ベストパートナー(非エロ)
野立信次郎×大澤絵里子


「頼むから死んでくれない?国民の為にっ」

口が悪い女が目の前で俺を罵っている。
ひでぇな、だから男ができねーんだよと聞こえないように言ったつもりだったのに

「うっさいわね、あんたにしか言わないわよ」

と返された。

そんな日常を繰り返し、気が付けば俺たちも40超え。
こんな筈じゃなかったんだけどな、
出世した俺は、可愛い奥さんが隣にいて、毎朝行ってきますのちゅうをもらって、
郊外に建てたマイホームから出勤・・・って日常を送っていたっておかしくない筈なのに、なぜこうなった?


「もう、そんな話しにきたんじゃないのよ、この間の連続OL殺人事件の事だけどさ」

じゃれあいから一変、仕事モードに切り替わった彼女の横顔を眺める。
ここは俺の仕事部屋、参事官室。
元々この話をする為に彼女を呼び出したのだからやっと本題に入ったって事だ。

彼女の名は大澤絵里子42歳独身、の中の独身。
俺も独身だけど。

凛とした横顔は甘さを求める余地など全くない。
そんな横顔を見て改めて思うのだ


恋愛なんて関係じゃもったいない


なんて事を。
最高のパートナーだと思う。
罵り合いながらもバディとして同期として、部下と上司として築き上げてきたこの絆を、信頼を、
恋愛なんていう不安定なものに変化させるなどもったいなすぎる。
そんな事で精度が落ちるくらいなら、最初からその可能性を切ってしまった方がいい。

それでも近すぎるこの距離は、心を揺らすのには十分すぎるものだとつくづく思う。
触れたくなった事がないと言えば嘘になるし、
今でもメーターが振りきれそうになる度に、そんなくだらない一時の感情にこの関係を壊されてなるものかと、
大切なものを失わされてたまるものかと必死に食い止めてきた。

だからというわけではないけれど、
自分に特定の相手がいない時には彼女に相手がいて、
彼女に特定の相手がいない時には自分にそれなりの相手がいる事が多かった。


最近では2年間のアメリカ生活を終え、絵里子が日本に帰ってくる直前、自分には彼女と呼べる女性がいた。
彼女は美しく賢い、絵里子に似た女性で。

可愛い女の子は大好きだけれど、恋愛対象という「好み」は違うと突きつけられた存在。
他の勘違いし、甘えてくる女の子達よりもずっと話は弾み、素のままの自分でいれた。
ただなによりそれが一層絵里子を懐かしがらせ、彼女を傷つけてしまった。

決して恋愛に真面目な俺ではないが、彼女がいれば婦人警官に挨拶程度のナンパはすれど浮気はしない。
それでも彼女に言われたのだ


「無理しなくていいのよ」


何をとは言わなかった、
しかしそれは決して可愛い女の子達の話などではなかった
きっと彼女は見抜いていたのだろう、俺の胸のうちを。

微笑みながら涙を流す彼女を愛おしいと思った、抱きしめたいと思った。
でも、それができなかったのは自分の中にいる存在が大きすぎたのだ。

立ち去る彼女の後ろ姿を見送りながら、彼女の幸せを願い、その切なさに身をゆだねながら思う事はただ1つ、
絵里子に会いたい、絵里子と会って「あんたバカだねーそんないい女を手放すなんて」
と飲みながら笑い飛ばして欲しいという事だった。
「どうせあんたが悪いんでしょ?」なんて悪態をついて欲しかった。


この想いを今更愛情だなんて言うつもりはない。


それでもだ、それでもたまに思うのだ、
このどうしようもなく沸き起こる感情の行方はどうなるのかと、ばかばかしいほどに憂いてしまうのだ。


「ちょっと聞いてるの?」

しかしそんなちょっとした黄昏も絵里子といたら許してはもらえない、
聞いてるって、確かに半分くらいだけど。
でも、充分だろ、完璧ってくらいに把握してるって。

「あぁ、その件はお前に任せるよ」

「またそうやって手を抜く、少しは仕事しなさいよね」

大丈夫だよ、この件はお前に一任できる。

「まぁまぁ、今日は飲みに行くかっ」

と手を打つと、すかさず返ってくる声

「たく・・・でも、フライドチキンね、フライドチキン」

「おう、今日は定時で上がれそうだしな、美味いもん食って、飲んで、英気を養え〜」

「んで、俺を出世させろ、でしょ?」

「その通り、よくわかってんじゃん」

「ホント、あんたって変わんないねー・・・気持ちいいくらいに自分本位」

「ばぁか、俺が変わったら寂しいだろ?」

「な〜に言ってんだか、少しは真面目に生きなさいよ」

「これくらいが女の子にもてるんだよ」

「あーやだやだ中年のくせに」

「中年はお互い様だろうが」

軽口を叩きあっているといつまで経っても仕事が終わらず、飲みにもいけないので切り上げて、
いつものように待ち合わせをした、いつもの様に適当に
俺たちは適当位がちょうどいい、深刻なんて関係似合わないだろ?


「絵里子、おまたせ」

いつもの待ち合わせ場所に向かうと、ぼーっと携帯を見つめている彼女が。
少しの好奇心で声もかけずに眺めていると、携帯を見ては何度か溜息をついていた、
俺からの連絡を待ってる?
そんなわけないとわかっているのに少し夢見た自分に苦笑いをし、それから声をかける、
誰からの連絡を待ってるのかしらないが、これからの時間は俺だけを見させる為に。

「おそーい」

「いやぁ、来る途中で可愛い子見つけちゃってさ」

嘘だよ。
本当は急に入った仕事を片づけるのに必死だったんだ。
丹波のおっさんがぎりぎりになって寄越すのが悪いんだぜ?しょうがないから、それはもう超特急で仕上げてやった。
超特急って言っても、お前と飲みに行くっていうご褒美があったから出来は最高だけどね。
って、人参ぶら下げた馬か、俺は。

「ホントさいてー」

「だって俺の野生のカンが「あの子可愛いぞ」って言うんだからしょーがねーだろ?」

「また野生のカン?あんたのカンはどうなってんのよ、灯台下暗しってことわざも知らないんでしょ?」

「あ?本当に暗いならともかく、明るくてもなんにもないからねー俺の足元は」

「・・・・むかつくわーホントむかつくわーーーー」

だったら一生来なくてもよかったんですけど?
あんたなんかいなくてもよかたんですけど?
なんて可愛くない事をいう絵里子と連れ立っていつものバーへ


灯台下暗し?いいや、本当は明るくてさ、その中にお前が見えちまうんだよ、
でもな、お前は暗いままでいてくれ、見えないままでいてくれ、そうじゃないと困るんだよ絵里子。


愛情だなんていうにはもう遅いんだ。
そんな不安定な関係になりたくない、最高の相棒だと言いたいんだよ、俺は。

だから、だからどうぞ気付かないでくれ、
俺が異性だなんて事に、俺の中にお前がいるなんて事に気づかないでくれ。


「でさ、そしたら片桐がさ」

最近は2人で飲みにいくと対策室のメンバーの話も多い、
2人の共通の話題だという事もあるが、それだけ個性の強いメンバーなのだろう。

と、不意に絵里子の携帯が震えた。
ちらっと目線を落とし、くもぐった彼女の横顔。


あぁ、恋愛関係だな。


不思議とわかってしまうんだよ、絵里子のそういう事は。
好きな男ができたとか、付き合ったとか、別れたとか、
絵里子が言葉にしなくたってわかるんだよ、俺には。

携帯を震わせているのが直接その男なのか、それとも関係する誰かからなのかはわからないが、内容はきっと恋愛関係だ。
俺の中に「誰だよ・・・・」
という黒い感情が生まれたがそれを無視して絵里子に電話に出るように促す。

「メールじゃなくて電話だろ?出ろよ、俺は狩りにでも行ってくるから」

これはきっと長くなる。
わかっていたからあえて自分から席を立った。

絵里子への「気にするなアピール」というわけではないが、気晴らし程度に女の子の2人連れに声をかけた。
電話の内容は正直気になるが、そこは踏み込んではいけない領域、
自分の心には「気になるわけがない」そう嘘をついた。


「え〜?ホントですか〜??」

「やーーーかっこいいぃ〜〜〜」

そんな女の子独特の中身のない返答との会話を楽しんでいると絵里子が電話を終える様子が目に入った。
昔の彼氏だろうか、それとも新しい男だろうか。

絵里子にそんな顔をさせる男は誰なんだ。

もうそいつの事は忘れろ、
お前にはもっといい男がいるよ。

彼女が恋を失う度に何度か口に出かかった。
でもそんな慰めは彼女は好まない、ただ俺は彼女が気が済むまで付き合ってやる事しかできない。

俺がいるじゃないか。

その言葉も何度も飲み込んだ。
揺れてはいけない、気付いてはいけない、気付かせてはいけない。


「絵里子、終わったか?」

適当に女の子達との会話を終わらせ、絵里子の元に戻る。
俺の声にハっと顔を上げた彼女の目は潤み、感情を隠しきれてはいない。しかしそんな事は知らないふりをした。
電話が終わってから5分程度、充分時間を取ったつもりだったが、彼女の心を収めるには短かったようだ。

「いやぁ、こっちも女の子達と会話盛り上がっちゃってさぁ〜〜」

軽口で元に戻してやろう、
ほらほら俺たちらしく飲み明かそうぜ、今日はとことん付き合ってやるよ。
それなのに、


「ごめんね、気をつかせて」


涙で揺れる瞳のままに素直にそんな風に謝るものだから、
抱きしめてやりたくなった、
涙の跡を消してやりたくなった。


わかっているんだ、こんな揺る感情は一過性のものだって
そんなもんに振り回されて相棒の地位を失うわけにはいかないって、そんな事はわかっているんだ。
それでもうるんだ瞳が愛しくて。
誰かを想い傷ついた絵里子の心を癒やしてやりたくて、思わず絵里子の頬に手をあてた。

ビクリと絵里子が体を固くし、俺を見つめる。
その表情はまるで暴走した男を恐がる女性のような

俺が恐いか?絵里子・・・・

絵里子は俺が男だと気付いてしまったのかもしれない。
俺が絵里子を女と見ている事に気づいてしまったのかもしれない。

その様子に、しまったと思ったがもう遅かった。
触れた指先が動かない。


こんな感情は絵里子への裏切りだ。


相棒として信頼を置いてくれた人間への裏切りの感情だ。
それでも愛おしいと心底思う。
これが愛情なのだとどこからか声がする。


そんな目すんなよ、冗談だよ、冗談だから。


そう言いたかったのに、口を開けばどうしても本当の想いがこぼれそうになり言えなかった。
心臓の辺りが潰されそうなほど痛い。


好きだ、好きなんだ。


言葉にしてはいけない。
感情を外に出してはいけない。
警告音が鳴り響く、認めてはいけない。

愛情だなんてものに縛り付けてはいけないのだから。


「俺・・・・・」

「・・え・・・・・?」

言うな、言ったらお終いだろう?

「・・・・俺・・・・・・・・・」

「・・・・・なぁに・・?」

「・・・俺・・・・・・やっぱ狩りしたりねーわ」

「・・・え・・・・・・・・・・・?」

「さっき折角成功してたのに、なんか中途半端にしてきちゃったからもっかい行ってくるわ、狩り」

「・・・・・・・・・・そう、そうよね」

「狩りしたらそのままそっちで過ごすから、今日はお開きにしようぜ」

「・・・・・・そうね、じゃぁ今日はあんたの奢りね?」

「あぁ、お前は帰れ、見られてたらうまくいかない」

「わかってるわよ、私は家で飲みなおすわ」

「おう、じゃあな」


絵里子にに背を向けたのは涙を隠す為だった。
それでも女の子たちを物色しているように見せる事だけは忘れない。
今の俺にできる事などそれくらいなのだから。
そんな後ろ姿に呆れたのか、かたんと椅子から降りる音がし、カツカツカツとヒールを鳴らして彼女が出て行く気配、
その事にため息交じりに息を吐いたら、また苦しさが胸の中に広がった。


「・・・好きだよ」


もう彼女はいないから、脚を止めたまま呟いた。


「絵里子ごめんな・・・俺はお前が好きなんだ」


絶対の信頼を裏切ったのは俺だ。
彼女からの信頼を利用し、傍にいたのも俺だ。

俺は本当に卑怯な人間なのだ。


それでも傍にいたかった。
これが裏切りだとしても、この先どんなに傷ついても
絵里子と共に歩いていたい、そう願ってしまう。


いつもお酒をつくってくれるバーテンは、俺の涙も呟きも見て見ぬふりをしてくれた。
先ほどの女の子たちが不思議そうにこちらを見ている、
おかしいだろ?でもきっと君たちにも、こんな風に君たちを想い、涙を流す誰かがきっといるんだ。
だからその想いを知った時には優しくしてやってくれ。

言葉にしてはいけないと何度も思ってきたけれど、
声にすればより苦しくて涙は止まらなくなった。
40男のこんな恋愛は見苦しい、わかっていてなお。

愛情だなんて今更言うつもりはない、それなのに想いは溢れ、涙となる。
すぐに日常に帰れるという気持ちと裏腹に、心臓を鷲掴みにされたような痛みが消えてくれない。
崩れてしまいそうな体をなんとか支え、もう少し時間を置いてから自分も帰ろう。
そう思った時だった。


「・・・・ねぇ」

背中から声がし、その事実に体が硬直した。
もちろん先ほどの女の子達ではない、振り向かなくてもそれが誰かなどわかってしまう。
俺の独白を聞いていたのだろうか?


「・・・・・・どう、した・・・忘れ物か?」

緊張感と涙で震えそうな声を必死に抑える、
俺はちゃんと話せているだろうか?

「・・・・うん・・・・・・・・」

「・・・どじだな、お前、しっかりしろよ」

声だけでも愛しくて、わけもわからず想いが涙に変わるから振り向けなかった。
しかし絵里子はそのことには何も言わず、なぜか俺の背中に触れて、ことんと頭を預けた。
ただ寄り添うように背中に生まれた温かみ。


「っ・・・・・・・」

その温かみに胸がより痛みで波打って思わず嗚咽が漏れた。
辞めてくれ、こんなドラマみたいな事が起こるかよ。
いや、ドラマだったらいいよ最後はハッピーエンドだから
でもこれは違うんだろう?だったら辞めてくれないか。

「・・・帰れって言っただろ?」

「いやよ」

「後悔するぞ、お前」

「うん、それでもいい・・ちゃんと言ってよ・・・・」

やはり絵里子は俺の呟きを聞いていた。
それはわかったし、ちゃんとお互いに向き合う事を絵里子が望んでいるであろう事もなんとなく理解した。
しかし今の俺には漏れる嗚咽を飲み込むことしかできない。


「・・・・ねぇ、ちゃんと言ってよ・・・・・・」

黙ったままの俺に、焦れたように促す絵里子。
無理言うなよ、俺はお前を裏切った人間なんだぞ。

「・・・逃げないでよ、ちゃんと言ってよ・・・・・それじゃなきゃ進めないわ」

もう逃げられないという状況が俺に決意を迫る
俺の呟きを聞いてしまった絵里子はいてもたってもいられなかったのだろう。
真っ直ぐな彼女の事だ、聞かなかった事にはできず、真正面から受け止めようと思ったに違いない。

だったらもう伝えた方がいいのだ、きっとその方が後腐れなく終われるだろう。
絵里子もそれを望んでいる。

俺の裏切りはこれからぎこちなさを生むだろう、
それがどれくらい続くのかはわからない、でもきっと戻れる、俺たちは元に戻れる。

これが最後だから。

もう恋愛感情などにならないように、その為の儀式なのだから。

「・・・・・・なぁ、絵里子、俺さ・・・・・・」

「・・・・うん・・・・・・」

本当に最後なんだな、これが最後なんだ。

「・・・・俺、好きだよ、絵里子の事が・・・・・」

「・・・・うん・・・・・・・・・・・・」

結局、振り向けないまま最初で最後の言葉を口にした。
女性に好きだと言う事がこんなに苦しいなんて知らなかった、告白とはこんなにも痛みを伴うなんて。


「・・・・・・・うん、ありがとう・・・・・・・・・」


背中にそっと触れていた絵里子の手が俺の胸にまわった。
ぎゅっと力がこもり後ろから抱きしめられる。

なんだ、どういう事だ?


「・・私も、私も好きよ・・・・」

「・・・・え・・・・・・・?」


予想もしない答えに間抜けな声になってしまった事は許して欲しい。

「ばかね・・・・本当に・・・・・・・」

「・・・・絵里子・・・・・・?」

やっと言葉の意味がじんわりと沁みてきてきて、体中に喜びと驚きと愛しさが沸き起こる。
衝動が抑えられずに、振り向くと涙で濡れた絵里子がいた。


あぁ、可愛くない顔しやがって。


「・・・・きたねぇ顔」

「うっさいわね、あんただってぐっちゃぐちゃじゃない」

「化粧崩れてるぞ」

「後で直すわよ」

「いいよ、どうせ落とすんだから」

「なによそれ、どういう・・・・きゃっ!」

勢いよくぎゅっと抱きしめる。
驚いた絵里子が腕の中で少し暴れたが気にしない。

「好きだよ」

「・・・・うん」

腕に力をこめ、欲望のままに首筋に、頬にキスをする。
そして最後に唇に・・・・・

と思ったらがしっと手のひらで顔面を抑えられた。

「おい・・・・・・」

「ここどこだと思ってんのよ?」

まぁ確かに結構人もいるバーだからな、でもだからってもうちょっと可愛く止められないのか
指一本で「・・ダメよ・・・・・・」なんて色っぽく制止するとか、色々あるだろうが

「ほら、飲みなおそうよ」

たく、しょうがねぇな。
まだ顔はぐしゃぐしゃのままだけれど、涙は止まった。

公衆の面前で起こした恋愛模様に少しだけ照れながら、
それでも2人で座りなおすと、馴染みのバーテンからすっとカクテルが差し出された。
頼んでもいないのに出されたカクテルに驚いていると
バーテンは手のひらでカクテルを指し示しながら微笑んだ

「「ベストパートナー」です、当店からお2人に」

背中を向けていた俺には見えなかった絵里子の表情も、俺たち2人の様子も全て見ていたのだろう、
見て見ぬふりをしながらカクテルを用意し「どうぞごゆっくり」と軽く会釈をしてから離れるバーテンはかっこいい。
よし、俺も生まれ変わったらバーテンになろう、女の子にモテそうだ。

「何考えてんの?」

「ん〜?別に」

「どうせ「おっ、バーテンもいいな、女の子にモテそ」とか考えてんでしょ」

「いや〜あははははっ」

「やっぱさいてーだわ、あんた」

「なぁ、絵里子」

「ん?」

こちらを少し向いた彼女に優しく口づけた。
今度は殴られるかな?
と思ったら、唇を離すと潤んだ瞳。

あぁ、もう・・・・堪らないな、このギャップ。


戻れないと思う、
恋愛感情になんてしたくなかったんだ俺だって、

でもきっと。
戻れなくていいんだ、進んだっていいんだと初めて思った
この先に待っているのは、不安定な未来かもしれない、仕事上でも、恋人としても。
でもそれでもいい、きっとそんな2人だからこそ俺たちはきっとベストパートナーになれる。
俺はそう思うんだよ、そうだろう?絵里子。
だからさ、


戻れない恋をしよう、2人で。






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