金田一×蓮沼綾花
金田一一は不動坂高校のグランドで痙攣をして倒れてしまっている。 原因は、一の近くに置いてあるサッカーボールが後頭部に当たったからである。 蹴った本人の村上草太はミスキックで威力のあるシュートを打ってしまったから、顔面蒼白の表情をしてしまった。 ここで、一にサッカーボールが当たった時、目撃者が幼馴染の七瀬美雪が悲壮な声をあげてしまったのである。 そして、同じ高校に編入した一の彼女でもある蓮沼綾花にも見られてしまった。 慌てて一の元に駆け寄り、心配する草太に綾花はとんでもない行為をしたと思い、草太をキッと睨む。 草太の視線では綾花が草太をただでは済まさないと物語っているようだ。 一はゆっくりと意識が回復してきたようで、何故ここで倒れていたのか疑問に思いながら、立ち上がろうとした。 「あれっ、何で俺はこんな所で倒れているんだ?何、心配そうな顔しているんだ?草太、美雪、え〜っと誰だお前?」 綾花は一の信じられない言葉にショックでビックリしてしまう。 美雪はわざと一がとぼけて言っているんじゃないかと呆れた顔で今起きた状況を説明する。 「草太君が蹴ったボールが一ちゃんの頭に当たったのよ。本当に綾花ちゃんの事は覚えてないの?」 一は綾花の顔を見て、素直に誰だか解らないので困った表情をすると、綾花は自分が持っている雪影村の写真と事件を思い出させようとした。 どうやら、綾花以外の事は事件や人物は全部覚えていたのである。 続けて、他の人物を一通り名前だけで知っているかの確認をすると、地獄の傀儡子の高遠遥一以外は覚えていた。 関わりの深い自分と高遠の存在を忘れてしまった事に綾花は愕然としてしまう。 心配した綾花達は一をすぐに病院で検査してもらう事にした。 検査後、どうやら脳に異常は無く、一時的な記憶喪失だと医者は答えたが、記憶が戻るのはいつかははっきりと答えられなかった。 草太は帰り際に悲しんでいる綾花にちゃんと謝った。 ー翌日、一が記憶を失ってからの綾花に対しての態度はいまひとつ、ギクシャクしていた。 「まだ、お前の事が全然、思い出せねぇ。ゴメン。」 学校に行っても、綾花とはスッキリしない関係で美雪も草太も心配していた。 綾花との関係以外はいつもと変わらなかったが、綾花がどうみてもかわいそうだった。 草太は放課後に一を呼んで、もう1回、一の頭に目掛けてシュートをしたら記憶が戻るんじゃないかと考える。 草太は一にその事を聞くと別にやっても構わないと答える。 草太はサッカーボールをセットさせ、シュートを構えようとすると、焦った顔をした美雪が草太を羽交い絞めにしながらこう言う。 「そんな事をしたら、一ちゃんが死んじゃうからやめてよ。」 美雪は壊れた機械じゃないんだから、草太にお願いすると一は邪魔をするなと美雪に怒鳴る。 3人が激しく言い争っていると、綾花が大きい声を出す。 「もういい。もうやめて!もういいよ…思い出さなくて…そんな3人見たくない。」 綾花の言葉に完全に沈黙して、3人共、綾花の暗い表情を見る。 「私の事思い出せないなら、それでもいい…だから…もう1度私を覚えて…」 綾花の表情には涙が流れていた。 その心境は、思い出せないなら最初からやり直せば良い…全部やり直して…もう1度、自分を好きになって欲しいのだ。 辛いけど、そうするしかない事に美雪も涙を流し始めた。 草太は綾花の背後にサッカーボールが飛んで来るのが見えると綾花に注意をする。 「蓮沼さん、後ろ!」 球速が思ったよりも速く、回避が間に合わないと思った草太だったが、一が綾花の腕を引っ張り、身を呈して綾花を守った。 しかし、一の当たった箇所が運悪く、後頭部に直撃してしまった。 「怪我ねぇか?」 無傷の綾花はうんと答え、一が記憶を無くしても自分の事を守ってくれた事で思わず涙が零れてしまう。 一はホッとした表情で意識を失い、倒れこんでしまう。 何度も綾花は一の名前を呼ぶが、全く返事をしない。 一は目を開けてみると、綾花がいる事に気が付く。 ここが何処だか解っていない一に綾花はこの場所を説明する。 「金田一君の家で私の部屋よ。遅かったから保健室は空いてなかったし…金田一君が完全に気を失っていたし…」 ボーッとした表情で一は綾花に夢の話をする。 「記憶を欠ける夢だ。美雪や草太は覚えているのにお前の事はわかんなくて、あいつらとケンカしたんだぜ?」 一は不思議な表情で、綾花の事は絶対に忘れるわけが無いと言い張ると、綾花が泣きじゃくる姿を見て困惑する。 綾花の心境は、それは夢で無く現実だったのである。 綾花が泣き止むように、一がキスをすると2人にとって懐かしい感触であった。 「もっとして…」 嬉し泣きをする綾花は、自分の知っている元の一に戻り、ホッとする。 恥かしくて一がやめようかと言うと、じーっと見る綾花を見て、困惑してしまう。 しかし、綾花自身も一と同じ考えを持っていた。 2人共、裸になってセックスをしたくなっていた。 一は左手で綾花の胸を揉みながら、右手で綾花の秘部をクチュクチュ音を優しく触ると、いつもより濡れるのが早いのに気が付く。 「どうした?綾花、いつもよりも早いな。昨日、したばかりなのに…」 一に自分の乳首をチューチュー吸われて更に感じてしまう綾花は、したのは3日前であったのである。 一の舌が綾花の頬を舐めると、記憶を失ってからの3日間は本当に寂しかったのである。 綾花はバックの状態で自分の秘部の割れ目に一に肉棒を自分から入れる。 3日間お預けされると、我慢できなかったようで喘ぎ声が余計出てしまう。 一も綾花のクリストスを触ると、感じすぎちゃっていじめないで欲しいと言う。 奥まで入れて欲しかったらしく、一気にイカせてもらいたかったのだ。 一の精子が綾花の子宮の奥までドクドク流れると、綾花も嬉しかったらしく、たくさんしてくれたので幸せだった。 綾花が一にピッタリとくっつくと、一は何だと思ってしまう。 「くっついちゃダメなの?」 照れた表情でそういうわけじゃないと言う一に、綾花はもっと強く一の腕を抱きしめると、一の顔が余計真っ赤になってしまった。 綾花の胸が気持ち良くて、困惑する一だが綾花に渡したい物があったのを思い出す。 「以前、綾花が欲しがっていたテニスのシューズの新しいのを買ってきたんだ。」 今の彼女のシューズが寿命が来ていたのを知っていた一の配慮に素直に喜ぶ。 綾花は一に大好きと言うと、彼自身がドキッとして真っ赤な顔をしている。 綾花の心は、一がこんなにも愛しい、いつもの一で、誰にも代わる事の出来ない存在。 例え、一が記憶を無くしても自分は絶対に諦めない。 とても大切な人だから、何度でも自分が追いかける。 この広い世界に貴方と言う星はたった一つだからである SS一覧に戻る メインページに戻る |