花の蕾 続き(育てよう)
秋山深一×神崎直


秋山視点…Side.A
直 視 点 …Side.N


Side.N

あの夜以来…初めて秋山さんと過ごしたホテルでの夜。
あの時に感じた寂しさが、どこか私の中で燻っている。
……どうして、なんだろう。
会いたい時に秋山さんはちゃんと会ってくれるし携帯でも話してくれる。
でも、こうして離れてしまうと寂しさが沸き起こってくる。
その僅かな時間すら無くしたくて何かと用事を作っては秋山さんの家を訪ねてしまう。
秋山さんが…好き。
少し癖のある髪と切れ長の睫毛と鋭いのにどこか寂しげな瞳が好き。
面倒くさそうにしながらも、見守ってくれて私を助けてくれる…優しいトコが好き。
ずっと、ずっと一緒に…そばにいたい。
こんな自分勝手でわがままな私を晒してしまうと、秋山さんに嫌われそう。
でも溢れてしまう気持ちが抑えきれなくて、私はまた秋山さんの家へ行ってしまう。
ほんの少しの時間でも…。


Side.A

直とお互いの気持ちを確かめ、何度も肌を重ねていてもまだ、どこかで彼女を求める自分が居る。
そう、互いの家を行き来はしていても、時々訪れる一人の時間。
何をしているのか…予定は知っているのに、どうしているのだろうとつい、考えてしまう。
こんなにも貪欲で独占欲が強かったなんて、直と付き合うまでは自分の中でも知らなかった部分だ。
吹かしていたタバコの煙を見つめながら…ただ一人の時間を過ごしていた。

玄関の呼び出し音が鳴り響く。
タバコの火を消して、玄関の扉を開けに行くと直が買い物袋と鞄を手に立っていた。

「秋山さん、おじゃまします。」
「ああ。」

靴を脱いで部屋へ入ってくる。

「すみません、遅くなっちゃいました。お腹、空きました?」
「ん…まぁな。」
「じゃ、すぐに用意しますね。」

そう言って買い物袋だけを持ち、台所へ向かう。
しばらくすると小気味よい包丁の音と煮え立つ鍋の中から旨そうな匂いが漂う。
何度か味わった直の料理はどちらかというと和食が多い。
幼い頃から料理をしていただけあって手際がよく、しばらくするとテーブルの上に様々な料理が並んだ。

「どうぞ、食べて下さい。」
「ああ。」

今は週に1〜2回ぐらいはこうして他愛も無い話をしながら食事をしたりして過ごしているが、
一人の時は、面倒なのと孤独感を感じるのとで…つい、外食で済ましてしまう。
このまま…一緒に暮らしたいと願うのは、俺のわがままだろうか?

食事も終わり、直は台所で後片付けをしてくれていた。
今日は大学のレポートの準備があって、すぐに帰るという。
帰したくない、そう思うとシンクで食器を洗っていた直の背後に近づき…そっと抱きしめていた。

「あ、秋山さん。ダメです、濡れちゃいますよ?」

返事もせず、首筋や耳朶に口付けていく。

「ダメですってば!…今日は帰らないと。」
「…だから?」
「だ、だからって…」

手が洗剤で泡だらけになって抵抗出来ないのをいい事に、服の上から胸の膨らみに触れる。

「あ…」

ゆっくりと円を描くようにまさぐりこねくり回していると手の中で胸の膨らみが形を変えていき
直からは少しずつ甘く艶やかな吐息が漏れ始めた。
指先で胸の先を軽く摘み上げる。

「い……あぁっ…!」

直の感じやすい所を攻めながらお尻から太腿にかけてじっくりと手を滑らせていく。

眼を閉じながら必死に快楽と戦い、小さく震える姿が愛おしい。
お前が負けるに決まってるのに…そう思うと、つい小さく笑ってしまう。
もう諦めさせようと、スカートを捲り上げて下着越しに直の割れ目にそっと指を這わせた。

「やああぁんっ……!」

直の声が甘くなりながら高まっていく。
まともに立てなくなってきたのか、少し前屈みになりながら水の流れるシンクの中に手をついていた。
胸元の手を服の下から直の滑らかな素肌へ滑らせてブラを上へとずらす。
柔らかな直の乳房を掴みながら、割れ目に沿わせている指先をツンツンと中へ
突付き入れるように刺激した。
肩口から首筋へ舌先を這わせて耳をそっと甘噛みする。

「やぁ…ん…ふぁっ…」
「さて、これでも帰るのかな?」

耳元で直に囁いてやると直は振り返りながら、拗ねたように俺を睨みつける。
何か反論でもしようとしていた直の唇を、口付けで言葉を奪った。

「んんんっ……ふうぅ…んっ!」

直の口内に舌を差し入れて蹂躙するように舌を絡ませる。

「んっ……ふうぅ…はぁ……」

そっと唇を開放すると直から甘い溜息が漏れた。

「濡れてきたね。」

下着はもうぐっしょり濡れていて直の秘部に纏わりついている。
それを少し横へずらして、直接秘部に指を沈めた。

「あ、ああっ……ダメぇ…!」

直の身体がビクンと一瞬、震える。
もうこれで俺の勝ちだな…そう思った。

しかし俺が全く予想もしなかった事が起きた。

突然、直の眼から一筋の涙の雫が頬を伝って流れ落ちた。
濡れた手を瞼にあてて嗚咽を漏らすように泣き出したのだ。
思わず直に触れていた両手をはなし、少し離れた。

何故…なんだ?
理由が全くわからない。
今まで…拒否をされた事は一度も無かったのに…。

「直?」

背後から少し顔を覗き込むようにすると振り向いた直が俺の首元に飛びつくように抱きついてきた。

「お、おいっ。」

訳も解らないままだったが、とにかく落ち着かせる為に抱きしめてやる。
そうすると落ち着いてきたのか、直から少しずつ言葉が漏れはじめた。

「ダメ…なんです…。」
「え?」
「帰らなきゃ…いけないん…です…。」

ああ、レポートの為にね。それで、この拒否反応か?

「でも、私……帰りたく…ないんです…。」

そりゃ、俺がそう仕向けたからな。

「このまま……秋山さんの所に…ずっと居たいって…思ってしまうんです…どうしても。」

―――― 何?

「ちょっと待て。それは…どういう意味だ?」

確信にかえたくて、つい聞き返してしまった。
その言葉にハッとなった直は両手で俺を引き剥がすようにして離れる。

「ごめんなさい!…忘れて下さい!!」

この場から逃げるように直が慌てて自分の荷物を持ち、玄関を出ようとしたので
先に扉の前に立ち、出口を塞いだ。

「ダメだ!直、ちゃんと言え。」
「ごめんなさい!」
「謝る必要ないから、ちゃんと言えって!」
「…ごめん…なさい…。」

直が、俯きながら再び泣き出してしまった。
何もしてないのに、いじめているようだ…そう思うと溜息が出てしまう。

「……もういい。」

もう直がどう思っていようとも、俺のわがままを突き通してやる。
俺は心のままに行動する事を決めた。

直が持っていた鞄を取り上げて彼女の肩を抱き、やや強引に部屋の方へ連れ戻した。

「あき…やま……さん?」

涙を手で拭いながら直が少し小首を傾げている。
直の頬を両手で覆い直の眼を見つめた。

「帰してやらない。」
「え?」
「もう、このまま離さないから。」

そう言って頬から手を離し、直の服のボタンに手をかけて外し始める。

「あ、あの…。」

混乱しているのか、直は抵抗もせずにされるがままになっている。
ボタンを全て外し、上着を全部脱がせると足元にはらりと洋服が落ちた。

「やっ…ちょっと、待って下さい。」

ようやく慌てて服を拾おうとした直だが、俺が彼女の腕を捉まえて止める。

「レポートも全部諦めてしまえばいい。」
「そ、そんなコト……」

捉まえた腕を下ろしながら、今度はスカートのファスナーとホックを外すと上着の上に落ちていった。

「もう、お前は…俺のモノだ。」

下着だけの姿になった直に口付けて求めるように舌を差し入れた。

「んふぅ…んんっ!」

抵抗するように直が俺の胸元を叩いてくるが強く抱きしめる事で封じ込める。
そして片手を下までおろして後ろから下着越しに直のお尻を撫でた。
直の身体がビクンと撥ねる。

「んぁ…はあぁ……」

吐息と共に唇が離れると直から快楽の声が漏れた。
首筋や鎖骨に啄ばむように口付けながら胸や秘部を弄り捲ると力が抜けてきたのか
直が崩れるように倒れてきたので、支えるようにしながら座らせた。
ほんのりピンクに染まった肌と控えめなクリーム色のレースの下着と
やや熱をおびた瞳とが俺の欲望を魅了する。

直に覆いかぶさるように身体を重ねて彼女をそっと横たわらせた。
ブラのホックを外して上へ少しずらすと程よく実ったふくらみがピンクの突起と共に目の前に現れた。
誘うようにつんととがった胸の突起をそっと口に含む。

「ああ…ふ…あはぁ…」

甘く唇で摘み上げるように吸うと、直から艶やかな吐息が溢れた。
片方の手で乳房を弄びながらもう片方の手を腹部からショーツの股布までゆっくりと這わせる。
すっかり濡れてしまっている布を横へずらし秘割れの中へ指を沈めた。

「あっ…あああ…んッ!」

さっきまで俺に弄られていた所為でヒクヒクと戦慄いている。
熱くて蕩けそうな感覚を指先で感じながら、はやく己自身で感じたいと熱り立ってきていた。

俺は散々弄んだ胸から身体を起こし、直のショーツをずらして両脚から一気に抜き取った。
何も隠す術を失った秘部を晒そうと太腿に手をかけて少し上へ持ち上げ、ぐいっと大股開きにした。

「やだぁ…そんなの、恥ずかしいです…」
「ダメ。直のココ、見せて欲しい。」

抵抗するように脚を閉じようとしたが、強引に押し留めた。
恥ずかしげに真っ赤になりながら顔を反らす直があまりにも可愛い。
俺は両手の親指と人差し指を秘部の左右にあてがい、さらに奥まで見えるように押し広げた。
ヒクヒクと痙攣している割れ目にそっと舌先を入れて舐る。
秘部に埋もれている敏感な突起を探り当てて優しく突付くように責めた。

「ひぃっ、やああぁ…!」

快感で直の背筋が弓なりに反り、肉の亀裂からは蜜が溢れ出した。

俺自身がもう限界に近づきベルトに手をかけてズボンと下着を一気に脱ぎ捨てた。
直の割れ目に俺自身をあてがい、ゆっくりと上下に擦り付ける。
溢れた直の蜜が俺の肉棒に纏わり付くように絡みながら濡らした。

「直、いくよ。」

顔を近づけ耳元で囁きながら直の秘部へ少しずつ己を埋めていく。

「あ…ああ、やぁ…んっ!」

半分ぐらいまで入った所から直の奥まで一気に挿入した。
ぐちょぐちょに濡れた肉壁が熱くて柔らかく、蕩けそうな感覚が俺に襲い掛かる。
何度も肌を重ねていても直の中は気持ち良くて射精の欲求がすぐに沸き起こってしまう。
何とかコレを抑えながら狭い肉壁の通路を削り取るように突き動かした。

「あっ…あああっ…はぁ…んっ!」

直が彷徨うように腕を伸ばし俺の首にしがみつく。
彼女の奥深くまで犯しつくすように突き入れながら身体を沈め、啄ばむようにそっと口付けた。

「気持ち…いいよ、直。」
「はぁ…ぁ…私…もぉ…気持ちいいっ…ああっ…」
「ずっと、こうしていたいんだ。…いい?」
「はぁ…い、…あっ…あああっ…」

答えるように直が俺に合わせるように自然と腰を動かしはじめる。
より快感が高まり、俺自身が爆発しそうになる。
締まる肉穴が卑猥な蜜音をたてながら俺を包み込み、俺は直の肉壁を激しく掻き出すように攻め立てた。

「あき…やまさ…ん、もう…もう、私…」
「ダメ、まだ我慢して。」
「ああっ…そんな、…もぉ…無理で…すぅ…」
「もう、限界?」

俺の言葉に直がコクコクと何度も頷く。

「じゃあ、イっていいよ。」

俺自身も実は限界に近かったが、注ぎ込みたい衝動をギリギリまで押さえながら
絶頂へと導くために激しく突き動かした。

「あああ…やあああああっ!」

直が高まった瞬間に合わせて己自身の欲望を直の中の奥深くで熱い液体をぶちまけた。

直の中から俺自身を抜き取ると、直の蜜液と俺の欲望の痕が混ざり合って溢れていた。
手近にあったティッシュで拭き取ってやりながら直の髪を撫でた。

「あ…。」

余韻で敏感になっている直がぴくんっと反応する。

「自分でする?」

そう尋ねると、直はコクンと頷いた。
俺は直にティッシュの箱を渡し、立ち上がって部屋の戸棚の引き出しを開けた。
直に渡すか…悩んでいたモノを取り出す。

「直。」

俺に呼ばれて顔を上げた直に取り出したモノを投げ渡す。
受け取って中を見た直が驚いた表情で俺を見つめてきた。

「あ、秋山さん…これは…。」
「ここの鍵、お前に渡しておく。」
「いいんですか?」
「いいも何も、帰さないって言っただろ?」
「本当…に?」
「こんな事で嘘を言ってどうする?」

そう言うと、直は嬉しそうな表情でよろよろと立ち上がり、俺に抱きついてきた。

「ありがとうございます!」

…礼を言われてしまった。
何となく照れくさくて、別の話題を考える。
ふと思いついて…直に提案してみた。

「取りあえず…レポートの準備があるんだろ?」
「あ、はい…。」
「じゃあ、俺も一緒に行くから、レポートの準備を手伝ってやる。」
「え、うちで手伝ってくれるんですか?」
「ああ。そのまま、お前の荷物をここへ持って帰ってくればいいだろ?。」

俺がそう言うと直は満面の笑みを浮かべながら俺に口付けしてくれた。






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