いつものように
野立信次郎×大澤絵里子


「絵里子来てたの?」
「野立さん会ってないんですか?これから行くところがあるからって
さっき帰られましたけど。」

片桐がニヤっと不敵な笑みを浮かべる。

(絵里子のやつ。俺のところにまず来るもんだと思ってたのに。)

今日絵里子が一時帰国してこっちに顔をだすのは知っていた。
上からの業務連絡で。でも俺にあいさつなく帰るってどういうことだ?
まさかあの男と会ってる?いやいや。別れたはずだぞ。うん?もとさや?
あの男のとこへ行ったのか?

今日は絵里子が来ると思って上から下までびしっと決めて、恒例の
婦人警官めぐりもせずに参事官補佐室で今か今かと待ってたのに。
えりこのやつめー。今度会ったらおぼえてろ。

「モチベーションさがりまくり。」

仕事もそこそこに俺は家に帰った。
ドアを開けるとスーツケースとピンヒール。
うん?これは?

「絵里子!」

真っ暗な部屋。ベッドにすやすや寝息をたてる絵里子。
おいおい襲ってくださいってことかこれは。無防備すぎるだろう。
この前はお前が吐いちまったからがまんしたんだぞ。

うつぶせで眠る絵里子の髪をすき、むきだしになった首筋に軽く触れる。

(相変わらずきれいだな。)

つーっと指で首筋からほほをなぞると肩をすぼめてくすぐったそうに
寝返りをうつ。

「絵里子起きてるんだろう。」
「ばれてた。」
「お前俺の反応みて楽しんでるだろう?」
「そんなことないよ。」
「うそつけ。」

二人で大笑い。

「お帰り。」
「ただいま。」
「日本にはいつまでいるんだ?」
「明日帰る予定だけど。」
「ずいぶん急だな。」
「今回は来年以降の進退をどうするか総監に呼ばれたから無理して来たのよ。」
「で、どうするんだ?」
「野立はどうしてほしい?」
「おれは日本に帰ってきてほしいけど、決めるのはお前自身だろ。」
「そうね。でも迷ってる。」
「日本に帰ったら俺と出世争いすることになるからか?」
「うん。」
「大丈夫だ。おれはお前に負けないから。」
「すごい自信。」
「当たり前だろう俺を誰だとおもってる。野立信次郎だぞ。」
「わかってる。わかってる。」
「それよりもお前なんか雰囲気かわったな。」
「そう。髪切ったからじゃない。」
「色っぽくなった。」
「前とどこが違うかためしてみる?」
「のぞむところだ。」
「その前にシャワーあびてきて。」
「わかった。」

「えーりこ。おまたせ。ううん?絵里子?」

シャワーをあびてベッドにもぐりこむと

「あれっ。本気寝か。おい?
すやすや夢の中ってゆるさねーぞ。」

ぐいっとこっちに体を向かせ強引にキスする。

「やー。うっうん。ねむい野立。」
「だめだ。起きろ。今日は寝かさない。」
「やだ。寝る。」
「絵里子。俺はお前とずーっとこうしたかったの。
もうわがまま言わせない。」

絵里子の手首を押さえつけてむりやりキスをする。

「野立わかったから手離して。」

観念したのか手首の力の抜けた絵里子が首筋に腕をからめてきた。

「強引なあなたも嫌いじゃないわ。」

絵里子が耳元でささやく。しびれるような感覚に身震いする。

甘い香水の匂いと透き通るように白い肌。
キスするたびに反応するしなやかな体。

「お前。感度抜群だな。」
「うるさい。余計なこと言わないの。」
「照れてんだな。かわいいな。」
「いいかげんにしなさいよ。」
「そういう気の強いところもたまんないな。」
「もう。」

「好きだよ。絵里子。愛してる。」
「知らない。」

こうしていつもの俺たちはいつものように口げんかしながら夜が
あけるまで何度も何度も愛しあいましたとさ。おしまい。






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