花沢類×牧野つくし
![]() 「部屋へ来てくれ。今すぐに。」そういって電話は切れた。 花沢類からの電話はいつも用件だけの短いものが多かったから、今回もつくしは特に驚きもしなかった。学校から家に帰る途中だったが、急いで部屋へ・・・・類の待つマンションへと・・・・向かった。 暗証番号を押してエントランスの扉を開き、エレベーターへと乗り込む。 最上階に着くと同時にフロアに出る。部屋の前のインターホンを押す・・・・か押さないかのうちにドアが開き、力強い手がつくしを中へと引き入れた。 「花沢類・・・・?どうしたの?」 言葉が終わらないうちに類に抱きしめられ、いつもの優しい香りに包まれるのをつくしは感じた。 「会いたかった・・・・。」 キスをしながら類が囁く。 いつになく情熱的な類の様子につくしは戸惑いつつ類の唇を受け入れる。 「あたしも・・・・。」 つくしを失いたくない。この手を離したくない。そう思う気持ちが類を激しい男に変える。 類のキスはうなじに移り、同時に右手はブラウスのボタンを外す。 「ちょ、ちょっと待ってよ・・・・。花沢類。」 「何?いや?」 「だ、だってこんなところで・・・・あたし靴も脱いでない・・・・。」 「じゃ、靴脱いで。」 靴を脱ぎ、スリッパを履きかけたつくしを類はそのまま壁へと押し付け、再び唇を重ねながら、巧みにブラのホックを外す。 「あ・・・・。」 肌に触れる冷たい手の感触に思わず吐息が洩れる。首筋へのキスは更にはだけたブラウスの襟元から鎖骨へと移っていく。 立ったまま半裸の状態で類から受ける行為に、普段よりも羞恥心が芽生えるのか、つくしは頬を赤らめ類の愛撫を受け入れる。 いつも以上に頬を上気させたつくしの姿が類をもまたいつも以上に興奮させる。 「牧野・・・・感じる?」 「・・・・。」 「答えて。」首筋に唇を走らせながら類が執拗に尋ねる。 「・・・・。」 「素直じゃないね。あんたって。」 類の手が下半身に伸びスカートの中へと入り込む。 いつもの花沢類じゃない・・・・ 彼の手の動きに気づいたつくしはとっさに離れようとする。が、それより早く類はつくしの体を抱きかかえながら唇を重ね深く舌を絡めてきた。 とろけそうな感覚を感じながらも必死でつくしは類の手の侵入を阻もうとする。 「嫌だ・・・・。やめてよ・・・・。」 身をよじって逃れようとするつくしを類はさらに強く抱きしめ敏感な部分へと手を伸ばす。 下着の上から触られてもはっきりわかるほどにそこは湿っていた。 「ホント素直じゃないな。」 下着越しに何度も敏感な部分をなぞられる。思わず吐息を漏らすつくし。 「なんでこんなに・・・・濡れてんの?」 「・・・・し、しらないっ。」 真っ赤な顔で横を向く。 意地っ張りで気が強くて、そんなところがたまらなく可愛いのだけれど、今は、俺にしか見せない表情を見せてくれ。俺にしか言わない言葉を囁いてくれ。 「・・・・言ってよ。」 茶色のビー玉のような目は真剣だった。 少しの間躊躇していたつくしは、そっと類の首に手を回し耳元で蚊の鳴くような声で言う。 「すっごく・・・・感じてるから。」 つくしがそういった途端に、類が指を下着の中へと侵入させる。 「ああっ・・・。」 類のひんやりとした指先の突然の侵入につくしは思わず声を上げる。 秘部を割って入ってきた指がその奥を攻めたてる。 つくしはその指から逃れようと精一杯背伸びをするが、長くて優雅な類の指がすぐにそれを追う。そしてつくしの内部深くへと刺激を加え続ける。 立ったまま、類に抱きしめられたままの体勢で感じて喘いでいる自分がたまらなく恥ずかしい。 しかし、幾度となく出し入れを繰り返す指がもたらす快感はつくしの強がる心を次第に開放していったのだった。 「花沢類・・・?」 「なに・・・?」 類に胸に顔をうずめ背中に手を回したままでつくしが言う。 「して・・・・。ここで・・・・。」 「・・・やっと素直になった。」 ほっとしたような声でつぶやくと類はすばやく下着を脱がせる。 「オレも限界。」 そのままつくしを後ろを向かせ、壁に手をつかせる。 息を整えてる間もなく、類が後ろからそっと抱きかかえるようにつくしの中へと入ろうとする。 「く・・・うっ・・・。」 表面こそ濡れているものの内部はまだ十分に濡れていないそこはつくしに少しの痛みをもたらす。が、すぐに快感がそれにとって変わる。 ごめん 牧野俺って最低の男かもしれない。 でも今はあんたを誰にも渡したくないんだ。 ごめん 類の熱い息をうなじに感じる。 激しい動きのその度に突き上げられ、今までにない体の深い深い底で類の熱を感じる。 喘ぐ声が更に激しくなる。 「あっ・・・・。あたし・・・イっちゃいそう・・・。」 その声を耳にすると類はすぐにつくしの右足を持ち上げ、つながった状態のまま つくしをこちらへと向かせる。 そして激しいキス。舌を絡めながらつくしが類の首に手を回すと、類がつくしの両足を持ち上げ腰を更に激しく動かしてきた。 「あ・・・・ん・・・・。す・・ごいっ。」 子宮の奥まで届きそうな深い突き上げに、再びつくしに絶頂の波が押し寄せる。 「ああ・・・っ。もう・・だめっ・・。」 急につくしの動きが緩慢になり体中が緊張で固くなる。 「・・・・!」 今までにない強い締め付けに類が思わず顔をしかめる。 思わず腰を引こうとするが、この体勢ではすぐには動けない。 つくしの中に思いのたけを注ぎ込むように類は目を閉じた・・・・。 「・・・・ごめん。」 体を離しながら類が頭を下げる。 「え・・・?なにが?」 「責任はとるから安心してて。」 「はぁ・・・?」 つくしはいまだ何のことかわからずきょとんとしている。 「俺としてはヒットしてても全然ヘーキなんだけど。」 そのとき、座り込んだままのつくしの太腿の内側をぬるり、とした感触がつたう。 「えっ?あ、あ、あーーーーっ!」 一瞬にして顔面蒼白になるつくし。 そ、そーだ、前にきたのはいつだったっけ? バクバクする心臓をかかえながら、スケジュール帳を出して先月の欄をめくる。 ま、ま、まずいよー。この前終わってから10日位しか経ってないし、これっていわゆる危険ゾーンじゃん。 ど、ど、どーすんのっ。 当惑して類をみると「にこっ」天使の微笑。 「な、何なのよ・・・その微笑は・・・・。」 つくしにしては珍しくスルどい勘が働く。 「花沢 類・・・あんた・・・まさか・・・確信犯なの?」 「あ、わかっちゃった?」 「な、なんで・・・・。」 「だってさ、既成事実作っちゃったら、もう牧野は俺から逃げられないでしょ?」 −−−−既成事実ってね。あんたはタマさんかいっ! 「あんたって意外に腹黒・・・・。」 この後の2、3週間つくしが生きた心地がしなかったのはいうまでもない。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |