小さな復讐
ポピィ×どろしー


前回:長年の夢(セラヴィー×やっこ)

俺の名はポピィ。うまれ持ったエスパーの能力を活かし、現在の職業は、魔法の国
の大統領のSP。(兼正義の味方。)だ。
その日はSPの仕事が終わり、アパートへの帰宅途中だった。

(まったく、平八も人使い荒いよな・・・。)

時計を見るともう11時をまわっていた。ふと通りの居酒屋に眼を向けると、路地で
座り込んでいる女がいた。

(おいおい酔っ払いかよ。大丈夫か?)

離れた所で立ち止まって様子を見ていると、案の定、変な男達に絡まれている。

「あれー、お姉さんどうしたのー?大丈夫?」
「気分悪いならどっか休める所、行こうか?」

女はかなり飲んでいるのか、手をひかれても立ち上がれないようだ。

(ちっ、しょうがねえな。)

俺は男達に近寄り声をかけた。

「わりーな。その子俺の連れでさ、飲みすぎちまったみたいで。後は俺が面倒見る
から。」

二人連れの男は邪魔をした俺を忌々しそうに睨みつける。

「ん、だとー?邪魔すんなよ。」

いきがる一人を俺はサイコキネスで宙に浮かせて見せる。

「ひっ!!なんなんだ??」

大概のやつは力を見せればビビって逃げ出す。今回も例外ではなかった。

(あーぁ、こけてやがる。)

一目散に逃げていく二人を見送って、俺は溜息をついてその場を立ち去ろうとした
が、相変わらずうつむいたまま顔を上げない女が心配になって声をかける。

「・・・ちょっとあんた、大丈夫か?」
「んも〜っ、さっきっからうるさいわねぇ〜!私に構わないで頂戴!!」

毒づき、俺の手を振り払い、顔を上げたその女は・・・。

「どろしー?・・・」
「ポピィ君?」

俺の密かな想い人。
そして一年前まで一緒に住んでいた人だった・・・。

(って言ってもただの同居人だったが)


俺はどろしーをおぶって歩いていた。

「悪いわねーぇ、ポピィ君。重いでしょう?」
「いや、そんなことも・・・ないけど・・・。」

正直軽くはなかったけれど、どろしーは昔から体重の事は気にしていたからそう答
えた。

(というか、なんていうかその・・・背中に当たる柔らかいモノが気持ちいいから
重さなんて気にならなかった・・・って何考えてるんだ俺!!)

「それにしても急に大人びちゃってぇ、見違えたわ。」
「そ、そうかな。」

成長期だった俺はここ一年で急に背が伸びて、とっくにどろしーの背丈を追い越し
ていた。

「今日はどこに送っていけば良い?魔界には戻らないのか?」
「・・・・。」

心を読まなくとも、その無言で大体察しがつく。

(あいつとケンカしたな。)

一緒に住んでいた頃も、どろしーがあいつとよくケンカしていたのを思い出す。
どろしーのことが好きなくせに、愛情表現が捻くれてて、怒らせることばかり言っ
てた、あんな奴と結婚しちまったんだもんな。苦労してるんだろうな。

「俺のアパート狭いけど、今晩泊めてやろうか?」

どろしーが不憫に思えてついそんな言葉がついて出た。

「・・・うん。お願い。」

俺の背中で小さく呟くどろしー。
変な下心はなかったはずだが、いざ、どろしーの返事を聞く動揺で顔が熱くなって
しまう俺がいた。

アパートについて水を一杯飲むと、どろしーはそのままソファーにもたれてぐった
りしていた。相当飲んだんだろう。
俺はどろしーに布団を用意してやった。

(よし、俺はソファーで寝るってことにするか。)

「どろしー、そんな所で寝ると風邪ひくから、布団で寝ろよ。」
「・・・・。」

声をかけるが返事がない。
仕方がないので、俺は正体不明のどろしーを抱えて布団に寝かせようと試みた。
しかし、意識の全くない人間は重く、俺は布団につまずき、どろしーを抱えたまま
後ろにすっ転んだ。

(あぶねー。)

丁度、布団の上に転んだ為、どこかぶつけることもなかったが・・・。
気がつくと、俺はどろしーを抱きしめる格好になっていた。
胸の中で寝息を立てるどろしーが愛しくなって、ふと、どろしーの髪を撫でてみる。
元々金髪だった髪を黒に変えた為、細くてさらさらと手触りの気持ち良い髪だ。
あいつはどろしーの黒髪を嫌がっていたが、俺は黒髪の方がどろしーに似合っている
し、どろしーらしいと思っている。

「ん・・・・。」

どろしーの睫が震えゆっくりと瞼が開かれる。
起き上がったどろしーからは酒の匂いと、ほんのりどろしーの香水の匂いがした。

「ねえー、ポピー君、私って魅力ないかなあ。」

どろしーが顔を上げて唐突にそう尋ねた。
俺を見上げるどろしーの頬は酒のせいでバラ色に染まり、眼は潤んでとろんとして
いる。濡れた唇は半開きだ。転んだ時に胸元のボタンが外れたのか、大きく開いた
胸元は胸の谷間がのぞいていた。

「そ、そんなこと・・・ないと思う・・・。」

なんだかどろしーが妙に色っぽく見えて目を逸らしながら俺は答える。
俺がニャンコハウスでチャチャ達と住んでいた頃、たまにどろしー目当ての男がや
って来ていたのを覚えている。ただ、どろしーが知る前にセラヴィーにことごとく
抹殺されていたが・・・。

「ねえ、ぽ・ぴ・い・く・ん・・・」

気がつくと目の前にどろしーが迫っていた。
どろしーは俺の股に顔を寄せ・・・

「え?ど、どろ・・・わ!ま、待て!!!!」

嘔吐・・・していた・・・。

着替えと汚物の片付けを済ませた俺は、濡れたおしぼりでどろしーの顔とドレスを拭
いてやったが、濡れたドレスは洗濯が必要だった。

「どろしー、起きられるか?」

声をかけるが返答がない。また眠ってしまったようだ。体をゆすってみても起きる様
子もない。
さすがにこのままではつらい為、俺はとりあえずどろしーの汚れたドレスを・・・脱
がせることにした。
まずどろしーの長い髪をチャックで噛まない様、注意深く背中のファスナーを下ろし
ていった。ぱっくりと口を開けたファスナーからはどろしーの白い肌と黒の下着がの
ぞいている。両腕を抜くと隠されていた胸元が露になる。かなり大きく、柔らかそう
な乳房が黒のレースをあしらった下着から零れ落ちんばかりに張り出している。

「ゴクッ。」

喉がなった。

その大きな音に恥ずかしくなり、赤面しながらも、俺は着替えを続行した。
心臓の音もやけにうるさい。そしてその拍動は別の場所にも感じられていた。
腰の部分を少しずつ下げていく。こ、これは・・・たぶん、ストッキングを留める
ために使う、ガーターベルトってやつだ。白い太腿にガーターベルトがつけられて
いるだけで、セクシーに見える。俺には刺激が強すぎて、直視出来ずに眼を逸らし
ながら一気にドレスを引き下げた。
やっと、汚れたドレスを取り払うと、俺はどろしーの体全体の曲線美に眼を奪われ
た。
俺とは10歳以上年が離れているけれど、普段から鍛えているだけあってウエストは
引き締まり、縦に一本筋肉の筋が浮いていて・・・でも全然筋肉質、とかじゃなく
て、女性独特のなめらかな脂肪のつき方をしている。
ヒップに関しては程良い大きさで、新鮮な桃のように引き締まり、丸く形が整って
いた。
そして、バストは・・・線の細い肩からは想像できないくらい豊満で・・・下着上
部からはみ出す部分がとても肉感的で・・・見ているものを吸い寄せるような魅力
があり・・・
俺は、思わず手を・・・伸ばしていた・・・。

そして震える手がその膨らみに届きそうになった瞬間・・・

「セラヴィー。」

あいつの名前を呼ぶどろしーに急激に正気に戻る俺・・・
でも、頭は正気に戻っても、なかなか体は正気に戻らない。
とにかくドレスを風呂場に持ち込み闇雲に洗濯を開始してみたりする。

(しゃがむと余計つらいぜ。)

「・・・っくしょー。」

若さゆえに抑えが効かないその疼きを、惚れた女の為に最後の理性で食い止めて、
洗濯という行為に没頭する。

そしてその晩、俺はあいつに小さな復讐を・・・した。

続編:お仕置き(セラヴィー×どろしー)






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