壊れる(非エロ)
湯川学×内海薫


「湯川先生!また不可解な事件が起こってしまって…協力してもらえませんか?」
「また君か。僕は今忙しいんだ、君の相手をしている暇はない」
「被害者の名前内藤里美。年齢25歳。東西電機埼玉工場で事務をしていました。
今の所容疑者として挙がっているのは、田上昇一。年齢26歳。ホストクラブ愛にてホストをしています。」

薫が湯川の抗議に耳も傾けず喋り始めた。

「今回の事件で、君は潜入捜査をするのか?」

湯川が突然尋ねた

「?はい、もちろん私が事件を担当していますので。お願いします。
湯川先生、事件解決に協力して下さい。」

湯川はしばらく考察した後、

「わかった。協力しよう。」

「ありがとうございます。じゃあ私は潜入捜査で容疑者、田上に接近しますので、
先生は、被害者の痣の真相をお願いします。」

と言うと薫は足早に出口の方に向かっていく。

「ちょっと待て。内海君、君は潜入捜査はいいから痣の真相で頼みたいことがあるんだ」
「湯川先生が一人でホストクラブに行くんですか?」

薫は驚きながら尋ねた

「もちろんだ」
「普通男の人はホストクラブ行かないですよ」

その一言で湯川はムキになったのか

「誰がそんなことを決め付けたんだ?男だからホストクラブに行かない。実に短絡的だ。
世の中には男が男を好きな人もいるだろう。
それに僕がホストになれば、より早く、近く犯人と接触できる」
「先生がホストは絶対無理ですよ。先生は十分カッコいいですけど、
女性の話を聞いたり優しく出来ないし、それに大学の准教授がホストは、
いくら警察に協力してるからといっても流石にマズイですよ」

薫は笑いながら言った

「わかった。じゃあ僕と内海君と二人で行こう」

「先生。私ホストクラブなんて初めてですよ。」

そう言った薫の表情は嬉しそうな表情をしていた。
それを見た湯川が足早に店内の方に向かっていく。

「先生!ちょっと待ってください」
「君は仕事で来たと言うのを忘れてないか?潜入捜査ならば、
先生ではなく学さんと呼んだらどうだ。」

湯川はぶっきらぼうに言う

「まなぶさんーって、、、先生どうしたんですか?今日は少しおかしいですよ。
そうだなぁ…じゃあ湯川さんと呼ばせてもらいますから」
「そうか、そうしてくれ」


―いらっしゃいませーお客様2名でございますか?

「ショウさん(田上)お願いします。」

席に着くと、やはり男女でホストクラブはめずらしいのか一斉に視線が2人のテーブルにに降り注ぐ
そしてあの人かっこいいーという声が聞こえてきた。
そこへ丁度田上がやってきた

「ご指名ありがとうございます。男女でご来店なんてめずらしいですね」
「一回来てみたかったんですよ。」

薫が答える。
それから二人はすっかり会話がはずんでいた。
薫は、湯川が今まで見たことのない嬉しそうな表情をしていた。
しばらくして田上が湯川に話しかける。

「湯川さん男前ですねー。ホストになったらどうですか。No1も夢じゃないですよ」
「ありがとう。ここへ来る途中に内海くんには
女性に優しく出来ないから絶対無理だって言われたよ。」
「せっっ…湯川さんっ、根に持ってるんですか?実際来てみても無理って分かるでしょ?」
「そうだな…」

湯川はどこか寂しそうにつぶやいた。
二人は盛り上がってきたのか、田上は薫の手を握り始めた。
すると湯川は立ち上がり、薫の腕をつかみ出口へと足早に歩いていく。

「湯川先生。いきなり何ですか、放して下さいっ」

湯川は何も言わない。湯川が口を開いたのは駐車場に停めてあった車の前に着いてからだった

「僕はもう限界だ…」

湯川は薫を抱き寄せ耳元でつぶやいた






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