仲間編
金田一×蓮沼綾花

金田一一は不動坂高校のグランドで痙攣をして倒れてしまっている。
金田一一にとって、久しぶりの「仲間」の1人である絵馬純矢の作品が東京の美術館に展示されるのを知って、その作品を見ようとしていた。
1人でこっそり行く予定だったのだが、彼女である蓮沼綾花にバレてしまい、一緒に連れて行って欲しいと潤んだ目で泣き寝入りされてしまった。
一にとって彼女のその顔に弱く、了承を認めると綾花の表情がパーっと明るい笑顔になる。
その表情も一にとっては弱点であった。

「そう言えば、綾花って美術館に興味あるのか?」

へんな質問をする一に、綾花はムッとした顔で頬を膨らませる。

「失礼ね。興味あるわよ。誰かさんとは違い。」

雪影村には都会とは違い、大きい美術館なんか無かったので、女心の読めない一に呆れてしまう。
しかも、一の友達の純矢の作品が展示されるなら尚更だ。
綾花にとって、純矢の作品がどんなものか興味深かったのだ。
2人は美術館に入り、純矢の作品を見ると、やはり凄いなと感動してしまう。
今は故人となった葉多野春菜の作品とは明らかに方向性が違う作品だった。
春菜の作品は優しい感じだが、この純矢の作品は完璧主義の彼の性格が露になるほど筆の一本一本に魂が篭っている作品だった。
その作品に帽子を被った少年が何度も首を横に傾げている姿を見て、一は知っている人間だと思い、声をかける。

「ひょっとして、お前、純矢か?」

偶然の再会に純矢はビックリして、何という運命の悪戯だと思ってしまう。

「金田一、なんでお前がこんな所にいるんだよ。」

自分にとっては97点の作品だと思っていた作品だったので、納得できない純矢は恥かしい物を仲間に見せてしまったのを後悔してしまう。
だが、2人にとっては純粋に良い作品に見えなかったので、納得してないのか一が純矢に質問してみた。

「お前、これでも充分良い作品だよ。まだ、納得してないのか?」

綾花は初対面の純矢の性格がひと目で解ってしまう。
良い言い方をすればマイペース、悪い言い方をすれば天才肌の気難しい芸術家タイプなので馴染みにくいのである。
ミーハーの綾花は1度は有名人のサインをもらいたかったので、恐る恐る油性マジックとサインの色紙を持って、サインを頼む。

「絵馬純矢さんですよね。サインを頂けますか?」

一は俺の彼女だと言うと、純矢はゲラゲラ笑ってしまい、手早くサインを書き始めた。

「金田一、お前、やっぱり変わっているよ。こんな可愛いの彼女がいるなんてな。七瀬さんとはどうなったんだ?」

赤面する一に幼馴染の七瀬美雪の言葉が出るとは思っていなかったのである。
邪宗館の事件以降、純矢とは全然出会っていなかったから仕方ないにせよ、一は慌てて弁解する。

「馬鹿、美雪は唯の幼馴染だよ。全く。」

しかし、あの事件以降の純矢の笑顔を見るのは久しぶりだなと一は思ってしまう。
綾花もあの事件の事は良く知っていたので、純矢自身が吹っ切れたのだと確信し、自己紹介を始める。

「蓮沼綾花です。宜しくお願いします。」

純矢も丁寧に自己紹介を始める。

「絵馬純矢です。宜しくお願いします。こいつ、皆に迷惑掛けてるでしょ?」

一はムッとした表情でほっとけと文句を言うと、子供の時の過去を暴露してしまう。

「お前、あの幽霊屋敷で瑠璃子がいなくなった途端にビビリ君の癖によ。」

カチンと来た純矢はその過去を更に暴露する。

「そこで足首を捻挫した馬鹿は何処のどいつだ?」

高校生の2人が小学生の口喧嘩のレベルで言い合いをしているのは本音は笑ってしまう綾花だったが、場所を考えずに言い合いをしている状況のせいでどんどんギャラリーがここに集まっていく。
徐々に恥かしくてなってしまう綾花は、黙らせる最善の策として、2人に思いっきり拳骨を頭にゴツンとかました。
余りの痛さにしゃがむ2人は、綾花を恐る恐る見上げると、目でこう物語っていた。
これ以上ここで続けるなら、半殺しにするという態度を見せると、2人共急に大人しくなった。
恐怖の余り、純矢は一の耳に呟く。

「お前、凄い彼女を手に入れたな。」
「まあな。」

一にとっては、そこが彼女の可愛さなんだと思うのだが、綾花はジロっとした目で何か言ったと聞くと、2人は即座に横に首を振り続けた。
ここじゃ話が出来ないから、純矢が喫茶店に行かないかと誘うと、2人は素直に行くと答える。
互いに話を色々な話をしたかったのである。
喫茶店に着くと、一と純矢はコーヒーを、綾花はフルーツパフェを注文した。
一はまず、「仲間」の井沢研太郎について歯痒そうに話をした。

「研太郎の事なんだが…」

純矢もあの研太郎が殺人犯になっていたのは知っていた。
どうやら、研太郎自身が手紙を送ってきたので、状況は知っていたのだ。

「あいつがあんな事をするなんてな。未だに信じられない。」

状況こそ違えど、純矢は研太郎に同情してしまう。
なぜなら、家族が事故で死んでしまったのは「仲間」の常葉瑠璃子と同じだったのだ。
人生を狂わせた2人の「仲間」がいなくなってしまう事に寂しさを感じてしまう。
死んだ荒木比呂はもういないので一に会いたかったのも事実だった。

「比呂も父さんも家族同然だったしな。血は繋がってなくても愛情は知っていたよ。」

純矢は、絵馬夫妻が本当の親じゃ無かったけど、本当の親がいたらこんな優しく接していたのか疑問に思い出した。
捨て子とはいえ、親が子供を捨てるなんて碌な親じゃないと考え直していたのである。
一以外の「仲間」の共通項に本当の家族がいないことに綾花も知っていた。
だから、家族のいる自分とは違い、邪宗館が家族だと思うのも無理は無かった。

「井沢君とは会いました。みんな兄弟みたいに仲良かったのも知っています。」

純矢は綾花が涙を流している姿を見ると、彼女が涙脆い性格だということを認識できた。
人事なのにそこまで心配すると、一に手紙を渡すのを躊躇ってしまう。
だが、一にはどうしても読まなければいけない手紙であった。

「金田一、これは生前の父さんがお前に書いていた手紙なんだ。内容は知らない。だけど、お前が1人で読むべきだよ。」

一は了承すると、純矢はそろそろ邪宗館に帰る時間だと言い、申し訳無さそうに早々に帰ってしまった。
2人も話しているせいで夕方になっていた事に気が付き、一の家に帰る事にした。
綾花は何故、一だけに読ませようとしたのか大体、予想が出来た。
なぜなら、自分には関係の無い話なのが理解できた。
その後、綾花は一の部屋に入ると信じられない物を見てしまったのだ。
なんと、一が上を見上げながら涙を流しているのを初めて見てしまったのだ。
綾花が心配して手紙を読んでしまう。

『金田一君、この手紙を渡したときはもう私は生きていないのかもしれない。
だから、君には話しておこう。私はかつて2度も過ちを犯した。
その罪を償おうとしたが、最近、思うようになった事がある。
それは罪を償う事は出来ないという事だ。だから、約束をして欲しい。
他の子達に私のような過ちをさせないでほしい。』

一は泣いている自分の姿を綾花に見せたくないので顔を横にそらす。

「隠さなくて良いわよ。」

綾花は一に優しく抱きつくと、綾花の頬に一の涙が伝わった。
自分のせいで事件を起こした事を後悔していたのを痛いほど解る。
一の性格が思ったよりも精神的に強くないのも、綾花は良く知っていた。
もし、龍之介の手紙を読むのが早ければ、研太郎も殺人犯にならなかったのかもしれないと余計な深読みしてしまうと、綾花がいきなり舌を入れたキスをしだした。

「ねえ、今日はHしようよ。気分転換しないと…」

綾花のキスによって、一も素直にそうしようと答える。

依存と言われるかも知れないが、今の一にとっては必要な事でもある。
それは生きている実感が湧く、最高の瞬間でもあったのだ。
可愛い彼女が出来てからは、自分に甘えられる事が出来たのが何よりも嬉しかったのだ。
綾花もここまで自分が成長したのは、彼に出会えたからである。
時には信じられないほどの大胆さも目立ったりする事もしょっちゅうするのだ。
一が入院したら、何度も病院から脱走しようとしても必ず捕獲して説教をするのもよくある事で、一の部屋にある隠してあったエロ本やビデオやDVDは全て彼女に処分されてしまった。
すでに不動坂高校におけるバカップルとして有名になってしまったのに本人達はまるっきり気付いてないのは言うまでもなかった。
綾花は既に裸になり、一の勃起した肉棒を優しく掴むと、喉の奥まで銜え始めた。

「綾花の益々フェラチオが上手になっている。すげぇ気持ち良い。」

綾花も嬉しそうな顔で更にジュポジュポ音を立てて、更に自分の胸の谷間に一の肉棒を挟み込む。

「パイズリもやると、我慢出来ねぇ。出る!」

一の肉棒から白濁の液がドビュドビュ飛び出ると、綾花は勢いの余り、飲み込んでしまう。
流石にいつもよりも濃かったせいで尚も勃起している一の肉棒を見て、綾花も嬉しかったので真っ赤な顔で催促した。

「そろそろ、金田一君のチンポが欲しい。だから、金田一君のチンポを私のオマンコにグリグリして…」

どうやら、一もどうやら我慢できなくて、綾花の割れ目にズブッっとゆっくり挿入してしまう。
一の動きがいつもよりも激しいせいで、綾花はいつもよりも余計に気持ち良く気持ち良く感じてしまう。
更に、一の手が綾花の胸をムニュっと掴むだけでなく、乳首をチューチュー吸うと更に我慢できなくなり、綾花も気持ちよさそうな顔で催促してしまう。

「お願い、膣に出して、外じゃ嫌なの。じゃないと満足できないの。」

一も我慢できずに子宮の奥まで沢山、ドクドクと射精をしてしまうと、綾花はこのまま抜かないで続けて欲しいと言う。
一も嬉しそうに3回連続で続けてしまう。
互いにセックスの相性は良かったと思ってしまうのだ。
いつも、嫌がったりしないのがこのカップルの強みとも言える。

ー数年後、純矢は釈放された瑠璃子と結婚をするのだが、互いにツンツンと尖った所は無くなっていた。
優秀な弁護士になった村上草太のお陰で減刑になれたのだ。
今となっては純矢にとっても瑠璃子にとっても一と友達になれて良かった事になる。

「俺も瑠璃子も幸せになったよ。ありがとう金田一。」

まあ、偶に純矢とは低レベルの口喧嘩をして、互いの奥さんにお約束の拳骨で仲裁されるのだ。
同じく釈放された研太郎はつくづく思ってしまう。

「俺も結婚したら、こいつらと同じように間違いなく女に尻に敷かれるんだろうな。」

呆れて溜息をつく研太郎に綾花と瑠璃子は意外な答えを出した。

「井沢君なら大丈夫よ。この2人がだらしないだけよ。」
「研太郎はしっかりしてるから心配はしてないわ。この2人と違うから!」

確かに2人の言う事に説得力はあったので、ホッとした研太郎だった。






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