無防備な顔
西門総二郎×牧野つくし


「……お掛けになった電話は電波届かないか電源が入っ」

何度かけてもこのアナウンス。

「もう聞き飽きたっつーんだよ、ったく。」


クソッ
一体こんな時間までなにやってんだよ、牧野は。

京都での茶会を終えて、猛ダッシュで新幹線に乗り込み
駅からこのボロアパートに直行してきたっていうのに。

しかもあいつの好きそうな、
抹茶のわらびもちのみやげまで買い込んで…

俺ってこんなキャラだったか?

「はぁ…ったくカワイソウな俺」

ため息をつき、階段の横の壁にもたれかかってると不意に聞き覚えのある声が
聞こえてきた。

「…ん?一人じゃないのか。誰だ、アレ。」

見間違うはずも無い牧野の姿の横には、見覚えのない野郎が1匹。
どうなってんだ、おい・・・

ふたりは仲良さそうに、なにやら盛り上がっていてなかなか俺に気付かない。
おいおい、そんな無防備な顔みせるなよ…
苛立ちが最高潮に達しようかというとき、やっと牧野が俺に気付いた。

「あれ?西門さん、こんな時間にどうしたの?
京都でお茶会あるって言ってなかった???」

「あぁ、終わって即行帰ってきたんだよ。
それより、お前こそ何やってんの。こんな時間に、男とふたりで」

かなり棘のある言い方をしたにも関わらず、俺の苛立ちには何も気付いてないようで、
一緒にいる男が誰で(鈴木という中学の同級生らしい)駅前でばったり会ったこと、
カフェで話し込んでしまい、夜道が危ないからと送ってくれたことを楽しそうに
説明を続けている。

「で、俺がいなかったらこのまま部屋で話の続きでもするわけ?」

「えっ…」

「部屋でヤローと二人になったら何が起きるのか、
今更わからないなんて言わないよなぁ、つくしちゃん…」

やっと俺の機嫌がどん底に悪いことに気がついた牧野は、そんなつもりじゃないと
弁解をしてるけど、そんなこと関係ない。

鈍感で人を疑わない牧野が男の下心に気が付いてるわけがないのもわかってるけど
ここは一発、牽制しとくか。

「えーっと、スズキクン?
ここまで送り届けてくれたのは有難いんだけど、
牧野にとっては夜道よりキミの方がよっぽど危ないんだよね。
悪いけど、このまままっすぐ帰ってくれるかな。」

「なっ!!!」
「ちょっと西門さん、その言い方は失礼じゃっ」

二人が同時に口を開いたところで、俺は牧野の口を唇でふさいだ。
もがく牧野の腰を抱き、唇の隙間から舌を割り込ませ息の詰まるような
激しいキスを見せ付けてやった。

最初は抵抗して暴れていた牧野も、だんだんと大人しくなり
すっぽり俺の腕の中でキスに応え始める。

「んっ……ふ……ぁっ」

吐息が漏れ始めたのを合図にそっと重なり合った唇を離す。
ふたりをつなぐ銀の糸が街灯の光に揺れる。。

「つくしちゃん、キスだけでもう感じちゃった?
続きは部屋でね…」

牧野の耳元で、でも男にも聞こえるくらいの大きさで囁き腰を抱いて階段へ向かう。
2,3段上ったところでボーゼンとしている男に一言。

「じゃ、そーいうわけだから諦めな」

背を向けてひらひらと手を振って追い払う仕草をし、さっさと牧野の部屋へと入った。

さて、今日は男がどんなものかってのををしっかり教えないとな……

そんな俺の考えになんか気付いていない牧野は、
部屋に入った途端、慌てて俺から離れ、お茶の準備をしている。

「に、西門さん、お茶、庶民のお茶だけど、
あ、おみやげ、あれね!あのお店この間テレビでっ」

「ほんとに、動揺するとよく喋るな…」

小さなテーブルの上にお茶を置いたのを見計らって、
俺は牧野を畳の上に押し倒した。

「ちょ、ちょっと!西門さん??」

慌てふためく牧野の両手首を痛くない程度の力でつかみ、頭の上で抑え込む。

「男とふたりきりになったらどうなるか、よーくわかってるよな???
つくしちゃん」

さっきの男とこうなってたら…なんて俺をヒヤヒヤさせたお礼と
言わんばかりに深く牧野の唇をうばっていく。

「んっ……」

始めは固く閉ざされていた唇も、ペロリと舌でなぞったり甘噛みしているうちに
しだいに開かれていく。

勢いがついた俺は、もっと牧野を味わいたくて…
少しの隙間に舌をねじこみ口腔内を味わい、舌をからめとる。

「…んっ、もう、やぁ…っ」

激しさを増していくキスに、牧野の吐息が唇の隙間から苦しそうに零れ落ちる。
身体の力がすっかり抜けきっているのを感じた俺は、
このまま唇から黒髪の中に顔をうずめ、耳元で囁いてやる。

「今夜は覚悟しろよ…」

いつもより少し低いトーンで囁くと、牧野の身体はビクッと反応する。

声だけで感じる牧野。
この感度の良さがなんともたまらない。

唇と舌で首筋をたどり、鎖骨のあたりまで降りたところで所有の証を刻み付けながら
ボタンをはずし服をはだけさせていく。

白い肌がだんだんと熱を帯び桃色に染まっていくさまはなんだか色っぽい。

下着をずりあげて、胸の頂を手のひらでそっとなぜていくとだんだんと硬さをまし
ツンと上向きに反応しているのがよくわかる。

「ん…あ、うんっ!!はぁ…」

足をこすりあわせるようにもじもじと動く牧野。
もうそろそろいいか…と押さえつけていた手をはずし両手での愛撫を始める。

「あぁっ…に、西門さん…あ…ふっ…」

「ん?どうした、牧野?」

「きっ…きもの、着物…皺になっちゃう…」

…、正直気に食わない。
こんなに感じて喘いでおきながら、まだそんな心配できるわけ?
そんな余裕、さっさと打ち消してやらなくっちゃね。

「あぁ、俺に脱いで欲しいんだ?つくしちゃんのエッチ♪」

「いや、そんなんじゃなくって…あぁっ!」

愛撫する手を止めることなくちょっとからかってやる。。
どんどんと真っ赤になっていく牧野の姿がもっと俺の熱を煽るってるなんて
全然わかってないんだろうな。

「いいぜ、ちょっと待ってな。」

そういって一度身体を離して立ち上がり、ぼうっとしている牧野を座らせる。

そうだな、月明かりが差し込むここらが舞台ってとこか…

牧野のうるんだ大きな瞳がこっちを見ていることを確認して、襟元に手をかける。


しんと静まりかえった部屋の中。
俺が着物を落とす衣擦れの音だけが響き渡る。

着物姿で女と関係を持つことも、こうして女の前で脱ぐ姿を披露することも
未だかつてないんじゃないか…?

本来なら男が拭くを脱ぐ姿なんて滑稽なもんだと思っていたし、まさか
月明かりで着物を脱いでみせるなんて…

この状況、とんでもなくレアだってわかってるんか?

そんな思いで牧野を見やると、うっとりとした表情のままこっちを見て固まっている。おいおい…かわいい反応見せてくれるじゃん。

「俺のストリップ、見惚れるほどよかった?つくしちゃん」

ニヤニヤ顔で近づいて行くと、途端に真っ赤に染まる牧野。
いったいどれだけ真っ赤になれるんだよ、こいつは…

「いやっ、な、なんかね。月明かりの中で西門さんがすっごくキレイで…
ちょっとドキドキしたっていうかなんっていうか…
男の人なのに…そんなに色っぽいなんてなんか反則…っ」

口をもごもごと動かし言葉にならない牧野を後ろから抱きとめ耳元で囁く。

「俺には今の牧野のカッコのがそそられるけど??」

はだけたブラウス、白い太股が付け根まで見えるほどめくれあがったスカート。
桃色に上気した肌に赤いくちびる…結構そそられるんですけど。

また真っ赤になってジタバタし始めた牧野をさらにぎゅっと抱きしめる。

「つくしちゃんの心配してた着物も脱いだし、思う存分愛しあいますか♪」

反論する間なんてもう与えない。
はだけたブラウスの間に手を滑り込ませて胸への愛撫を再開する。

「あっ…いやぁっ…」

熱いキスをしながら一つずつ、ゆっくりとボタンを外し邪魔な布を剥いでいく。
後ろから乳房を揉みしだき首筋を舌でなぞる。

「あんっ……」

身体をビクビクと震わせて感じる牧野がかわいくてたまらない。

「なぁ牧野、気持ちいい?」

恥ずかしくて答えられないんだろう、ふるふると首を動かすだけで喋ろうとしない。

「なぁ、言ってみ。気持ちいいんだろ?」

耳元に吐息がかかるよう、わざと囁くように問いかける。

「あ…んっ…気持ちいいっ!!あぁーっ!!」

気持ちいいって言うタイミングにあわせて乳首を摘みあげると嬌声が響く。

「ほら、もっと素直になって感じろよ。ほら、足。もうちょっと開いてみ。」

無言で足をそっと開く牧野の姿に俺のタガがハズレそうだ。

「ほら、もっと。これじゃ触れないだろ…」

「いやっ、そんなの…」

「いいから、ほら……最高に感じさせてやるから。」

そう言って内股をじわじわと焦らすようになでではやめを繰り返す。

「もうっ、西門さんのいじわる…っ」

フイっと顔を俺と反対に向けるもそっと、少しずつ牧野の足が開いていく。

「素直じゃないな、ったく。」

膝を抱えM字に開くと、期待に濡れそぼる秘所へと指を伸ばした。

くちゅ……

滴る程濡れたそこからは、俺が指を動かす度水音が漏れる。

「ほら、こんなに濡れてる…」

「いやぁっ……あ、あぁっ!うん……っ」

割れ目をを上下になぞるだけで溢れる雫は俺の指を伝い流れ落ちていく。
硬くとがった蕾にはわざと触れないように、そっと指を往復させる。

「あ…西門さん…あん…
ああっ……や…あっ……」

泉の中に指を進入させると、そこは熱く誘い込むようにうごめいているのがわかる。

「あっ!……あ…」

「ここがいいんだろ?」

牧野の中のざらざらとした弱い部分を指の腹でこすってやるとさらに雫が溢れてくる。身体を震わせながら快感に絶える牧野。

指を出し入れしながら時々蕾を擦りあげてはまた出し入れを繰り返す。
そうしているうちにだんだんと泉の中がひくついてきているのがわかった。

俺はたまらなくなって、牧野を横にし泉に顔を埋め割れ目を舐めあげた。

「やあっ……あ……、あ…あんっ……」

「いやじゃないだろ、ほら。こんなに溢れてくる。」

くちゅくちゅと音をたてながら指を泉に出入りさせ、舌先で蕾をつつく。

「ああぁっ……あっ…」

舌を蕾にはわせ唇で挟み込み、ちゅるちゅると蜜と一緒に吸い上げる。

「ああっ……もう、だめ……イ……イッちゃう……っ」

「イけよ。ほら……」

最後の仕上げとばかりにGスポットをこすりながら蕾をきゅっと唇でついばんだ瞬間。

「あ……ダメ!ああっイク、イク!イッちゃうっ!あぁっ……!」

ビクッと身体を震わせたかと思うと牧野は達していた。
はぁはぁ…と肩で息をつく牧野に覆いかぶさり、俺の熱い分身を泉へとあてがう。

「え…やだっまだ無理っ!や……あぁっ……!」

ぐっと腰を沈めると熱いうねりが俺を迎えてくれた。

「俺ももう、限界なんだわ。いい……だろ?」

そう言って腰を静かに動かし始めてみると、いつもより締まっていてヤバイ。

「あ……、あ…あんっ……んっ…」

動きに合わせて牧野の腰が動く。

「いいぜ、牧野……」

くちゅっぐちゅっ…二人の動きで水音がさらに大きくなる。

「いやっあぁ、あ……ん……っ」

「イイか…?もっと声聞かせろよ…」

「ああッあ…イイッ……いいのっ……」

腰を掴み、さらに深く楔を打ち込むあと牧野が腕を背中へとぎゅっと回してきた。

そろそろ限界なんだな…

ピッチをあげ、牧野の弱い部分を狙ってこすり上げるように突きあげながら
蕾をそっとなであげる。

俺はまた黒髪の中に顔を埋め、耳元で囁く。

「ほら、もうイっていいぜ…」

「あっ、き……気持ちいいっ……あ!またッ……ああっ!!」

「だめ、あっ!だめ、またいっちゃう……あ、ああっ、だめぇっ!!!」

ビクビクッと達する牧野の姿に満足しながら、俺も精を放った。



窓から差し込む月明かりの中、飛ばした意識が戻らない牧野を腕枕して髪を愛でる。

「この俺がこんな気持ちになるなんて、ヤキがまわったな…」

それから、牧野の目が覚めるまで抱きしめたまま寝顔を見つめていた。
ぱちっと開いた大きな瞳は、至近距離にある俺の顔に驚いてさらに大きくなった。

「に、西門さんっ!!顔近すぎっ!!!」

「至近距離にも耐えられる顔だと思うけど??」

「自分で言って許されるなんて、なんかむかつく…」

なんていつものふざけあう会話をしていると牧野は自分の格好に気が付いたのか
また真っ赤になってシーツを身体にまきつける。

「ちょっ!やだっ!!ちょっと服着るからあっちむいてて!!」

「ヘェ〜、まだ俺のハダカが見足りないんだ?エッチだな、つくしちゃん」

牧野がシーツを自分の身体に巻きつけたせいで、俺が一糸纏わぬ姿になっていると気がついて真っ赤になりながらキャーキャー叫ぶ牧野をもう一度押し倒す。

「つくしちゃん、これで男とふたりきりになったらどうなるかよぉくわかった?」

超至近距離に顔を近づけて囁くと、小さな声が聞こえた。

「……十分すぎるほどわかったわよ。」

「よろしい…ではこの後どうなるかもわかるよな、つくしちゃん♪」

「でも、ほら、あ、あたしおみやげのわらびもち食べたいんだけど…
ほら、さっき入れたお茶も冷めちゃったし……
西門さん、ほら、ねぇ、着替えようよ……」


往生際の悪い牧野のうるさい口を唇で塞いであげよう。

「もっとちゃんとわかるまで、とりあえず俺に大人しく食われなさい。」

「んーーっ!!」

声にならない声が喘ぎ声に変わるまであと数秒。
もう一回、おいしくいただくとするかな♪


■番外編

翌日、カフェテリアで類とあきらとで緊急会議を開いた。

もちろん、内容は牧野を狙うスズキとかいうヤローのこと。
俺たちF4以外が牧野を狙っているなんてもってのほかだ。
ましてや抱くなんて、ありえねー。

俺たちとはレベルが格段に下だとはいえ、そこそこの男だったし。
しかも、相手があの鈍感牧野じゃ、何かあった時に手遅れになりかねない。

この意見で3人一致!
牧野をスズキとかいう奴から守るべく、俺たちで囲ってやろう!

「とりあえず、今夜は俺が牧野をバイト先まで迎えに行くよ。
今夜は晴れそうだし、月でも見ながら散歩しようかな…」

「毎日迎えってのは牧野も勘ぐるかもしれねぇし。
明日は俺んちの東屋に集まってパーッと騒ぐか!!」

「あきら、いいなその考え!
あいつ変なところで鋭いからな〜」

「でも明後日は俺が迎えに行くぜ。
忘れ物を届けにきたってことにして送り届ける。」

こうして俺たちは、牧野を守る…という口実の独り占めできる日を
当番制にして決めた。






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