俺は真実をつかんだ。
今思えばあきらめていたのかもしれないたとえ2億でも挫折は挫折。ぬぐい去れないのだと。
結局全員赤でプラス1億。負債は秋山さんに肩代わりしてもらった。


信じるとは何なのだろうか?なぜ直さんは裏切られても裏切られても人を信じることをやめないのだろうか?

いまだにいまいち分からない。
でも直さんは教えてくれた。信じることは大切なことだと。

いつかまた会ったらお礼を言いたい。本当は彼女に惹かれていた。でも直さんが秋山さんに好意を寄せていることは分かっていた。だから俺は身を引く。



いつかまた会えるまで俺もバカ正直になれるかな・・・・。






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