チビキノコ
大野亘×神崎直


第三回戦、密輸ゲーム。

相手の密輸人から金を奪い、逆に敵国から自分の国へとお金を運ぶゲーム。
そして、1人あたり5億円を持つ、5人のチーム団体戦。

私、神崎直は、秋山さん、麻生ひろみさん、チビキノコこと大野亘さん、
そして・・・散々私を騙してきた真のキノコ、フクナガユウジさんと同じ、水の国のチームになった。

だけど・・・相手の国、超能力者のヨコヤさんに密輸額はすべて見破られてしまった。

そんな時、殺伐とした水の国に救世主が!
・・・どうでもいいけど、大野さんってフクナガさんと髪型かぶって鬱陶しい。
あの髪型はフクナガさんだけでいいと思うの。


「ダウト、一億」

大野さんのダウトコールが、会場内に響き渡る。
必勝法を見つけたと言う大野さん。見事に今回も相手国からお金を奪ってしまった。
この調子なら、きっと勝てる!

自信満々で検査官を終えて帰ってきた大野さん。
みんなその必勝法を聞きたくて、ワクワクしてた。

「必勝法、それはね・・・?」

うんうん、どうやってるの?

「んなもん教えるわけねーだろーがよぉぉぉぉ!」

ちょ・・・それ、フクナガさんとキャラかぶってる!髪型だけじゃなくてキャラまで!?

「おいキノコ。どうしても教えて欲しいなら、『教えてください大野様』といってみ?」

フクナガさんのアゴに手を当て、くいっと自分のほうへと向かせる大野さん。
これはまさか、キノコの下克上!?でも駄目!負けないでフクナガさん!!

「お前らも、ゲームに勝ちたいなら口のききかたに気をつけろ!」

ゲームには勝ちたい。5億もの負債は耐えられない。
こんなことなら、敗者復活戦でお金なんか返さなければ良かった・・・

「今からさぁ・・・この国の支配者は、ボクだから♪」

もうやめて!
私達もキノコカットにさせられてキノコの住人にされちゃうの!?

・・・でも、ここでゲームに負けるわけにはいかないよね。お父さん・・・エリーさん・・・そして・・・フクナガさん・・・

「わかりました」

覚悟を決めて、私は何とか言葉を口にする。

「まずはキノコカットにすればいいんですか・・・?」
「べ、べつにそんなことはしなくてもいいけど・・・」

私の言葉に動揺する大野さん。
彼に従うとか絶対に嫌だけど、ここで負債抱えるよりは・・・多分良い。
だから、彼に従って必勝法を教えてもらわないと。

「そうだなぁ・・・じゃあ、ナオちゃん・・・足、舐めてよ」

椅子に足を組んで、大野さんは偉そうに座る。
その言葉に、私も、その場にいた人々も戸惑った。
足を舐めるって・・・でも、やるしかない。このままじゃ、みんな不幸になっちゃうから。
大野さんの足元に膝をつき、大野さんの靴に手をかける。

「駄目だ!」

力強い声とともに、私の手を掴むフクナガさん。
私を見つめるその真っ直ぐな視線から、目をそらすことはできなかった。

「ナオちゃんはそんなことしちゃ駄目だ!」
「邪魔をするなこの毒キノコぉぉぉぉ!」

不意をつかれたのか、あのフクナガさんの顔に大野さんの蹴りが炸裂する。
そして倒れこんだフクナガさんを、奇声をあげながら何度も踏みつけた。

「初めてですよ。ここまでボクをコケにしたおバカさんたちは・・・」

メガネに中指を当て、ハァハァと肩を上下させている大野さん。

「その台詞・・・まさか、ふりーz」
「うっせぇ!このドブス!」

麻生さんの言葉を一喝すると、彼は腕を広げて笑みを浮かべた。

「ナオちゃん以外、みんなこの部屋から出て行けよ。これは命令だ」
「えっ・・・」
「さっさとしろ!」

ドンッと地面を強く踏みつけ、苛立つ支配者。
もう、私の知っている大野さんじゃない・・・助けて、秋山さん!
泣きそうな表情で秋山さんを見ると、彼は気絶したフクナガさんの足を引っ張って一早く部屋を出て行った。
そのあとを、申し訳なさそうに振り返りながらついていく麻生さん。
誰も・・・私を助けてくれない。
助けてくれたのは・・・フクナガさんだけだった。

「さぁ、二人っきりになれたね」

甘い囁きとともに、大野さんは後ろから私の体へとゆっくりと腕を回してきた。

「い、いやぁぁぁぁ!」

反射的に彼の腕を跳ね除け、悲鳴を上げながらその場に座り込む。
体が・・・震える。
いくらお金のためとは言え、体を、心を売ることまではできなかった。
大野さんは私の行動に一瞬躊躇したものの、すぐに支配者の顔に戻って私の前に座り込む。

「あれぇ?そんなこと言っちゃっていいのかな?」

顔を覗き込み、微笑む大野さん。

「キミだけは助けてあげようと思ったのに。ボクの必勝法でさ」

必勝法・・・そうだ。
彼に逆らったら、多額の負債を抱えてしまうんだ。
そうしたら、もうお父さんにも会えなくなるかもしれない・・・

「このゲーム中、ボクに従うだけでキミは助かるんだよ?それを断るわけないよね?」
「・・・はい」
「よし、いい子だ」

自分が助かるために、生まれて初めて自分に嘘をついた。
大野さんの手が、私の胸元へと伸びていく。
目を瞑って我慢する私の頬に、一筋の涙が零れ落ちた。

彼は仰向けに倒れた私の上へまたがると、力任せに白いブラウスを引き裂いた






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