順番
金田一一×七瀬美雪


(あ、ヤバ…)

美雪は身体の奥から這い上がるような疼きに眉を顰めた。生理の始まる少し前になると、勉強している最中でも堪らない疼きに襲われることがある。
少し我慢すれば疼きは治まるかと思って英単語帳に目を向けてみたが、一度気付いたらそれは無駄な努力
だった。美雪は深い溜息をついて握りしめていたシャーペンを机の上に転がすとベッドに倒れ込んだ。

少しひんやりとしたベッドカバーが気持ち良い。
このまま眠ってしまおうかとも思うが、けれどそんなことは無理だと自分自身で分かっている。

「ん…」

美雪は身体を仰向けにすると、Tシャツの上から自分の胸に指を這わせた。
生理前で敏感になっている胸はいつもよりも張りつめている。その頂上である乳首は簡単な刺激ですぐに
ぴんと立ち上がってしまう。
美雪は頬を赤らめながら両方の乳首を自分の指で摘まみ上げた。すぐに立ち上がったそれをそっと指の腹
で転がす。

「あ…」

巨乳は胸の感度が鈍いとクラスメイトがうわさしているのを聞いたことがあるが、美雪は胸への愛撫にひ
どく感じる性質だった。

「あ、…もう…」

Tシャツとブラをつけたままのもどかしい愛撫では物足りない。美雪はTシャツの裾を胸元まで捲りあげる
とブラのホックを震える指で外した。外れた途端ぷるんと弾けるようにこぼれた胸の乳首を今度は直接摘
むと自分でも恥ずかしいくらい甘い声が溢れた。

「あ、あん…はじめ、ちゃん…」

思わず呼んだのは幼馴染みの名前。目を瞑ると、自分の身体に触れているのがその幼馴染みのような錯覚
をいつも覚える。いつか現実にそうなったらいいとは思っていたけれど、まさかその日が今日この時に訪
れるとは。

「おーい、美雪、ちょっといいか」

バタンと扉が開く音。飛び起きた美雪の目の前に現れたのはその幼馴染み本人だった。

「っ美、雪っ…お前それっ…」

真っ赤になって立ち尽くす一の前で、美雪はたわわな両胸を曝け出したまま動けなくなっていた。
何か喋ろうとしても言葉が全く出てこない。頭の中が真っ白だ。

一も何も言葉が出てこないのだろう、立ち尽くしたままだったがその視線は美雪の露な胸元に完全に釘付
けになっていた。
グラビアアイドルも真っ青のぶるんとした大きな胸は滑らかに白く輝いて、濃いピンク色の乳首がやや淡
い乳輪の真ん中でぷっくりと立っている。

(あれに触ってみてえっ…!)

未知のその感触を思い浮かべて一はごくりと喉を鳴らした。美雪は真っ赤になったまま凍ったように動か
ない。
部屋に入る前に何か様子が変な気はしていたのだ。まさかオナニーの場面に出くわすとは思ってもみな
かったのだが、確かドアを開ける直前に聞こえてきた美雪の言葉は。

(俺の名前、呼んでたよな)

聞き間違えるはずはない。

(よし)

一は意を決すると開きっぱなしだった部屋のドアを締め、ベッドに膝をついてまだ固まったままの美雪の
身体にそっと己の指を伸ばした。

「美雪…」

名前を呼んで、そっとその腕に触れると美雪はびくりと身体を震わせた。けれど逃げる様子はない。
一は更に身体を近付けると、ぴくぴくと震える乳首の先をそっと摘んだ。

「あんっ…!」

(スゲエ、感じてるぜ美雪の奴…)

その声に堪らなくなって一はそのまま美雪を押し倒した。ぶるんと揺れた胸を鷲掴みにするように揉む。

「あ、あ、はじ、めちゃ…!」

(うおお、柔らけえ!!)

掌で掴み切れないその両胸のボリュームと想像以上に柔らかな感触に一は思わずむしゃぶりついた。

「きゃっ!」

乳首とその周りのぷっくりと膨れた乳輪に吸い付くようにして舌で先っぽを転がすと、美雪は大きく喘ぎ
を洩らした。

「あ、はあんっ…やっ…ん!」
「何言ってんだよ、嫌、じゃねーだろ…?」

ぴちゃぴちゃと音を立てるようにして吸い付くとその度に悦い声で叫ぶ。

「何、オマエ、おっぱいが感じるの?」
「っ…」

いやいやと深雪は首を振るが、身体は正直だ。

(あ、どうしよう…気持ち良い…)

夢じゃなく、本物の幼馴染みが自分の乳首に吸い付いてちゅうちゅうと音を立てている。美雪はぶるりと
身体を震わせ喘いだ。

「あ、あん…っ」
「これだけ感じてんだったらこっちは…」

無防備だった大腿とお尻を撫で上げられる。あっと思った時には一の指がパンティーの上から染みになって
いる場所を撫でていた。

「っや、そこっ…!」
「うわ、もうベトベトじゃん」

溢れ出した愛液は既にパンティーの隙間から大腿をべっとりと濡らしていて一を驚かせた。

「いや、見ないで…」

あまりの恥ずかしさに美雪は広げられた大腿を閉じようとしたが、逆に更に広げられる。パンティーを引
きちぎるような勢いで取られ、濡れている穴を指で掻き回されるともう止められなかった。

「あ、や、あんっ!」

薄い体毛に覆われたそこはひくひくと震えながらも愛液をとろとろと零し続けていた。割れ目の一番上で
ぷっくりと膨らんでいるのが多分クリトリスだと検討をつけて親指を押し付けるように触ると、美雪は悲
鳴のような嬌声を上げながらびくびくと震えた。

「ひあ、ああっん…!!あん!やあっ!」

愛液を零す穴に一は指を入れた。2本いっぺんに入れても難無く飲み込んでぐちゅくちゅと卑猥な音を立
てる。
この中に挿れたらどんなに気持ちいいんんだろう…

「あ、くそ、もうヤベ…」

ジーンズの中ですっかり反り返っていた自分のモノを取り出すと一は亀頭をその穴の入口に擦り付けた。
先走りで濡れているそれはすぐに飲み込まれそうだったが美雪が悲鳴のような声でそれを止めた。

「はじめちゃん、だ、駄目!」
「なんでだよ…もう我慢できねーって…」
「だって、今日はその…危険日だから…あ、赤ちゃんできちゃう…」

そう言われて一はようやくコンドームを用意していないことに気付いた。
しかし突然の出来事に準備なんてしているわけがない。

「お前コンドーム持ってないの?」
「も、持ってるワケないでしょ…!」

一は頭を抱えた。自分の部屋に戻ればあるがまさかこの状態で取りにいく訳にもいかない。

(考えろ考えろ俺の頭…!!)

危険日にまさかナマでヤる訳にはいかない。しかしこの盛り上がった状態で止めるなんてもっとありえ
ない。

「…美雪、じゃあお願いがあるんだけど」
「何…?」
「パイズリしてくれねえ?」

出た答えは一つだった。美雪のこの胸を見ながらいつかしてみたいと妄想していたのだ。

「な、頼む」
「…うん」

頼まれて無理矢理押し切られたような形ではあったが、実は美雪自身決して嫌ではなかった。一と同じ
く、美雪自身もオナニーのネタでパイズリを想像したことがあったからだ。

(あ、どうしよう、はじめちゃんのアレがホントに…)

上に乗ってくれと言われて深雪は仰向けに寝転がった一の膝の上に乗り上げた。目の前には自分の愛液
と先走りでいやらしく濡れた一のモノが雄々しくそそり立っている。

「美雪…挟んでくれよ」

促されて美雪は恥じらいながらも頷くと、俯いた体勢で自分の両胸を掴み一のモノを両側から挟み込ん
だ。

「あ…」

挟み込んだだけでじんと痺れるような感覚に深雪は思わず声を洩らした。

「動くぜ」

そう言うと一は腰を揺すり始めた。白いたわわな胸の間をぬるぬるとした肉棒が犯すように突き上げる。

「あ、はあ…」
「すげ、気持ちイイ…」

紅潮した美雪の顔を見ながら一は腰を揺すり続けた。揺れる拍子に美雪の乳首が一の身体に当たる度、
美雪は堪らないといった表情を見せる。

(っっ堪んねえ…)

「美雪、気持ちいい?」
「うん、気持ちいい…」
「じゃあ、そのままで俺のモノ舐めてくれる?」

一は動きを止めると、美雪の胸の間から覗く亀頭を指差した。深雪はうん、と頷くとてらてらと光るその
先を胸に挟んだまま唇で挟み込んだ。
ぬるりとした生暖かい感触に一はもう我慢が出来なかった。
そのまま唇に向かって数度突き上げると一は深雪の顔に向かって思いきり精液を放った。

「っん…!」

強く胸を突き上げられたその瞬間、美雪も絶頂を迎えた。



「…あの、さ」
「なに?」

最後迄していないとはいえ、セックスの後のきまりの悪い状態の中、一がぼそりと呟いた。
聞き返す美雪も背を向けたまま。やはり気恥ずかしくて堪らない。このまま帰ってくれたら、そんなこと
を思っているとふいに腕を掴まれて気付くと一が正面から深雪の顔を覗き込んでいた。

「あの、さ、遅くなったけど。…俺、お前のこと好きなんだ」

ぶっきらぼうに、けれど目を見つめながらの告白は、ずっと夢見ていたものだった。

「…わたしも。はじめちゃん」

順番が変わっちゃったけど。それでも気持ちは変わらないから。






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