わぴこと水着
葵×わぴこ


〜海へ行く前日・わぴこと葵買い出し中〜

葵「これだけ買えばお菓子はもういいだろ」
わぴこ「うん!…あ!葵ちゃん、もう一個買いもの付き合ってもらってもいい?」
葵「別にいいぜ、何買うんだ?」
わ「わぴこ、水着買おうと思うの」
葵「はあ?水着?スク水でいいじゃん」
わ「うん、わぴこもそう思ってたんだけどね」
葵「じゃあ何でだよ」
わ「ちーちゃんがね、“14歳にもなって海にスクール水着着て行くなんて変態よー!”って言うの」
葵「…千歳の変態は今更だろーに」
わ「それでね、ちーちゃん、新しいビキニ買ったらしいよ」
葵「千歳がビキニ(笑)」
わ「だからね、わぴこもビキニ買おうかなー?って」
葵「・・・・・なあ、わぴこ」
わ「なーに?葵ちゃん?」
葵「ビキニなんてのはな…せめてブラを着けるようになってから着るもんだぜ?わぴこ」
わ「えー!?わぴこだってブラぐらい着けてるもーん!!」
葵「ほー、着けてるのか、でもどうせAとかAAとか着けてる意味無い感じのブラだろ?」
わ「違うもーん!わぴこのブラはAやAAではありませーん!!」
葵「え?もっとあるのか?」
わ「ありますー!」
葵「ウソだろ?おまえ、胸真っ平らじゃん」
わ「ウソじゃないよ!わぴこだって14歳の女子だもん!胸だって真っ平らではありませーん!」
葵「いや、しかし…これはどう見ても…」
わ「いつもセーラー服だから分かりにくいのかな?わぴこの胸、これでも少しづつ膨らみ始めてるんだよ」
葵「…着痩せ…?それで今、わぴこはBカップあるってのか?」
わ「ううん、Bでもないよ」
葵「ええ!まさかもっと上?」
わ「うん!わぴこのブラはAやBより上だよ!」
葵「そんなまさか…わぴこ…本当は一体いくつなんだ?」
わ「ふふふ…知りたい?」葵「ああ…教えてくれ」
わ「実はね…わぴこのブラのサイズはねぇ…」
葵「(ゴクリ)」
わ「Sサイズでした!」
葵「ジュニアブラかよ!」

「結局ここまで付き合っちまったか…」
「わー!水着がいっぱいだね!」
「水着売り場だからな」

葵とわぴこは田舎のデパート3階、水着売り場へとやって来た。
ここは田舎の商店街の中でも一番品物が豊富なお店。
目移りするほど色とりどりの女性物の水着が並んでいた。
店の前に立つ2人。わぴこはそっと葵の手を掴かみ、
葵を見つめてにこやかに微笑んだ。

「さ!行こ!」
「おいおい…」

わぴこが葵の手を引っ張って、ずんずん店内へと突き進んで行った。
手を繋いだ2人、楽しそうに満面の笑みを浮かべるわぴこと少し照れ臭そうな葵。
葵が照れ臭そうなのはわぴこと手を繋いでいるからだけではない、問題は店内にあった。
店の中は女、おんな、オンナ。店員も客も、立ち並ぶマネキンでさえも女だらけ。
しかも買い物客はみんな真夏の陽気で開放的になった若い薄着の女性ばかり。
いやでも若い女性の白い肩や細い腕、柔らかそうな素足が目に入る。
中学生の葵には少々刺激が強い。どうしても意識してしまう。

必死に目をそらしても、葵の周りは生地の少ない大胆水着や
それを着こなす裸同然のマネキンに囲まれて、
嫌がおうにも恥ずかしいものが目に入る。
はっきり言って目のやり場に困る。
サングラスしていても困るものは困る。
ここは、男の葵には身の置き場のない場所、
女性の聖地だった。

「…じゃ、やっぱ俺帰るわ」
「えー!何で!?」

逃げ出そうとする葵を引き止めるわぴこ。
わぴこは葵の袖を掴んで離そうとしなかった。

「付き合ってくれるって言ったじゃない!一緒に水着選ぼうよ!!」
「一人で選べるだろそんなもん、とにかく俺は帰る!」
「そんなー!葵ちゃんと選びたいよう!」
「自分のものは自分で買えって」
「でも葵ちゃんも買うでしょ?水着、葵ちゃんの水着も一緒に選ぼうよ!」
「俺は買わないよ、泳ぐ気ねーもん」
「えー!?泳がないの?」
「泳げないの」
「あ…いや、でもでも、別に泳がなくてもいいよ!」
「はあ?」
「水着で浜辺や浅瀬で遊ぶだけでも充分楽しいよ!やっぱり濡れてもOKな水着は必要だよ!」
「あのなあ…」
「明日、一緒に水着着て遊ぼうよ!ね?」
「でもなあ…」
「…じゃあ、着なくてもいいから一緒に買おうよ…ね?」

わぴこが寂しそうな眼差しで葵を見つめている。
少し潤んだ瞳、葵はこの目にちょっと弱い。
葵はひとつため息をして、わぴこと向かいあった。

「…分かったよ付き合うよ、その代わりあんまり時間かけるなよ」
「やったあ!」

再び笑顔のわぴこ。両手を挙げてその場でジャンプした。
本当にわぴこは子供みたいに惜しみなく笑顔を振り撒く。

「〜♪」

上機嫌になったわぴこ、楽しげに水着を選び始めた。
葵は周りを見渡すことを避け、わぴこの姿だけを目で追った。
そうすれば若い女性客やハイレグマネキンの姿は気にならない。
初めからそうすれば良かった。

「ねーねー♪葵ちゃんとわぴこ、おそろの水着にしようか?」

男女同じ柄のペア水着を指指して、わぴこは葵に朗らかに問い掛けた。
2人は別にカップルではない。恋愛感情も、今は別に無いだろう。
わぴこに他意はなく、無邪気にペアを選んでいることを葵はよく分かっている。

「あん?おそろ、いいんじゃね?」

葵が答えた。

「わぴこも俺と同じ海パン一丁、それもいいんじゃね?」
「え?でもわぴこ、女子だよ?」
「いいじゃん、わぴこは別に隠すほど胸無いだろ?」
「そっか、じゃあその方が楽でいいかな?んー…」
「真剣に悩むな、冗談だ」
「うん、だからわぴこもちゃんとおっぱいあるんだってば」
「はいはい」

葵とわぴこのショッピングは更に続いた。

「〜♪これかなあ?あれもいいなあ?」

カラフルな水着をたくさん手に取り、とても上機嫌なわぴこ。
あれこれ悩んでいるが実に楽しそうな笑顔を浮かべている。
食べ物にしか興味がなくていつまでもガキんちょだと思っていたわぴこだけど、
服選びをこんなにも楽しめるだなんて、意外と年頃の女の子らしい一面も持っていたんだなあ。
幼馴染みとしてはちょっと感慨深いものを感じている葵だった。

「ねえねえ葵ちゃん!これとこれだとどっちがいいかなあ?」

わぴこが2着の水着を持って葵の側へ駆け寄った。
ハンガーに掛けられたそれは、一着はちょっと布が少なめの真っ赤なビキニ、
もう一着は落ち着いた雰囲気の、腰元に付いたリボンが可愛らしい真っ白なワンピースだった。

「ね?どっちも可愛いでしょ?」

再び溢れるわぴこの笑み。しかし葵は神妙な面持ちで、少し間を置いて応えた。

「・・・なあ、わぴこ」
「な〜に?葵ちゃん」
「どっちも無理だろ」
「がーーーん!」

二頭身になって目を丸くするわぴこ。ショックが隠しきれない様子だった。

「なんでなんで?どーしてどーして?」

食いかかるわぴこ。葵がゆっくりとそれに応えた。

「どーしたもこーしたも…それはな、わぴこ」
「うん…」
「おまえには引っ掛かりがないんだ」
「は?」

わぴこがキョトンとした顔で葵を見つめた。 

「さっきも言っただろ?ビキニにはそれなりの引っ掛かりがないとダメなんだよ、わぴこ」
「…ひっ…かかり?」
「そう、引っ掛かりだ、引っ掛かるところのない女のビキニほど危険なものはないぞ」
「…引っ掛かるトコって…胸?」
「ああそうだ、胸だ、胸がなくてビキニだなんて…危険過ぎる」

葵が真剣な面持ちで更に続けた。

「それにそっちのワンピース…」
「こっちのワンピースも?」
「ああ、それも胸元のサイズが合って無さすぎだろ、それじゃパットでも収まんないぞ」

葵が白い水着の胸元の膨らみの部分を指さして言い切った。
するとわぴこは、ほっぺを膨らませて声を上げた。

「もーっ!葵ちゃんってばおっぱいの事ばっかり!!」
「お前がそういう背伸びしてるもんばっか選ぶからだろ!」

水着を抱えたまま両手で胸を押さえ、声を大にするわぴこ。
つられて声が大きくなる葵。葵も胸元で腕組みをした。
めずらしく意見がぶつかる二人。
お互いムーっとした顔で見つめあった後、わぴこが話を切り出した。

「それじゃあさ、葵ちゃん」
「何だよ」
「今から試着してみるから、本当にわぴこに合ってないかどうか見てみてよ」
「ああ、いいよ」

売り言葉に買い言葉。
勢いで二人は試着室へと向かった。

「じゃあ葵ちゃん、ちょっとそこで待っててね」

シャーッ、わぴこの姿がカーテンの中へ消えていった。
ここは水着試着室。
カーテンで覆われた半畳程の狭い部屋が4〜5室並んでいる場所。
わぴこは今その中の一室を使用しようとしていた。
つい勢いで追いて来てしまったものの…葵は少し後悔した。
この更衣室は別に「女性専用」とも「男性お断り」とも書いていない。
だから葵がいても悪いわけでは決してない、ハズだ。
しかしここは女性水着売り場に隣接している更衣室、当然利用者は女性ばかり。
もちろん今現在もわぴこ以外の女性客がこの試着室を利用している。
男子禁制は暗黙の了解、とばかりに、完全に男の葵が立っているのは場違いな空気が流れていた。
隣の別室に水着を持った女性が出入りする。
みんな、チラチラと葵を見ているのが分かる。視線を感じる。
何でここに男がいるのか?と無言の圧力をかけているようだった。

(ちっ、誰もおまえらを覗こうなんてしないっつーの!)

葵は少し舌打ちをした。
そして他の部屋の女性達を気にせぬよう、
葵はわぴこのいる部屋だけに意識を集中させることにした。

別に俺はノゾキでも変態でもねえ!他の客なんて興味もねえ!
葵はそう主張するように、わぴこのいる更衣室の一部屋のみを見つめた。
葵の視線や意識が一点に集中する、安っぽいカーテン越しにわぴこの気配を感じる。
葵の神経は中のわぴこの様子をひとつひとつハッキリと感じとった。

シュルシュルとスカーフをほどく音が聞こえる。
スルスル…バサッ、ホックの外れたスカートが足元に落ちた音だ。

「ん…」

わぴこからわずかに吐息が漏れた。
おそらく両腕を上げてセーラー服の上着をめくりあげたところなのだろう。
きっと今はヘソも丸見えのはずだ。
たった布一枚だけ隔てただけのわぴこの生着替え。
目には見えないが、今わぴこは間違いなく下着だけを身に着けたあられもない姿となっていた。
同級生の異性が裸同然の姿ですぐ側にいる。
このシチュエーションは14歳の男子には堪らない。
無意識に心も身体も股間でさえも熱くなる…はずだった。
しかし葵は違った。
ドキドキもせず、脈拍も正常、顔を赤らめる様子もない。
ただ、葵は静かにわぴこが着替え終えるのを待っていた。

(いや、だって、わぴこだし)

これが葵の解答だった。

葵だって健全な男の子、女の子の裸に興味がないわけではない。
でもわぴこは別だ、気にもならない。

だって、葵はわぴこの裸を見慣れているから。

今更だった。葵はわぴこの裸体を知っていた。
それこそ隅々まで知っていた。
自分の裸だって葵はわぴこに全て見せていた。
2人は既にお互い服を脱がせ合い、全裸となり、
素肌に触れ、ぬくもりを感じあった仲だった。

…とはいえ、それは昔の話。
わぴこと葵は幼馴染みで、小3まで一緒にお風呂に入っていたのだ。
何度も一緒に洗いっこをした。
わぴこの胸やワレメだって触わった。
オチンチンだって触られた。
まあ確かに…あれから5年経って風呂に入ることもなくなり、
お互い成長もしたけれど…
わぴこはやっぱり別だ。
見た目でわかる、わぴこはまだ幼い。
顔も表情も雰囲気も、あの頃となにも変わっちゃいない。
成長したっていっても多少手足が伸びたくらいで、大して発育もしてないだろう。
だってわぴこはいつまでたってもガキンチョだから。
葵はタカをくくっていた。
だから冷静でいられた。
もうわぴこの裸じゃ感じない自信があった。
さすがに自分のチンチンは、もうあの頃とは形も大きさも全く別の生き物だから
見せるわけにはいかないけどな…

「葵ちゃーん!準備できたよ〜ん!」

葵がそうこう考えている内に、わぴこの声が聞こえてきた。
どうやら水着に着替え終わったようだ。

「まだいる?葵ちゃん?」
「ああ、いるよ」
「カーテン開けるよ?」
「どうぞ」
「葵ちゃんも準備OK?」
「何の準備だよ」
「セクシーなわぴこにドキドキしない準備」
「それはない」

葵は手を振って苦笑した。

「ムーッ!びっくりしてもしらないからね!」

ムッとしたわぴこの声をかわ切りに、シャーッと、勢いよくカーテンが開かれた。
そして、中から赤い水着のわぴこが現われた。

「じゃーん!ビキニ姿のわぴこだよ♪どう?」

「…!!!」

わぴこを見たその瞬間、葵の身体が硬直した。
思いがけないわぴこの姿に、葵は言葉を失った。
葵は思わず息を飲んだ。






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