キス
道明寺司×牧野つくし


ちゅ。ちゅ。

道明寺があたしの肩にキスをする。
首に。耳に。指と指をを絡ませ、
確かめるように何度も何度もキスをする。

牧野。

あたしを呼ぶ声が聞こえるけど息が上がってとても答えられない。
熱くほてったからだ。潤ったからだ。
でも道明寺はそこには触れてこない。
ただただキスを。

ちゅ。ちゅ。

胸に。脇に。腕に。
乳首を咥えられたときは思わず声が出た。
でもすぐ次の場所に移動してしまう。

ちゅ。ちゅ。

肩甲骨に。背骨に。腰骨に。
だめ、すごく感じちゃうよ。
あたしの身体は金魚みたいにぴくんぴくんと跳ねる。

道明寺の吐息が熱い。

牧野。触っていーか?
うん、いいよ。

あたしは胸に触って欲しい。ギュッと後ろから掴んで
揉んだり撫でたり摘まんだり引っ張ったりして。
そしたらあたしは嬌声をあげて身を捩じらせるだろう。
快感にこの身をわななかせるだろう。
早く。早く。その大きな手でぎゅぅと掴んで。
痛くてもいい。めちゃくちゃに捏ね繰り回して欲しい。

あー、牧野すげぇ。
ここ凄いことになってるぞ。

だけど道明寺はあたしのお尻にキスをしながら、
そっと後ろから指を差し入れ、ぬらぬらした内ももだけを撫で上げる。
もどかしくて恥かしくて身体がぶるっと揺れる。
潤いが道明寺の指を濡らしていると思うともう死にたい。
だけどたぶん、今きっともっと濡れたと思う。
触って道明寺。きっと今日は大丈夫だから。

ちゅ。ちゅ。

足を掴み、太ももに執拗にキスをする。
あたしの背中には道明寺の高ぶりが押し付けられている。
その熱さに、硬さに頭がカッとなる。
今日こそはいける気がする。
だってこんなにも道明寺に触って欲しい。
かつてないほどに身体が求めている。

ちゅ。ちゅ。

体勢を変え、道明寺があたしの唇にじっくりとキスをする。長いキス。
荒い息。熱いからだ。あたし?道明寺?もうどっちだかわからない。
すっと舌が絡んでくる。あんまり舌を入れられるのは好きじゃなかった。
なんだか感触が気持ち悪くて。
だけど今日は。なんだか今日は。キスしたい。もっと深くキスを。

今まで何回もトライしては失敗した。
その度に道明寺は苦しそうに我慢してくれていた。
中々会えないあたし達だから、数少ないチャンスの時の
今度こそというあたしの気負いが、ますます身体を硬くしていった。
今回道明寺は作戦を代えたらしい。
誰のアドバイスを受けたのか知らないけどものすごくスキンシップをしてくる。
でも決して決定的なことはしてこない。
そんなのが何日か続いた。
それまでの経験でそれなりの快感を得ていたあたしは、
がっついてこない道明寺にほっとしつつも、物足りないかんじもしていた。
あたしのからだの自発的溶解をうながしてるそうだ。
その作戦は今のところ成功している。もうぐずぐずに緩んでいると思う。
だから道明寺。早く。早く。そのきれいな指をあたしに。


3度目のNY。
きっとあたしはNYの冬をいい思い出に塗り替えられるだろう。






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