ゲーム
福永ユウジ×神崎直


「福永さん、このお茶すっごく美味しいです。」
「でっしょー、まだまだあるから、どんどん飲んじゃってよ〜!
 今日暑かったから咽かわいてんじゃなーい?」

福永にそう促され、お言葉に甘えて…と、
ナオは、その初めて飲む味のお茶を一気に飲み干す。
福永が空いたグラスに注ぎ足した。


 『友達の海外土産でナオちゃんに似合いそうなものが一杯あるから、見に来ない?
  あ、女の子が喜びそうなものばかりだから、秋山君は今回は呼ばなくていいから』


そう福永に誘われ、ナオは今、福永の家にいる。

事前に秋山に報告していれば、少しは警戒心を持つように窘められていただろうが、
(福永さんはネイリストさんだし、女性向けの小物やお土産に詳しいんだろうなー)
等と考えながら、福永に指定されたとうり、秋山は誘わず単身で福永の家へ訪れていた。

「このお茶が例の海外のお土産ですか?」

2杯目のお茶を飲みながら、直が福永に尋ねる。

「そうそう。他にもそこの箱に直ちゃんが喜びそうなものがあるから、後で見せてあげるね」

そう答えながら、福永は何やらカメラと三脚のようなものをごそごそとセットしている。

「?福永さん何しているんですか?福永さんの分のお茶、氷溶けちゃいますよ」
「うん、ちょっとナオちゃんに見せたいものがあるんだよねー
 もうすぐ準備できるから、ナオちゃん僕の分も飲んでていいよー」

「え、いいんですか?」
「いいよーいいよー。まだおかわりあるし」

勧められるまま、ナオが福永の分のグラスを手にしたとき、
正面のテレビに、グラスを手にしているナオの姿が映し出された。

「あーびっくりした。それ、ビデオカメラですか?」

ナオがカメラだと思っていた機材のレンズを通して、
自分の姿がテレビに映し出されていることに、ちょっと照れたように、
ナオが福永に問いかける。

「そうそう。その海外に行った友達からもこれも借りたんだよ」

福永はカメラの向きを調節しつつ、ナオのほうを振り向き、笑顔を向けた。

「?」

ナオは何となく福永の笑顔に違和感を感じた気がしたが、
その疑問を口に出す前に、ナオの手から飲みかけのグラスが落ちた。

「きゃあ、すみません!!なんか勝手に手がすべったみたいで!」

ナオはあわてて、自分の膝の上に落としてしまったグラスを取ろうとするが、
何故だか手がうまく動かず、グラスを掴む事ができずにいると、
福永がそのグラスを持ち上げてテーブルの上に置いた。

「あ、ありがとうございます。何故かうまくつかめなくて、床もすごし汚しちゃいました」

慌てて福永を見上げ謝罪をするが、またしても福永の笑顔に違和感を感じる。

その後の福永の行動はナオには信じられないものだった…。

「いいよぉ。別に。
でもスカート濡れちゃったから脱がないとね」

そう言いいながら、ナオのスカートのファスナーに手をかけ、下着ごと脱がせはじめる。

「!!福永さん、何するんですか、スカートは大丈夫ですからやめてください」

突然の出来事に慌てながらも、ナオは福永の手を止めようとするが、
何故か手足が思うように動かず、あっというまにナオの下半身は一糸纏わぬ状態にされていた。

「いやです。やめてください!!」

必死に声のみで抵抗をする。

「そぉんな言ってもさ、ナオちゃんぜぇんぜん抵抗しないじゃーん。
 ナオちゃんてば実はさ、こういうことされるの待ってたんじゃないのぉ?」
「!!!違いますっ」

羞恥と恐怖のあまり、ナオの両瞳からぽろぽろと涙が零れる。

実はさきほどナオが飲まされていたお茶は、
一時的に手足の動作を鈍くさせる作用と、催淫効果があるという、
日本ではとても手に入らないような品物で、
ナオが今手足がうまく動かないのはその為であった。

普通の人であれば、何かを飲まされた直後に、
手足がうまく動かないような事態が発生した場合、
飲まされたものを疑うだろう。

だが、相手は疑う事を知らないカンザキナオだ。

福永としては、飲ませた物の効果の種明かしを、
得意げに話したいのは山々だったが、
その事には敢えてふれず、ナオのブラウスのボタンを外しはじめる。

「嫌なら抵抗すればいいのに、
 さっきから脱がしてもらうの待ってるみたいじゃない。
 ナオちゃんて本当はこういう事されるのが好きな子なんだねー」

「ちが…本当に違うんです。あの、びっくりしすぎちゃったせいか、
 手足が動かないだけなんです。本当にやめてください。お願いします。」

ナオは羞恥のため俯いたまま首を左右に振り、小さな声で、
やめて欲しいとと、何度も懇願する。

飲まされたものの効果である事を全く疑っていない様子に、
福永は厭らしい笑みを浮かべ、心の中でつぶやいた。

ナオちゃん、君はほんっとうに、バカだよね。


「福永さん…。お願いします。もうやめてください」

ブラウスもブラも取り去られ全裸にされてしまったナオは、
必死の思いでそう懇願した。

すると福永が、一度脱がせたブラウスを拾い、
ナオの腕をとり、両袖をとおさせた。

(よかった…。福永さん、解ってくれたんだ)

「ありがとうございます」」

安堵の表情を浮かべ、礼の言葉を告げるナオを、
福永は一瞥し、心底馬鹿にしたような表情でこう告げた

「ばっかじゃないのぉ。お楽しみはこれからじゃん」

驚愕するナオを尻目に、
「待っててね♪待っててね♪」と、スキップしながら、
例の【海外土産】が入っているという箱を持ってくる。

箱の中から紐のようなものを取り出し、
「まぁ、この紐は海外製とか関係無いんだけどね」
と言いながら、ソファーに座らせている状態のナオの右手に、
紐を巻きつけて縛り、ナオの右足を高く持ち上げた。

「やっ…いや」

足を持ち上げられた事で、恥ずかしい場所がより露わになる事を、
ナオは必死に抵抗したが、手足は思うように動かず、福永の自由にされてしまう。

高く持ち上げられた右足の内腿に、
紐でしばられた右手が重なるように、きつく紐を巻きけ、紐をナオの背中側に通し、
同じように左側の手足も固定してゆく。

その紐の上に、先ほど袖を通したブラウスを、紐が隠れるように重ねる。

「ほらー、見てごらん。
 こうやって紐を隠すと、ナオちゃんが自分の手で足を広げてるみたいに見えるでしょ?
 超セクシー♪」

楽しげにはしゃぐ福永の視線の先のテレビのモニターに映し出されている、
あまりにも恥ずかしい姿を、ナオは直視する事ができず、
小さな声で「いや…いや…」と呟きながら涙を流す事しかできずにいた。

「いやいや言っちゃってる割にはさ、
 脱がされただけで随分と感じちゃってるんじゃないの?」

フクナガはそう言いながら、
お茶の効果で既に硬く色付き主張していた、ナオの乳首をつまみあげる。

「やっ!…んっ」

ナオの体に甘い電流のような疼く感覚が走る。
(やだ…。嫌なのに、どうして…)

一連の出来事で既に精神的に一杯な状態のナオには、自覚は無かったが、
先ほど飲まされたお茶の催淫効果は既にナオの体に表れていた。

形のいい双方の乳房を彩る乳首は色濃く硬くなり、
下半身の蜜口から甘い蜜を漏らし、その先の一番敏感な肉芽も、
既に硬くなり存在を主張していた。

縛られ無理やり開かされているナオの足の間に、
フクナガはしゃがみこみ、わざとゆっくりナオの秘部を眺めまわす。

(やだ。やだ。こんなの恥ずかしすぎる。)
ナオはあまりの恥ずかしさに声も出せずに、顔を背け涙を流すが、
同時に自身の体の奥に甘い疼気を感じ、体液が吐き出されたのを感じた。
(私…恥ずかしいのに、嫌なのに、何で?)

フクナガは、ナオの蜜口から蜜をすくいあげ、
敏感な肉芽にこすりつけるように、数回軽く撫で上げながら、
ナオに囁く。

「ナオちゃんはさぁ自覚は無いかもしれないけど、
こういう恥ずかしい事をされるのが大好きな、えっちなコなんだよねー。本当は」

「はぁ…んんんっ」

生まれてはじめてそこを他人に触られる刺激に、嫌悪感を感じつつも、
ナオの体は敏感に反応し、自分でも信じられないような甘い嬌声が漏れてしまう。
(いやなのに…わたし、わたしのカラダ…フクナガさんの言うとうりだ…)

「こぉんな、やらしいナオちゃんにとっても喜んでもらえるプレゼントがあるん
だよね。」

じゃじゃじゃーん。と効果音をつけつつ、土産物入れから、フクナガが取り出し
たものを見て、
ナオは青ざめた。

ナオはそれを見るのははじめてだったが、今の自分のおかれている状況と、
その形状から、それが何かの察しがついた。

フクナガの手に握られれているもの、それば電動式のバイブだった。

「ほら、ナオちゃんこういうの大好きでしょ?
 海外サイズだからちょっと大きめだけど、色んなパターンの動きが可能だから、
 ナオちゃんにとっても楽しんでもらえると思うよ。」

そう言うとフクナガはナオに見せつけるようにバイブのスイッチをいじりはじめる。

フクナガのスイッチを動かす指にあわせ、ナオの目前のバイブが細かく振動する。
スイッチのモードを変えると、先端や入口にあたる部分の内側のボール状のものが回転したかと思えば、
全体的にうねうねと回転を見せたりした。

ナオの顔が恐怖心に歪む。
全身の力を使い、必死に抵抗を試みるが、緊縛された状態とお茶の効果で、
首を左右にめいいっぱい振る以外に、抵抗をする事ができない。

フクナガの手元のバイブの先端が、ナオの秘部分の入口にあてがわれた瞬間、
ナオは悲鳴のような声で必死に、やめて欲しいとフクナガに懇願した。

「いや!そんなの、そんなの入りません!!やめてください!!」

その台詞を聞き、フクナガは手を止めニヤニヤとしながら、ナオに質問を投げかけた。

「あれぇ?ナオちゃんてさぁ、ひょっとして処女?
 処女なら、いきなりバイブはちょっと可哀想だから考えてみてもいいけど?」
「処女です!だから、やめてください」

通常のナオの性格では、恥ずかしくてとても口に出せないような申告だったが、
今の状況から逃れたい一心で、処女である事を告げる。

「秋山とは?やっちゃってるんじゃないの?」
「秋山さんとはそんなんじゃありません!!」

フクナガから急に秋山の名を出され、
ナオは秋山との関係を侮辱されたような気分になり、声を荒げて否定した。

「ふーん。じゃあナオちゃんの片思いなんだ。」
「…!」

ナオの秋山への思いを、断定的にフクナガに指摘され、ナオは言葉を詰まらせた。
そのナオの表情を見て、フクナガは更にナオに追い打ちをかける。

「ほーんと、ナオちゃんはすぐに表情に出るよね。バレバレだよ?」

恥ずかしさから、どう答えていいか解らず、
フクナガからの視線を反らすように、横を向き、
俯くナオの耳元にフクナガを唇を寄せ囁く。

「可哀想にね。ナオちゃん。
 君の処女は秋山にじゃなく、このオモチャに奪われるんだよ」
「…っ、処女なら考え直すって、言ったじゃないですか!」
「考えてみてもいい、って言っただけで、止めるなんて言ってないよ、
 でも、まぁ可哀想だから、ひとつゲームでもしてみようか?」
「ゲーム、ですか?」
「そう、ゲーム。ナオちゃんが勝ったら、ナオちゃんの希望をひとつ、
 例えば、もう止めて家に帰して欲しいとか?聞いてあげるよ。どう?」
「……」

現状を回避するには、そのゲームで勝つ以外に方法が無いのであろう。

だが、ナオの過去の経験上、フクナガからゲームを持ちかけられ、
良い結果となった事は無く、さすがのナオも警戒心から即答を躊躇った。

「そんな警戒しないでよぉー。正直者のナオちゃんにはぴったりのゲームだよ」
「…どんなゲームですか?」

正直者にぴったりな簡単なゲーム、というフクナガの言葉を聞き、
ゲームの内容によっては勝てるのかもしれない、と、
騙されやすいナオは、一筋の希望を見出したように、ゲームの内容を質問する。

「簡単だよ、今から僕がナオちゃんに質問を10個するから、
 その質問の正直な回答を、ナオちゃんがビデオカメラに向かって言うだけ。
 全部の質問が終わるまで、嘘をつくのは禁止。
 全部の質問に正直に答えてくれたらナオちゃんの勝ちだよ」

(…嘘はつかないで10個の質問に正直に答えるだけなら、勝てるかもしれない)
実際のところ、ナオにはフクナガが何故そんなゲームを持ちかけてきているかの、
意図が全く理解できないでいた。

先ほどの会話の流れの続きで、
秋山に対する気持ちを根掘り葉掘り質問されたり、するのかもしれない。
とも思ったが、10個程度の質問なら答えられそうな気がした。

それどころか、ひょっとしたらフクナガは自分に同情してくれて、
わざと簡単なゲームを持ちかけてくれたのかもしれない。

と、常人であれば、この状況まで追い込まれたら思いもつかないような、
お人好しにも程がある考えにいたり、ナオはフクナガ提案のゲームにのる事にした。

「それじゃあ、ゲーム開始だね。
 まず質問1、あなたの名前を答えてください」
「…カンザキナオです」

フクナガからの、あまりにも簡単な質問内容に、
少々拍子抜けしながらも、これなら勝てる、とナオは安堵し、
フクナガに向かって、回答である自分の名前を告げる。

「ちゃんと、ビデオカメラに向かって答えて」
「あ、はい。すみません」

ルールでは、ビデオカメラに向かって回答する事になっていた事を、
うっかり忘れてしまい、フクナガに向かって答えてしまったので、
ナオは、改めてビデオカメラに向かい自分の名前を答える為、
視線をビデオカメラのほうに向けた。

ビデオカメラに視線を向ける事で、その奥のテレビに映し出されている、
自分の姿が再び目に入り、先程迄の安堵の感情が、
途端に羞恥と、居た堪れないような感情で一杯になる。

テレビに映し出されているナオの姿は、
全裸で足を大きく開いた状態でソファーに座り、
まるで、自分から恥ずかしい部分を見せつけるように、
開いた足を自らの手で抑えているような格好だ。

(やだ、こんな格好恥ずかし過ぎる…)

自分の恥ずかしい姿を改めて目にし、自然と目から涙が零れる。
それと同時に体中が熱くなり、先ほどから意識しないようにしていた、
疼くような感覚が、より一層強くなる。

(やだ、やだ、私のカラダ、おかしい…恥ずかしい…)

自分の姿を見ている事に耐えられず、カメラから目を反らす。

「あの、フクナガさん。
 この格好恥ずかしすぎます。ゲーム中は普通の格好でいさせてください。」

自分のカラダがもたらす、思いもよらない感覚や反応と、羞恥心から、
ナオのか細い声は震えていた。

そんなナオの姿を、
フクナガは満足げな厭らしい笑みをたたえながら眺めている。

「だぁーかーら、
 ナオちゃんがゲームに勝ったら、お願いをひとつ聞くって、決まりじゃない、
 それ以外は、ゲーム中は何を頼まれたってお断りだよ」
「…そんな…無理です。恥ずかしすぎます」

ナオの瞳からは涙が止まることなく流れ、か細い声は相変わらず震えていた。

「だいたいさぁ、本当のナオちゃんは、
 こういう恥ずかしい格好させられるのが大好きな、やらしいコじゃない」

そんなナオの姿を眺め、一層楽しげに、フクナガはナオを追い詰める発言をする。

「…っ。好きじゃありません、嫌です」

こんな格好、好きなはずが無い。嫌に決まっている。
ナオは否定の言葉を口にする。

が、心の奥底では、フクナガに言われた言葉に不安を覚える。

催淫効果のあるお茶を飲まされた事を知らないナオとしては、
この、嫌で堪らない筈の、恥ずかしい姿を強要されながらも、
同時に体の奥底の甘く疼く、否定しようが無い感覚に焦っていた。

(わたし…ひょっとしたら、フクナガさんの言うような、
 やらしい、えっちな子なのだろうか…)

黙ってしまったナオの様子を見て、
フクナガは計算道理と言わんばかりの顔で、話をすすめる。

「本当に嫌のかなー?ナオちゃん、ゲーム中は嘘は禁止だよ?
 まぁ、ナオちゃんがえっちな子かどうかは、とりあえず置いておいて、
 さっさと、1つ目の回答をカメラに向かって答えてくれる?」
「……」

ナオは俯いてしまったまま、カメラのほうを向こうとしない。

ゲームをする事に決めた段階では、カメラ越しに自分の姿を見る事が、
こんなに恥ずかしいという事までは、考えが及んでなかったのだ。

今のナオとしては、こんな格好のままゲームを続けられる事は、
到底無理なように思えた。

ナオがいつまでも黙っているような反応を返す事は、
フクナガの想定内であったが、わざとイラついたような口調でナオを追い立てる。

「さっさと答えないと、ナオちゃんの負けだよ?
 あ、そういえばさ、ナオちゃんが負けた場合、どうするか決めてなかったよね」

フクナガの苛ついた声とともに、
『パシャ』というシャッター音が、ナオの耳に入ってきた。

ナオが嫌な予感を抱えながら、フクナガのほうを向くと、
フクナガの手元に、いつのまにか、
ー…おそらく勝手に鞄から出したのであろうと思われる、
ナオの携帯電話が握られていた。

「へー、ナオちゃんて結構、秋山と頻繁に連絡とってるんだねー。
 でもさ、こんな写真つきのメールが送られてきたら、さすがの秋山も驚くと思わない?」

フクナガはそう言いながら、ナオの携帯の画面をナオに向ける。
画面には、顔をそむけてはいるものの、
ナオを知る人には一目でナオだと解る、現状のナオの痴態が写っていた。

「…っ!!絶対にやめてください!!」
「ナオちゃんがゲームに負けた場合の話だよ。
 負けたく無かったら、さっさとビデオカメラに向かって回答してよ」

実際には、フクナガとしては、秋山にメールを送るつもりは無かった。
こんな写真のメールなんか送ったら、自分の命も危ない。

だが、ナオの心情を追い詰めるには効果的であると判断し、
実際にその判断は正しく、ナオの心情を追い詰めた。

大好きな男性に、自分の恥ずかしい姿の写真を見られる、
それは少女にとって、何よりも耐えがたい、一番避けたい事柄であった。

(秋山さんに、あんな写真見られたら、もう、二度と顔向けできない…)

ナオは意を決し、ビデオカメラのほうへ顔を動かし、
震える声で、フクナガの指示に従った。

「私の名前はカンザキナオです。」

止まることなく溢れる涙のせいで、ぼやけはじめたナオ視界に、
恥ずかしい姿で名乗る自分の姿が映る。

ナオは自分の体が一層熱くなるのを感じていた。

「はーい。1問目正解。じゃあ、2問目の質問でーす」

そう言いながら、フクナガはナオの双方の胸の頂点の蕾を、
両手で摘まみ上げる。

「ゃあっ!」

突然の出来事に、ナオが悲鳴とも嬌声ともつかない声をあげる。

「ゃっ…やめっ…ん」

嫌だ、やめてほしい。
ナオは確かにそう思って、言おとしたのだが、
同時に体内に甘い痺れが走り、口から発した言葉は嬌声となる。

催淫効果で、甘い刺激を感じやすくなっているナオの蕾を、
フクナガは強弱をつけて揉み込んでは、
親指を使って左右交互に軽く転がし、ナオの反応を楽しむ。

「…っ…んっ…はっ…」
(嫌、嫌なのに、変な声が出そうになる…)

ナオは漏れてしまいそうになる声を必至で我慢しつつ、
フクナガに触れられている部分から全身に広がる、
電流のような甘い痺れに戸惑っていた。

「はーい。2問目の質問です。
 ナオちゃんは乳首を弄られるのが好きですか?」
「!!違…っん。嫌、っんん…はぁっ」
「あれぇ?違うの?そんなやらしい声出してる癖に。
 嘘ついたらこのゲーム、ナオちゃんの負けなんだよ?」

フクナガの指がナオの双方の蕾に齎す甘い刺激は、
止まらず繰り返し続けられている。

繰り返される毎に、ナオのカラダげの甘い疼きが増し、
自身の秘部から、熱をもった蜜が漏れ溢れていくのを、
ナオは自覚し、戸惑っていた。

(本当に嫌なのに…
 私のカラダはフクナガさんの言うとうり、すごくエッチだ…)

感情とは異なった反応を返す、自分の体、
そして認めたくは無いが、快楽を感じている。
その状況にナオはすっかり混乱していた。

通常であっても、他者の言う事を鵜呑みにしやすい性格のナオだが、
与え続けられる快楽と、体の反応という状況証拠、混乱する思考の中で、
フクナガ言う事が、正しいような気がしてきてしまう。

(私…こういう事をされるのが好きな、えっちなコだったんだ…)

本当はそんな事認めたく無い、絶対に認めたく無い、が、
違う、恥ずかしい、と思えば思うほど、気持とは反対に、
カラダは熱を増し、蜜が溢れ、甘い声が漏れてしまう。

「…んっ…ふぅ…ぁ…」
「ほら、ちゃんと早く、正直に言わないと、秋山君に写メ送るよ?」

それはナオにとって、何よりも避けたい事柄だ。

(恥ずかしいけど…ちゃんと、本当の事、言わないと…)

追い詰められているナオの心を更に追い詰めるように、
フクナガは、指先でナオの蕾を弄ぶ行為はそのままの状態で、
ナオの耳元に唇を寄せささやく。

「『私は乳首を弄られるのが好きなエッチなコです』でしょ?
 早く言わないと、本当に秋山に写真見られちゃうよ?」

ナオは、苛まれる快楽を耐える為に閉じていた目を開き、
小さな声であったが、ナオにとっては精一杯の声で、
カメラに向かって告げた。

「わ…わたし、は、乳首を弄られるのが、好きな…えっちな子、です…」

そう告げた直後、ナオは、自ら認め口にしてしまった恥ずかしさと、
後悔の気持でいっぱいになる。

急速に全身が火照り、同時に、より敏感に反応してしまう。

フクナガの指は絶え間なく、ナオの蕾を刺激し続ける。

「ゃ…っ…っ」

ナオが必死に声を我慢しつつも、敏感に反応している様を、
フクナガ楽しみながら、更に言葉でも、揺さ振りをかける。

「処女なのにこんなに感じちゃうなんて、ナオちゃんて、
 相当えっちだよねぇ。こーんな厭らしい子滅多にいないよ。」

(…これが、感じてるって、コトなんだ…
 わたし、今まで知らなかったけど、すごく、厭らしい子なんだ…)

フクナガの指から与えられる、快楽と辱めにより、
朦朧としはじめていたナオの意識は、
フクナガの思惑どうりに、思考を誘導されてしまっている状態だった。

「!…あぁんっ!!」

不意に、今までに無い強い刺激が与えられ、
ナオの口から大きな声が漏れる。

ナオの敏感な蕾は、フクナガに、抓るように捩じり上げられていた。
限界まで引っ張り上げ、ぎゅうぎゅうと、強く揉み込まれる。

その強すぎる刺激は、痛みを伴いつつも、
痛みとは異なる新たな快楽をナオの体にもたらし、
ナオは喉を仰け反らせ、体を震わせた。

「あっ!…あ!…あぁ…あ…」

声を我慢する事すら出来ず、再び涙が零れ落ちる。

フクナガは暫くの間、
押し潰さんばかりの強い刺激を、ナオの蕾に与えた後、
次に、双方の乳房を両手の指で、
わざと頂上の蕾には触れないように、包み込み、
柔らかく揉みはじめた。

「ふぁ…っん」

強い刺激の後に、柔らかい刺激を与えられ、
ナオの口から、ナオ自身が驚くような、甘い声が漏れてしまう。

ナオは慌てて、声を我慢する事に意識を集中させようとしたが、、
柔らかく胸全体を揉まれている内に、
今は触れられていない頂点の蕾が、先程の刺激を思い出し、
再びそこへ触れて欲しいという、認めたくない感情が自分の中に、
芽生えた事に気が付き、当惑する、。

(ダメ…そんな事、考えちゃ、ダメ、なのに…)

フクナガの指の動きが変わり、指全体を乳房の外側から、
頂点に向かってゆっくりと滑らせるような動きに変わる。

ゆっくりとそたその動きが、頂上へ近付きはじめると、
ナオは、そんな事は考えてはいけない、と思いながらも、
欲していた場所に刺激が与えられる事を期待し、
触れられる前から、想像し、甘い溜息を洩らしてしまう。

だが、無情にも福永の指は、頂上の蕾のみ触れず、
乳房の外側に戻り、再度同じ動きを繰り返す。

ナオは、じわじわと、外側から迫ってくる指の動きに、
考えてはいけない、と思いながらも、

フクナガの指の動きが変わり、やはりわざと蕾には触れないように、
蕾付近の桜色に色づいた部分を、やわやわと揉み始める。

「はぁん…っ」

欲しい場所への刺激を、与えてもらう事ができない。

その状況が、更にナオから漏れる声を艶めいたものにしていた。

フクナガは計算どうり、散々焦らしてからの、3つ目の質問に入る。

「では、3つ目の質問です。
 ナオちゃんは今、乳首を触って欲しくて堪らないんじゃない?」


ナオは、自分の厭らしい欲望が見透かされてしまっていた事に、
既に火照っていた顔を更に赤くし、小さく小さく頷いた。

(恥ずかしい…でも、でも、我慢できないんです…)


「頷くだけじゃ、回答になってないよ。ナオちゃん、
 ちゃんとビデオカメラに向かって言ってくれないと」

フクナガはそう言いながら、カメラに向かって言うべき台詞を、
ナオの耳元で囁く。

「そ、そんな事!…言えません」
「言わないとナオちゃんの負けだけど、いいのかなー?」
「……」

負ければ、大好きな秋山へ、見られたくない写真のメールが、
送られてしまう。

負けるわけには、いかないのだ。

ナオは震える息遣いで小さく深呼吸し、気力を振り絞り、
フクナガに指定されたセリフをカメラに向かって告げる。

「もっと…もっと、乳首を、苛めて、欲しいんです。
 お、お願い、します。」

本来、フクナガが指定したセリフ回しで言う必要など、
ゲームのルールに無い事だったが、
精神的にも、肉体的にも、追い詰められているナオは、
ただ、フクナガの指示に従うしか術が無い状態となっていた。






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