今日だけ
村上草太×七瀬美雪


はじめは昼休みに屋上で寝ていた。昼飯は授業中に食べてしまっていたのですることがないのだ。
するとはじめに耳障りな声が聞こえてきた。

「え〜!それホント〜!!」
「ホントだって!噂だと二人ともすでにラブラブだって!!」

うるさいなぁと思いながらはじめは噂好きの同級生の話を聞いていた。

「全く誰と誰がラブラブなんだよ。」とはじめはひとりごちた。

そしてまぁいいや寝ようと思った矢先に、はじめは飛び起きることになる。

「でもそれじゃああのアホ男はどーなんの?」
「美雪、けっこーあいつのことこだわってた気ぃするけど・・・」

美雪!?美雪がだれとラブラブだって!?はじめは信じられないと思いながらも、
美雪とラブラブと噂の相手が誰であるのか気になり、聞き耳を立てた。

「まぁあんなアホ男より草太君のほうが100倍格好いいしね。」
「そりゃ美雪も・・・」

その後も噂好きの同級生は話しているようだったが、はじめの耳にはもはや
聞こえてきてはいなかった。

「草太と美雪がラブラブ?俺はそんなこと聞いてないぞ!!
これは徹底的に調査をせねば!!」

はじめは思い立って草太と美雪の二人を調べることにした。

まず草太に週末の予定に探りをいれてみると映画の試写会にいくということが分かった。
もしかしてその試写会に美雪と一緒にいくつもりか?とはじめは考えたので、

美雪に「今週末どっか行かねー?」と聞いてみた。
しかし、美雪は「その日はちょっと・・・」と言い、何の用事があるのか教えてくれない。

これはいよいよ怪しいと思ったはじめは週末に美雪を尾行することに決めた。


そして週末、はじめはいかにも怪しいという格好で美雪を尾行していた。

「美雪の不貞を俺が必ず暴いてやる。じっちゃんの名に懸けて!!」と

訳の分からないことを考えながら。
しかし、格好が災いしてしまった。はじめは警官の職務質問に捕まってしまったのだ。

「くっそー美雪が、美雪がーーー!!」などと喚いてしまったがために
結局交番に連行されてしまったのだ・・・。哀れ、はじめ。


場所は変わって試写会会場。草太の隣には美雪がいた。

「今の映画面白かったね。それにしても試写会なんて生まれて初めてだったから緊張しちゃった」

と美雪はご機嫌だ。

「いやいや、僕だって試写会なんて初めてだよ。偶然雑誌に応募したのが当たったんだから」

と草太も映画の余韻覚めやらぬ調子で答えた。

「ところでこの後どうする?」

と草太が美雪に聞いた。

「えっこの後・・・?私は帰るつもりだけど?なにかあるの?」

美雪は聞き返した。

「うん、この後うちに来ないかな〜と思って。実は今日、俺の誕生日なんだ。
だからうちに来てお祝いしてもらいたいなぁ〜と思って」

草太は答えた。

「そうなんだ!分かった、いいよ。今日は草太くんを精一杯祝させていただきます」と

美雪はかわいらしくぺこりとお辞儀した。

「ありがとう、じゃあ行こう」

このとき美雪には自分がこの後草太と関係を持つなどとは思いもしなかった・・・。

「はじめましてー」

美雪は元気良く挨拶をして草太の家に入っていった。

「あっどうぞどうぞ。汚いところですけど」

と草太が答えた。

ここで美雪が一つの疑問を持った。

「あれっ、草太君の親は?」

と素直に疑問を口にすると草太が

「ああ、うちの親は今旅行に行っているんだ」

と答えてくれた。

(ふーん、そうなんだ。ってことは・・・あれっ!?もしかして二人っきり!?それは
さすがにまずいよね・・・。でもいまさらお祝いもせずに帰るなんて失礼だしな〜。
うんっ決めた!草太君には悪いけどお祝いしてすぐに帰らせてもらおう。)

と美雪は思った。


その後二人はケーキを食べたりシャンパンを飲んだり楽しいひと時を過ごした。
しかしこのとき、美雪は大きな失敗をおかしていた。
自分はアルコールを飲むとなぜか服を脱いでしまうということ。
そしてシャンパンにはアルコールが含まれているということだ。

美雪がシャンパンを5杯ぐらい飲んだ頃、草太は美雪の体の心配をしていた。

(あんなに飲んで大丈夫なのかな?でも楽しそうに飲むから止められないしな・・・)

とひとり考えていると、美雪はいきなり席を立った。
そして何をするかと思ったら、いきなり服を脱ぎ始めたのだ!
そう、すでに美雪は正気ではなく完全に酔っ払ていたのだ。

「み、美雪ちゃん!?どうしたの?いきなり」

と草太も困惑して美雪が脱ぐのを止めようとした。
これが一瞬早ければ二人の行為は無かっただろう。
しかし、草太が止めようとするより一瞬早く美雪は完全に上半身裸になってしまったのだ。

「み、美雪ちゃん・・・」

草太は止めさせるのも忘れて、美雪の胸を見つめた。
その豊満な胸はあまりに美しく、草太の理性を切れさせるのには十分だった。

「美雪ちゃん!!」

草太は美雪を勢い良く押し倒していた。
その時に美雪は頭を強打して、酔いが少し醒め正気を取り戻した。

(あれ、草太くん!?なんで私草太君にのられてるの?
なんで上半身裸なの?)

と美雪の頭は酷く混乱していた。
そこにそれにさらに追い討ちをかけるようなことに草太は美雪の胸に手を這わせた。

草太はまるで宝物に触るように優しく胸を愛撫した。
美雪は声を出しそうになってしまうが、必死になって声を抑えていた。
そのうちに慣れてきたのだろうか、草太は強弱と緩急をつけて美雪の胸を揉みだした。
それでも必死に声を抑えていた美雪だったが、
草太が乳首に口付けをして、更には吸いはじめてしまったがために

「…あっ…」

とついに声が出てしまった。
美雪が声を上げたことが草太には嬉しかったのだろうか、
乳首を舌で転がしたり、時には優しく噛んだりして美雪が少しでも喜ぶように色々なことを
し始めてしまった。

「はぁ、はっ…あぁっ…」

必死になって我慢する美雪だったが、一度声を出してしまったものを再び沈黙するというのは
あまりに難しかった。

「んは、ん…んぅっ…はぁ、はぁっ…あ、はっ…んはぁっ…」

美雪の嬌声はとめどなく続いた。

美雪は男というものを知らなかったために、

(少し我慢すれば草太君もやめてくれるはず)

とありえないことを考えていた
もちろん草太は止めるはずが無かった。
はじめが、いや恐らく自慰すらしたことのないので
美雪自身すら聞いたことのない嬌声を、あまりに甘美な歌声を聴いているのだから。

草太は長い時間美雪の胸を弄んだ。
時には優しく時には強く揉み、時には舐めて時には噛んだりしながら。
そしてそのたびに美雪は「ひぁ、やぁっ…は…んくっ…はぁ、はっ…あぁっ…」
必死になって我慢しようとしているが、我慢できずに素晴らしい声を出していた。
それが男の欲情を誘うとも知らずに。

そしてどれだけ長い時間経ったのだろう。
草太はついに美雪の胸を揉むのをやめた。

(良かった、これでもう終わりよね?早く帰ろう・・・)

と考えていた美雪には思いもよらぬことが起こった。

草太が胸を揉むのをやめた右手をそのまま腹部へ滑らせて、スカートを脱がせようとしたのである。

(えっ、草太君、終わりじゃないの!?)

と美雪は焦り、
今まで酔って正気をなくしていたふりをしていたのを止めて、
草太に話しかけた。

「もう止めよう、草太君」
「美雪ちゃん?」

正気を失っているはずの美雪から突然話しかけられたおかげで草太は正気を取り戻した。

(お、俺は何をやっているんだ?確かに脱いだのは美雪ちゃん本人だが、
それは酔っていたからだろう?それなのに押し倒して美雪ちゃんとHしようとするなんて)

草太は自問自答していた。

(俺は最低だ・・・。でも待てよ、もしここで美雪ちゃんを帰したら美雪ちゃんと
俺の中は終わりだ・・・。ずっと一途に思ってきたのに。それは・・・嫌だ!!
それに時が経てばそのうちはじめとも・・・。)

自問自答し、沈黙している草太に対し美雪は再び口を開いた。

「草太君、もう止めよう。ねっ、ねっ!」

美雪の願いとは裏腹に草太は考えていた。

(ここで止めて何になるんだ?美雪ちゃんとの仲は崩壊し、二度とこういう機会には
恵まれないだろう。それならなんとか最後まで・・・)

深く考えて込んでいたために、美雪が草太の下から上半身だけ抜け出し、
もう少しで完全に抜け出そうとしていた。
それに気づいた草太は目の前にあった腰をがしっと掴み、美雪に話しかけた。

「美雪ちゃん、ごめん。こんなことして。でも服を脱ぎ始めたのは美雪ちゃんだし、
俺に揉んで、とか舐めて、て言ったのも美雪ちゃんだよ?」

と言った。
これはもちろん嘘なのだが純真な美雪ならこれを信じるのではないかと思い、
草太は賭けに出たのだ。
もし「嘘!」と強く否定されたらこのまま美雪を帰し諦める。
でも万が一美雪がこの嘘を鵜呑みにしたら最後までやる、という。

そして賭けには見事勝った。
純真すぎる美雪には友達の草太が嘘をつくとは思わなかったからだ。

「そうなの・・・?ごめん、私のせいだったんだ。本当にごめん。ごめんね」

この瞬間草太は覚悟を決めた。
どんな嘘をつこうが何をしようが、今日美雪を抱くと。

「でももう止めよう?ねっ、ねっ」
「無理だよ美雪ちゃん、もうここまで来たんだから最後までしないと。
それに美雪ちゃんだって体が火照っているんだろ?」

そう言い草太は美雪の腰を掴んでいた右手を放し、スカートの中に手を入れた。

そしてパンツの上から手のひら全体で股間を撫でる。
それから一気にパンツを脱がし、美雪の秘所の中に手をいれた。

「…っ!ひあっ…あ、だめ、そこっ…んぅっ…んぁ…」

美雪の嬌声が漏れる。

「口ではだめって言ってるけど、体のほうはもっとやってって
言っているじゃないか。正直になってよ、美雪ちゃん」

そう言って蜜の出ている秘所を弄ぶ草太。
そして草太の指が動くたびに悲鳴とも取れるような嬌声を上げてしまう美雪。

追い討ちをかけるように草太は美雪の匂いを嗅ぎながら、蜜を舐め始める。

「美雪ちゃんのここから出てくる蜜はとっても美味しいよ」

ときたまそんなことを言いながら、
膣口から陰核の付近まで舌を往復させて、ときおり陰核近くを舌先でくすぐってやる。

そのたびに

「ひあ…や、やだ、あっ、あんっ、だめ、あんっ!」

と素晴らしい反応を美雪は見せてくれる。

美雪があまりにも可愛く乱れてくれるので草太はもう我慢が出来なくなってきていた。
だから、草太はもう挿入しようと決意し、一時的に膣の中を舐めるのを止めた。

「美雪ちゃん、美雪ちゃんのここも入れてもらうのを待っているようだね。
僕も狂おしいほど美雪ちゃんのに入れたいんだ。だから、いいよね?」

そういうと草太は急いでズボンとパンツを脱いだ。

するとそこには見事なものがそそり立っていた。
美雪はそれを見たが何を言うこともなかった。というより今まで、
自分でも遊んだことの無い正真正銘純潔の花弁の中を蹂躙されて
何も考えることが出来なかったからだ。もうほとんど放心状態だといってもいい。

そこに容赦無く草太はそそり立つものを突き刺した。
美雪は初めてだったので、あまりの痛さに悲鳴を上げた。

「やっ、痛い!止めて、草太君。あっ、あんっ、痛い!」

しかし、もう今日は絶対やると決めた草太は慰めの言葉はかけたが止めることはしなかった。

「ごめんね、美雪ちゃん。初めてだったんだよね?
痛いとは思うけど我慢して。必ず気持ちよくするから」

そしてついに草太の棍棒は美雪の蜜壷の根元まで入った。
痛がる美雪をよそに草太のピストン運動は激しさを増していった。
すると美雪は痛みの中に少しずつではあるが快楽を認めていた。

「あっ、痛、あっ、あんっ、はぁっ、あ…っ!」

ピストン運動をしている激しい快楽の最中に草太はあることを思い出していた。
まだ自分は美雪とキスをしていないと。
普通なら最初にキスをして始まるはずの行為がキスをすっ飛ばしていると。
キスが今まで無かったことに思い至ったのだ。

だから草太は美雪に出来うる限りの最高の優しさの声で

「美雪ちゃん、好きだよ。はじめよりもずっと」

と囁き、美雪の唇にキスをした。

徐々に痛みよりも快感が大きくなってきていて困惑しているのに
さらに愛の告白とキス、とどめに痛さと快楽などのために忘れていた
あの幼馴染のことを思い出させられ、困惑は増大した。

「ん、くっ…あ、はっ…はぁ…っ。い、いきなり、はぁ、
そ、そんな、あんっ、こと言わ、ああん、言われても、はぁっ」

すると草太は腰を振るのを一時的にやめて、美雪の瞳をじっと見た。

「美雪ちゃん、これだけは信じて。俺は君の事を心のそこから愛してるよ。
はじめなんかよりもずっとね。だから、俺と付き合ってくれないか?」

「そんなこと言われても・・・。私ははじめちゃんのことがずっと・・・」

美雪の答えに落胆した草太だったが、気を取り直して言った。

「やっぱりか・・・。多分そうだろうと思ったよ。美雪ちゃんは一途だからね。
じゃあ一つだけ僕のお願いを聞いて欲しいんだ。
美雪ちゃん、痛みも大分無くなって来たみたいだし、今日だけは楽しんでくれないか?
無理して声を抑えたり、はじめのことを考えずに。だめかな?」

「えっ、うんとね、えーと」

口ごもる美雪に草太はダメ押しをした。

「そうしてくれたらもちろんはじめには言わないよ」
「う・・うん、分かった。でもその代わり今日だけだからね、今日だけ。
それとはじめちゃんには絶対に言わないでね」
「分かった。約束するよ」

草太は言いながら、

(今日だけっていうのは約束できないよ)

と思っていた。

そうして完全に美雪の合意も取り付けた草太は再び腰を振り始めた。
美雪の嬌声も今までにはない音量だ。

「あっ、あっ、草太君、ああっ、ん、っは、はぁ、あ、あ、ひゃっ、んっ、はっ」

あまりの快感に草太の限界は近かった。

「美雪ちゃん、気持ちよすぎるよ。逝くよ、そろそろ逝くよ」
「あぁ、いく、いっちゃう。草太君、ああん、私も逝っちゃう」

やがて二人は腰を動かしたまま、ひしと抱き合った。
そして、ついに草太と美雪は同時に体をのけぞらせ、痙攣させてクライマックスを迎えた。

行為が終わってしばらくした後、美雪は草太に脱がされたものを集めて
ポツリと

「お風呂、貸してね」

と言った。

あまりの快楽にぼーっとしていた草太は慌てて

「あっ、そ、そこのドアの向こうだよ」

と言う事しか出来なかった。

勢いで最後までしてしまった草太だが、美雪が風呂場へと行ってしまった後、
さすがに後悔の念が生まれてきていた。

(美雪ちゃん、落ち込んでいたよな・・・。当然だよな、好きでもない俺とやっちゃったんだから。
あーー、とんでもないことをしちゃったよ・・・。)

性欲が処理され落ち着いた草太は、しきりに反省していた。

一方、風呂場にいた美雪も後悔の念に苛まれていた。

(お酒に酔っていたとは言え、草太君とあんなことを・・・。
初めては好きな人と、て思ってたのに。なんでHすることに同意しちゃったんだろう)

美雪はとりあえず熱いシャワーを浴びて、忘れようとした。

草太はひとしきり反省した後、とんでもないことに気がついた。

(あれっ、俺って避妊具つけたっけ?・・・つけてないじゃん!!
美雪ちゃん、妊娠するかも・・・)

一方の美雪もあることを忘れていた。
バスタオルも代えの下着など諸々ないのだ。
下着などの代えの服がないのは、今日泊まる予定でもなんでもないので当然だし、
さっき着ていたものを着ればいいのだが、バスタオルはどうしようもなかった。

美雪は迷った挙句、仕方ないので草太に声をかけた。

「草太君、ごめん、バスタオルない?」

その声を聞いた草太は

(あっ、そういえば美雪ちゃんはシャワー浴びに行ったんだ。
それならバスタオルを用意したりしなければいけないことあるじゃないか。
全く俺は気が利かないな。あんなこともしちゃうし・・・最低だ。)

と、自分を責めつつも美雪のためにバスタオルを持って行った。

このとき、草太には再び美雪とやることなど考えていなかった。
やっている最中には、もうやらないってことには同意しかねるとか思っていたが、
実際にことが終わると気持ちよかったとは思ったが、それ以上に後悔が残ったからだ。
また、美雪が辛そうな顔をしてシャワーを浴びにいく様をみてそれは強くなった。

しかし、そんな考えも草太がバスタオルを持って風呂場へと行ったときに無くなった。
そう、美雪の裸体をすりガラス越しに見た時に。

(美雪ちゃん、なんて素晴らしい体をしているんだ・・・)

もちろん、すりガラス越しなのではっきりとは見えないが、
それでも美雪のナイスバディはしっかりと分かった。
そして、それを見たせいで草太の中で再び黒い感情が渦巻き始めた。

(このまま美雪ちゃんを帰しても結局は何も変わらないんじゃないか?
結局はじめのものになってしまうんだろ?
俺はただ美雪ちゃんの初めての人だってことで終わっちゃうんだろ。それは嫌だ!
さっきやって分かったけど、俺は美雪ちゃんのことが本当に好きなんだ!!)

このまま帰してしまえば、これから美雪に警戒され二度とこういう関係にはなれないだろう。
結局自分と美雪は一回きりの関係になってしまうと思った。

(それなら・・・美雪ちゃんが心でははじめのことを好いているという事実が変わらないなら・・
俺は美雪ちゃんの体に好いてもらうしかないんじゃないか?
そのためには一回きりの関係では無理だ。今日帰すわけにはいかない!そのためには・・・)

その頃、美雪は不安を抱いていた。
草太にバスタオルをお願いしたのに、一向に来てくれないのだ。

(いったいどうしちゃったんだろう?やっぱりあんなことになったら草太君だってつらいよね。
私からお願いしちゃったみたいだし・・・。あぁ、もうはじめちゃんに顔向けできないよ!)

いつしか大好きな幼馴染のことを思い出していた美雪のまえのドアがいきなり開いた。
目の前には裸体の草太が立っていた。
草太の息子も立派にそそり立っていた。

「そ、草太君!?どうしたの?私はただバスタオルをお願いしたんだけど」
「いや、僕もシャワーを浴びようと思って」
「そ、そうなの。それなら私は出るね」

そういってそそくさと出ようとした美雪の肩を草太ががっしと掴む。

「ど、どうしたの!?いきな・・・」

全てを言い終わらないうちに美雪の唇は草太の唇によって閉ざされていた。

(はじめ・・・ちゃ・・ん・・・)

そして大好きなはずの幼馴染のことも頭の隅に追いやられてしまっていた。

どれくらいの時間が経っただろうか。
キスをされても最初の内、美雪は草太の舌の挿入は拒んでいた。
しかし、熱心にそして執拗に草太の舌が美雪の口の中に進入してこようとしていたため、
ついに美雪が根負けしてしまっていた。

美雪は進入を許したものも、舌で応じるようなことはしていなかった。
それでも草太の舌が美雪の口内を蹂躙していた。
歯を、歯茎を、そして舌を。

その内に、応じるつもりなどさらさらなかったはずなのに、気がつくと
美雪は草太と舌を絡ませあっていた。

何分いそうしていたのだろう。唐突に草太は美雪から唇を離し、

「はじめのことはいいのかい?美雪ちゃん?」

と言った。

その言葉で美雪はひどく困惑した。
草太に唇をふさがれた事で、一時的に忘れていた幼馴染を思い出させられたのだから。

「あっ、はじ・・」

狼狽しながらも喋ろうとしたところで再び無理やりに草太は美雪の唇をふさいだ。

草太には考えがあったのだ。
このまま勢いにのって再び交わっても美雪がはじめのことを忘れるはずがない。
二人の間に入り込むのは至難の業だ。
それなら、している最中にわざとはじめの事を思い出させるのはどうだろう?

わざとはじめのことを思い出させながらすることで、
美雪は普通にする何倍もの、いや何十倍もの罪悪感を抱くだろう。
そしたら美雪ははじめと普通に話すことなど出来るはずがない。

ここまで純真な乙女の美雪には今までどおりの関係など不可能なはずだ。
そして美雪はそれには恐らく耐えられない。
いくら芯の強い人だからと言っても、自分のせいで好きな人と普通に話すことが
出来ないのはいくらなんでもつら過ぎるだろう。

そこになら俺でも割り込める。
警戒はされるだろうが、はじめと話せなかったら
美雪が落ち込んでいるなら少なくとも可能性は生まれる、と。

(そのためには行為の最中でたびたび思い出させてやるんだ、
そして、いくらはじめのことを考えていても感じさせてやるんだ)

草太は真剣に考えていた。

それは美雪には絶大な効果をもたらせた。

(はじめちゃん・・・はじめちゃん・・どうすればいいの?)

美雪の心の中ははじめへの罪悪感でいっぱいになっていた。

それを無視して草太の舌が美雪の口を、いや美雪の心さえも蹂躙してくる。
さらに手が美雪の豊かな双峰を揉みくだく。

美雪はパニックになっていた。
逃げ出すことも何をすることもできない。
それなのに胸を揉まれ、キスをされて快感が否応なしに生じてくる。

パニック状態の美雪に追い討ちをかけるように、美雪の大きな胸を揉んでいた
片手がゆっくりと下に動いてきた。

草太の下りてきた右手が美雪のふっくらとした可愛い丘に割り込む。

「んんっ」

美雪が軽い悲鳴を漏らす。

草太はそこでいったんキスをやめ攻撃、いや口撃する。

「美雪ちゃんは感じやすいね。淫乱なんだね」
「そんな、あんっ、そ、草太君の、あぁんぁぁ、せ、せい・・・」
「美雪ちゃん、僕を見て。僕ははじめじゃないよ。美雪ちゃんが大好きな幼馴染の
はじめじゃないよ。それなのにこんなにこんなに感じて・・・。
美雪ちゃんは淫乱なんだよ」

そういって草太は美雪の秘所への愛撫を強める。

「あぁん、はぁ、そんな、んんっ、そんな・・」

美雪の混乱はさらに増大していった。
いきなりキスをされ、幼馴染を無理やり思い出させられ、
そして淫乱などと侮辱されているのだから当然だ。

さらには草太の右手は美雪の秘所を陵辱し、
また左手は美雪の豊かな胸を揉みしだいている。
さらには時々耳や首筋を舐めたり、さまざまな方法で快感を与えてくる。

そんな状況で落ち着いて考えることなど全く持って不可能だった。
そして狙い通り、美雪ははじめへの罪悪感を強く持っていった。

ここで草太は美雪に追い討ちをかけた。

「美雪ちゃんのここ、大洪水だよ。挿れて欲しいのかい?僕の。
ちゃんと言ってくれたら、今すぐ挿れてあげるよ」

そう言いながら、草太の右手は美雪の膣内を激しく刺激する。

草太はもう美雪に抗う力は残ってないと思っていた。
だから、美雪の口で「挿れて」という言質を手にしようと思っていたのだ。
しかし、美雪はまだまだ完全には落ちていなかった。

「んんっい、嫌!っああぁ、ダメ!はぁ、ああっ」

草太は美雪の芯の強さに驚嘆するとともに落胆していた。

(美雪ちゃんはここまでになってもまだはじめに操を立てようとするのか。
それほどまではじめと美雪ちゃんの絆は強いのか・・・)

しかし、同時に絶対に美雪に「挿れて」と言わせてみせるという考えも生まれていた。

(これほどまでにはじめと美雪ちゃんの絆が強いのは予想外だったけど、
今現在、美雪ちゃんとしているのは俺だ!やっぱりここで決めなくちゃ!
そのためには必ず美雪ちゃんに「挿れて」と懇願させて見せる!)

ここではやりづらいと思った草太は美雪を責めるのをやめた。

(お、終わったの?)

美雪がそう思ったのも束の間、美雪は俗に言うお姫様抱っこをされた。

「ちょ、ちょっと!?草太君!?」

もちろん、美雪は抵抗したが、ついさっき初体験を済ませたばかりの乙女に、
男に抵抗するような力は残されていなかった。

草太は風呂場を出て、リビングを通り、2階にある自分の部屋を目指した。

「草太君!?な、何するの?お願い、服を着させて」

草太は美雪の声などまるで聞こえないかのごとくに無視をして、
2階にある自分の部屋を目指した。
しかし人を抱えて、しかも弱いながらも抵抗して動く人を抱えて2階に上がるのは
容易なことではなかった。

そこで仕方なく美雪を下ろした。

(よかった、下ろしてくれた)

ホッとして服を取りに戻ろうとした美雪の手を草太は掴んだ。

「そ、草太君、お願い離して」
「駄目だよ、美雪ちゃん。これからさっきの続きをしに僕の部屋へ行くのだから。
服なんて着たら、また脱ぐのが面倒じゃないか」
「もう私はしないよ。これ以上、はじめちゃんを裏切れない」

草太のはじめに対して美雪が罪悪感を持つように仕向ける作戦が裏目に出ていた。
少し焦った草太だが、これを利用すれば更に美雪に罪悪感を持たせることが出来ると思った。
そう、もうはじめと普通に話すことが出来ないくらいの。

「そっか、2階に行きたくないというなら仕方ないね。またここで美雪ちゃんを抱くことにするよ。
そろそろうちの両親も旅行から帰ってくるかもしれないけど、美雪ちゃんが2階に行きたくないって
いうなら仕方ない。親にもしっかりと僕らの行為を見せてやろう」

草太の両親が旅行から帰ってくるのは少なくとも予定では今日じゃない。
完全に草太の嘘だ。草太は美雪が純真すぎるが故に、人を信じてしまいすぎるが故に、
この嘘を見破れないと確信していた。

そして美雪にはこの嘘を見破れるほどの猜疑心はなかった。

「え、草太君のご両親、今日帰ってくるの?それなら尚のこともうやめよう!
いまならこのこと誰にも言わないし。ねぇ、ねぇ」
「嫌だよ。いいかい美雪ちゃん。美雪ちゃんには二つに一つの選択肢しかないんだ。
ここで再び僕に抱かれて僕の両親に痴態を見せ付けるか。それとも僕の部屋で誰にも見られることなく
たっぷり楽しむか?二つに一つだよ」
「・・・・・・」
「僕はどっちでもいいんだよ、美雪ちゃん。どっちでもね」
「どっちでもって・・・。もう、やめようよ・・・」

美雪の懇願に草太の罪悪感に責められる気持ちだったが、この機会を逃したが最後。
二度とチャンスはないだろうということが分かっていたので、なんとしてでも美雪に自分の意思で
部屋に来ると宣言させなければならなかった。
そう、美雪のはじめへの罪悪感を増大させるための作戦として。

「ふう、美雪ちゃん、今から5秒以内に決めてね。5秒以内に決めなかったらここで抱くよ。
そして親に美雪ちゃんと付き合っているんだってことを行為で示すことにするよ」
「えっ、そんな・・・」
「5,4,3,2・」
「待って、そ、草太君の部屋に行くよ。だからここではやめて!」

普通に考えれば当たり前のことだろう。美雪のような乙女がSEXという生々しい行為を他人に見せたがる
はずがなかった。
しかし、美雪は気づいていなかったのだ。
草太の罠にどっぷりとはまってしまっていることに。

「よし、じゃあ行こう」

そう言うと草太は美雪の手を取り、階段を上っていった。

(作戦通りだ!美雪ちゃんには悪いけど今日は徹底的に責めさせてもらうよ。
もう二度とはじめと普通に過ごすことが出来ないくらいね)

草太に手を握られながら階段を上っている間、美雪も考え事をしていた。

(これから私、どうなっちゃうんだろう?もう何がなんだか分からないよ。
はじめちゃん、どうしたらいいの?私は・・・いったいどうすれば?)

美雪がそんなことを考えている間に草太の部屋の前まで来ていた。
すると草太は美雪の手を離し恭しく頭を下げて

「どうぞ、美雪ちゃん。ようこそ、僕の部屋へ」

と言い、扉を開けた。

美雪は一瞬ためらったが、躊躇している間に草太の両親が来たらどうしようと考え、部屋に入っていった。
続いて草太も部屋に入り、後ろ手で扉を閉めた。

「ここなら淫乱な美雪ちゃんが満足できるくらいたっぷり出来るね。
しかも人の目にさらされることもなく」

草太は早速口撃を開始した。

「淫乱ってそん・・・」

美雪が全てを言い終える前に草太はさっきと同じように唇で唇をふさいだ。

「んぅ…ん、ん…」

苦しげな息遣いを美雪は見せる。そしてそれが草太を更に欲情させる。
草太は乱暴に美雪の口の中へ舌をねじ込ませる。
そして無理やり美雪の舌と絡ませる。

美雪は舌をなんとか逃そうとするが、そうすると草太の舌が執拗に追ってくる。
なんとか逃げても今度は草太の舌が歯茎や歯など口内を蹂躙してくる。
そうしているうちに口の中を残らず絡め取られ、美雪は草太のなすがままになっていた。

ふいに草太が唇を離し言った。

「美雪ちゃんは自分の意思で僕の部屋に入ってきたんだ。つまり、いいんだよね?」
「いいんだよねって・・・」

美雪の困惑をよそに草太は更に言い募った。

「だって美雪ちゃんは自分の口で『草太君の部屋に行く』って言って、
自分の足でこの僕の部屋に入ってきたんだ。僕が言えと強制してのでもない、
僕が手を引いて無理やり美雪ちゃんをこの部屋に連れてきたのでもないんだよ」
「そ、それはそうだけど・・・」

草太は美雪の反論を許さなかった。

「それはそうだけど?美雪ちゃん、認めなよ。美雪ちゃんは口ではもうやだって言ってるけど
心の中では抱かれたいと思っているんだって。そうしたら楽になるよ」
「そんなこと・・・」
「あるさ。現に美雪ちゃんは僕とこの部屋でたっぷりと楽しむことを選んだんだ。
したのリビングでうちの親に見られるのは嫌だったから。いや、正確には違うね。そう邪魔されるのが嫌だったからだ。
それに部屋に入る時期待していたはずだ。これから何をされるんだろうかってね」

よく考えるまでもなく草太の理論はめちゃくちゃなものだったが、今の美雪にはそこまで頭は回らない。

「そ、そんなことない・・」

だから弱く否定することしか出来なかった。

「はじめのことが裏切れないって言いながら僕に抱かれるためにこの部屋を選んだんじゃないか。
これは動かしようのない事実だよ」
「・・・・・」
「まぁ認めたくない気持ちも分かるよ。正直になりにくいのもね。仕方ないから僕がまず美雪ちゃんの
体を正直にしてあげるよ。そうしたらそのうち頭も正直になってくれるだろ?」

そういうと草太は混乱している美雪を再びお姫様抱っこして、ベッドに寝かせた。
そしていきなり美雪の恥丘に口をつける。

「ひゃぁ、あっ、んんっ」

ばたつく美雪の足を両手で押さえつけながら草太は一心不乱に舐めていた。
そのうちに愛液があふれ出てくると、さも盛大な音を立てながら吸ったりしながら。

「だ、ああっ、だめ、い、イク、ああ、だめ・・・」

美雪は声を押し殺しながらもがくがくと体を震わせてエクスタシーを迎えた。

逝ったのを確認すると草太はすかさず覆いかぶさり自分の肉棒を美雪の蜜壷に挿入した。

「ええっ、う、嘘、ああっ、あん、あっ、んんっ」

一度エクスタシーを迎えたがために敏感になっていた美雪の体はすぐにでも再び昇天しそうになった。

しかし、昇天を迎える寸前に草太は中から引き抜いた。

「美雪ちゃん、ちゃんとお願いするんだ。『挿れて』ってね」

草太は最後の作戦に出ていた。
確かに美雪に一応は自分の意思で部屋に行くことを決めさせはしたが、ほとんど脅迫的な二択だった。
自分の意思で部屋に入ったとは言っても、あそこまで行けば入らざるを得ないだろう。
今一歩美雪を責め立てるには、いまではなくこれからも責め立てるには。そして美雪とはじめの絆に決定的な傷を
負わすには足りなかった。
だからなんとしてでも『挿れて』と言わせたかった。
純情な美雪がそれこそ淫乱な女のように自ら『挿れて』などと言えば必ず心に負い目をおわせることが出来る。

それとSEXしたという事実の二つを合わせれば必ず美雪とはじめの間には隔たりが生まれる。
はじめが普通に振舞えば振舞うほど美雪は傷つく。はじめを裏切ったと言う罪悪感に苛まれて。
そしてそこには必ず隙間が生まれる。その隙間に草太はつけ込もうとしたのだ。

一方の美雪は困惑していた。
さっき、草太の部屋に入る時も期待とは言わないまでも、ドキドキしていたのは事実だ。
そして今、草太に抜かれたことを心の奥底ではがっかりしていたことに気づいたのだ。
もしかしたら自分は本当に草太に抱かれたいのではないかと考えてしまっていた。

この考えを振り切るためにも美雪は沈黙した。言わなかった。

言わないと分かると今度は草太は美雪の胸を舐め始めた。
乳首を口のなかで転がしたり甘噛みしたり大きな胸に存分な刺激を与えた。
刺激が与えられるたびに美雪は

「ああっ、あんっ、あああっ、あん」

と敏感になった体をビクビクさせながら啼いた。

しかし、逝きそうになると草太は刺激を与えるのをやめる。そして

「『挿れて』って言うんだ。『逝かせて』って言うんだ。楽になるよ」

と悪魔の言葉を囁く。

それでも言わないと草太はそそり立った自分の肉棒を美雪のなかへ差し込んだ。
しかし、全く動かなかった。そして

「挿れても逝かせても嫌なら『動いて』って言うんだ。これなら簡単だろ?」

と少しづつ言い易い言葉に変えながら美雪に何とか自分の意思で言わせようとした。

それでも美雪は言わない。
すると草太は腰は動かさずに美雪のクリトリスを右手で刺激したり、胸を揉んだり舐めたり。
首筋やうなじを舐めたり刺激を与えるが決して逝かせなかった。

すると美雪の瞳から一筋の涙が零れ落ちてきた。
正直言って草太は焦ったが、美雪の口が動いていたので耳を近づけてみた。

「お願い、動いて。もうつらいの・・・。お願い・・・」

美雪の懇願が聞こえてきた。

ここぞとばかりに草太は腰を振り始めた。
すると「あん!!・・・あぁぁ・・・んっ、あぁ!!」
あまりにも辛かったのだろう、美雪が素直に反応する。

そして逝く直前、またしても草太は動きを止め、そして抜いた。
信じられないという面持ちで美雪が草太を見やる。

「美雪ちゃん、逝きたいんだね?」
「い、逝きたい。もう我慢できないの」
「それがはじめを裏切ることだとしてもかい?」

はじめという言葉が出てきて美雪も戸惑ったが、ここまで火のついた体をどうにかすることは不可能だったし、
一度草太に懇願の言葉を述べてしまった口は止まらない。

「はじめちゃんはどうだっていい!お願い、挿れて!逝かせて!お願い」

美雪が言うと草太は更に

「本当にいいんだね?」

と念を押すと、美雪は濡れた瞳でこちらを見つめてきた。
それを肯定の合図だと確認すると草太は再び美雪の蜜壷に挿入した。

「あっ、はぁ、あぁああん」

美雪は深い吐息を漏らした。
それを合図に草太はピストン運動を始めた。
そしてピストン運動の激しさを増しながらも草太は美雪にキスをした。
もちろん、舌を入れるディープなキスを。

すると今回は美雪も恍惚の表情で舌を絡めてきた。
深い深い大人のディープキスをする。

草太は唇を離し聞いた。

「そう言えばはじめとはキスしたことあるの?」
「今ははじめちゃんのことは言わないで」

悲しそうな顔でそう言い、今度は美雪のほうからキスをしてきた。

なんどもなんども絶頂の直前までしてとめるという草太の作戦が功を奏していたのだ。
今の美雪は普段の純真な心を快感を、そして絶頂を欲しがる体が凌駕していたのだ。
普段なら絶対言わないことを言い、自分からキスをするなんてありえないはずなのにキスしたのだ。
これは後々、美雪の心に深い負い目を残すのだが、このときはそれ所ではなかった。

キスをしながらピストン運動は激しさを増していった。

「はぁ!!・・ダメッ・・・もう、わたし・・・・イッちゃう!!」

そう言うと美雪の膣内が急激に締まりだす。

「美雪ちゃん!!一緒に・・・一緒に逝こう!クッ!!」

二人は腰を動かしたままひしと抱き合い、そのままがくがくと体を震わせて絶頂を迎えた。

そのあと、草太は結合を解かないまま少しの間、そうしていた。
そして美雪が放心状態から回復してくると再び動き始めた。

「ええっ、うそ…、ああっ、あああ、あんっ」

その後、何回お互いに逝っただろうか?
何時間も体を重ね、二人とももうこれ以上出来ないというところで草太は最後の白濁液を振り絞り、
結合を解き美雪の上に突っ伏した。最後の仕上げをするためである。

もう放心状態にある美雪の鎖骨の少し上の辺りに、キスマークを残したのだ。
自分と美雪がしたという証のために。
こんなことをしないでも交わったという証は他にもあるのだがどちらも知らない。

「これで美雪ちゃんとはじめの絆は深く傷ついたはずだ。
それにこれだけ激しいHをすればきっと美雪ちゃんは・・・」

草太は明日からどうしようかということを考えながら、眠りに落ちていった。


草太と美雪が交わって初めて迎える月曜日。
各々の人がさまざまなことを考えながら、朝を迎えていた。

「くっそー、美雪は先週末いったい何処に行ったんだ!?
俺に何の相談もなくどこかに行くなんて。
しかも、土曜の夜は家にも帰らず帰ってきたのは昨日の夕方と来てやがる。
これは絶対何かあるぞ。俺がこの謎を暴いてやる。ジッチャンの名に懸けて!」

「ごちゃごちゃ五月蝿いわよ、はじめ!起きてるんなら早く下に来て朝ごはん食べちゃいなさい」

「はいはい、分かったよ。今起きますよ」

はじめの朝はいたって平和だった。
はじめは美雪がその土曜に処女を失ったことなど知らないのだから、それも当然かもしれない。
はじめにしてみれば美雪の不貞を疑いつつもいつもどおりの週明けなのだから。


一方、隣の家では悩む美雪の姿があった・・・。

「今日、学校行きたくないなぁ。はじめちゃんと顔を合わせづらいしなぁ。
それに草太君にどう接すればいいのか見当もつかないよ。どうしようかなぁ・・・。
でも安易に休むわけにいかないし・・・。うん、やっぱり行こう。
なるべくはじめちゃんや草太君に会わなければいいんだ。」

美雪の悩みは深い。しかし、優等生な美雪は普段どおりに学校に行くことを選んだ。
これが結果的には、少なくともはじめと美雪の関係にとってはマイナスになることなどこのときの美雪は知るよしもなかった。


時を同じくして草太もベッドの中で色々と考え込んでいた。

「う〜ん、美雪ちゃん・・・。ちゃんと学校来るかな?もし不登校にでもなったとしたらもう美雪ちゃんとの
関係はなくなっちゃうよなぁ・・・。でももし来てくれたら。
それはOKとは言わないまでもある程度この関係を了承したと考えてもいいよな?
じゃなきゃ必ず顔を会わすことになる学校には来ないよな?う〜ん・・・」

時間は進んで、登校の時間になった。
いつもなら美雪ははじめの家に行き、はじめを起こして、はじめとともに登校するのだが、
今日は少しでもはじめと顔を合わせたくなかったので、はじめの行かずに学校へ向かおうとした。
しかし、今日は運悪くはじめは早い時間に目覚めてしまった。
しかもちょうど美雪がはじめの家を横切ろうとした瞬間にはじめが家から出てきたのである。

「あれっ、美雪。なんだよ今日は俺を起こさずに行こうとしたのかよ、冷たいなぁ」
「どっ、どうしたの、はじめちゃん!こんな早い時間に!?」

(何をそんなに慌ててるんだ?まあいいや)

「いや〜久々に早く目覚めちゃってさ。たまには早く学校に行こうと思って。
ほら、俺って学校大好きな優等生だし?」

「・・・」

(あれ、おかしいなぁ。いつもならここで美雪のツッコミがくるはずなのに)

「美雪?どうした?」
「う、ううん、なんでもないよ。それなら早く学校行こう。ねっ?」

美雪は早足で学校を目指した。それはあまりにも不自然で、はじめに疑いを持たせるには十分だった。

(う〜ん、これは怪しい。怪しすぎる!土曜から日曜にかけて家には帰らないし、
今日は俺を起こさずに一人で学校に行こうとするし、さっきから目もあわせてくれないし、
明らかに俺を避けてる。まさか、美雪、本当に浮気を!?相手は噂の草太か?)

二人とも終始無言で学校を目指していたら、途中で思わぬ人物に出会った。村上草太である。

「おはよう、美雪ちゃん」

美雪は心のそこから驚いた。
そしてはじめも美雪の相手と噂の草太が、考えている途中で本当に出てきたので、かなり驚いていた。
しかし、とっさにはじめは毒気づく。

「なんだよ草太。美雪には挨拶して、俺にはなしかよ」
「ああ、はじめもいたのか?おはよう、はじめ」
「そんなとってつけたようなあいさつはいらねぇよ」
「それならわざわざ言わせるなよ」

そこには普段の二人の姿があった。あの土曜日以前と全く変わらない二人の姿が。
しかし、美雪は明らかに変わっていた。
美雪は草太のように以前と変わらぬ立ち居振る舞いなど到底出来なかった。

草太と楽しそうに話すはじめを見ていたたまれなくなった美雪は
「とりあえず歩きながら話そうよ。学校遅れちゃうよ?」
と言って、一人先に歩き始めた。

「お、おい待てよ、美雪。草太、とりあえず行こうぜ」
「そうだね、遅れたら困るしね」

二人もそう言って、おとなしく歩き始めた。


歩き始めてから、草太ははじめに質問をした。

「なぁはじめ。お前土曜と日曜、何してた?」

この質問には美雪が息を呑んだ。まさか二人の関係をはじめにばらそうとしているのだろうかと思った。
しかし、そうではないことはすぐに分かった。

「俺はさぁ、土曜日誕生日だったのに、親も旅行行っちゃうし、たった一人のバースディだったんだぜ。
本当にさびしい週末だったよ。なぁはじめはどうしてたんだ?」

はじめはなぜ草太がいきなりこんな質問をしてくるのか分からなかったが、誕生日を祝って欲しいのだと解釈し、

「俺はお前と違って家族団らんしてたよ」
「へぇ、それは美雪ちゃんも一緒だったの?」
「いや、違うよ」
「美雪ちゃんは週末何してたの?」
「わ、私?私は色々とね・・・。そ、そんなことより誕生日おめでとう!」
「ありがとう、美雪ちゃん」

そう言って草太は美雪の瞳を強く見つめた。
美雪は草太と目が合ったことで、あの時のことを思い出してしまい赤くなった。
それを隠すように一人先を歩き始めた。

「ん、美雪どうしたんだ?」

いきなりなぜ美雪が早足で歩き始めたのか分からないはじめは美雪に追いすがろうとしたが、

「色々あるんだろ、自分のペースで歩かせてやれよ、はじめ。それより話があるんだけど・・・」

そう言って草太が止めてきたので、はじめは美雪の4,5歩後ろのところで草太と並んで歩き始めた。

草太ははじめに小声で話し始めた。

「なぁ、はじめ。美雪ちゃん、なんか急に大人になったというか女らしくなってないか?
なんかこの週末になにかあったのかな?」
「う〜ん、女らしくなったかどうか分からんけど、急に変わったなとは思うよ」
「そうだよなぁ。何かあったのかなぁ」

美雪が変わった理由を誰よりも深く知っているにも関わらず、草太はさも知らないという風に話していた。

草太は考えていた。
いくら美雪に罪悪感を植え付けたとしても、はじめの鈍感がそれに気づかずいつもどおりに振舞えば、罪悪感も薄れていってしまい、
結局は元の鞘に戻ってしまうのではないだろうか?
それならばいっそはじめのほうに猜疑心を植えつけてやれば、つまり美雪だけではなくはじめのほうも変えてやれば二人の関係は崩れるかもしれない。
甘いかもしれないが、やらないよりはましだと思い、草太はこういう行動に出たのだ。

そしてそれは図らずも大きな意味を後々生んでいくことになる。

美雪はこの時、聞き耳を立てながら何を話し合っているのだろうと思った。
もしかして草太君は、はじめちゃんに私のことをフォローしてくれてるんだろうかと思った。
今日の私はどう見ても挙動不審だ。それをなにか上手くフォローしてくれているんだと思った。
だから、わざわざ自分は土曜に一人でバースディを迎えたと言っていたのだ、そう思った。
現実は全く逆のことをやっていたのだが、美雪には話してる内容も分からず、純粋にそう思っていた。
美雪は純真すぎるがゆえにまだ草太を信じていたのだ。そして、

(うん、草太君は私のフォローしてくれてるんだ、きっとそうだ。草太君はあの土曜日の出来事をきっと一夜の過ちとしか思ってないんだ。
私の考えすぎなんだ、うん、きっとそうだ。)

美雪は無理やりにもそう信じ込もうとしていた。

それが全くの勘違いであることは後々分かることになる・・・。そう身をもって。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ