もう桜ちゃんの涙には騙されないよ
草薙俊平×城ノ内桜子


ドアを叩くと綺麗に巻かれた長い髪の後ろ姿が僅かにこちらを向きながら「はい。」と応えた。

「お久しぶりです。」

「あら栄転したミステリーハンターが何の用?」

「美人監察医の顔を見に。
お邪魔でしたか?」

フッと笑って、こんな顔で良ければどうぞ。と椅子を指差した。

言われたまま座ると彼女は冷蔵庫の前にしゃがみ何やら物色している。

「何飲みたい?」

と聞いてくる。
しゃがんでいる彼女の後ろにまわりその肩に顔を寄せた。
眉間に皺を寄せ、くっつかないの!と軽く頭を叩かれた。

「いい加減付き合わない?」

何度も繰り返してきたやり取りを始める。

「付き合わない。女好きはヤなの。」

と、うんざりした顔でその場から逃げようとした。

「桜ちゃんが付き合ってくれないから他の子で済ませてるんだけど?」

後ろから彼女の身体を抱え込み身動きを取れなくし耳元で囁く。
呆れたように、ちゃん付けで呼ばないの!といつものように叱られた。

そして毎回ここで俺が諦める事を知っているから余裕の表情でいた。

そんな彼女の顎を手で掴み有無を言わさず自分の唇で塞いだ。
唇から彼女の熱とグロスの甘い香りが伝わってくる。
きつく閉じられた唇をこじ開けて自分の舌を滑り込ませる。
彼女は「…んっ」
と小さく声を洩らした。
舌を絡ませ吸い上げると抵抗している身体が僅かに反応する。
それを確認すると唇を離し顔を見た。
苦しそうな表情と息遣い、そして涙をポロポロとこぼしていた。

抑えこんだ身体の力は緩めずに頬を撫でると一掃涙はこぼれてくる。

「…もう桜ちゃんの涙には騙されないよ。」

彼女は少し考えて『しまった』という顔をした。

内海から湯川の協力を得るのに城之内先生から女の武器『涙』を使えとアドバイスを貰ったと聞いていた。
−何度この涙に騙されてきた事か。

「でも放して…」

と涙声で懇願する。
今日は彼女の要求は受け入れないと決めていた。

「ダメ。」

更に強く抱きしめ細い首筋にキスをすると

「やめて…」

と言いながらも身体の力が抜けたらしく床に座り込んでしまった。
こうなればもうこっちのペースだった。

首筋耳元耳たぶに甘く噛み付くように唇を這わせる。
その度にビクっと反応する身体が愛おしかった。
彼女の白衣の襟元に手を入れ服の上から弾力のある柔らかい胸に触る。

「やだっ本当にやめて!」

なんとか逃れようと身体を揺らして抵抗する。
その度に強く胸を執拗に揉み続ける。
服の上から下着の中に手を滑りこませて突起した部分を指で擦ると抵抗していた身体の動きが止まり
きつく結ばれた唇から押し殺した甘い声が洩れる。

「んー…っ…」

抵抗をやめた身体を前に向かせ抱え込んだ腕は緩めずに今度は白衣の下のブラウスのボタンに手をかけ下まで外す。

下着を胸の上まであげると四十歳手前とは思えない程
眩しいくらい白く艶やかで張りのある乳房が目の前に現れた。
その先端は若い女の子のような薄い色づきだった。
あいている手でその柔らかくなめらかな肌の感触を楽しみ
もう片方の胸を自分の口の中に含む。
舌先で先端を転がし吸い上げると彼女は俺の頭を抱え髪を指先で撫でながら耳元にキスをし
感じるままに喘ぎ声を出す。
どんな表情をしているのか確認しようと少し身体を放すと
頬を染め大きな瞳を潤ませながら俺のことを真っすぐに見つめ

「…して?」

と甘えた声で小さく呟いた。

元々やめるつもりはなかったが完全に自分を受け入れるつもりになった彼女を床に寝かせキスを何度も繰り返す。
積極的に彼女もキスに応え自ら脚を軽く開きその間に俺は自分の腰を落ち着かせた。

その時…

「あっ!」

と身体を少し起こし

「来るわね!!」

といつもの声のトーンで話す。
呆気にとられている俺から自分の身体を放し乱れた衣服を整えた。
ちょうど彼女が立ち上がり自分の椅子に腰をかけた時…
パタパタと足音が近づきドアが勢いよく開いた。

「城ノ内さ〜ん!聞いて下さい!もう最低あの人!!」

…内海…おまえ…。

「あれ?草薙さん!わぁ〜何してるんですか?
そんなところに座りこんで!」

…事情があって立てないんだよ。

「ミステリーハンターの本庁での愚痴聞いてたのよ。」

いつもの冷静沈着な美人監察医城ノ内桜子になった彼女は面白がるように俺を見て言った。
女の子には優しくがモットーの俺にも我慢の限界がある。
手招きをして「内海おいで。」と呼び寄せる。

「はい?」

と近づいてきた内海にデコピンを食らわす。
目を大きく見開き「何をするんですか!」と怒っていた。

「さて、3人で飲み行こう!愚痴聞いてあげる。」
「はいっ!」

と内海は嬉しそうに言いその前に弓削さんに報告の電話をしてきます!と部屋の外に出て行った。

2人きりになり

「桜ちゃん…続きは?」

と尋ねると彼女はにこっと微笑み

「あー…ごめん!どうかしてたわぁ!」

と白衣を脱ぎ颯爽と部屋の外に出て行った。


…内海!
…湯川!!






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