番外編
下校途中、金田一は桜樹るい子の言葉を思い出していた。 {優秀なオスの精子を受けたいと願うのは、メスとして当然の行為だと思わない?} (あれ、本気だったのかなぁ………いやそんなはず……) 家の前に着いても、中に入らず悶々と考える。 (でも……もし本気だとしたら………) このまま考え続けていても答えは出ない。しかし気にもなる。 それならばと、金田一はるい子に直接聞こうと思い、学校へと逆戻りすることにした。 学校に着いた金田一は、とりあえずミステリー研究会の部室に向かう。 途中、真壁に出会ったので、るい子はもう帰ったのかを聞くと、「まだ部室にいるッ!」と答えた真壁は、 金田一に見向きもせずに足早に去っていく。 更に鷹島ともすれ違ったが、こちらは一瞥しただけで言葉も交わさなかった。 「ったく、何なんだよあの二人はッ」 むしゃくしゃする金田一だったが、部室の前に着いたので気持ちを切り替える。 部室を覗くと、るい子は真剣に何かを調べていた。こちらには気づいていない。 金田一はるい子を驚かせてやろうと、背後から静かに近づき、ポンっとるい子の肩に手を置いた。 「しつこいわねッ!」 声を荒げて手を振り払われた金田一は、驚きつつも自分が悪いと思い謝る。 「す、すいません、」 「えっ、き、金田一君だったの?ごめんなさい、私てっきり真壁君かと思って、」 どうやら勘違いだったようだ。 「よ、良かった〜、俺が怒られたのかと思いましたよ。真壁先輩と何か有ったんですか?」 「…しつこく言い寄ってきたのよ。追い返したけどね」 真壁のあの態度の理由はこれだったようだ。 「そうだったんですか。そういえばさっき廊下ですれ違いましたけど、すごく機嫌悪そうでしたよ」 「放っておけばいいのよ。女がみんな自分のファンだって勘違いしてるだけだから」 それでるい子に言い寄って振られたらしい。確かに勘違いも甚だしい、仮に自分が真壁の立場だとしても、 女という女が全て自分のファンになるなど、考えたりはしないだろう。 そう考えると、ある種すごいとも思う。何せ自分に絶対の自信を持っているということなのだから… 「でもどうしたの金田一君。さっき帰ったんじゃなかった?」 「いや、実は桜樹先輩に聞きたいことが有ったんで」 「私に?何を聞きたいの?」 今から聞くのは、少し違うが真壁と似たようなことなのでためらいそうになる。 しかし、ここまで来て引き下がるのも嫌なので、「どうとでもなれ」と半ばやけくそで聞いてみた。 「昼間言ってた、優秀なオスの精子を受けたいと願うのはっていうの……本気かなと思いまして…」 「…………」 すぐに答えを返さないるい子に、金田一は言ってしまってから「やっぱりまずかった?」と思いながら返事を待つ。 「………ねえ金田一君…あなた…私が冗談でそんなこと言う女に見える?」 「……いえ…見えませんね」 見えない、というより有り得ないだろう。あれほどはっきりと言い切るるい子が、 その手の話で冗談を言うとは到底思えない。 「そういうことよ」 「それは…俺のことが……好きってことですか?」 ついでとばかりに思い切って聞く。何となくだが、るい子は直球で言うようなタイプだろうとあたりを付ける。 だからこそ、自分も直球で聞くのが一番良いと思う。 「好きよ。金田一君は私のタイプだし、それに私自身、金田一君のことが前から好きだったわ」 やはりそれは当たっていたようだった。直球で聞いた自分に対し、直球でるい子は答えをくれた。 飛び上がりたいほどに嬉しかったが、そこは抑える。ただ、いくらそういう性格とはいえ、 告白だというのに、やけにあっさりとしているのが気になる。 「ず、ずいぶんとあっさりしているんですね。告白ってもっとこう…」 「あら、これでも緊張しているのよ」 侵害だとでも言うように、るい子は金田一の手を掴むと自分の胸に押し当てた。 「さ、さ、桜樹先輩?」 「……ほら……どきどきしているでしょう…」 確かに、手のひらから伝わる鼓動は早鐘を打っている、るい子が緊張していることの証だ。 柔らかく大きなるい子の胸の感触に、どぎまぎしながらも、金田一はそのことを理解する 「…金田一君…あなたはどうなの?私のことをどう思っているの?…」 今度は金田一が聞かれる番だ、少し不安そうにして聞いてくるるい子に、 自分が返す答えは、当然一つだけしかない。 「俺も……ずっと憧れていました……好きです、桜樹先輩…」 「……金田一君…」 お互いの気持ちを伝えあい、引き寄せあうように二人は唇を重ねた。 「…んっ…ん…んんっ」 数分の間 貪り合うようなキスを交わし、顔を離す。 混ざり合った唾液が、二人の口の間に糸を引いた。 「じゃあ……良いんですよね?」 「…ええ、もちろんよ。……でも場所を変えない?ここじゃまた誰か来るかもしれないしね」 その可能性は高いだろう。現に自分は真壁と鷹島に会っている。それに放課後で人が少ないとはいえ、 学校でセックスをするのはまずすぎる。どうしても我慢が出来ないのなら個室トイレにでも、と思うが、 今はそこまで切羽詰まっている訳でもない。 るい子と恋人になれた上に、これからセックスをするのは確実なのだから。 「調べ物は良いんですか?」 「それは明日でも出来るわ。金田一君、今から私の家に来れない?」 いきなり家に来ないかと誘われたのは嬉しいものの、家族がいるだろう。 いくら恋人同士になったと言っても、今すぐに家に、というのは精神的にきついものがある。 だがそんな金田一の考えていることが分かっているかのように、るい子は言った。 「今日は家誰もいないのよ。だから一番安全な場所よ」 「それなら、桜樹先輩の家で…」 我がこととはいえ自分の変わり身の早さに呆れているが、るい子の言うように家に誰もいないのならば、 るい子の家が一番安全だろう。 そうこうしている内に、帰る準備が出来たところで二人は下校。 金田一はそのままるい子の家にお邪魔することにした。 るい子の家に着いた金田一は、誰もいないとは聞いているが流石に緊張してしまう。 「上がって、金田一君」 そのことを知ってか知らずか、るい子は金田一の手を取って家の中に入っていく。 特別大きな家ではないが自分の家よりは広い。人の気配はしないので本当に留守のようだ。 ほっ、と安心する金田一はるい子の部屋に案内され、適当に座ってと言われて腰を下ろそうとしたその時、 ガタガタッ、と部屋が揺れた。 「地震かッ!!」 めちゃくちゃに大きな揺れではないが、人が立っているのは無理だろうと思われるぐらいの揺れではある。 「きゃ!」 「桜樹先輩ッ!」 揺れでるい子が倒れそうになったので、咄嗟に金田一はるい子の体を抱き締めて庇う。揺れは長く続かずしばらくしておさまった。 「割と大きな揺れだったわね」 「そうですね」 地震の揺れにお互い思ったことを口にする二人は、自分達の今の体制に気づいて見つめ合う。 るい子を庇った金田一が、丁度るい子を押し倒したような体制になっているのだ。 何も言えなくなる金田一に、るい子は囁くように呟いた。 「金田一君………このまま…しない?」 (彼のことだから、何も言わずにいると慌てて離れるだろう…) そのように考えたるい子は、自分から誘いをかける。 るい子の考えていた通り、慌てて離れそうになるはずだった金田一は、 彼女に誘われたことで、逆に冷静になり落ち着く。 そう、別にこの体制は悪くはない。そもそも自分はるい子とセックスをするためにここに来たんだから。 何も焦ることはない。ただるい子と抱き合うだけだ。 金田一は言葉の代わりにキスで答える。るい子は愛しい恋人のキスを受け入れる。 二人の甘い時間はこの口付けを合図として始まった………… たっぷりと口付けをした後、金田一はるい子のブラウスのボタンに手を掛ける。 「先輩、脱がせてもいいですか?」 聞く必要もないのだが一応聞いておく。 すると金田一の言葉を聴いたるい子は、何故か顰めっ面をする。 とても今から愛し合う恋人に向けるような顔ではない。 (へ?あれ??何で先輩そんな顔すんだ???) 頭の中でパニクる金田一にるい子が口を開く。 「ねぇ、いつまでそう呼ぶつもり?」 「え、何のことですか先輩?」 「それよ、その先輩ってゆうのやめてくれない?私たち恋人同士なのよ。」 「じ、じゃあ、桜樹さん…?」 当然のことを言うるい子だが、肝心なところで女心に疎い金田一には、はっきりと言わなければ伝わらない。 それは恋人同士になっても例外では無いようだった。 「るい子って呼んで。」 「……るい子さん。」 「ダメよ、る・い・子。それとも…七瀬さんは呼び捨てに出来て、恋人の私には出来ないとでも?」 幼馴染みで親しい間柄の美雪を呼び捨てなのは、当たり前であると分かってはいる。 しかしるい子は恋人の自分がそうじゃないのは納得がいかない。 「分かった、分かった、分かりましたよ。…………るい子…これでいいんだよな?」 流石に、呼び捨てにしておいて敬語もないだろうと思い、るい子に対する口調も変える金田一。 「そう、それでいいのよ。これからはずっとそう呼んでね。私も今からはじめ君って呼ぶわねw」 「ああ、いいぜ。……それじゃあらためて…服、脱がせてもいいか?」 「ふふ、いいわよ。」 るい子の了承を得た金田一は、ボタンをはずしてブラウスを脱がせる。 脱がせると、そこからは豊かな二つのおっぱい様が姿を現した。 「る、るい子、お前、ブラ着けてないのか!?」 金田一は(るい子はどんなブラを着けてるんだろ)と考えていたので意表を突かれた。 「いつもは着けてるわよ。でも今日は遅刻しそうになって急いでいたから着け忘れたのよ。」 あっけらかんと言うるい子に、「何だ、そうだったのか。」と息をつく。 「あら、着けてないと駄目だった?」 「いやいや、そうじゃなくて。どんなブラをしてるのかちょっと楽しみだったからな。」 「残念でした。今度するときまでお預けよ。」 そう言ってウインクをするるい子に、「もう辛抱できん!」とばかりに金田一はかぶりついた。 「るい子〜〜ッ!」 「ちょ、ちょっと、やん、はじめ君っ、」 まず乳房を両手で鷲掴みにして思いのままに揉みしだく。 むにゅむにゅと、とても柔らかくて弾力のある豊かな乳房の感触が、手の平を通して伝わり金田一は更に興奮していく。 初体験は男らしく、そして紳士的に。などという理想を描いてはいたものの、 愛する恋人の胸を見ただけでそんな考えは吹っ飛んでしまった。 金田一はもう、ひたすらに乳房を捏ねくりまわし、顔を擦りつけ、乳首にかぶりつく、そんな欲望のままに行動する野獣になっていた。 「あァッ、やァッ、ンンッ、」 好き放題されているるい子は、乳房にしゃぶりついている金田一の頭を、腕でかき抱くようにして胸に押し付けながら、 初めて見る恋人の姿に、(もっと…私の知らないはじめ君をもっと見せて)と心の中で呟いた。 乳首が硬くなってくると、今度は乳首を重点的に攻められる。 甘噛みされたり、舌で転がされたり、吸われたり……そのたびに漏れ出てしまう嬌声に (自分からこんな声が出るなんて…) と思った。 同時にこれから体を重ねればもっと喘ぐことになる。(そんな自分の声を彼に聴いてもらいたい) 誰も知らない自分を見るのは金田一ただ一人。そして誰も知らない金田一を見るのも自分だけ。 それがどれほど嬉しいことかを考えながら、るい子は体をビクンっと震わせた…… るい子が軽くイったのが分かった金田一は。まだ足りないとばかりに残っていたるい子のスカートと下着を脱がせると、 胸から腹へラインを描くように舌でなぞっていく。 「ああ、いやっ、ふあぁ…」 金田一はるい子の声を聴きながら、脚の付け根、秘所のすぐ横まで舌を這わせると、 一気に膣口へと口付け、口でするキスと同じように舌先を膣の中に差し入れて舐めまわす。 愛液が滲み出てくると吸い上げて飲み干し、また同じように繰り返す。 そんな深い口付けに、さっきイったばかりのるい子が耐えられるはずがなかった。 「んんんん〜〜ッ!」 るい子が嬌声を上げると共に、膣から潮が吹く。それを全部吸い取って飲み干すと、金田一はようやくるい子を快楽から解放した。 「フゥ〜、こんなもんかな。それにしても、るい子の愛液美味しかったぜ。ごちそうさま。」 一仕事終えた帰りに缶ビールでも飲んだおやじのような感想を述べる金田一に、息を整えたるい子が、 「じゃあ、今度は私がごちそうになるわね。」 と言って、まだ一枚も脱いでいなかった金田一の服を脱がせていく。 (裸のるい子に服を脱がされていく……たまんねえ…) またも暴走しそうになった金田一は。何とか理性で踏みとどまる。無いようなものだが… 散々るい子の体を弄くりまわした金田一の肉棒は、既に硬くなってそそり立っていたが、 金田一も自分の愛液を飲んだのだから、自分も金田一の精液を飲んでみたいと思ったるい子は、 服を脱がされて裸のまま胡座をかいて座っている金田一の股間をのぞき込んで、「舐めても良い?」と聞いた。 聞かれた金田一もしゃぶってもらいたいので「ああ、いいぜ」と答える。 るい子は顔を近づけると、肉棒の根元から先端までを舌で丹念になぞるように舐める。 ゾクゾクっと快感が走り抜けて、まだ一度もイっていない金田一は射精しそうになったが、 そこは歯を食いしばって堪える。更にるい子が口を開けて肉棒を咥えると、よりすごい快感を覚えた。 金田一は気を紛らわせるために、肉棒を咥えて前後に頭を動かし、刺激を与えてくるるい子の長い髪を手ですくい上げて弄ぶ。 「ん、ん、くちゅ、んちゅ、ん、」 「はあ、はあ、るい子、るい子、」 少しの間頑張って耐えていたが、やはりまだイっていなかったのは大きく。 奥から熱いものが込み上げてきた。金田一はるい子の頭を股間に押さえつけて。 「飲んでくれ、るい子ッ!」 と言ってるい子の口の中に射精した。 「うぐぅッ!ううッ!」 くぐもった声を上げて、一瞬苦しそうにしたるい子は、こくっこくっ と喉を鳴らすと出された精液を全て飲み干す。 苦いのか塩辛いのか良く分からない味だったが、「はじめ君の味」というだけで美味しい以外に感じることはなかった…… 「フフ…さっきのあなたじゃないけど、美味しかったわよはじめ君。」 「お粗末様でした。……んじゃ、そろそろ優秀なオスの精子を受けてみるか?」 金田一のその言葉に、しかしるい子は「いらないわ」と言う。 「な、なんでだよ!」 とまさか拒絶されるとは思わなかった金田一は狼狽する。が、るい子が否定したのは当然だ何故なら… 「優秀なオスの精子はいらないわ。私が受けたいのは、{金田一 一}という愛するオスの精子だけよ。」 決まりきったことだからだ。そう、優秀なオスという不特定多数はいらない。自分には目の前のただ一人だけなのだから。 「そういうことか〜〜っ、焦ったぞ俺は。」 「あなたが居るのに不特定多数なんていらないわよ。……で、そういうことだからはじめ君、聞き方変えてもらえる?」 「ああ、こほんっ……俺は{桜樹るい子}という愛するメスに精子を注ぎたい。受け取ってくれ。」 「ええ…是非ともお受けするわ。」 金田一はるい子と体を寄せ合い、肉棒をるい子の膣口に宛がうとゆっくりと挿入。 「あっ、あぁぁ……あぁ…」 ズブズブと竿の半分まで挿れて動きを止めた。 「あ……どう…したの…?」 「……あのさ……るい子…初めてなんだよな?」 「…ええ…そうよ……それがどうかしたの…?」 「初めては痛いって、知ってるよな?」 「……知ってるわ。」 「痛いけど……一気にいって良いか?……本当はゆっくり、優しくしたいけど……あんまり持ちそうにないんだ…」 るい子に痛い思いはさせたくないのだが、まだまだ未熟な亀頭は長時間の刺激には耐えられそうにもない。 もしも奥まで挿れる途中で果ててしまったら、お互いにとっての記念の瞬間が台無しになってしまう。 ある意味恐怖心と似ている。 「いい…わ……奥まで…来て…」 るい子も一番奥で受けたいのは同じ。中途半端にしたくはない。初めてなのだから… 互いに一致した思いを持つ二人は、もはや躊躇わない。 金田一はるい子に軽くキスをして一気に貫いた。 ズブゥッ!!っと肉棒が根元まで入る。 「ッッッッぁぁ〜〜!!」 声にならないような悲鳴を上げて、るい子は金田一にしがみつく。 互いの体が完全にくっついている。その結合部より下の太股に、破瓜の血が流れ落ちる。 金田一もまた最奥まで挿れた瞬間、ギュッと収縮したるい子の膣に締め上げられて達しそうになってしまう。 だが、「るい子が必死で痛みを堪えているのに自分だけが達してしまう訳にはいかない」 と、自分にしがみついているるい子の体を抱き締めて堪えた… しばらく何も言わずに抱き合う二人は、やがて痛みも治まってきたことで始めることにした。 ただ金田一は申し訳ない気分でいっぱいだった。結果的にまだ達していないので、それなら優しく挿入できたのでは?と思わずにはいられない。 結果論でしかないのだが。逆にゆっくりしていたら刺激でイっていた可能性もある。 けどそんなことを気にしても仕方がない。今はただ、涙を零しながら金田一が動くのを待っているるい子に答えるだけ。 そう考え、金田一は腰を動かして抽挿を開始した。 「あッ、あッ、んんッ…はぅ……あんっ…」 痛みこそまだあるものの、愛しい人との交わりは気持ちが良い。るい子は幸せを感じていた。 金田一は何度もイキそうになるが、その都度、もっと気持ち良くなりたい、もっと抱き合っていたい。 という思いが過ぎってギリギリで押しとどまる。 もちろんそれほど長くはもたないだろう。けどこの切ない声で喘ぐ恋人を、少しでも長く感じさせてあげたい。 そして感じさせてもらいたい。 緩急つけながら抽挿を繰り返す。奥まで挿れて出して、挿れて出して、それだけ。 それだけなのにも関わらず、金田一とるい子は不思議な感じがしていた。 まるで自分達の体が解け合って、一つになっているような一体感。 「あっ、やんっ、はじめっ、あぁっ、んんッ!」 昨日まで、いや数時間前まで先輩と後輩、それ以上でも以下でもない関係だった二人は、 ずっと前から、出会うよりも前からこうして愛し合う運命だったのかもしれない。 運命などというものは基本的に信じていない二人は、このとき確かに確信を持っていた。 自分達は生まれたときから愛し合い、結ばれる運命だったのだと… やがて、愛し合い続けていた二人に限界が訪れる。 そんなものがこなければこのままずっと睦み合って居られるというのに。 金田一は最後に全力で突き上げ続けた。るい子の膣内に肉棒を擦りつけ、 子宮口を突き上げる。腰を打ち付け合うたびにパンッ、パンッ、と音が鳴る。 「んん、はぁん、あぁ、あッ、あぁぁ、」 るい子の声が高くなっていき、膣壁が肉棒を締め上げ始めた。それに負けじと金田一も強く突く。 「あぁッ!あッ、も、もう、ダメッ、ああぁッ!」 もう膣の締め付けにより肉棒を動かせなくなってきた。自分も限界に達している金田一は、 最後の力で思いっきり突き上げた。 「あッ、はあぁッ、あああああぁぁぁぁッッ!」 一際高い嬌声をるい子が上げたと同時に、子宮口の中にまで入り込んだ肉棒の先端から、精液が勢い良く射精され、 子宮の中に直接注ぎ込まれていった…… 汗と体液でべっとべとになってしまったので、とりあえずシャワーで洗い流すと、金田一はるい子の部屋で寛いでいた。 「それにしても、今日は人生で一番濃い日だったなぁ〜」 「フフフ…そうね、でも素敵な一日だったわ。」 「だな。るい子のパンツを見たところから始まって、思いを伝え合って、抱き合って…全部るい子だな。」 「あら、不満かしら?」 「んな訳ね〜だろ、るい子との記念日だからな。」 「だったら…最後まで私と終わらない?」 「最後までって、何時まで?」 「人生の終わりまでって言いたいけれど、とりあえずは明日の授業が始まるまで。……このまま泊まっていかない?」 「大丈夫なのか家の人って、ああ、今日居ないんだったな。」 「そういうこと。どう?」 「ん〜〜〜、分かった、泊まっていく。」 るい子の家に泊まることになった金田一だったが、この後はとくに何もせずただ話をして、同じ布団で眠るだけだった。 翌日、二人が一緒に登校すると、校門の前に人だかりが出来ていた。 「何か有ったのかしら?」 「ああ、何か有ったみたいだな。」 すぐ近くにいる生徒に聞いてみると、何でも人が刺されて死んだらしい。 学校の関係者みたいだが、そのときは良く分からなかった。後で分かったことは… {不動高校七不思議}の悲しい真実と……結末だった…… 五年後。 「金田一、またお前に助けられたな。」 剣持警部に言われて、金田一は振り返る。 「オッサン、またって言うほど民間人に助けられてたら警察はお終いだぞ。」 「はは、まあな。けどお前が民間人とは到底思えないけどな。」 そう言って笑う剣持。 「しっかし新婚旅行に来てまでオッサンと鉢合わせとは…」 流石の金田一もこれには呆れてしまう。 「腐れ縁ね。」 「オッサンと腐れ縁はちょっと…」 何で好きこのんでオッサンと腐れ縁にならなきゃいけないんだ、と思う金田一。 「おいおいるい子ちゃん、」 割って入った第三者は、先月結婚したばかりの{金田一るい子} 金田一夫妻は新婚旅行の最中、偶然にも殺人事件に巻き込まれ、偶然にもこの事件の担当が剣持だったのである。 るい子の言ったように、ここまでくるともう腐れ縁としか言えないだろう。 「んじゃオッサン、俺たちもう行くからな。」 「おう、夫婦水入らずで楽しんでくれ。」 「それじゃ剣持さん、失礼します。」 そこで金田一とるい子は、剣持と別れる。 「ねえはじめ…時間取られた分今夜は寝かさないから、そのつもりで居てもらうわよ。」 「それはこっちの台詞だぜ。足腰立たないくらいに抱いてやるからな。」 遠ざかる二人の会話を聴きながら、剣持は項垂れた。 「若いって…良いよなぁ〜、オレは今夜もお仕事……寂しい…」 中年男の哀愁ただよう背中がそこにはあった…… SS一覧に戻る メインページに戻る |