身体が疼く
野立信次郎×大澤絵里子


身体が疼く。

仕事から帰ってきた絵里子は、着替えもせずベッドの上に横向きに倒れ込んでいた。
珍しく定時を少し過ぎたぐらいの時間で上がることが出来た。
しかし、今日は野立がいない。
いつも自分よりは暇な彼だが、ここ最近、参事官としての仕事が膨大に降りかかってきて、彼に限らず
上層部は忙しない。
1年に数回はこういうときがある。
だから、ここ最近休みは勿論合わず、対策室にも彼は顔も出さず、顔すら合わせていなかった。
いつも鬱陶しいぐらいに対策室に顔を出してはからかわれ、一緒に帰ったり、飲みに行ったり、
夜を一緒に過ごしたり。
絵里子はすっかりその状態に慣れてしまっていることを思い知らされていた。
それに、少し疲れてしまうほど自分の身体を求めてくる彼。
解放されてホッとするはずが、悶々とする気持ちが募る一方である。

早く野立に触れたい。
抱き合いたい。
キスしたい。
…心も、身体も、隅々まで愛して欲しい。

「野立…」

絵里子は消え入るように呟くと、ジャケットを脱ぎ、床に放り捨てた。
ブラウスの上からもどかしげにブラのホックを外し、裾から右手を入れ、
自らの胸を揉みあげる。

「…ふっ…はぁ……」

息が少しずつ乱れ始める。野立にいつもどうされるか、思い出しながら手を進める。

「んんっ……」

乳首をつまみ上げ、弄ぶ。
気づけば左手はスカートをたくし上げ、ストッキングとショーツ越しに秘部を撫で回していた。
焦れったくなり、下をスカート以外全部脱ぎ捨て、直接そこに触れると、自分の予想以上に濡れていた。

「あっ…はぁ…んぅ…野立…」

彼にされている、と思いながら指でなぞる。乳首をつまみながら胸を揉み上げる右手はそのままだ。
絵里子は耐え切れず、濡れそぼる中に2本指を突っ込んだ。

「あ、あぁ!」

どんどん愛液が垂れ、指を濡らしていく。
3本に指を増やし、激しく欲望のままに掻き混ぜる。
ぐちゅぐちゅという粘着音が更に絵里子を駆り立てた。

「ハァ…ハァ…、ハァッ……」

絵里子の秘肉がビクビクと伸縮を繰り返し、絶頂が近いことを示した。
胸を揉んでいた右手は今は絵里子の口元にある。
野立のモノにするように自分の指をしゃぶり、左手の動きと共にグチャグチャという音が激しくなる。

「…っ、はぁっ…、もう…イっちゃ…、ぁあっ!」

体を揺らしながら絵里子は喘ぎ、ぶしゅっと愛液を飛び散らし果てた。


涙がこぼれる。ただただ、野立が欲しい。
彼と付き合うようになるまで、誰が相手だった時もこんな衝動は起きたことは無かった。

快感に身を任せ呆然としていると、

「絵里子」

紛れも無い、野立の声に絵里子はビクッとして振り返った。
部屋のドアの前に野立は立っていた。

「…見てた…?」

恐る恐る聞くと、

「途中から…」

と、呆れてもなく、びっくりもしていない無感情な返事が返ってきた。

「…そう…」

としか言えず、絵里子はノロノロと起き上がる。
しかし、野立によってそれは阻止された。
野立は絵里子の両手首を掴み、押し倒した。

「寂しかった?」

至近距離まで顔を近づけ、囁く。目を潤ませ頷く絵里子。

「一人でイケた?」
「…野立に、してもらってるって思ったら…」
「…」
「でも…」

絵里子は顔を横に大きく振り、ぎゅっと、きつく野立に抱きつく。
野立も彼女を抱きしめ返した。
忙しさにかまけて彼女をこんな状態にさせた自分を責めた。
一方、珍しく甘えてくる絵里子に嬉しさも感じる。

「ごめんね、絵里子」

そう言うと、野立は絵里子にキスを落とした。だんだんそれは深くなり、
野立は絵里子の中途半端に乱れていた衣服を完全に脱がした。
口付けを一旦やめると、野立も全部脱いだ。
絵里子はやっと彼と触れ合える嬉しさでぼうっとしながら、彼の裸体を見つめている。
再び野立は絵里子に覆い被さり、唇、耳元、首筋とキスを移動させていく。
全身に感じるお互いの肌の感触が心地よく、脚を絡め合った。

「俺に、どうされたかった?」
「え?」
「俺にされること想像してたんだろ?」
「…うん」
「どうやって?」
「…説明しろって…こと?」
「絵里子の要望を聞いてるだけだよ?」

憎たらしい笑顔。

「いちいち言うことじゃないでしょ…?」
「じゃあ、やめようか?」

あぁ…どこまで意地悪なんだ、この男は。
観念したように絵里子は息を吐いた。

「…胸を、揉んで…」
「うん」

その通りに野立は手を進める。絵里子は軽く身体を反らせた。

「…先、指で、摘まんで…」

野立が両胸をその通りにする。

「っ…ん、」

その上、片胸の先端を舐め上げ、吸い上げた。

「あ…はぁ…」
「胸だけ?」
「…ううん…下も…」

野立が絵里子の秘部に手をあてがう。ぬるぬる滑るほどに濡れており、感嘆の声を漏らした。

「すごいな…」

絵里子は熱い吐息で応えることしか出来ない。
手や指で円を描くように撫で回した後、野立はいっぺんに3本の指を差し入れ、掻き混ぜた。

「ああっ、ああ、」

絵里子は腰をくねらせ、よがる。

「…もう…、指じゃ、いやぁ……」
「欲しいの?」

そう冷静に聞きながらも、燃え上がる彼女の身体に野立は興奮し、下半身は完全に上を向いて
勃ち上がっていた。

「野立が…欲しい…!お、願い…」

薄目を開けて、上気した頬をして懇願する絵里子。
野立は愛しくてたまらず、一気に奥まで貫いた。

はっ、ぁああ!!と息を詰まらせ絵里子は叫んだ。
野立も中の熱さ、柔らかく、しかし絡み付いてくる締め付けが心地よすぎて
思わず声を漏らし、激しく出し入れを繰り返す。
野立、野立と名を呼びながら絵里子は喘ぎ叫び、彼の首に腕を回し、もっと、と腰をうねらす。

「絵里子…っ」

野立は熱い息をしながら必死に腰を打ちつけた。

肉のぶつかり合う音や粘着音が最高潮になったとき、

「あ、ああ、もうイク、私っ…」
「俺も、っ、出すよ」
「きてっ、あぁ、ああぁぁ!!」

野立の体液が絵里子の中に放たれ、お互いをぎゅっと抱きしめ合った。

二人はしばらく果てたままの状態で、息が上がったまま動けずにいる。
見つめ合い、どちらからともなく口付けを交わし、お互いの舌を絡め合う。

「溜まってたのね、貴方も」

ボソリと絵里子は呟いた。

「当たり前だ」
「今日は早かったのね」
「一時休止の合間を縫って会いに来た。そしたらお前、あんな状態で…」

今更ながら絵里子は恥ずかしくなり、俯いた。

「でも好都合だ。絵里子がそんなに欲しがってくれるなんて」
「…!」

野立は自身を抜き、立ち上がった。

「風呂場行くぞ、お前も来い」
「え?」
「ベッド汚したら困る。濡れまくってもいい所でやんないとな。

今日はじっくり付き合って貰うぞ」
不適な笑みを見せ、野立は風呂場へ向かった。

「…えぇー…?」

不安を感じつつも、結局どこかで滅茶苦茶にされても構わない、という想いが絵里子を浴室に
向かわせた。






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