番外編
泣いてしまいそう。 あなたの未来の重さ。あたしの死の軽さ。 あたしの涙は純度等存在しないけれど、其れでも雨となって癒すでしょう。 ザイサイアン――2 じっとりとした汗の様な何かが其処を濡らす。 其れを見計らったの。同時にあなたが突き上げて来る。 堪えたいのに堪えられない。 喉の奥からけだものの様に喘ぐ。 あ、あっ……う、あっつ。 あなたの前でだけあたしは素直になれる。けだものになれる。 野蛮な本能を剥き出しにして女と言う性を見せつける。 痛いか……気持いいか。 あなたが訊いてくる。そんな事解っているくせに。 あたしは必死で答えようとするけれど嗚咽交じり。 人魚姫を騙した貪欲な魔女の様な醜い声にしかならなかった。 はっ、くぅ、い、気持いっ、い、です……うっ。 益々あなたが突き上げてくる。 でも其れも突然止む。気まぐれな人だから認めてあげたいけれど。 ズボンのチャックを上げる音。 あたしもスパッツを上げる。ベットから降りて、あなたに飛びつく。 耳元で囁いて。 また、して下さいね。 微笑んだあなたのシャツの色は。 空や海ではない何処にも無いような青だった。 狡猾な魔女と思っていた。 そんな人魚が見た、真の青。 SS一覧に戻る メインページに戻る |