美雪失恋編
金田一×蓮沼綾花


金田一一は雪影村に法事でも無いのに電車とバスで向かっていた。
用件は彼女となった蓮沼綾花と仲間達と出会いたかったからである。

ただ、今の一の気分は最悪の気分であった。
何故かと言うと一だけで来ていなかったのである。

一緒に来たのが、同じ高校の後輩の佐木竜太と同級生の村上草太と従兄弟の二三が勝手について来たのである。
何故この2人が付いて来たかは、女性関係に鈍い一でも解ってしまうのだ。
幼馴染である七瀬美雪のスパイである事が簡単にバレている事に一はいきりたっていた。

「大体、何でお前等が付いてくるんだよ。金魚のフンみたいに…」

二三はにやけながら、馬鹿にする様な態度で一に文句を言った。

「一、ここにはお前の彼女って言うのがいるようだしな。お前に彼女なんて100年早いんだよ。」

馬鹿にされた一は怒りで二三を殴ろうとせんばかりに、威嚇しようとするが、草太に取り押さえられている。
草太は美雪のお願いとはいえ、スパイになるのを何で自分がやらなきゃいけないと後悔していた。
佐木はその場その場を面白そうにビデオカメラで撮影を楽しんでいた。
その時、まだ美雪が変装で離れて同行しているのを一は全く知らなかった。
美雪は嫉妬心でついて来たのである。
受験の勉強の為、殆ど予備校通いで、一と会う暇が無かった時に、一に彼女が出来ていたのを知ったのがつい最近だったのだ。
草太はどんな経緯で彼女になったのか一に聞いてみると、一は沈む表情で無言になった。
忌々しいあの惨劇は今でも心の傷となっていた一にとっても余り話したくないようである。

「悪い草太、今は経緯の事は言いたくない。」

あの事件のせいで、友人である葉多野春菜、社冬美、島津匠の3人が悲劇に見舞われた事を。
草太も悪い事を聞いたと気付き侘びを入れた。

「ごめん、金田一。何か辛い事だったようで…」

一は綾花と一晩中、一緒にいなかったら、綾花は確実に島津に殺されていただろうなと予想できた。
一にとって良かったのは、初恋だった綾花が元の明るい性格に戻ったぐらいだった。
雪影村に着くと一達は、春菜と冬美の墓参りに行く事にした。
お墓に着くと、春菜の墓の前で両手を合わせている人がいる事に気がついた。
私服姿の一の彼女となった綾花である。
綾花も一がいるの気が付いたら、嬉しくて一に抱きついてきた。

「久しぶりね金田一君。元気にしていたかしら?」

一も嬉しかったようで、綾花の背中に手を抱こうとした瞬間、背後に凍てつく寒さが感じられた。

「何か寒気がする。」

どうやら墓の隙間に美雪がいちゃいちゃする2人を怒りの表情で覗いていたのである。
草太が空気を変える様に挨拶をした。

「久しぶり蓮沼さん。俺の事覚えていますか?」

綾花は草太と佐木は東京タワーで逢っていたので、ちゃんと覚えていたので名前で呼んでみる。
でも、二三とは初対面である為、誰だか解らないのに困っていたら、二三が自己紹介をした。

「初めまして、わたし、一お兄ちゃんの従兄弟の金田一二三って言います。よろしくお願いします。お姉ちゃん。」

丁寧に自己紹介をした二三に綾花も自己紹介をする。

「初めまして、私、蓮沼綾花よ。宜しくね可愛い二三ちゃん。」

さすがの二三も綾花をみて、ルックスと性格の明るさは美雪にも劣らないと思った。
一は他の仲間は何処にいるか綾花に聞いてみた。
30分ぐらいしたら、ここで落ち合う予定だと綾花は答えた。
30分後、立石直也と魚住響四郎と太刀川都が現れる。
一と出会うのはいきなりだったので皆、驚く。
立石はにやけた表情で挨拶代わりにヘッドロックをかます。

「この野郎、金田一。来ているんならちゃんと連絡ぐらい取れよ。」

魚住と都もその光景に笑ってしまう。

見慣れない二三と草太は唖然としていたが、佐木は面白そうにビデオカメラで撮影していた。

「これはまた、先輩の面白い映像が撮れますよ。」

魚住達3人は金田一に二三達は誰だと質問してきた。
二三達はそれぞれ自己紹介をすると、立石達もそれぞれ自己紹介をした。
一は冷たい視線のあった方向に、美雪が隠れていたのを知っていた。

「隠れてないで、お前も挨拶ぐらいしろ。美雪。」

慌てて出てきて挨拶する美雪に気がつかなかった二三達も驚いてしまう。
魚住は二股かけているのかよとからかうが、一は綾花を傷つけない為に怒りの表情でタダの幼馴染だと答える。
綾花は一だけ自分の家に泊まるのかと思ったが、これだけの人数は泊められないと美雪達に説得する。
一は綾花達に提案を出す。

「じゃあこうしよう。草太は立石の家、佐木は魚住の家、美雪と二三は都の家に泊まってくれないか?」

二三は納得がいかずに、綾花の家に泊まりたいと言い出す。
一はダメだと言うが、綾花は別に良いと答える。
二三と綾花は、互いに自分の知らない一の事を知りたいのである。
一も綾花が良いっていうなら仕方なく、二三もついてくるようにした。
一の配置した選択は、間違いではなく、意外と気の合いそうな者同志を泊まらせる事にした。
各自解散を始めた。


ーその夜、綾花の家で夕飯は餃子と野菜炒めを綾花自身が料理をしてくれた。
さすがの二三もこの味は美味しかったらしく、普段よりも多く食べ過ぎながらボヤいてしまう。

「さすがに一が惚れるのも、無理ねぇな。」

二三もこんな性格の良い人をスパイする事に罪悪感を感じてしまう。

ー都の家で美雪は、綾花の性格や一と何故付き合ったのか都に質問する。
都は全員が集まっている写真を持って重い口を開けた。

「ここ雪影村で殺人事件が起こったの。自殺した長髪の子、春菜の自殺がきっかけで…」

殺人事件があった事の知っていた美雪だが、内容までは一は答えてくれなかったのである。

更に悲しい顔で写真を美雪に見せながら都が続けて言う。

「一と一緒に座っている男の子が春菜の恋人の島津君だったの。春菜は妊娠検査薬を綾花に見られ、眼鏡をかけた女の子の冬美と綾花は2人に嫉妬して、春菜のお父さんと島津君のお父さんが偶々同姓同名だったので近親相姦というでっち上げの話を作ったの。」

ヘビーな話をして、美雪は無言になる。

「その事が原因で島津君は、2人に復讐を考えていた。冬美は島津君に殺されたんだけど綾花は一がいたから助かったの。春菜の自殺した事に冬美も綾花も後悔していたんだけど…」

泣いている都が見えた美雪だった。

「一は島津君に自首を勧めたんだ。私も皆、島津君が怪しいと思っていたんだけど、勇気が無くて言いにくかった。その後、島津君は自首をしたの。」
都は綾花の本当の姿を語る。

「一がいる所では元気に振舞っているけど、いない時は春菜と冬美の墓の前でいつも後悔して泣きじゃくっていたわ。」

美雪は綾花に一がいないと、彼女の精神が壊れてしまうと気付いてしまう。
美雪は自分が一と付き合う隙間なんて無いと思ったのを都が感付いた。

「七瀬さん、ひょっとして一の事が好き?」

美雪は頭を縦に傾くと、都も素直に自分も好きだと言い出すと、一の愚痴を互いに笑いながら語った。
都は一の初恋って綾花だというと、中学の時は見向きもされなかったと話す。
美雪も一が根っからのスケベでいつも困っている問題児というのも話す。
どうやら美雪と都は一に失恋した者同士、仲良く握手をした。

ー綾花の家では綾花と二三が一緒にお風呂に入っていた。
綾花は二三のシャンプー洗いとかを丁寧にやってくれる。
二三も綾花の事を気にいったらしく、つい、ありがとうという言葉が出てしまう。
先に入浴していた一は綾花と二三と別部屋で布団の上で不貞腐れて寝転がっていた。

「今日は久しぶりに綾花とやりたかったのにな…」

気配を殺して、布団の中からこっそりとパジャマを持った下着姿の綾花が現れて、いきなりのキスに一はビックリしてしまう。
二三はどうしたと一は聞くと、綾花は自分の部屋で寝ていると答える。
綾花自身も一とセックスをしたかったのである。
一は綾花のパンティーを脱がし、オマンコを丁寧に舐めると久しぶりの感触で綾花はイッてしまった。
綾花自身も仕返しとばかりにブラジャーを脱ぎ、胸の谷間に一のチンポを挟み、チンポの先端部分から丁寧に舐めて口で銜えた。
さすがの一もパイズリは初めてだったらしく、気持ち良すぎて我慢できずに綾花の顔面に射精をしてしまう。
射精してもまだ勃起している一のチンポに綾花は催促していた。

「金田一君、私のオマンコに金田一君のチンポを入れて。」

一も嬉しかったらしく、ゆっくりと挿入する。
入れただけで綾花は2回イッてしまうが、一はお構い無しに両手で両胸を激しく揉む。
一も綾花も限界を超えイッてしまった。
セックス後、悩んだ表情で綾花は美雪を見て、一に質問する。

「ねえ金田一君、私を選んで後悔してない?七瀬さんはきっと金田一君のことを…」

一は素直に答える。

「俺の初恋の相手がお前なんだ。むしろ、美雪を選んだ方が後悔すると思う。」

意外な言葉が来て驚いた綾花だったが、嬉し泣きしてしまう。
ドアの外では一部始終見ていた二三が自分の手でオマンコの自慰行為をしていた。

「私もこんなの見たら興奮しちまったよ。一の野郎、ここまで進歩してるとはな…」

翌日の正午、皆で集合した。
どうやら、それぞれの家で満喫したらしい。
立石の家では野球の話で盛り上がっていた。
草太は好きな野球選手の話とか興味があったので、延々と話をしていた。
魚住の家では佐木も漁に手伝いに出て、地元でしか取れない魚を捕獲したりして楽しんでいた。
もう少ししたら別れになると、みんなで一緒に見送りにきた。
美雪と二三と都は一に手招きをすると、ドスの聞いた声と鋭い目つきで3人はこう言った。

「一ちゃん、蓮沼さんを泣かしたらタダじゃ済まさないわよ。」
「私達がお前をボコボコにしてやるからな。」
「覚悟しときなよ。一。」

そんな気は全く無いのだが、3人の強烈なオーラにハイと答えた一であった。
美雪は綾花に友達にならないかと握手を求めた。
綾花も最初は戸惑ったが握手をした。

一、綾花、美雪にとっての新しい道のスタートである。






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