とっくりとくるくるの7日間45〜(非エロ)
番外編


とっくりとくるくるの7日間 45


突然誰かに腕をつかまれたくるくる。
そしてそのまま床に押し倒された。
春「ちょっ…誰だよ!!」
くるくるが顔を見上げると、それはさっき自分たちを茶化していた
運転手達だった。
春「何するんだよ、離せっ…」

運「あんたさぁ、あいつとしょっちゅうヤッてんだろ?
だったら俺たちも相手にしてよ」

春「は…?何で男とヤらなきゃいけないんだよ…!」

そうだ、今は女の体なんだ!?と思い出すくるくる。
今の状況がまずいと感じてとっさに逃げようとするけれど
つかまれた腕の力が強すぎて、ふりほどけない。
とにかく抵抗しようと、足をヒールで思い切り踏むくるくる。

運「いてっ、こいつ何すんだよ!」
足を踏んだ衝撃で、掴まれていた腕が離れて
その隙に逃げようと走り去るくるくる。

ところが、履き慣れないブーツのせいで、ドアの手前で躓いて
転んでしまう。


床に倒れこんだくるくるの前に立ち、ドアのカギを閉める運転手たち。



とっくりとくるくるの7日間 46


この間は自分が春子を押し倒そうとしていたくるくる。
まさか今度は自分が押し倒されるとは夢にも思っていなかった。

転んでしまい、逃げそびれたくるくるを再び
床へ押し倒す。手首を掴む力はさっきよりも
もっと強くなってくるくるを押さえつける。

春「離せよ!これ以上やったらクビにするぞ!!」
運「別にこんな所クビになったってかまわねーよ」
そう言うとくるくるの上着を剥ぎ取る。

春「ちょっと…誰か、誰か―」
なんとか抵抗しようと、声を出して助けを呼ぼうとするが
手で口を塞がれて、それさえも出来なくなっしまった。
どうしようもない状況に、恐怖心が芽生えて
体が震えだすくるくる。

そんなくるくるの体に手を伸ばし、とっくりセーターを
脱がそうと腰に手が入り込む。

春(ああ…男だったらもっと抵抗できたのに…
とっくり、ごめん――)


もうだめだ、と思ったその瞬間――



とっくりとくるくるの7日間 47


その瞬間―

カギがかかっていたはずのドアが開いた。
バン!!という音に思わずそっちに視線を向けると
そこに立っていたのは…

春(とっくり…)

東海林の中のとっくりを見て、とっさに
くるくるの体を離す運転手達。

春(とっくり…助けに来てくれたのか?)


ところが。


とっくりはくるくる達をスルーして
ダンボールの数を数えはじめた。


春「はあ!?」

とっくりの思いがけない行動に唖然とするくるくる。

春「…ちょっと待てーーーー!!お前助けに来たんじゃないのかよ!!!」
東「はぁ?仕事中に話し掛けるなといったのはそっちでしょ?」
春「時と場所を考えろ!!ここで無視してどうするんだよ!!」
東「そんなの自分で何とかしなさい」
春「自分でって…これお前の体だぞ!!」
東「今は貴方の体ですが、何か?」


運「……」



とっくりとくるくるの7日間 48


運「…バカバカしい、行こうぜ」
二人のやり取りを見て萎えてしまったのか
倉庫を出て行こうとする。

東「貴方達!!今度業務時間内にこんなことをしたら
即クビですよ。働かない従業員を雇うなんてドブに
お金を捨てるようなものです」

いつものとっくりの口調でキツイ口調を吐く。

運「わかってるよ、偉そうに言いやがって」
その言葉に腹が立ったのか、近くにあったファイルを
とっくりに投げつける。

そのファイルはとっくりの額に命中し
足元にバサッと落ちた。

春「うっせーバーカ!!…それよりとっくり、よくここにいるって
判ったな…」
助かって気持ちも落ち着いたのか、いつもの口調に戻ったくるくるが
春子に話し掛けた、その時。

突然くるくるに倒れこんできた。

春「え?ちょっと、とっくり…」
一瞬抱きつかれたのかと思って動揺するくるくる。
しかし抱きついたのではなく、倒れこんできたのだ。
春「どうしたんだよ、とっくり。いきなり倒れこんでくるなんて…」
とっくりの体を何とか持ち上げたくるくる。

ベタッ

くるくるの手に生暖かいものがついた。
最初は汗かと思ったが、よく見てみると
手のひらには赤い液…。

春「これ…血…?」
くるくるはとっくりの顔を見上げ呆然とした。

意識を失ったとっくりの額から血が流れるように爛れていたからだ。

春「嘘…なんで?おい、しっかりしろ…とっくり!?」






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