'彼岸'と'此岸'の狭間(DIO×空条徐倫)
第六部 ストーンオーシャン


(ココは・・・何処だろう。たしか私はエルメェス達と一緒に礼拝堂にいたはず)

ぼんやりとする意識の中、徐倫は辺りを見渡した。灰色のだだっ広い空間。きっと歩いても何も見つからない寂しい場所。同世代の娘達よりははるかにしっかりとした徐倫だが、この異様な空間においては年相応の娘となってしまう。

(こ、怖い!ココは何かがおかしい・・・夢とはまた違う。まさかスタンド攻撃?!)

「父さん・・・クッ」

零れる涙。ああ、誰が想像できるだろう?この気丈な娘が震えるばかりで何も出来ないとは。
そしてもう一度彼女は「父さん」と呟いた。
時間だけが経過していく。いや、もはや時間の感覚さえない。つい今しがたココにきた感じもするし、100年も前に迷い込んだ気もする。

「誰も・・・誰もいないのか?」

ふと、血の匂いがした。たった一つの変化。奇妙な変化だがそれでも徐倫にとってはありがたかった。それ程この'何もない'空間は人間の精神にとって耐え難いのだ。

「誰かいるの?いるのなら・・・返事をして!お願い!!」
「君が・・・承太郎の娘か。なるほど、ヤツの面影があるな」

月光のような金の髪、アラバスターのような白い肌。そして血の様な真紅の瞳。
太古から降り積もった雪を固めたら、この男の様な美貌になるのか・・・徐倫はただただ呆然としてしまった。

「驚いて声も出ないようだな。無理もない。この様な場所に1人でいると」

柔らかく微笑みながら男は徐倫の傍らに膝を突き、彼女と視線を合わせた。懐かしい者を慈しむ様な視線。
もしも彼女の父親がこの場にいたら、'らしく'もなく驚愕した事だろう。あのDIOがこんなにも他者に対して穏やかに接するとは。
「私、あなたを知っている。何だか懐かしい・・・」
「そうだろうとも。私と君の一族は100年以上も戦ってきた。ああ、そうだ。私はDIOという」
「DIO?・・・私は、私は徐倫。ねぇ、ココは何処なの?」
「ココは'彼岸'と'此岸'の狭間。生者と死者の出逢う場所」
「私!」
「大丈夫。君は死んでいない。死者は・・・私だ」
「・・・」
「人と人との出会いには'引力'がある。'これ'は私にとっても想定外の出来事だった」
「それは一体」
「残念ながら私にも分からない。ただ、'最後の血統'には逢いたいと思っていた。きっと君が終わらせてくれる」

瞳に翳りを乗せてDIOは徐倫を見つめた。その美しい手を彼女の頬へと添える。

「君に逢えて嬉しい」

そして、軽く彼女の唇へとキスを落とした。

「な、何をするッ?!」

徐倫はDIOから離れようとした。しかし、抱きすくめられ逃れようにも逃れられない。
DIOはその逞しい外見に見合った力で徐倫を組み敷いた。

「痛いッ!」
「すまない。出来るだけ優しくはする」
「会ったばかりで・・・こ、こんな!嫌だ、離せ馬鹿ヤロー」

恐怖から目尻に涙を浮かべる彼女とは対照的に、DIOはクスクスと笑っていた。

「はは、元気な事だ。安心おし。ただ男女の睦みあいをするだけだ・・・それに今思ったんだが、
私達が出逢ったのはきっと、互いに逢いたいと思っていたからではないかな」
「何寝ぼけた事を!むぅ」

深く深く口付ける。初めのとは違う、舌を絡ませ歯列をなぞり、快感を呼び起こす為のキス。

「うん・・・ふ」

徐倫はDIOの胸を押してみるもののビクともしない。暫くすると腕から力は抜け、彼のキスに身を任せるままとなっていた。
一度DIOがキスを止める。名残惜しそうに2人を繋ぐ銀糸・・・

「ふむ、なかなか上手いな!」

子供の様に無邪気に笑うDIO。右手は徐倫の胸にのせられている。そっと、柔らかな乳房を揉みしだく。

「はぁん!」
「先程の続きだが、私は'始まり'で君は'終り'なんだ。相異なるものどうし、惹かれるのは自然な事」
「わけが・・・分からな、ああ!」

話しながらDIOは右手を徐倫のショーツの中に入れていた。己の爪で傷つけないよう細心の注意を払い、そっと肉芽を撫でる。

「分からなくとも良い。その内分かるさ・・・今は、この快楽に身を任せろ。しかし、服が邪魔だな。1つ面白いものを見せてやろう。『世界』!」

突然時を止めるDIO。そして彼は徐倫の衣服を脱がし始めた。

「ふむ、戦う為の体だな。しかし、無駄なものがなく美しい・・・そして時は動き出す」
「面白いものって・・・え?」

呆然とする徐倫。時を止めてもいないのに両者の間に流れる沈黙。

「うそ、何で裸・・・」

顔を赤らめ子猫のように慌てふためく彼女を見ながら、DIOはしれっと「面白いだろう?」と言った。

「面白いのはアンタだけでしょうが!私だけ脱がされて!」
「ほう・・・私'だけ'。つまりこのDIOも脱げば文句はないのだな」

状況を楽しんでいるDIOとは反対に青ざめる徐倫。DIOはもう一度スタンドを発現させると、
自らも衣服を脱ぎ彼女にその裸体をさらした。

「もう、何でこんな事に・・・変態!」
「徐倫」

初めてDIOが彼女の名前を呼んだ。

「な、何よ・・・」

ただ、名前を呼ばれただけなのに鼓動が高まっていく。何だかおかしいと徐倫は感じた。

「この肉体は君の先祖、ジョナサンのものだ。私本来のものではない。
しかし、美しいとは思わないかね?私を良く見て欲しい・・・そして君を私に見せてくれ」

おずおずと逸らしていた視線をDIOへと向ける徐倫。'先祖'という単語に惹かれたせいもあるのだろうが、
確かに彼は美しい肉体を持っていた。

「君は・・・美しいよ」

(ああ、またあの笑みだ)

柔らかな、月光のような微笑・・・気が付けば徐倫はDIOへと手を伸ばしていた。
完璧なラインを描く頬。ほんの少し怖い首の繋ぎ目・・・ライオンのような逞しい胸に瘤の様に隆起した腹筋。
そして、下半身から下は'美'と'野生'から構成されていた。

「あなたも・・・キレイ」
「泣き止んだね、もう大丈夫かな?」

徐倫はゆっくりと頭を縦に振った。上げた顔は微笑んでいた。

「私を受け入れてくれるか・・・」

DIOは徐倫の顎に手をやり尋ねた。もはや訊く必要も無かったであろう。
徐倫は彼の全てを受け入れるつもりだったのだから。徐倫は答える代わりにDIOの唇へとキスをした。

「はぁ・・・」

啄む様な唇へのキスを止め、DIOは徐倫の均整の取れた体へと口付けを落としていった。
首筋に、胸に、腹部に赤い刻印を刻んでいく。左手は円を描くように彼女の秘所の周りを撫でていた。

「ねぇ・・・もしかして焦らしている?」
「焦るのは良くない。何事にも順序というものがある。それに徐倫、君は'ヴァージン'だろう?」
「!!」

不敵に笑いながらDIOは続ける。

「やはりな。だからなおさら準備をしないと後が辛いぞ。痛いのが好みか?」
「ま、任せます」

悔しそうにDIOを睨み付ける徐倫。だが、その瞳は彼に対する信頼に満ちていた。

「素直でよろしい。まあ、君の言うように次の段階に進むか・・・」

そっと中指を秘所の中へと進入させるDIO。だが、徐倫の呻き声によってその動きは止められた。

「辛いか、大丈夫かね」
「だ、大丈夫だから。ね、続けて?」

彼女の額にキスを落とし、DIOは中断した行為を再開した。クチュリという音を立てながら、
彼の長い指は根元まで入る事に成功した。徐倫の顔色を窺いつつ、指を折り曲げるDIO。
数回も動かすと、愛液によってスムーズに動かせるようになった。

「もう一本増やすぞ」

言い終わらないうちに人差し指を秘所へと潜り込ませる。既に徐倫の顔に苦痛の色はない。
それを確認し、指をゆっくりと動かしながら、同時に親指でクリトリスを撫でた。「はぁん!」と声が上がる。

(本当は私もやってもらいたいのだが、彼女の様子だと無理か・・・)

右手も休ませてはいない。そっと乳輪を撫でている。

「ああ」
「ココ(乳輪)が弱いんだな。口に含んだ時とは反応が違う」

興味深そうにDIOが言う。徐倫は頬を薔薇色に上気させ、見る者全てを魅了する美しさだった。

「今、この瞬間だけは私のもの」

呟きつつDIOは徐倫の腰へと手をあてた。彼女の中は充分に潤い、灰色の床に水溜りを作るほどだった。
徐倫は指を抜き取ったDIOを不安そうに眺めた。

「徐倫。君はそろそろ私を受け入れられる」

その先に待っている痛みと、そして快楽を想像し徐倫は僅かに震えた。

「少し怖いわ」
「善処する。それに私も限界なんだよ」

彼女の小さな手を掴み、DIOは己の雄へと導いた。初めて触れる男性器に怯えつつも、徐倫は期待を隠せなかった。
DIOのそれは充分すぎるほどの硬さと大きさを徐倫の手の中で主張していた。

「君が欲しいからこうなるんだ」

彼女の腕を自らの首に回させDIOは「入れるよ」と耳元で囁いた。
徐倫の膣口に宛がったペニスを挿入し始める。徐倫は来るべき痛みを覚悟していたが

「ひぁ!・・・お、思ったよりも、痛くない」
「ん・・・年の功というやつだ。この調子だと互いに楽しめそうだな」

DIOの言葉が終わる頃には2人は完全に繋がっていた。深く溜息をつくDIO。徐倫は多少痛そうだったが、上手い具合に彼を受け入れている。

「動いても?」

一応彼女に尋ねてみる。徐倫は悩ましげに眉間に皴を寄せながら「うん」と答えた。

クチュリ、ヌプっと音をたてながらDIOが徐倫を攻め続ける。既に彼女は快楽を感じ始めていた。

「はぁ・・・淫乱だな。初めてなのにこんなに感じているとはッ」

徐倫の体に汗を落としながらDIOが言った。徐倫はその言に不満が在るようだったが、快感のためそれどころではない。

「だって、あぁん!」

グチュリ。卑猥な音が彼女の耳を犯す。だだっ広い空間で水音は良く響いている。

「くぅ・・・あなたが、上手なんだもの、ああ!」

飲みきれなかった唾液が徐倫の唇から零れだす。それを舐め取りながら

「光栄だね、くッ。なぁ」
「何?」
「名前を、名前を呼んではくれないか?」
「ひゃぁん!な、名前?」

処女特有の膣の狭さに自身を酷く圧迫され、今にも達してしまいそうだったが、DIOは再び彼女に言った。

「そう、私の名前を」

徐倫を追い立てるように腰を動かすDIO。

「名前・・・うぅ、あなたの」

息をつくのも困難なほどの快楽の中、徐倫は応えた。

「DIO」

その瞬間、DIOは今まで見せたどんな笑顔よりも美しく、裏表のない微笑を彼女に向けた。それに触発されるように徐倫は

「DIO!・・・DIOッ。きゃ!・・・激しィ!」

彼の名前を呼んだ。

「徐倫!私は、君に逢えて良かったよ。本当に良かった」

互いに絶頂が近いためか、息も切れ切れに交じり合う。

「何かくるッ!」

初めて迎える絶頂を前にして今一度徐倫は躊躇した。

「大丈夫だ。一緒にイこう、徐倫」
「DIO・・・」

より一層硬度をまし、そして挿入のスピードをあげDIOは徐倫に己をぶつけた。そして

「も、イっちゃう!」
「イけッ」

限界ギリギリまでペニスを引き抜き、DIOは徐倫を貫いた。

「あ、あぁーーー!!」
「くぅッ!」

彼女が達すると同時にDIOも白濁色の液体を徐倫の中に注ぎ込んだ。

「うん・・・DIO?」

いまだはっきりとしない意識の中で徐倫はDIOを呼んだ。

「徐倫。調子は?」
「腰が少し痛いけれど大丈夫。ねぇ、これからどうなるの?」
「・・・来るべき日が来るまで暫しのお別れだ。君が終わらせてくれる、全てを」

壊れ物を扱うように徐倫を抱きしめながらDIOは彼女の唇にキスを落とした。

「私が・・・終わらせる」
「そう、私とジョースター家の因縁を」
「・・・責任重大ね」
「君なら大丈夫さ」

その時、突然徐倫が笑い出した。花がほころぶ様にくすくすと笑う。

「一体何だ」
「DIO、あなたって'大丈夫'ばかり言うのね!」
「あ」

はっとしたような表情をするDIO。

「ふん、光栄に思え。帝王に気にかけてもらえるのだからなッ」
「そうね、光栄だわ。・・・また、次に逢った時私を抱いてくれる?」
「凄い事を言うな。だが嫌いではない」

一呼吸置いてDIOは「喜んで」と徐倫に答えた。そして2人は笑いながら互いを抱きしめあった。

何時か私達はまた出逢う。その時はもっともっとイイ女になってるから、私との約束を守ってね。
あなたの事、嫌いじゃないもの。






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