mini(非エロ)
F4


――英徳のカフェテリア

総二郎はズバリ問いかけた。

「司、牧野とヤっただろ?」

総二郎は、にまにまと笑みを湛え、詳しく聴かせろ、と司を小突く。

「ああ!? うっせえな」

司はふい、と顔を背ける。微かに赤面しているのを総二郎は見逃さない。

「ヤったな。なあ教えろよ、牧野ってベッドでどんなん?」

「想像つかねーよな、普段色気ねーし」
と、あきらも参加する。

「ぜってー、教えねえ」
「経験豊富なお兄さんたちが、イロイロ教えてやるって」
「聴かなきゃアドバイスできないだろ〜」

お祭りコンビがやいやい言うが、司は意外と口が固い。というか、青筋を立てて暴れだす寸前といった風だ。

「司は、牧野を満足させられてるのかな?」

類が不意に口を差し挟む。決着は着いたとはいえ、最強の恋敵に厳かに問いかけられ、司は動揺した。

「何が言いてえ!? む、むちゃくちゃアンアン言ってるぞっ!!」

思わず、口を滑らせたところへ総二郎が便乗する。

「フリかもなー、女は演技する生き物だぞー、司」
「ああ、イったふりとかな……」

何度だまされたことか、とあきらが遠い目をする。どうもトラウマがあるらしい。

「そうなのか!?」
「な? お前、こないだまで童貞だったんだからわかんねーだろ?」
「お兄さんたちが教えてやるって」

かかった、と総二郎とあきらは目交ぜしてにやつくが、司は気付かない。

「あ、あの涙目になってんのは? 痛がってんのか!?」
「あー、そうかもな。お前馬鹿力だしなー」
「たとえ牧野でも、女は優しく扱ってやんねーと」
「場所変えよーぜ、じっくり相談に乗ってやるよ」

司を連れ出そうとした途端、しかし逃げられた。

「めんどくせえ、本人に訊いてくる」

言い残して駆け去る行く手には、牧野つくし。猛然と駆け寄ってくる司に気付いた途端、脱兎の如く逃げ出すのが見えた。

「足はえーな、あいつら……」
「あの女、逃げんの条件反射だろ……」

「牧野、捕まったら喰われんの確定だな。骨までしゃぶられるんじゃね?」

呵々と総二郎が笑う。

「慣用句の使い方まちがってんぞ。言いたいことはわかるけど」

あきらが苦笑いする。

「じゃあ――オレは牧野の骨を拾ってあげようかな」

神々しいばかりの微笑みを浮かべて呟いた類を、二人は振り返った。

「類、なんであんなコト言い出した? 満足とかって」
「ん? なんか深夜番組でやってた。『彼氏彼女のお互いへの満足度アンケート』みたいなやつ」

「「TVっ子め……」」






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ