悪魔のささやき(非エロ)
野立信次郎×大澤絵里子


「あーやだなー。」

ため息をつく野立。

「どうしたの?」

隣に座ってテレビを見ていた絵里子が尋ねると

「明日の仕事、気がのらないんだよなー。」
「あーあれね。」絵里子がくすっと笑う。
「いいよなーお前はなれてるから。」
「そんなことないわよ。わたしだっていつも緊張するんだから。」
「ホントかー。全然そんなふうに見えないけど。」
「刑事は演技ができてナンボでしょ?」
「そうだな。そうおもったら気が楽になってきた。」
「よかった。
そうだ明日うまくできたらご褒美あげる。何がいい?」
「そりゃーもちろん絵里子が欲しい。」
「はいはい。その元気があれば心配ないわね。じゃー今日は帰るから
明日がんばってね。」

チュッと俺の頬にキスを落とし帰ろうとする絵里子の腕を引き、抱きすく
めると

「もう。」

とちょっと怒った顔でにらみつける。
彼女のお得意の表情で、照れ隠しみたいなものだということは長年
の付き合いでわかっている。

「ほんとかわいいな。帰したくない。」
「だめだってば。」

ぎゅっと細い体を抱きしめ

「あと、ちょっとだけ」

と懇願すると

「しょうがないな」

と俺の頭をやさしくなでる絵里子。
しばらくして

「野立ベッド行こっか?」

とささやく彼女

「えっ!」

と驚く俺に

「違うわよ。寝るまでいてあげるってことよ」

と頭をはたかれた。

「そうだよな。ははっ。じゃーよいしょっと。」

と絵里子を抱きあげると

「もーだからーそうじゃなくてー」
「わかったわかった」

押しに弱い彼女は寝室まで連れていけばこっちの
ものだと悪魔にささやかれる野立なのでした。

ちゃんちゃん。






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