迎えに来て
三条桜子×牧野つくし


道明寺がむこう(NY)に行ってから、はや数カ月。
毎日毎日が退屈に過ぎて行く。

そう…あの日まで…。


「あぁん…うっ…うぅ…んっ…」

初めて耳にする自分の嬌声。
私の唇から漏れる小さな甘い叫びを耳にし、私の敏感な紅貝を
思う存分いたぶって居た彼女はゆっくりと顔を上げる。

さっきまで、私の秘所に顔を埋めていた彼女。
私の声に反応するように、心地良い快感を私に与えながら、
白く均整のとれたグラマラスな肢体を上にずらして来た。

触れるか触れないかぐらいの、皮膚のこすれ合い。

彼女の柔らかな乳房が私の下腹、みぞおち、過敏になりすぎた乳首
胸、喉元…、それらを擦る。
そんな小さな接触でさえ、体の奥に言いしれない快感の波を呼び起こす。
耐え切れず、噛み締めていた私の唇から更なるあえぎ…。

「うっ…んんっ…」

「ねえ、目を開けて、牧野先輩。ねえ、御願い、私を見て…」

クスリと小さな笑い声の後、聞こえて来た囁き。
恥ずかしで一杯でそんな願いにも応えられない私を、彼女はどんな
顔で見つめているのだろう。
不意に唇が塞がれる。
最初は優しく、段々と激しく…。

「くっ…」

下唇と上唇をそれぞれ甘噛みされる。ソフトに、ソフトに…。
理解し難い心の波に堪えながら、必死に唇を固く閉じる私の抵抗。
しかし彼女はそれすらも楽しむかのように、執拗に唇を責め続ける。

やがて、ネロネロと蛇の様な彼女の舌が唇の境をほぐすように舐め始める。

「ねぇ、牧野先輩、我慢しないで…」
くねくねと舌を左右に動かしながら、囁く声。
頭に白いもやが掛かり、もうまともな思考が不可能になった私。
彼女の甘い囁きは、既に私にとっては命令に等しい。
恐る恐る、閉じた瞼をこじ開ける。
真昼の明るい陽射しのなか、至近距離で微笑む整った顔。
手入れの行き届いた白磁のような肌が熱を帯びほんのりと紅色に
染まり、こんなに彼女は美しかったのかと改めて思い知る。

いやらしく動く唇も、ぽってりと肉厚で口角を上げて淫びに微笑む形の素晴らしさ。
その上、溢れるだ液でねっとりと濡れていて色っぽい…。
もう、堪え切れない!
彼女の名を口に出す。

「桜子…」
「牧野先輩…。やっと私を見てくれたのね…」

桜子は満足げな猫のように微笑むと私の唇に襲いかかる。
唇の隙間を器用に舌でこじ開け、私の口腔の全てを探りはじめた。
歯列や歯茎までも、隅々までなめ回す桜子。
ぴちゃぴちゃと、子猫がミルクを美味しそうに飲んでいるような音。
そしてとうとう、歯の噛み合わせをこじ開けた桜子の舌は私の舌先に触手を伸ばす。
最初は様子を見るように、そして徐々に、二つの舌が激しく絡まる。

道明寺との初夜もお預けで、キッスももっと柔らかなものしか経験の無かった私。
初めてのディープキッス。それも同性、しかも桜子となんて…。
恐さに負けて逃げても逃げても追いかけて来る。
擦られて、絡められて、くすぐられて…。
舌の裏の筋までなめられ、驚いていると、今度は桜子のだ液が流れ込んで来る。
驚愕のあまり、頭を引こうとしたが、桜子の両手に後頭部をがっちりと押さえ込まれて
身動きが出来ない。
流れ込んで来るだ液が口端からつっっ…と顎に伝い落ちる。
桜子は私の顔を固定したまま、唇の位置をすっっとずらし、流れ落ちるだ液を丹念に舐め上げた。

桜子の唇は、エロティックな別の生き物に変わってしまったみたいだ。
顎を滴り落ちる液体の道筋を辿りながら、じらすように耳朶に移動する。
外耳の裏を丁寧になぶられ、軽く耳朶に歯を立てられた瞬間、背筋に軽い電流が
走った。
それに耐えられず、ぴくりと肩を動かすと桜子はふっと小さな吐息を耳に吹き掛け呟いた。

「ふふ…、耳って感じるでしょ?」

桜子の顔の位置は頤から首筋へと、更に下方に移動する。
同時に細い指が全裸になっている私の体を、つつつっと滑る。
脇の下から脇腹を何度も2本の指が繊細なリズムを刻む。

「ぁああっ!」

むずむずとし、我慢できない!そう思うと同時に私の心を読むようにすっと手を離す桜子。
小さなさざ波のバイブレーション。体がぴくんと飛び跳ねる。

やがて桜子の小さな熱い掌は私の胸に落ちて行った。
人指し指がお椀の淵をなぞるよう、バストの周囲を何度もくるくると旋回する。

「牧野先輩のおっぱい、小さいけど綺麗ね…」

桜子の言葉が恥ずかしくって私は両手で顔を覆った。
でも心と体は別のもの。

早く中心を触ってほしいのに!苦しいほど哀願する。

びんびんと張ったアンテナのように、快感を求める私の小さな突端が叫ぶ。
桜子の旋回攻撃が終わりを告げようと、じらしながら乳輪まで近付いた。

もう、イヤ。そこ!そこなのよ!

「…は、はやく…」

急かすように懇願する私が漏らした声を聞き、桜子はいじわるにもにやりと笑った。

「早くって、牧野先輩、早く何をして欲しいの?」

顔を覆った両手の指の隙間から桜子をのぞき見るが、羞恥心でそれ以上言えない。

「牧野先輩、可愛いわね。言えないのね。じゃあ、口に出す事は許してあげるから、
牧野先輩がして欲しい事を私にやってくれる?ねえ、ジェスチャーで教えて…」

私が「えっ?」と目を丸くする表情を桜子は楽しんでいた。

もっと触って欲しい!もっと!もっと!

心はそう求めているけれど、桜子の言い付けに従う勇気が出ない。
おずおずとシーツに絡んだ指を持ち上げるが、それ以上は…。
迷い戸惑う私の顔を可笑しそうに見つめながら、桜子は私の手首をぐっと掴み上げた。

「ここでしょ?牧野先輩が触って欲しい所は。シャイで可愛くって、ほんと食べちゃいたいわ」

手の平に当たる桜子の放慢なバスト。
たわわに実ったそれは、普段着痩せしてみえるスレンダーな体に不釣り合いなほど大きい。

覚悟を決めて、そっと薄紅色の先端を撫でる。

「あんっ!ああっ…」

桜子は形のいい柳眉をひそめ、小さな喘ぎ声をもらした。
声に背中を押されるように、掴まれた腕とは反対の腕を持ち上げ、両手で彼女の二つの丘を

ぐにっとこねる。

一瞬前まで柔らかかったサクランボはあっと言う間に固くそそり立ってしまったようだ。
本で読んだ知識をフル活動させ、つんと尖ったそれを人指し指でこねる。
それだけで背筋を反らし、綿帽子のようにふわふわな巻き毛を振り乱す。
何度か同じ場所をこねくりまわしてあげていると、耐え切れなくなった桜子は私の体にのしかかり
欲しくて欲しくてたまらなかったものを捧げてくれた。

「好きよ…、牧野先輩…」

甘い台詞を囁きながら。

桜子の情感溢れる言葉を耳にし、初めて素直な感情が私の口から溜息と共にこぼれる。

「さ…、桜子…。きっ…きもち…いいっ…」

野生の山猫に変化した桜子は猛烈な勢いで双つの標的にむしゃぶり、食らい付く。
淫乱な彼女の舌は乳首を転がし、卑猥な唇は乳房に吸い付き…。
レロレロと繰返し舐められる先端。絶えまない愛撫の嵐。
歯を立てられる軽い痛みと交互に来る羽のようにデリケートな摩擦。
べろべろ、ぴちゃぴちゃと舐めあげる音がいやらしくって下品で
耳を塞ぎたくなる程なのに、今の私にはそれすら体中の脈拍を上げる効果音でしかない。
息が苦しいほど体の中心が熱い。胸の鼓動で体がうねる。
右の固まりを手で弄ばれ、左は唇の奴隷となった。
もう、どうなってもいい!

「うううっ!ああああっ…!」

我慢する事を止めた私の痴声が喉から絞り出される。

やがて空いた手は私の下腹部へ…。
少し前の経験が脳裏に蘇る。
これからどうなってしまうのかしら?不安に怯えながらも、ざわざわと大きく膨らんだ期待で胸が踊る。
これからの来るだろう快楽の大きな波に耐えようと、ぎゅっとシーツを握りしめる。
さっきは考えた事すらもなかった桜子の行為と初体験な感覚にただただ茫然としていたけど…。
やがてやって来る、その瞬間に打ち震えている私は、あっけなく肩すかしをくらう。

下方に下がって行くはずの桜子の両腕は上に延ばされ再度上半身を漂う。

「まだですよ。まだ…。もう少し可愛がらせて…」

腹部を這いずりまわる、彼女の垂れた頭からくぐもった声が発せられる。
彼女の全身が私を悶えさせるマシーンのような動きだった。
彼女の柔らかな髪さえも愛撫の道具。
動き回る頭部に同調し、さわさわとじれったくなる程の感触を生み出す。

「はぁ!んんっ!ああ…」

顔を左右に振りながら、歯を噛み締め極限まで歯をくいしばった。
でも、もう、これ以上耐えたら気が狂ってしまいそうで…。
あそこが、じんじんと痛かった。
沸々と熱い液体を排出しながら沸騰している。

今、初めて、あそこの役割がわかった。
女に生まれた事を心底から実感した。

「さ、桜子!ね…、ねえ…。お…ねがい…。もう、もう…、待てない…!」

桜子は幸せそうに微笑み、涙ながらに訴える私に黙って頷いてくれた。

指を噛んで、じっと待つ。
やっと、やっと…。
考えられないほどの快楽をつくり出す、エロティックな魔女の体が滑るように
下肢に辿り着く。
待ちわびたあそこが猛り狂ってるのが、自分で良く分かる。
いやらしい女の本性が叫んでる。

無言のまま、桜子は人指し指で裂け目に分け入った。
ずいっと侵入したそれは、さっと下から上へ割れ目をなぞった。
彼女の行為と共に、ねっとりとした液体がぐちゅっと音を立てた。
指の一振り。たったそれだけの事で、落雷が落ちた様な強い衝撃が体を駆け抜けた。

「ひっぃ!!」

思い掛けない程の自分の大きな声が部屋の天井反射し、自分の耳を辱める。

細めた瞼の隙間から、桜子の神々しい程美しい裸身が見える。
透明な愛液で濡れそぼったピンクのマニキュアが施された指を、ぽってりとした口元に運ぶと、
さも嬉しそうに唇を開き、その内部に納めたのだ。
私の全てを愛おしそうに見つめながら、 味わうように中指をしゃぶる桜子。
私は彼女の悩ましすぎる視線から、急いで顔を反らした。
彼女は視線だけででも、私を犯す事ができるんだ…。
頬がぽっぽと火照って熱かった。きっと私の顔は首筋まで赤くなっている事だろう。
私の子供っぽい態度に軽い笑いを発しながら、桜子は体勢を戻し脚の間に体を埋めた。
股の内側は、かなり前から溢れ出るジュースが伝い落ちて濡れていた。
桜子はそれすら掃除でもするように丹念にベロでぬぐい取った。

軽やかに指が踊る。
人よりは薄い私の陰毛を、優しく撫でる。
時折指に絡め軽く引っ張ったりもする。
桜子の念を押す調子の問に私は無言で頷いた。
私の返事を目で確認し、桜子はその本領を如何なく発揮しだした。
膝を持ち上げられ、ぐいっと開脚させられる。
間髪入れず、ずいっと舌が割れ目を侵し、秘密の扉をこじ開けた。
舌と指使いの乱れ打ち。
充血して小豆が刺激で更に膨れていく。
桜子の広い部屋には衣擦れの音、ベットのスプリングが軋む音、そして
私の喘ぎしか聞こえない。

「牧野先輩は、バージンよね?」

花びらを押し開き愛撫に専念しながらの桜子の問掛に、
よがり声をあげ、涙を滲ませそれでも必死に肯定した。
既に私は桜子の虜。 完全なる快楽に溺れた。
彼女の発する言葉には絶対服従を誓っってしまった体。
そうする事で、願いより大きな欲望を満たしてくれるのだから。
体中で次々と、微量な火薬に炎が引火し爆発を繰返していった。

「バージンなら、今日は指で我慢してあげる…」

桜子の指が一本から二本へ…。
止め処無くとっろとした液体を溢れ続けさせている壺の入口に埋め込めれる。
内壁を掻き乱され、ピストン運動が繰り広げられる。
それと同時に巧みな技によりクリストルから広がるえも言われぬ快感。
普段は隠れている小さな肉体の一部。
ただその一点に私の意識は集中していた。
小さな波が幾度も押し寄せ、そして去ってゆく。
数え切れない程の波に翻弄された後…。

「あ、ああああぁぁぁ! い…っちゃ…う…」

やがて 今まで知る由も無かった、Gスポットを舌先で軽く刺激されて
遂に私は達したのだった。
大きな波が体を呑込んだ。呑込まれて捉えられた。
さわさわと、四肢の末端から強烈な電流が流れ中心に集まった。
溜まった電気を放電させる為、私の体は硬直した。
全身が反り返った。大きく振り乱す顔から汗が飛び散った。

…私の意識は体から離れて行った。

遠ざかる意識の中、ほんの少し前でしかない、以前の私たちが見える。
単なる可愛い後輩だった桜子と、清純で何も知らなかった私の姿が
かげろうのごとく浮んでは消えて行った。

桜子の失恋の愚痴を聞く私。
鬱憤晴らしの買い物に付合い、二人でおしゃべりを楽しんだ。
久しぶりに誘われた彼女の家で、再び男運が悪いと嘆く桜子。
そんな彼女を慰めていたのまでは、正しいレールの上にいたはず。
いったい、どこが二つに別れたレールの分岐点だったのだろう。

男なんかもう要らないと、泣叫ぶ桜子の背中を優しく擦っていると、
あっと言う間にベットに押し倒された。
道明寺と同じくらい私の事が好きだと桜子は囁いた。
男なんか、信用できない。それなら女同士でと言っていた様な言わない様な…。
茫然とする間に、全裸になり…。
そして今は幽体離脱…。


ああ…道明寺! 早く私を迎えに来て! それじゃなきゃ…私…。

遠く離れた道明寺にそう訴えたのを最後に、私の思考は
暗闇に吸い込まれるよう、フェードアウトして行ったのだった。






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