クリス×美雪
番外編


彼――金田一一が事件を解決し、僕の前を去ってゆく前、
僕が呟いた言葉は聞こえていただろうか?

「今回は大人しく引っ込んだけど、次はどうだか知らないよ…」

彼の大事なものを奪ったら、あいつはどんな顔をするだろう?

彼の大事な彼女――七瀬美雪の行動を調査し、それに合わせて計画を練った。

都内にある大きなホテルのロビー。僕と彼女は偶然を装って再会した。

「クリスくん!…久しぶりね、元気だった?」
「はい。あの時はどうなることかと思いましたけど…あなたが無事で本当によかった」

ハーフ特有の澄んだ瞳でじっと見つめる。たいていの女はこれで落とせるんだが…。

「クリスくんったら…やあねえ、おマセさんなんだからっ」

…子供は対象外か…?いや、あいつとの様子を見る限り、ただ単に奥手なだけだ。
これからじっくりモノにしてやるよ…

「美雪さんもここに宿泊されてるんですか?」
「ううん、無理よぉこんな凄いホテル…。

今日はね、ここに新しくできたショッピングフロアに行ってきたの!…ほら、こんなに買っちゃった♪」
嬉しそうに紙袋を掲げてみせる。

「凄い量ですね…。――そうだ、よかったら僕の部屋でお茶でもいかがですか?」
「――え、本当?実は私もちょっと疲れちゃったんだ…お言葉に甘えちゃおうかな」

子供相手だからか、警戒心が薄いようだ。…部屋に連れ込んでしまえばいくらでもチャンスはある。

「それじゃあどうぞ」

うわあ…素敵なお部屋ぁ……!」

そりゃそうだろう、スイートだからね。そんなことはおくびにも出さずさらりと受け流した。

「今ルームサービスを頼みますね」
「……え、いいのよそんな…っ、」
「どうぞお気になさらず。…備え付けのティーセットじゃ味気ないでしょう?届くまでどうぞくつろいでいてください」

彼女は恐縮しつつもふわふわのベッドに腰掛けて感触を楽しんでいる。
ぽよんぽよん、とベッドが揺れるたび、ミニのフレアスカートから肉付きのよい太ももがいやらしく覗く。
自分の肉体がどれだけ男を惑わすかも知らずに無邪気に喜ぶ姿が僕をそそる。

……もうすぐだ。

数分後、係の者がワゴンを転がしやってきた。
若い女性がいかにも喜びそうな可愛らしいアフタヌーンティーセット。

「うわぁ、可愛い…っ」

彼女も類に漏れずに目を輝かせている。

「こっちの紅茶は…?…あ、お酒の香り…」
「―香り付け程度の量ですから大丈夫ですよ。…さあ、どうぞ召し上がってください」
「いただきま〜す。…うふふ、私、お姫様みたいね」

僕もにっこりと天使の笑顔で微笑み返す。

…そう、あなたは可哀想な捕らわれのお姫様なんですよ…。

「ごちそうさまでした♪すごく美味しかったわ〜。はじめちゃんにも自慢しちゃおっ」
「よかったらこっちのケーキは彼に差し上げてください。包んでありますから」
「こんなにしてもらっちゃって…本当にありがとう」
「いいんですよ。喜んでいただけて僕も嬉しいですし」

―これからもっと悦んでもらうんですから、彼にもこのくらいはして差し上げないとね…。

「…それじゃあ、そろそろ帰るね……あれ?」

ベッドの上の紙袋を取ろうとした彼女の足がもつれ、そのままベッドに倒れ込んだ――。

「………きゃっ!」

ぽすっ!

「いやだ、転んじゃった……あ、あれ…?起き上がれないよ…」

捲れあがったスカートを気にしながら何度も身を起こそうとするが、無理のようだ。

「大丈夫ですか美雪さん?」

本当に心配そうに傍に近寄る。

「香り付けのお酒のせいでしょうか…?美雪さん、お酒弱かったですか?」

そう問いかけると、思い当たることがあったのか頬を染めて黙り込んでしまった。

「ここには僕しかいませんから、お酒が覚めるまでそのまま休んでいてください」
「ありがとう…ごめんね、クリスくん…」
「……ああ、こんなに頬が赤くなって…」

頬に軽く指を這わせると、ぴくんと小さく身を竦める。

…確かに少量だが、アルコール濃度はかなりのものだ。しばらくはこのままだろう。
それに……微量だが媚薬効果のある薬も混ぜておいた。

「……ん……熱い……っ」
「大丈夫ですか…?少し服を緩めましょうね」

すう、と首筋を撫で、ブラウスの前ボタンを開く。

「あ……そんな……っ」

もともと襟ぐりは大きく開いているから、豊かな胸がすぐに現れた。

「こういう時は身体を締め付けないほうがいいんですよ。…ああここもこんなに窮屈そうだ」
「……だ、だめ……恥ずかしいよぉ……あっ」

背中に手を差し入れ、ホックを外すと、開放された両胸が大きく揺れる。

「んん………っ」

しゅるしゅるとブラウスを脱がし、ブラを抜き取る。
そのたびに身体をなぞる指先に敏感に反応しているようだ。

「こんなに豊かな胸を無理やり押し込めて…。こんなに跡がついてますよ」
「ああん……触っちゃ、だめぇ……」

両胸を下から持ち上げ、小さな手には納まりきれないその感触を楽しむ。

「んっ………んふぅ……やぁん……っ」

硬くなってきた先端を指で挟んで転がすと、甘い声が漏れ始めた。

「あ……やぁ……んんっ」
「どうしたんですか?そんな声を出して…」

胸の間に顔を埋め、両胸を押し寄せる。
柔らかな、暖かい感触。先端を転がしながら真っ白い肉を甘噛みすると、さすがに彼女も声を荒げた。

「クリスくん……やっ!やめてぇ……っ!」

動かない身体を必死に揺すり、はかない抵抗をするが、それも単なる味付けにしかならない。
…わざと音を立てて吸い付き、白い胸に鮮やかに映える所有の印をつけてゆく…。

「…ふふ、綺麗ですよ美雪さん…この跡を彼が見たらどう思うでしょうね」
「ひどいよ……っ。どうしてぇ……っ?」
「どうして?男の部屋にのこのこついて来たのはあなたでしょう?
子供だからって甘く見ちゃ駄目ですよ…僕は彼の知らないことだって知ってるんですから。
――ほら、こんな風に」

―――くちゅっ。

「…………やぁあんっ!」
「…おやおや、もうこんなに濡らして……。穿いてても意味がないですね」
「や……やめて、よぉ…っ」

媚薬がかなり効いているのか、剥ぎ取った下着はいやらしい蜜にまみれていた。
足を拡げ、濡れて光るそこをよく見えるように指で開くと、とろお…と蜜が垂れてきた。
指でひと掬いして、目の前に見せつける。

「ほおら、こんなですよ…?」
「…や、やぁ………っ。やめて、やめてぇ…」

羞恥に顔を背け、小声で懇願する姿はなかなかのものだ。

…が、いつまでも遊んではいられない。

ぬるん…。

「ふあぁっ!」

濡れた指で蕾に触れると、再び甘い声を漏らして反応した。

「ここが女性の一番敏感な場所です。……誰かに触らせたことはありますか?」
「……な、ないわよぉ……そんなことっ」
「それじゃあ……僕が初めてなんですね」
「…………っ!」
『初めて』という言葉の意味に気付き、大きな瞳をさらに見開いて怯えるように首を振る。
「や……お願い、クリスくん……っ」
「………大丈夫ですよ、気持ちよくなれますから。僕が相手でよかったですね」
「いや……いやぁ……っ」
「今にその言葉の意味が変わってきますよ……ほら」

れるん…っ。

「ふあぁぁっ!」

敏感な蕾を、溢れる蜜を塗りつけるように舐めあげる。

「そこ………そんなにしちゃ、私ぃ……っ、」

充血してきた蕾を上下左右に弾く。

「ああ……だめっ、いやぁ……あっ、いやっ、いやっ、……やぁあぁあん……っ」

ますます蜜は溢れ、身体中が僕に応えてる。

「お願いだから、もうやめてぇ……、こんなこと、しないでぇ……あぁっ」

すっかり艶めいた声で、それでも僕を否定する。

――それももう終わりですよ…?

ずちゅうっ!

「あはぁぁあっ!」

蕾に音を立てて吸い付く。さすがに刺激が強いのか、腰がびくんと大きく動いた。

ちゅるっ、じゅっ、ちゅぅう…っ!

「ふあっ、やっ、あはぁ……っ、」
「だめっ、だめ……っ!もう、もう……っ、」

頂点が近付いてきたようだ。さらに強く蕾に吸い付き、舌を絡める。

「あっ!だめっ、だめえぇ……っ!――あ、あはぁ……っ、」

――寸前まで高めておいて、すう、と離れる。

「………っ?ああん……いや……いやぁ……んっ、」

蕾は刺激を求めて小刻みに震えている。

「あ………。…ク、クリス……くん」
「どうしたんですか?やめて欲しかったんでしょう?」
「…そ、そうだけど……でも……っ」

自分でもわからない感覚に戸惑っているようだ。

「どうしたんですか?ご希望通りにしたのに、不満そうですね」
「そんなこと……そんな…っ」

彼女に自分から僕を求めさせるのだ。
あとで言い訳なんてさせやしない、あくまで彼女自身の意思で僕を選ばせる。

――あいつに苦い苦い敗北の味を噛み締めさせるために…。

「――お……ねが……」
「どうしたんですか?」
「……めないで……続けて、ください……っ」
「続けたらどうなるか……わかって言ってるんですか…?」
「それは……で、でも、もう私……っ」
「あなたには金田一さんがいるんでしょう?裏切りはよくないですね」

僕の言葉に理性を取り戻しかけたのか、彼女は自分の欲望を必死に抑えようとしているようだ。
目を閉じて、彼の名を何度も呟いて。

そんな彼女を見下ろしながら、僕は心の中で囁いた。

『――それじゃあ…そろそろいくよ、“はじめちゃん”?』

だらしなく開かれた彼女の足の間に顔を寄せ、赤く張り詰めているそこにふう、と息を吹きかける。

「ふあぁぁあ……っ!」

びくん、と大きく身体が震え、とろりとした蜜が溢れ出る。

「だめっ、だめぇ……っ。はじめちゃん、はじめちゃん……っ、」

きつく閉じられた目から涙が溢れる。…結構しぶといな……。

「無理は身体に毒ですよ…?」

れるん……っ。

「あはあぁあ……っ!」
「もっとして欲しかったら、ちゃんと口で言うんですよ?」
「ごめん……ごめんね、はじめちゃん……っ。でも、わたしぃ……」
「……………さあ、」

「やめないでぇ……クリスくんにして欲しいの……っ!」

――堕ちたな……。

「あなたが自分から望んだってこと…忘れないでくださいね」
「おねがい…おねがい、だからぁ…っ」

一度認めて口にしてしまったらもう止まらないのか、切なげに甘い声で僕を誘う。

「いいですよ……求められた以上、最高の快楽を約束します」

「――はぁぁあっ!……そこ、そこぉ……っ、もっと、吸ってぇ…っ、……ああぁんっ!」

待ち望んでいた行為に激しく乱れ、快感を身体中で訴える。

「いいっ、いいのぉ……っ、」

散々焦らされて赤く腫れあがった蕾は、彼女同様、限界を示していた。
とどめを刺すべく、一際強く吸ってやる。

「ふあぁぁぁぁあああ………っ、んんっっ!!」 

何度も震えて、彼女は高みに到達した――。

「――はぁ、はぁ……あぁん……あぁ……ふぅっ」

快感の余韻に身を任せている彼女の呼吸が落ち着いたのを見計らって、耳元で囁く。

「――素敵でしたよ…。…さあ、今度は僕の番ですね」
「……………っ!!」

彼女が目にしたのは屹立した僕自身…準備は整っている。

「あ……い、いやぁ……っ」

始めて見る男性器に怯えているようだ。

「大丈夫…これでもっともっと気持ちよくなれますよ。……ほら」

ぬりゅん。

「あはぁっ!…あっ……ああんっ……んふぅん……。――ふあぁぁっっ!」

先端で濡れた蕾を何度もなぞり、その快感に酔い始めたところを一気に貫いた――!

「――い、痛ぁ…………く、ない……?――あっ、あはぁぁあんっ!」
「―――ね?僕が初めてでよかったでしょう…?彼じゃこうはいきませんよ」
「いやぁ……あんっ、はじめ…ちゃんっ、のことは、言わない、でぇ…っ」

正真正銘初めての彼女が、平均よりかなりのものに貫かれ、激しく腰を動かされて快感に喘いでいる…。
本場の媚薬の効果はかなりのものだ。薬自体は依存性のないものだが、快感への依存は効き目に比例する。

「もう僕のじゃなきゃダメでしょうね…。本当かどうか、彼と試してもいいんですよ…?」
「やぁ…っ、そんな酷いこと…言わないでぇ…言っちゃだめ……だめっ、いっちゃうぅ……っ、」
「初めてでいってしまうんですか?……いやらしい人ですね」
「あふっ、いくっ…いっちゃうのぉ…っ、」

ただ快感を求める彼女は、もう僕の言葉の半分も理解していないだろう。

「……ふふ、いいですよ?……夜はこれからですから、たっぷりと僕の味を覚えさせてあげますよ……っ!」
「――あっ!いくっ!いくぅぅうぅぅ…………っっ!!」

……どくんっ!びく、びくん…。

彼女の中にたっぷりと注ぎ込んで、僕と彼女の長い夜が始まった――。






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