番外編
ぱとりしあさんが言っていた秘密、そこに何か事件解決の手がかりが有る。 さっきは「自分に何か有ったときは」って言われたけど、何か有ってからでは遅い。 だからどうしても聞き出して置かないといけない。 そう思い直した俺は、美雪に言って、ぱとりしあさんのコテージに行くことにした。 「もしもの時はって言ってたけど、やっぱりぱとりしあさんに聞いてくる。」 「美雪はここに残っていてくれ、外は雪で危険だからな。おそらくぱとりしあさんの隠していることに、事件の真相が有ると思うんだ。」 「分かったわ。気をつけてね、はじめちゃん。」 「結構吹雪いてきたな……ん?あれは……アガサさん?」 ぱとりしあさんのコテージに向かう途中、俺はアガサさんが歩いているのを見つけた。 「お〜い、アガサさ〜ん」 俺が呼ぶと彼女は驚いたように振り向く。少し不自然だなとは思ったものの、急に後ろから声を掛けられたらビックリするか。 「き、金田一君、ど、どうしたのこんなところで?」 何故か声が震えている。寒いからか? 「ちょっとぱとりしあさんに用事が有るんで、彼女のコテージに行くところなんです。」 「ぱ、ぱとりしあさんに?」 「ええ、ひょっとしてアガサさんもですか?」 この先はぱとりしあさんのコテージだ。アガサさんがここに居るってことは、彼女もぱとりしあさんに用が有るのか? それなら一緒に行きましょう、と言おうとすると、アガサさんは首を横に振った。 「…いいえ、私はメイン・ロッジに忘れ物を取りに行く途中だったの。」 「あれ?メイン・ロッジだと方向が違いますよ。俺、メイン・ロッジから来たから。」 「そ、そう、暗さと雪で視界が悪いから方向を間違えたみたいね、」 確かにこの雪と暗闇では、道を間違えても仕方がないな。 慌てた様子に不信感を覚えながらも、状況的には迷ってもおかしくはないので納得する。 「俺の足跡がまだ残っていると思いますから、それを辿っていけば大丈夫だと思いますよ。あ、俺も一緒に行きましょうか?」 「あ、ありがとう、でも大丈夫だから。金田一君、ぱとりしあさんに用事が有るんでしょ?」 「分かりました。それじゃあ気をつけてくださいよ。」 一人で行けるから大丈夫ということなので、アガサさんと別れた俺は、ぱとりしあさんのコテージに向かって歩き出した。 コテージに着いた俺は、ぱとりしあさんを呼びながら扉を叩く。 「ぱとりしあさん!金田一です!」 しばらくすると、鍵が開いたと同時にドアが開いて、ぱとりしあさんが顔を覗かせた。 その手には包丁が握られていたので、俺は思わず飛び退く。 「ぱ、ぱ、ぱとりしあさん、落ち着いて、」 興奮したような様子のぱとりしあさんに、俺は落ち着かせようと声を掛ける。 「な、何だ、金田一君だったの…あ、ご、ごめんなさい」 一方、彼女も訪ねてきたのが俺だと分かると慌てて包丁を引っ込めた。 {トロイの木馬}が襲ってくるかもしれないから…ってところかな。 「あ〜ビックリした〜……とりあえず中、良いですか?」 状況が状況なので、俺は敢えて包丁のことには触れなかった。 「ええ、どうぞ入って。」 コテージの中に入ると、ぱとりしあさんにコーヒーを勧められたのでいただく。 外は凍える寒さだったので、冷えてしまった体を温めるのに丁度良いくらいの温度だ。 部屋の暖かさと相まって、寛ぎたい気分になってくる。 だけど俺はコーヒーを飲んで寛ぐために来たんじゃない。 俺は問い質す、ぱとりしあさん…いや、電脳山荘のメンバーが何を隠しているのかを。 「さっき言ったでしょう。何か有ったらって。」 ぱとりしあさんは頑なに話そうとしない。 だが、どうしても聞き出さないといけない。 「何か有ってからでは意味がないんです!もうこれ以上犠牲者を出したくないんだ。教えてください、ぱとりしあさん!」 「…………………」 何も答えずに、俯いて黙り込むぱとりしあさん。 沈黙が支配する中、ただ外の風の音だけが聞こえる。 しばしの間、何も言わずに俯いていたぱとりしあさんは、口を開くと一言だけ言った。 「……シークレット文書……パスワードは…ユウタ…」 パスワード?……パソコンか!! 俺はぱとりしあさんのパソコンを起動して、文書の画面を呼び出し、登録されているシークレット文書を選んで、{ユウタ}と入力した。 すると会話文が画面に現れた。その会話文はどうやら電脳山荘のメンバーが交わし合ったもののようだ。 そこにはぱとりしあさんの名前も有る。 俺は内容を読み進めている内に、この事件の犯人も、その動機も、そして電脳山荘のメンバーが犯したとんでもない犯罪も理解した。 「それで…全部よ」 俺がシークレット文書を読み終わった時、ぱとりしあさんは自分達の犯した犯罪を全て俺に話してくれた。 その内容は許せないものだ、卑劣なものだ、だから俺は彼女に言った。罪の意識を持ってもらうために。 あなたのやったことで、間違いなく人が死んだのだと… ぱとりしあさんはようやく自分の罪を認めた。それと同時に後悔もしているようだ…… 「…殺されて…当然ね……私なんか…」 自嘲気味にそう言ったぱとりしあさんに、俺は怒りが沸いてくる。 「ふざけるな!殺されて良い命なんて、どこにもないんだよ!あんたたちは命を軽く考えすぎてる!」 だからこんな殺人事件が起きたんだ。 そして自分のしたことがどれほど罪深いことかを自覚したら、今度は自分は殺されて当然なんて考える。 どうしてそうなんだよ。ぱとりしあさんの命も大事なんだ。殺されていいはずがない。 「命はみんな大切なものなんだよ………それに、ぱとりしあさんが死んだら悲しむ人だって、」 「そんな人…いないわ……両親とはもう何年も音信不通だし…気の許せるほど付き合いの深い友達もいない…」 ……それは辛いことだと思う。俺には悩みを聞いてくれたり、支えてくれたりしてくれる家族や友達もいる。 きっとぱとりしあさんには、そんな気の置ける人が居なかったんだな… だから、理想の自分になることが出来る閉鎖された世界に逃避したんだろう… だけどそれじゃあ、悲しすぎる… 「………俺は悲しいです……ぱとりしあさんが死んだら」 「……どうして?…私は人殺しの犯罪者よ!そんな汚くて穢れた私が…」 自暴自棄になったように喚き散らす彼女に、それでもぱとりしあさんの命は大切だと俺は言う。 これだけは絶対に曲げるわけにはいかないことだ。何度でも言う。大切じゃない命なんてないと。 ぱとりしあさんが死んだら悲しいと。 「それに……ぱとりしあさんは、後悔してるんだろ?過ちを認めることが出来る。そんなぱとりしあさんが汚いとは思わないよ。」 俺の言葉を聞いて、喚き散らしていたぱとりしあさんがおとなしくなる。 分かってくれたかと思う俺に、とんでもないことを言った。 「………………そんなに言うなら、あなた私を抱ける?人殺しの私を抱ける?……私が汚くないって言うなら抱けるんでしょ?私と体で触れ合えるんでしょ?」 「…そ、それは、」 汚くないなら体で触れ合える。抱き合える。そんなことを言われるとは思ってもみなかった。 今のぱとりしあさんは、自暴自棄になっている…言葉で何を言っても聞かない… {綺麗だと思うなら抱けるはず}そんな彼女に、俺が出来ることは一つしかない。 「…………抱けます。」 俺は、ベッドの上でぱとりしあさんの服を脱がせると、自分も服を脱ぎ捨てて彼女を寝かせる。 初めて見た女性の体に、俺の肉棒が反応して硬くなる。 今すぐにでも挿入したいという衝動を抑えて、俺は閉じた脚を開かせ右手の指で秘所を擦り、 左手で揉みごたえの有りそうな大きな胸を揉みしだく。 「ひゃうッ…あぁ……あ…ん…」 俺が膣を擦り、胸を揉むたびにぱとりしあさんは喘ぐ。 柔らかな胸は、手の中で形を変えては元に戻る。 俺は出ないと分かっているものの、乳首に吸い付き、母乳を吸うかのようにちゅうちゅうと吸ってみる。 「はぁぁッ、あ…あ……」 当然のように母乳は出ないが、俺は夢中になってしゃぶり続けた。 しばらくおっぱいに夢中になってはいたが、下の口の方も疎かにしないように、有る程度濡れてきたのを指で感じ取ると、 乳首から口を離し、股間に顔を近づけ膣口にキスをした。 「アアッ!そ、そこはッ、」 奥から溢れてくる愛液を、ずずっと吸って飲み込む。 しょっぱいとも苦いともとれる味が口の中に広がる。これがぱとりしあさんの蜜の味なんだな。 それ以前に初めて味わう愛液でもあるけど… 俺はそこをペロペロと舐めたり、吸ったりしながら刺激を与えて愛撫していく。 「ああ、ダメェ、あぁ、き、金田一君ッアッ…アアァッ!」 ビクビクッと痙攣するかように体を震わせると、力が抜けたみたいにぱとりしあさんはグッタリした。 吸っていた膣からは、少し多めに愛液が出て来ていたので、それを吸い取り飲み込んだ後、 俺は一度体を離してぱとりしあさんを抱き起こす。 「大丈夫ですか?」 「はぁ…はぁ……はぁ…だいじょうぶ………少し、イっただけよ…」 ぱとりしあさんが息を整えている間、乱れてしまった彼女の長い髪を、俺は手で梳いてあげた。 息が整ってからもう一度彼女をベッドに寝かせて脚を開かせる。 愛液溢れる膣口はヒクヒクと俺を誘っている。まるで俺に「早く挿れて」とでも言っているかのようだ。 もっとも、俺の肉棒も「早く入りたい」とばかりにカチカチに硬くなっているが… 俺は向かい合う形でぱとりしあさんの脚を抱えて、膣口に肉棒を押し当てる。 「じゃあ…挿れますよ」 「ええ、いいわ…挿れて…」 俺は先端を膣口に潜り込ませると、腰を前に突き出していく。 既に愛液で満たされているぱとりしあさんの膣内は、滑りも良く、抵抗もない感じだったので、俺の肉棒はすんなりと根元まで挿入できた。 初めて体験する膣内の温もりに、心地よさと幸福感を覚える。 「あッ、ああぁッ…き、きんだいち、くん、」 最奥まで挿入すると、ぱとりしあさんは俺の名前を呼んで手を伸ばす。 仰向けに寝ている彼女の背中に手を回して抱き起こし、少しの間見つめ合う。 「………ぱとりしあさん」 互いに顔を近づけてキスをした。一度軽く口づけて、間を置かずに貪り合うようなキスをしながら、 抱き締め合って体を擦りつけ、舌を絡ませ合う濃厚なキスを交わす。 「…………んんッ…んッ…んん」 数分の間、俺はぱとりしあさんとの甘酸っぱい口付けを堪能して顔を離す。唇の間を唾液の糸が伸びて切れる。 「……動いて…」 返事の代わりに、俺は腰を動かして抽挿を始めた。 「あッ、あんッ…あぁ…いい……いいわ…」 俺の肉棒を優しく包み込んでくれているぱとりしあさんの膣内を、ゆっくりと動かして擦り上げていく。 「ああっ…あぁ……気持ち…いいッ…はぁっ……んんッ」 「…俺も…気持ちいいです」 一定の動きで抽挿を繰り返す俺に、ぱとりしあさんも合わせるように腰を動かしてくれる。 初めてなので仕方がないが、慣れるまでは手前のほうでゆっくりと動かしていた。 深く大きく動かすと、あまりの気持ち良さにすぐにでも果ててしまいそうになったからだ。 「あぁっ、ぅんんっ、はァ……あ、ああっ…」 段々慣れてくると、肉棒全体を中に入れたり、出したりしながら膣内の感触を楽しむ。 ぱとりしあさんも俺が慣れてきたことが分かると、奥へ奥へと誘導していく。 「そ、そうっ…そこよっ…そこ、突いて……っああァッ、もっと…もっと突いてッ、」 「ッ、ここですねっ、」 ぱとりしあさんに言われた通りに俺は突く。一番感じる所なんだろう。 こつんこつんと先端が子宮口に当たっている。俺もここが一番気持ちいい。 俺とぱとりしあさんは、すごく相性が良いみたいだ。 「はあぁっ…ンっ…ああッ」 深い部分を突くたびにぱとりしあさんは甘い声で喘ぐ。切なく甘い、聞いているだけで心地よくなる声だ。 部屋に響くのはその声と、ズチュッ、グチュッ、っと結合部から聞こえる水音だけ。 このままもっとぱとりしあさんとのセックスを楽しみたい。 しかしもう限界は近い。俺は腰の動きを加速させて、ぱとりしあさんの膣内を突き上げる。 「う、ぅうッ、あ、く、んッ、んんッ、ああ、あッ、ン、」 ラストスパートを掛けると、ぱとりしあさんは息を荒くして長い髪を振り乱し、必死に腰を動かす。 俺もそれに答えて、腰を打ち付け合い。限界へと上り詰めていく。 「わ、私、もう…き、金田一君ッ、きんだいち、くんッ、ッあ、んんッ、ああッ、ああぁぁぁぁッーッ!!」 絶頂の声を上げてイったぱとりしあさんの身体を力いっぱい抱き締め、肉棒を思いっきり突き挿れ、 込み上げてきた熱い精液を彼女の子宮にドクドクと注ぎ込んだ。 そのまましばらく息も絶え絶えに、俺とぱとりしあさんは抱き合っていた。 事件解決から間もなくして、ぱとりしあこと浅香奈々さんは自首して、警察の事情聴取を受けたが、 電脳山荘のメンバーが行ったのは、文字どうりの完全犯罪だったため。結局罪に問われることはなかった。 だが、自分の罪を自覚した浅香さんは、電脳山荘殺人事件の犯人の前で、自分に出来る形で必ず罪を償うと約束した。 それとあの日以来、俺と浅香さんは交流を持つようになった。 「本当に私のことを大切に思ってくれたのは、金田一君だけなの。」 唯一気の置けるらしい俺と、「これからも付き合いをしたい。」と言われ、俺も快く受け入れて現在に至る。 休みの日になると前はよく美雪と遊びに行っていたけど。ちょっと前に美雪と草太が恋人になったため、現在は休日のほとんどを浅香さんと過ごしている。 そういえば浅香さんはホステスを辞めさせられたらしい。警察沙汰を起こした浅香さんは雇い続けられないとのことだった。 もっとも、浅香さんは事件後すぐに辞めるつもりだったようだ。今はコンビニのアルバイトをしている。 あと、時々ではあるけど。俺は浅香さんとセックスをしている。気持ちが良いから… 浅香さんもそうみたいだけど、ただ俺たちの仲は最近それだけじゃない気がしてきている。 さっきまで抱き合っていた浅香さんと一つのベッドで寝ながら、俺はそんなことを考えた。 もうすぐ暖かい春がやってくるけど。俺と浅香さんの間にも何かが訪れそうなそんな予感がした……春はもうすぐだ…… SS一覧に戻る メインページに戻る |