番外編
俺は一人の友を裏切ってしまった。中学からの知り合いでそいつを裏切ってしまった事を後悔した。 何度も俺にSOSの信号を送っていたのに信じられなかったのだ。その理由は生徒会長の七瀬さんだ。 そいつは何度も俺に「美雪の彼氏になってくれ」とかしつこく勧誘するのだ。贅沢な事を言いやがってと俺はそっぽを向いてしまった。 そもそも、あいつだって満更七瀬さんの事が好きだったろうが!七瀬さんはあいつにしか頭にないのに俺は嫉妬してしまった。 そいつの名は金田一一。金田一耕介の孫でいくつも事件を解決してる俺の同級生だ。 勧誘する理由が理解したのは銭湯に行った時だ。金田一が嫌がって風呂に入ろうとしない事に疑問を感じた俺は金田一の服を脱がそうとする。 怯えた顔をする金田一が裸を見せたくないというのでおもしろ半分で金田一の服を脱がす行為はパンドラの箱を開けた事になるとは… 俺は金田一の裸を見てぞっとする。なぜなら上半身が青痣と火傷の痕と傷だらけだったのだ。 見られたくなかった事を金田一が後悔するのが俺はようやく理解した。 「だから、俺は見せたくなかったんだ。こんなみっともない姿を他の奴に…美雪の奴が…」 ちょっと待て!七瀬さんがそんな事をするなんて…才色兼備で清楚なイメージしかない七瀬さんがそんな事をするわけがない。 ショックで気が動揺してる俺に更に金田一は言い続ける。 「美雪の約束を守らないからって躾で俺の身体を痛めつけるんだ。更に毎日俺のセックスを生き甲斐とする淫乱女帝だぞ。既成事実まで求めるし…」 冗談じゃない…七瀬さんと付き合うとこのような目にあうのは御免だ。俺は逃げる策を講じてしまう。 「お前…あの七瀬さんがそんな事をするわけないだろ?ありえないじゃないか?俺は信じない!」 俺は七瀬さんがそんな人って認めたくなかった。その言い訳に自分の保身のために金田一を見殺しにしてしまう。許せ金田一。俺だって命が惜しいんだ。 心の中で懺悔する事しか出来ない事を悔やむ俺であった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |