面識のない男達
番外編


「う…ん…」

ふわりとベッドへ下ろされ優しく髪を撫でられた。

「はじめちゃん…?ひっく…私…寝ちゃってた…?」

アルコールに酔った声は若干呂律が回らず子供のようである。
美雪は頑張って眠い目を開けたが部屋の中は真っ暗だった。が、すぐにそれが自分がアイマスクをしているせいだと気付いた。

「…?何でこんなもの…?」

取ろうとした手を男の手が柔らかく制する。

「取っちゃダメなの…?はじめちゃん?」

返事はなかったが頭を撫でて貰ったのが嬉しくて美雪はアイマスクは取らない事にした。すると、もう一度はじめが頭を撫でてくれた。

「ん、わかった…取らないね」

すると髪を撫でていた手が美雪のブラウスのボタンを外し始める。

「え、はじめちゃん…?」

どうしよう?と思っている間にブラウスとスカートを脱がされ、あれよという内にブラジャーとショーツも取られてしまった。

(もしかして…私いま、裸なのかな…?)

酔っているせいか今ひとつピンとこなかったが、恐らくはじめは自分とセックスをするつもりなのだろう。と、ぼんやりした頭で美雪は思った。

「…私と、したいの?はじめちゃん…」

やはり返事はなかったが、頭を撫でてくれたのでイエスという事なのだろう。

「ん…いーよ…はじめ、ちゃん」

はじめはディープキスをしながらたっぷりと乳房を揉むと、両方の乳首を吸ってくれた。

「はじめちゃん…あ…」

はじめはどんどん下へ下りていき、美雪に股を開かせた。

「恥ずかしい…」

だが、また頭を撫でてくれたので美雪は仕方なく良い子にしていた。
はじめが割れ目を指で開いて舌を入れてきたは戸惑ったが、めっぽう気持ちが良かったので舐めさせてやる事にした。

「はじめちゃん…いい…あぁ…」

クリトリスを舌の上で転がされて何もかもがよくなった。
カチャカチャとベルトを外す音が聞こえてきて美雪はぴくりと反応した。

「…するの?はじめ、ちゃん…」

返事は頭を撫でる掌だった。
美雪はコクンと頷きアイマスクの下で目を閉じた。
はじめが自分の太ももの上に美雪の太ももを乗せる。
はじめの下半身もどうやら裸のようだった。
濡れた美雪の入り口に丸くて少し柔らかくて温かいものが触れた。

(はじめちゃんの…、が触れてる…)

それはモタつく事もなく正確に美雪の膣口に潜り込んできた。

「あ…。は、はじめちゃん、もっとゆっくり…ちょっと痛い…」

だが、はじめは更にグンと腰を突き出してくる。

(もう…、でも仕方ないかな…?はじめちゃんも童貞くんだもん…ね)

アルコールのせいか美雪自身我慢できない程の痛みではなかったので、非難せずにはじめを受け入れる事にした。
中で何かが弾けた後、はじめの全てが入ったのだと美雪は悟った。

「はじめちゃん…やっと結ばれたのね…私たち」

はじめは美雪の手を握り、ゆっくり動き始めた。

「あ…ん…動いてる…はじめちゃんが入ってるよぉ…」

恋する男と粘膜を擦り合い美雪は自分が昂ぶっていくのを感じた。

「気持ちいいよ…はじめちゃん…はぁんっ」

はじめが抱き締めてきたので美雪も彼の背中に手を回した。
密着したまま深い挿入ではじめがズリズリと美雪を揺すりあげ、小さなおめき声と共に身体を突っ張らせて美雪の体内で射精した。

「えっ?はじめちゃん…!?」

どくんどくんと一番奥に射精するはじめを今更止められる筈もなく美雪は諦めて彼が出し終わるのを待った。
はじめはもう一度美雪を抱き締めてからしぼんだ物を引き抜き、美雪の頭を撫でていった。

「はじめちゃん…」

幸せを分かち合う為、美雪がアイマスクを取ろうとした時何故かまた制された。

「?」

そして再び勃起したペニスが侵入してくる。

「ええ?ま…またこんなにしてるの??」

よしよしと頭を撫でられ、美雪はつい許してしまう。

「はじめちゃんたら、しょうがないんだから…」

抽送されてる内に美雪も気持ちが良くなってきて、2回目の膣内射精の時には初めてのオーガズムを経験した。

「ふあぁ…はじめちゃあん…!」

固く、はじめと手を握りあって美雪はイッた。

「はぁはぁ…はじめちゃん…またいっぱい出たね…」

すみやかに出ていったはじめは間髪あけずにまた入ってきた。

「は、はじめちゃんっ!た、溜まってるの…?」

頭を撫でられた。

「タフすぎよ、もう…」

でも初めて結ばれた記念日だし、幼馴染みがエッチな少年だなんて事はとうに知っている。
そして、1回や2回の行為じゃ足りない程自分を愛しているのだろう、と美雪は思った。
幸い、破瓜の痛みは無いに等しい。

「私のこと、好き…?はじめちゃん…?」

訊ねるとやはり頭を撫でてくれた。

「私もはじめちゃんが好き…だから気が済むまでしていいよ…?」

10回を超えた辺りから美雪は回数を数えるのをやめた。

「ああん…はじめちゃん…またこんなに固いよ…?」

何やら毎回、形と太さと長さが違う気がしたが多分気のせいだろう。
美雪自身何度も達していたし、余り深い事は考えなかった。

「あん、あん、はじめちゃん、はぅん」

はじめの突きあげは相変わらず激しい。

「もう、元気なんだからぁ…」

その時部屋のチャイムが鳴った。

「おい、誰か来たぜ?」

はじめではない声がした。

「え?…」

アイマスクの奥で美雪が目を開ける。

「バカ、喋るなよ…って、もう遅いか…」

別の男の声もした。
美雪は急速に身体が冷えていくのを感じた。
恐る恐るアイマスクを外したが今度は誰も止めなかった。
眩しさを堪えながら目を開けていると、ぼやけていた視界がはっきりしてくる。
自分に挿入していたのは知らない男だった。

(な……)

愕然とする美雪に傍の男が溜め息をつく。

「あーあ、ばれちゃった」
「お前が声出すから」

そこには先程まで美雪がはじめと参加していた飲み会にいた顔触れがあった。
が、美雪とはほとんど面識のない男達だった。

「美雪ー?寝たのかー?」

外から幼馴染みの声が聞こえて美雪が叫ぼうとする。

「はじ――!」

途端に口を押さえられ発声が叶わなくなる。

「むぐぐ…ぅぐ〜」
「っかしいな。美雪ー?…寝ちゃったのかな…」

一人ごちる声が聞こえる。

(た…助けて、はじめちゃん…!)

「…寝ちまったみたいだな…美雪のやつ…明日でいいか」

諦めたらしい少年が歩きだし、足音が遠ざかっていく。

(い…行かないで、はじめちゃん…!はじめちゃーん!)

完全にはじめは立ち去ったようだ。

「ふう、危なかったな」

美雪の口を押さえていた男が手を離す。

「これからどうするよ?まだ全員にマワってないんだけど」
「どーせあと残ってるの5人くらいだろ?押さえといてやるから早くやれよ…」
「!…はじめちゃん!いやあっ!助けてっ!やああっ!はじめちゃーんっ!」
「今更騒ぐなよ。散々中出しされたんだし同じだって…」

腕と足を押さえ付けられた時、上に乗った男が呻いた。

「で、出る…!」

びゅくびゅくと新たな精子が膣内に放たれる。

「い…いやあ…うぅ…」
「ふーん、美雪ちゃんは中出しされると、そーゆー顔するんだ…可愛いね」

頭を撫でた手は先刻の優しい手だった。

「…ふう、超気持ちよかった…大満足」
「やっぱ生は最高だよな。しかも七瀬美雪に中出しなんてさ…」
「やっと俺の番かよ。先っちょヌルヌルだっつーの」

知らない男が膣内に欲望を吐き出して出ていくと、また知らない別の男が入ってきた。

(…や…もうこないで…。助けて…はじめちゃん…)

さっきまで快感に酔い痴れていた美雪の粘膜が悲しみに痛む。

「なあ、金田一のメルアドにハメ撮り送ってやらない?七瀬の携帯から」
「ぎゃは。悪い男だな」

美雪の中の肉棒が野卑な悦びに膨らんだ。

(はじめちゃん…私きっと、酔って変な夢見てるんだよ…ね?…だって、こんなコト現実であるわけがないもの…。早く…目、覚めて…私…)

自分の上でにやつきながら腰を振る男を美雪はぼんやりと見つめていた。






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