無防備な顔 つくし視点
西門総二郎×牧野つくし


同級生との久々の再会。
カフェで話がはずんでついつい遅くなってしまった帰り道。

「夜道は危ない」と送ってくれる男友達にすっかり気を許してたあたしは、
話に盛り上がって隣を歩く鈴木くんの肩をバシバシたたいて盛り上がっていた。

そう、おんぼろアパートの近くに佇む着物姿の人物に気付くまでは……


「うっそ、牧野って一人暮らししてんの?」

 「おんぼろアパートだけど、住めば都ってね〜 
  うち、もうすぐなんだけどほんとにビックリするよ、昭和ってかんじで!!」

こんな会話をしながら、街灯の少ない道を送ってもらっていた。

ブンブンとかばんを振りながら一人暮らしを語るあたしは、
冷たい瞳が遠くからこちらの様子を伺っているなんて気づきもしなかった。

「なぁ、こんな時間に着物の男がいる!珍しいよな〜」

 「あ……っ!」

そこには、「今日は京都で茶会があるから」と言っていた西門さんの姿があった。
なんでこんな時間に?どうして着物姿でいるの???

「あれ?牧野の知り合い??」

 「うん。高校の先輩。」

鈴木くんの問いかけに適当な返事をしながら視線を西門さんにむける。
なんでいるの?って聞いてもいいのかな…

やばい、早く話しかけなきゃ!

「あれ?西門さん、こんな時間にどうしたの?
 京都でお茶会あるって言ってなかった???」

 「あぁ、終わって即行帰ってきたんだよ。
  …それより、お前こそ何やってんの。こんな時間に、男とふたりで」

西門さんらしくない言い回しだな…なんて思いつつも今までの経緯を説明する。

「駅前で久々に会っちゃって、ちょっと話こんでたら遅くなちゃった。
 同窓会以来だし、なんか久しぶりに中学時代に戻った気分!」

あーでもない、こーでもないって帰り道に話てた内容まで話そうとしていると
冷たい西門さんの声がつきささる。

 「で、俺がいなかったらこのまま部屋で話の続きでもするわけ?」

いつものからかうようなトーンじゃない。
なんか冷えきっていて、まるで金縛りにあったみたいにあたしは言葉を失った。

「えっ…」

 「部屋でヤローと二人になったら何が起きるのか、
  今更わからないなんて言わないよなぁ、つくしちゃん…」

あたしをからかう時みたいに「つくしちゃん」って呼ぶ西門さんの表情。
笑ってるんだけど、目が笑ってないんですけど……

この時、やっと西門さんが怒っているのがわかっただなんて……
なんて鈍感なんだろう、あたし。


でも、鈴木くんだってそんなつもりないだろうし、あたしだってそんな気ない。
鈴木くんとはお笑いコンビみたいな仲だったし、
あたしのことなんて「女」って思ってないって!!!

あたしが弁解している間、
西門さんはあたしの横に立ち尽くしていた鈴木くんをじっと見ていた。

観察するかのようにしていたかと思うと、急ににっこりと余裕の笑みを浮かべた西門さん。
笑顔だけど、冷たい視線…
後ろに青い炎でも見えそうなのはあたしだけ?

 「えーっと、スズキクン?
  ここまで送り届けてくれたのは有難いんだけど、
  牧野にとっては夜道よりキミの方がよっぽど危ないんだよね。
  悪いけど、このまままっすぐ帰ってくれるかな。」

  「なっ!!!」

今までずっと黙って様子を伺っていた鈴木くんも黙ってはいない。
それにあたしだって!

「ちょっと西門さん、その言い方は失礼じゃっ」

西門さんと鈴木くんの距離がつまらないよう、一歩前に出たあたしを待ち構えていたのは見惚れるほどキレイな顔のドアップだった。

スローモーションのように近づく顔。
一瞬何が起きたのかわからなかったけど、あ、あたし…キスされてる?!

こんな人前でキスなんてとんでもない!!!
掴まれた右手首を離そうともがいてみたけど、ぐっと腰を抱かれて身動きが取れなくなってしまった。

早く離してよっ…もうっ!!

しかも、開いたままだった唇の隙間から、西門さんの舌があたしの中へ侵入してきた。
やだっ、信じらんないっ!こんなとこでこんなキス!!!

頭の中では「このままされるがままじゃだめ!」って警報が鳴り響いているのに、
少しの理性も役に立たなくなるくらい感じ始めてるあたし。

 やっぱり西門さんってキスがうまいなぁ……

そうすることが当たり前の様に、あたしの舌にからんでくる西門さんのそれは
なんとも甘美な味がして…
知らず知らずのうちに、あたしの口からは甘い息が漏れ始めていた。

「んっ…… ふ……ぁっ」

それを合図にしたように、唇がゆっくりと離れていく。
ふたりをつなぐ銀の糸が街灯の明かりに揺れてきらきらと光を反射させる。

もっとしていたい………
こんな状況でのキスなのに、離れていく唇が寂しい…

こんなのあたしらしくない…って思うのに、
感じてしまって、足に力の入らないあたしは西門さんにされるがままだ。
  
 「つくしちゃん、キスだけでもう感じちゃった?
  続きは部屋でね…」

ペロリと耳を舐めて囁く顔が獲物を捕らえた悪魔に見える…
罠に落ちたあたしは、これからおいしく食べられちゃうんだろうか……

腰を抱かれたまま階段を上る西門さんがなにか鈴木くんに言っていたけど、
「キスの続き」を期待して濡れちゃったなんてバレないようにすることだけが
精一杯のあたしは、もう鈴木くんのことなんて頭の中から消えていた。

「……」
 「……」

な、なんか気まずい…

こんな雰囲気の中で隣に座るなんて到底できないしと慌てて駆け込んだ台所で、
お茶を入れながらこれからどうするかを必死に考えた。

 いつもの西門さんらしくないけど、
 何もとって食おうなんて雰囲気じゃないし、
 今日はこのまま大丈夫よ、きっと!!!

覚悟を決めて、小さなお盆を手にテーブルへと向かう。

 コトッ…

湯のみを置く音が妙に響く。
やだな、この緊張感……

 コトッ…

「えっ?!」

二つ目の湯飲みをテーブルに置いたその手を急に捕まれて驚いていた瞬間、
視界には天井?背中には畳の感触???

「ちょ、ちょっと!西門さん??」

何が起きたのかわからないうちに、しっかりと組み敷かれてしまったみたい。
どーいうことっ??

 「男とふたりきりになったらどうなるか、よーくわかってるよな???
  つくしちゃん」

そう言いながら、あたしの手首を頭の上にひとまとめにして押さえつける西門さん。
その顔は、からかっている表情なんかじゃなく、すっごく真面目な顔。

ゆらめく瞳でまっすぐに射抜かれたあたしはピクリとも動くことができなかった。

でも… 、 あれ…? 
掴まれた手首は熱い手のひらでしっかりと畳に縫いとめられているのに痛くない。
こんな体勢で「怖い」と感じないのは、そんなに西門さんの優しさを感じてるからだなんて。。

さっきのキスであたしはおかしくなっているのかもしれない。



静かに、そっと降りてくる唇から、西門さんの想いが流れこんでる気がした。

あぁ、怒ってたんじゃなくて心配してくれてた?
ごめんね、西門さん。。。

ちゅっ、ちゅ…とついばむようなキスが続いていたかと思うと、
今度は固く閉ざしている入り口を溶かそうと、西門さんの舌が唇をなぞる。

ざらりとした舌のが、滑らかな唇が、あたしの中から溶かし始める。
ぞくぞくするほどきもちイイ…
 
もっとそうして欲しくて、きゅっと閉ざす力をこめると今度は下唇を甘噛みされた。

「んっ……」

あたしの唇なんて、この人にかかればいつでも簡単に開く扉に違いない。
いくら抵抗しようと、生き物のように動く舌でノックされるともう、降参……

力が抜け、開いていく隙間から、とうとう熱い舌がねじこまれた。

口腔内を余すとこなく舐めとったかと思うと、こんどはあたしのそれに絡めてくる。
流れ込む唾液までもが甘い甘い媚薬のよう……


「…んっ、もう、やぁ…っ」


火がついた身体はもう止まらない。
全身から抵抗する力は抜け、ただただ与えられる快感に応えるのに必死だった。
自分でも泉があふれてくるのがわかる。もう限界……

そんなあたしの様子を悟った西門さんは唇をはなし、耳元に囁いてくる。

  「今夜は覚悟しろよ…」

いつもより少し低い、艶のある声。
それだけであたしの身体はビクンと反応してしまう。

耳たぶを唇にはさまれ「ちゅっ」と吸われたかと思うと
首筋に移り舌先でなぞるように鎖骨までおりてきた。

ちくっ…

所有の証をつけられた微かな痛みさえ、今のあたしには快感となる。

いつの間にか、ブラウスの前は開き下着もずりあげられていて、
露になった胸を手のひらで撫でるように揉まれていた。


「ん… あ… ふぁっ… はぁ…」


だんだんと胸の頂がツンととがってきたのが自分でもわかった。
やだ… 恥ずかしい…

でも… もっと触れて欲しい…

恥ずかしくて自分からはそんなこと絶対言えないけど、
じれったいような快感に耐え切れなくて足がもじもじしてきちゃう…

そんなあたしの動きに気付いたんだろう。
西門さんは、あたしの手を離し、空いた手のひらで背中や腰をさまよい始めた。

その動きがなんだかもどかしくて…
イヤイヤと首を振りながらチラリと盗み見た表情は、いつものポーカーフェイス。
襟元を少し緩めた着物を崩すことなく纏い、涼しい顔をしてあたしを乱していく。

なんかむかつく…

自分だけが快感の波に追いやられそうになっていることが悔しくて
かわいくないことを口走ってみる。


「きっ… きもの、着物… 皺になっちゃう…」


そんなあたしの言葉に眉をひそめる西門さん。
一瞬面白くなさそうな顔をしたのに、すぐにからかうような笑顔に変わった。

え…?な、何???


 「あぁ、俺に脱いで欲しいんだ?つくしちゃんのエッチ♪」


きゃーっ!
言うんじゃなかった!!


ニヤリと不敵に微笑む西門さん。


「いや、そうじゃなくって… あぁっ!


反論しようとしたのに、ツンととがった頂を急に指ではさまれて声にならない。


 「いいぜ、ちょっと待ってな。」


そう言って、甘い痺れを頂に残し、すっと立ち上がるとあたしの上体を起こして座らせる。

これから何が始まるの……??



窓から差し込む月明かりの中、ぼぅっと浮かぶ着物姿の西門さん。
なんだかすごく幻想的で、キレイだった。

ちらっとあたしの方を見た西門さんが、襟元をゆるめながら「ふっ」と小さく笑う。

あまり見ることのない西門さんの着物姿。
普段、洋服のことが多いから見慣れていないせいかもしれないけど、
こんなに色香の漂う男の人って初めてみるかも…

シュルシュルと音をたてながら帯を解く綺麗な指。
ゆっくりと肩を滑り、足元へ静かな音をたてて落ちる着物。


月明かりのせいだろうか…
優雅な所作で着物を脱いでいく西門さんは、男の人とは思えないほど美しかった。

他のことなんか何も考えられない……

とにかく、目の前の光景から目が離せないでいた。


 「俺のストリップ、見惚れるほどよかった?つくしちゃん」

上半身を大きくはだけさせた長襦袢を纏った西門さんがニヤニヤしながら
目の前に立って声を掛けるまで、まるで夢をみているようだった。

「図星です」なんて言えない代わりに、カーッと顔に血がのぼっていく。
あたし、絶対真っ赤になってる!!

それにしても、男の人なのにこんなに色っぽくてきれいだなんて、
女としての地位が揺らぐわ…

 「いやっ、な、なんかね。月明かりの中で西門さんがすっごくキレイで…
  ちょっとドキドキしたっていうかなんっていうか…
  男の人なのに… そんなに色っぽいなんてなんか反則…っ」

ついつい早口になってしまうあたしの後ろに西門さんが座り、足の間に抱き寄せられた。

  「俺には牧野のカッコのがそそられるけど??」

えっ……?なんですと???

この言葉で我に返ったあたしは、改めて自分の格好をみて驚いた。
はだけたブラウス、太股が付け根まで見えるほどめくれあがったスカート…

やだっ…!!!

慌てて服の乱れを直そうとジタバタするあたしにトドメがさされる。


  「つくしちゃんの心配してた着物も脱いだし、思う存分愛しあいますか♪」


もう逃げられない…

着物が脱ぎ落とされたままだって気が付いたけど、反論する間も与えられず
再び快感の海に引き込まれていく。

背中に西門さんの体温を感じながら、再開した愛撫に身を任せる。
這い回る熱い手のひら、熱いキス…


「あっ… いやぁっ…」


激しいキスに翻弄されているうちに、ブラウスは腕から抜き取られ
露になった胸を後ろからやわやわと揉みしだかれる。
熱い舌がねっとりと首筋を這い回り、休むことない愛撫に思わず声が漏れる。


「あんっ……」


赤く熟れた頂を手のひらが掠める度、ビクンッと身体がはずみ蜜が溢れだす。


  「なぁ牧野、気持ちいい?」


そんなイジワルな問いかけに、あたしは何も答えられない…
声を出す代わりにふるふると首を振ると今度はあたしが弱い耳元で
囁くように聞いてくる。


  「なぁ、言ってみ。気持ちいいんだろ?」


絶対いつものニヤニヤ顔であたしをからかっていると思っていたのに、
優しく微笑みながらあたしをみつめる瞳の奥がさみしげに揺らめいている。

からかわれるのが嫌で、「気持ちいい」なんて絶対言えない!と思っていたのに、
そんな顔で見つめられるとあたしの意固地な気持ちはすーっとどこかへ溶けていった。


 「あ… んっ… 気持ちいいっ!!あぁーっ!!」


「気持ちいい」と答えるのと同時に、素直なあたしを解放するようにきゅっと乳首を
つまみあげられ嬌声をあげてしまった…

そんなあたしを満足そうに見つめる瞳はとってもおだやか。

   「ほら、もっと素直になって感じろよ。
                ほら、足。もうちょっと開いてみ。」


いつもならこんなことを言われても絶対しない。
でも、凪いだ瞳に見つめられると今日は素直になってあげてもいいかもと思えてくる……

そっと… 少しだけ足を開いてみる。
そのあたしの仕草を見てなのか、背中越しに感じる西門さんの動きが一瞬止まったのを感じた。

驚いたのかな… 



   「ほら、もっと。これじゃ触れないだろ…」



珍しいほど素直なあたしに更なる要求をしてくる西門さんは、今どんなカオをしているんだろう?

でも、「もっと」って…… 


   「いいから、ほら…… 最高に感じさせてやるから。」


そう言いながらじわじわと内股をなで、付け根ギリギリのところで引き返す動きを始める。
その動きに誘われるように、少しずつ足を開くけど、さすがにもう限界。


 「もうっ、西門さんのいじわる…っ」


恥ずかしくなって顔を背けると、急に膝を抱えられ大きく足を開かれた。


   「素直じゃないな、ったく。」


やだっ……
M字に大きく開かれた足の間に指が伸びてくるのが見える。


 くちゅ……


予想通り、泉から大きな水音が響く。
まだ触れられていないのに… 信じられないくらい濡れているのがわかる。

   「ほら、こんなに濡れてる…」


西門さんの指が動く度にくちゅくちゅと溢れる泉。


 「いやぁっ…… あ、あぁっ! うん……っ」


ゆっくりと上下に割れ目を動く指を伝い流れ落ちるほどの雫。
触れて欲しい蕾には近づいてもすぐに離れていってしまう。
 

 「あ… 西門さん… あん…
              ああっ……や…あっ……」


もっと快感を得ようと指の動きに集中していると、
とろとろにあふれる蜜に誘われるように泉へと西門さんの指がすべりこんでくる。

 「あっ! …… あっ… 」


   「ここがいいんだろ?」

あたしの中の弱いところを的確に捉える器用な指先。
どんどん溢れる泉から響く水音が大きなものにかわっていく。

出し入れされる指は、時々蕾を擦り上げてはまた泉へと戻る。
繰り返される愛撫に頭が真っ白になりそう…
もう限界…


意識を手放しそうになったところで、ぐらりと視界が揺れたかと思うと
急に畳に寝かされた。

えっ…??

突然のことで驚いている間に、西門さんが泉に顔を埋めようとしている。
ちょっっと、やだっ!!

シャワーも入っていないのに、そんなとこっ!!!

頭を離そうと、さらりとした髪に指をからめたとたん、ペロリ!
泉を舐め上げられ思わず声が漏れる。


 「やあっ…… あ……
             あ… あんっ……」


  「いやじゃないだろ、ほら。こんなに溢れてくる。」

西門さんが言う通り、動く指にあわせてくちゅくちゅと音を立てる泉。
舌先で蕾をつつかれ、唇で挟み込まれながらちゅるっと蜜を吸い上げられると
たまらない快感が全身を駆け巡る。


 
 「ああぁっ…… あっ…」


 「ああっ…… もう、だめ…… イ……イッちゃう……っ」


ビクビクと波打つ身体。
与えられる刺激に頭が真っ白になる。

もうだめっ!!!


  「イけよ。ほら……」

西門さんがあたしを高みへと追いやる為、指のスピードを上げる。


 「あ……ダメ!
          ああっイク、イク!イッちゃうっ!あぁっ……!」


最後の仕上げとばかりにGスポットをこすりながら蕾をきゅっと唇でついばまれた瞬間、絶叫しながらあたしはイッてしまった。


飛ばした意識がゆっくりと戻ってくる… もっと余韻に浸っていたいのに
西門さんは熱くたぎる自身を泉へあてがい、ゆっくりと中へと沈めてきた。


 「え… やだっ まだ無理っ!
                や……あぁっ……!」


イッたばかりのあたしには、少しの刺激も大きな快感のうねりに感じる。
すぐにでもまたイッてしまいそう…

まだ息も整わないのに… ちょっと恨めしそうな顔で西門さんを見つめると、
いつも余裕たっぷりの彼らしくないセリフ。


  「俺ももう、限界なんだわ。 いい……だろ?」

腰を静かに動かしながら、あたしの髪に顔を埋め囁かれた言葉には
とてもじゃないけど逆らえそうにもない。


 「あ……、あ…あんっ……んっ…」
 

西門さんの動きにあわせて自然と腰が揺れる。


  「いいぜ、牧野……」


艶かしい囁きにさらに蜜が溢れてくるのを感じる。
あたしがこんなにも感じていること、西門さんにも伝わっているんだろうか…

 
 くちゅっぐちゅっ…
 

 「いやっあぁ、あ…… ん……っ」

  
  「イイか…? もっと声聞かせろよ…」


 「ああッあ… イイッ…… いいのっ……」


揺れる腰を掴まれ、さらに深く埋め込もうと動きが激しくなっていく。
その動きに耐えられなくなってきて、背中へと腕をまわしぎゅっと抱きしめて
合図を送る。

あたし、もうイキそう……


合図を感じてくれた西門さんは、さらにピッチを上げて感じる箇所をピンポイントで
こすり付けるように突き上げながら、指で蕾をなであげる。
惜しみなく与えられる快感に、もうどうにかなってしまいそう。

  
  「ほら、もうイっていいぜ…」


 「あっ、き……気持ちいいっ……あ!またッ……ああっ!!

    だめ、あっ! だめ、またいっちゃう…… あ、ああっ、だめぇっ!!!」


 「くっ……」


あたしがまた意識を手放すなか、西門さんの小さなうめき声と同時に
お腹に熱い迸りが放たれたのを感じた……

2回も連続してイッたあたしは、しばらく夢の中。

さらさらと、誰かが髪をなぜてくれている。
すごく心地いい…

幸せな気分でそっと目を開けると、そこにはあたしを見つめるキレイな顔が!


 「に、西門さんっ!!顔近すぎっ!!!」

  「至近距離にも耐えられる顔だと思うけど??」

 「自分で言って許されるなんて、なんかむかつく…」


恥ずかしくておどけてみたけど、ほんとはあたしを見つめる優しい瞳にドキドキしてた。それに確かにキレイなお顔…… って何考えてんのよ、あたし。


 って、なんで視線が下の方…???


西門さんの視線をたどると、そこにはさっきのキスマーク、そして…

 「ぎゃっ!」

 「ちょっ!やだっ!! ちょっと服着るからあっちむいてて!!」

自分が全裸なことに驚いて、シーツをひっぱってぐるぐると巻きつけ背を向ける。



  「ヘェ〜、まだ俺のハダカが見足りないんだ?エッチだな、つくしちゃんは」


声を掛けられて振り返るとあられもない姿の西門さんが!!!!

キャーッ!!!!
ちょっと何か着てよ!!隠してよ!!

あたしのシーツを取るわけにもいかず、掛けるものを探してあたふたしていると
伸びてきた腕に掴まり、また押し倒されちゃった…
学習能力がないって??


  「つくしちゃん、これで男とふたりきりになったらどうなるか、よぉくわかった?


ニヤニヤと勝ち誇った顔を近づけて囁く西門さん。
わかったけど、この体勢はいったいなんでしょう??


 「……十分すぎるほどわかったわよ。」


素直に降伏を認めたあたしを待っていたのは、更なる悪魔の罠・・
満足そうに微笑む笑顔は、さっきも見たような顔……?


  「よろしい… ではこの後どうなるかもわかるよな、つくしちゃん♪」


 「でも、ほら、あ、あたしおみやげのわらびもち食べたいんだけど…
  ほら、さっき入れたお茶も冷めちゃったし……
  西門さん、ほら、ねぇ、着替えようよ……」

 
最後まで粘ってみたけど、やっぱりダメか…
 

  「もっとちゃんとわかるまで、とりあえず俺に大人しく食われなさい。」


 「んーーっ!!」


キスで口を塞がれてしまっては、もう罠から逃げられない。

…あれから何度か身体重ねた後、そのまま眠ってしまい窓からは明るい日差しが
差し込んでいる。

「ほらー、やっぱり!着物シワになっちゃってるよ!!」

昨夜の月明かりの中で脱ぎ落とされた着物。
あたしではどうすることもできなくて、まだ寝そべっている西門さんに持っていく。

  「あぁ、いーんだよ、それは。
         茶会で着たらまたしばらく同じの着ねーし。」


「ふぅーん、やっぱりお金持ちは違うんだ。
            でも、これ着なきゃ帰れないじゃん!!」


  「そこのさ、土産が入っている袋の隣の荷物とって。」


「これ??」

全然気が付かなかったけど、あたしへのお土産が入ったお店の袋の横には西門さんの荷物があった。

  「あっちで着替えて帰ろうと思って持っていってたんだよな、これ。」

中からは普通に着替えが一式入っていて、ご丁寧に靴までそろっている。


「着替え持っていたなら着替えて帰ってくればよかったのに。」


  「おい… 早く帰ってきてくれて嬉しいとかねーの?可愛くねぇな…
   ま、散々待たされたけどあそこで俺がいなかったらどうなったかね、つくしちゃん」

「え…? ハ、ははは… 」

昨夜の出来事を思い出して急に恥ずかしくなる。。
でもこのペースじゃ、また罠に落ちちゃう!!!


「あ、あのっ… あたしお茶いれてくるね!!!」

慌ててお茶をいれに台所へと小走りに逃げ出す。
危ない危ない… これ以上は身体がもたないっ



お茶を入れて戻ると身なりを整えた西門さんがお土産をだしてくれていた。
テレビで見た有名店の抹茶わらびもち!
数量限定ですぐに売り切れちゃうって言ってたっけ…

食べてみたいと言ったあたしの言葉を覚えてくれていたことに喜びをかみしめて
二人で過ごすのんびりとした時間。

この数時間後に「あたしを守る」というF3の会議が開かれるだなんて
考えもしていなかった…






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