眼の奥に黒い影
野立信次郎×大澤絵里子


「もしもし。絵里子?」

野立からの電話。

「うっうん。何。こんな時間に?事件?」
「悪い?寝てた?」
「当たり前でしょ。今何時だと思ってんのよ。」
「もう少しで3時だな。」
「3時だな、じゃないわよ。何?」
「今日泊めてくれ。」
「やだ!」
「なんでだよ。」
「やだからやだ。」
「理由になってない。」
「もうドアの前にいるんだ。開けてくれ。」
「もう。(怒)」

ガチャッ。

「何なのよ一体。」
「悪い。ちょっと寝かせてくれ。」
「えー。もう何なのよ」
「丸三日寝てないんだ。」
「どうしてよ。あんたみんなが仕事してる時しっかりお盆休みとった
じゃない。」
「お前さー。わかってねーなー。極秘任務だよ。極秘任務。
ちょっとは俺をいたわれ。それよりベッド借りるぞ。」

そう言ってズカズカ上がりこむと真っ裸になりわたしのベッドに
寝てしまった。

「なっ。何なのよ一体。」

「明日からやっと休みがとれて色々計画してたのに。もう。」

頭にきた。一緒に寝てやんない。
すやすや眠る野立からまくらを奪って
リビングのソファーでねることにした。わたし。


「おい。眉間にしわ寄ってるぞ。」
「うっ。ううん。うん? えっ!」
「ほんと。気の荒い柴犬とはよく言ったもんだ。そっくりだな。」
「何?えっ。今何時?」
「もう昼だよ。」
「えー!(がっかり)」
「何落ち込んでんだ。」
「貴重な休みが、バカのせいでつぶれた。」
「バカってなんだ。」
「もういいわよ。それよりも何か着たら?シャワー浴びたんでしょ。
さっさと帰ってよ。」
「冷てーなー。いつも休みが合わないから無理して休みあわせたのに。」
「えっ。そうなの?だったら早く言ってよ。遅いわよ。」
「上司ってもんは、部下に全ては話さないもんだ。」
「訳わかんないわよ。」
「それより腹へった。何か食わせろ。」
「あり合わせのものしかないわよ。」
「ちがう。お前がたべたい。」

がばっと襲いかかる。

「もうちょっと冗談やめてよ。いいともが始まろうって時間にそんなこと
しないわよ。」
「時間はたっぷりあるんだ。その気にさせてやるよ。」

「野立。ちょっと。やめてってば。」

目前に野立の顔。眼の奥に黒い影。野立の本気の時の眼だ。
こうなったら観念するしかない。

「今。何考えてた?」
「え?」
「考え事してただろう?」
「別に。(ぷいっ)」
「言わないと…(怒)」
「別に…。ただ、あんたってわたしが嫌がってる顔みるの
好きそうだなと思って。」
「うん?そう言われればそうかも。でももっとすきなのは
お前が気持ちよさそうにしてる時の顔だよ。
今日もいっぱい気持ちよくしてやるから。」

わたしは野立の首に両方の腕をからませて軽くひきよせた。

「どうした。今日はずいぶん積極的だな。」
「嫌がってもあんたを喜ばせるだけだからよ。」
「よーし。いい子だ。」

野立はわたしの髪をやさしくなでながら、おでこ瞼にキスをおとしていく。
唇にふれるか触れないかの微妙なかけひきにじれたころ、わたしの唇を
こじあけ喉元まで届きそうなほど強引に舌をねじこんできた。
息ができない。苦しくて野立の胸をどんどんと叩く。野立がやっと離れ
同時にぷはっと息を吸い込む。

「死ぬかとおもったじゃない!」
「ごめんて。俺の行き過ぎた愛情表現だ。許せ。」
「とかなんとか言って苦しんでる顔みて興奮してたんでしょう。
この変態。」
「まーまー。今のはおれが悪かった。
ソファーだからせまくてすべっちゃったんだよ。
ベッド行こうベッド」
「たくっ。調子いいんだから。」

ベッドに体をなげだすと覆いかぶさるように野立が抱きついてきた。

「いい匂いだ。」

それが合図。

首筋からはじまるいつもの儀式。深く息を吸い込むとここがどこなのか
時間さえわすれるほど。

「あっ。やっ。いきそう。」

押し寄せる波に耐えきれず野立の体にしがみついた時。

「今日は自分でいってごらん。」

野立が耳元でささやく。
首を横にふると。

「だめだ。自分で動かして。」

いつものあの眼で野立がせかす。
ぎこちなく腰を動かすと慣らされた体が反応してこえが出そうになる。

「だめ。野立。やっ。あー。」

「いっちゃったの。絵里子?ずるいなー。自分だけ。
おれまだいってないんだけど。」

野立は息があがって返事もできないわたしの体を向かい合わせるように
抱きかかえるといっきに奥の方まで貫き下から突き上げる。
わたしは声にならない声を上げて野立のくびすじにしがみつく。

「すごい。からみついてくるみたいだ。絵里子。 あっもう。」

絵里子はそのまま気を失い俺は心配でベッドを離れられずにいる。

「ちょっと激しくしすぎたかなー。」
「起きたら怒るだろうなー。」

ぶつぶつ言いつつも久しぶりに絵里子の体と寝顔を堪能できて
満足の野立参事官補佐なのでした。






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