別荘
明智健悟×七瀬美雪


獄門塾で殺人事件に巻き込まれてろくに勉強出来なかったはじめ、美雪、草太は明智と共にとある別荘に来ていた。

「明智さん、せっかくのお休みに私達の講師を頼んじゃってホントにごめんなさい」
「いえ、いいんですよ。七瀬さん。ここら辺は観光スポットもたくさんありますし…。
夜一緒に行きましょうか?」
「はい!ぜひ!!」

そんな仲がいい明智と美雪の様子をはじめと草太は睨むように見つめていた。

「っだぁぁぁぁっ!面白くねーっ!」
「落ち着けよ、金田一。仕方ないだろ」

 机に突っ伏す友人を、草太は悟ったような口調でなだめた。

「だってよー。だってよー。オレ達が予習してる間に観光スポットだぜ?あの
イヤミ警視、今頃きっと美雪とあんなことやこんなこと・・・」
「・・・・金田一がさっさと告白しないのが悪いんだぞ」
「う」
「それに、お前みたいなグータラより、将来性も外見も問題なしの明智警視に
乙女心が動くのは当然だって」

 明智と美雪が仲がいいのは面白くないが、金田一と正式に付き合いだすよりは
波風立たなくていい・・・草太はそんな風に自分に言い聞かせていた。大体、警視庁
の刑事で警視の人間が、十代の少女に手出しするわけがない・・・。

 それから数分後・・・。

 観光スポットめぐりを終えて帰ってきた美雪は明智の部屋にいた。

「ごめんなさい、明智さん。こんな時間にワガママ言っちゃって・・・どうしても、この
問題が気になっちゃって・・・」
「いいですよ、そういう真面目なところが七瀬さんらしい。それで、どこがわからないの
ですか?」
「ええと、問三の・・・」
「あぁ、この公式ですね・・・これは・・」

 一通り、実に分かりやすい説明がされ美雪の疑問が氷解した時、明智の手が肩に回っている
ことに気がついた。

 そして、明智が眼鏡を外していることも。

「あの、明智警視・・・・んっ」

 唇を吸われ、ぬるぬるした生物のような舌が口内を蹂躙する。

「っ・・・ふ、・・・ぅんっ・・・」

 美雪は、部屋の壁を見た。となりは一と草太の部屋だ。別荘に戻ってきた時、
部屋の明かりはまだついていた・・・。

「・・・・んっ・・・」

 しかし、美雪の舌は明智に応え、自ら求め、絡ませていた。
 明智は、唐突に唇を離す。二人の間に荒々しい呼吸が流れ、互いに
どちらのものかわからない唾液が口の端を伝っていた。美雪は恥ずかしそうに
唾液をぬぐい、潤んだ瞳で明智を抗議するように見つめた。

「金田一君が気になりますか?」
「だ、だって・・・こんなところじゃ・・・」

 美雪は、内股になって少しモジモジしているように見えた。すでに濡れている
のだと明智にはすぐわかる。それに、こんな表情を見せられて、放っておけるわ
けがなかった。

「・・・では、どんなところがいいのですか?」
「それは・・・」

 答えに戸惑っている間に、美雪は手を引かれ気がつくと明智の膝の上に
向かい合う形で座らされていた。

「もう一度、聞きましょう」

耳元で囁き、耳たぶを甘噛みして、

「どんなところがいいのですか?」

 胸を揉みあげられ、美雪は危うく声を出しそうになった。

「この問題の答えは、七瀬さん次第ですよ・・・?」

 美雪はもう一度、理性にすがるように壁を見た。
 しかし、何故だかその壁は遠い世界の物のように見えたのだった・・・・。

「美雪と明智遅いな〜。
まさか明智の野郎、嫌がる美雪をホテルに連れこんで…!?」
「何言ってんだよ金田一。さっきドアの音したろ。」

草太が呆れたように金田一に言う。
実はドアの音を聞くまで自分も同じ事を考えていたのだが…。

「えっマジ??なんで教えなかったんだよ!!」
「言ったらお前すぐに七瀬さんの所に行くだろ!
勉強合宿なんだから勉強しろ!
…全く、七瀬さんがこんなに気を使ってくれてるのに…。」
「う〜〜…あ!じゃあ明智の部屋行ってくる!わかんないとこ教えて貰いにvv」
「こら待て金田一!!
教科書も持ってかないでどーやって教えて貰うんだ!おい!」

そんな草太の叫びを無視して金田一は美雪の部屋へと向かった。

「勉強で疲れまくってるからな〜。
あの胸のマイナスイオンで癒してもらわないとv」

美雪の部屋をノックしてみるが返事がない。

「おかしいな〜。明智さんならどこ行ったか知ってるかな?」

そう思い、金田一は明智の部屋へと向かった。

その頃美雪と明智は…。

「明智さん、やっぱりダメですよ…」

明智から離れ、やめさせようとするが、一度火がついてしまった明智はやめることなど考えてはいない。

「七瀬さん、私のことが嫌いですか?」

まっすぐと美雪を見据えるその綺麗な瞳に吸い寄せられそうになる。

「それとも、金田一くんのことが?」
「は…はじめちゃんとはただの幼なじみで、そんな愛とかまして恋とかそういうんじゃ絶対ありませんから…!!」

いつものようにあわてて否定する美雪を微笑ましく見つめつつ、自分の胸に引き寄せる。

「それなら私にもチャンスが残されていると思っていいのですね。」
「え…」
「私のことを少しでも好きという気持ちを持ってくれていますか?」

明智の力強い腕の中で、その胸に心地よさを感じながら、身を任せた。

「明智さんのこと、いつも素敵だなと思っています。頭もいいし、エリートだし、私なんか住む世界がちがうな、って。」
「七瀬さんも学年トップと聞いていますが。」
「私なんて、井の中の蛙ですよ。それに…」
「なんですか?」
「あ、やっぱりいいです。」

美雪は顔を赤らめうつむく。

「言いかけでやめられると余計気になりますね。言って下さい。」

自分を見つめるまっすぐな瞳に照れて目をそらしながら小声でつぶやく様に口を開いた。

「私なんて相手にしてもらえるはずがないと思っていましたから…」
「そんなことありませんよ。あなたは十分魅力的な女性です。それに、あなたがそう思っていてくれるなら、私への気持ちを100%にしてみせます。私にはその自身がありますから。」

明智の自身に苦笑しつつも、その腕の中で、心拍が高まっていくのがわかる。

「すごい自身ですね」
「そうでも言わないとあなたを手に入れられそうにない。」

言うと明智は再び美雪に口づけた。その舌は歯列を割り入り、美雪のそれを捕らえる。2人はお互いの舌を絡めあい、貪る。

「なんか、妬けますね…」

突然の明智の言葉に美雪は驚き、顔を上げる。

「いえ、あなたが他の男とこういうことをしてきたと思うと、ね。」

明智の言葉に美雪は意表をつかれ、何も考えずにこたえる。

「私…こういうことするのは明智さんが初めてですけど…」

今度は明智が驚き、つい口を滑らせた。

「そうなのですか?てっきり、金田一君とは、すでに深い仲なのかと思っていました。」
「そんな…はじめちゃんとはなにも…」
「あなたに初めて触れる男で光栄です。絶対に後悔はさせませんよ。」

再度の明智の自身にまたも美雪は苦笑するが、明智が言うと本当にそうしてしまいそうな気になる。
金田一のライバルとしてみる明智、エリート警視としてみる明智、そして、今自分に見せている彼の顔はあきらかに今までとは別物で、その顔を見せてくれたことが美雪は少し嬉しかった。

「七瀬さん…いや、今は美雪さんとお呼びした方がいいですか…」
「はい…」
「あなたが好きだ。」

美雪の返事を待つ前に口を塞ぐと、美雪もそれに応じる。

「私を受け入れてくれたことをあなたの返事ととってかまいませんか。」

俯き、小さく頷く美雪を再び抱きしめると首筋にキスを落とす。
美雪の体の硬直をほぐすように何度も何度も首筋を舐めると次第に美雪の体から力が抜けていく。
美雪の前ボタンを外し、服を脱がせると綺麗な白が明智の眼中に飛び込んでくる。あまりの綺麗さに思わず言葉が漏れる。

「綺麗な肌だ…」

美雪は恥ずかしさに顔を赤らめ、しかし、明智に身をゆだねた。

そのとき、明智の部屋の外では2人の男が聞き耳を立てていた。

「金田一、オマエ、完全に否定されてるぞ。」
「くっそー!美雪のやつ、あんな嫌味エリートに流されるなんて…ってか、何で草太がいるんだ?」
「そんなこと…ちょっと待てよ、今、肌がどうとか言わなかったか?」
「ってか、オレらこんなところで何やってんだろうな…」

2人には残酷なシチュエーションとなっていた。






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