ご褒美
野立信次郎×大澤絵里子


その日はさほど飲んでいなかった。
警察上層部間のつきあいで仕方なく行った高級クラブ。
酔えるはずもなくそろそろ帰ろうかと席をたつと。

飲み足りないだろ?俺の部屋で飲むか?

いつものように野立が誘ってきた。

部屋飲み用に酒やつまみを買って飲みはじめると。

「バラ100本贈ったんだから、ご褒美にキスのひとつもしてくれたって
いいんじゃないか?」
「へっ?」
「へっ?じゃねーよ。」
「だってあれって冗談で贈ってきたんでしょ?科総研の先生にだって
贈ってるじゃない。」
「ばっかだなー。あれはただのうわさだ。そんなしょっちゅういろんな
女にバラ100本贈ってらんないだろ?」

(まーたしかに。)

「じゃー何? わたしは特別ってこと?」
「まっそういうことだ。
 だからほら。チュー。ここに。」

唇をとがらせてキスをねだる姿があまりにもおかしくて
しょうがないか。

「ちゅっ。」と返してやった。

すると急に真顔で「えっ。」という顔をする野立。

「えっ。って自分がしてって言ったんじゃん。」

とけらけら笑うと。

「ちょっと絵里子もう一回。」と。

「もう一回はないよ。調子にのらないでよ。」

と肩をポンと叩こうとしたその手を野立にとられ押し倒された。

「野立。いい加減にし¨うっうん?」唇を強くふさがれた。

「お前が悪い。お前のせいだ。」
「ちょっやめてよ。どうしたのよ?」
「もうだめ。止まらない。」

せきをきったように攻めてくる野立にはじめは抵抗したが
何だかこうなるような予感もあった絵里子は酒の力もあって
身をまかしはじめる。
あっという間に脱がされベッドに連れて行かれそうになってようやく

「ちょっ、ちょっと。野立。」
「何。いまさらここで「やだ。」はなしだよ。」
「そうじゃなくて。トイレ。」
「お前さー。ムードってもんないのかよ。」
「しょうがないでしょ。生理現象なんだから。」
「わかった。じゃー俺先にベッドで待ってるから逃げるなよ。」
「逃げないわよ。この状態で。」
「あっ絵里子忘れ物。」
「何。」

深い深い濃厚なキス。

「キスだけでいっちゃいそうだな。」
「ばか。」

時計は深夜2時。連日の事件続きで疲れもピーク。
絵里子を待ってうつらうつらしつつ、
絶対寝てなるものかとベッドで一人がんばっている俺。

一瞬意識が遠のきかけた時ベッドの左側がぎしっとゆれ背中ごしに
あったかくてやわらかい体温を感じる。
寝返りをうち、そちら側に向きかえると笑顔の絵里子がいた。

「寝ちゃったのかと思った。」
「遅いよ。」
「女はいろいろ準備があるの。」
「そうなのか?」
「そうよ。」
「ではでは。」

とせまる俺。

「ちょっと待って。」
「こんどは何?」

ちょっとイラっと聞き返す。

「あのさ。やさしくしてね。」

と上目遣いでいたずらっぽく。
今まで見たことのない絵里子がそこにいた。

(ちょっ。かわいすぎるだろ。おい。)

「さっき乱暴に服ぬがされてちょっと怖かったから。
いつもの野立じゃなかったし。」

「えっ。…ごめん。さっきはだいぶ、イっちゃってたかもしんない。
まさかお前がキスしてくるなんておもわなかったし、無我夢中で。」

(俺としたことが。不覚だ。絵里子にこんなこと言わすなんて。
いつもそうだ。余裕ぶってたってまるでガキと一緒だ。)

頭の中をいろんなことがぐるぐるめぐって訳わからなくなってる
俺の顔がよほどおもしろかったのか絵里子がくすっと笑う。

「何笑ってんだよ。」
「いつもの野立だなと思って。」
「なんだよそれ。」

手で口元を押さえてくすくす笑う絵里子。

「笑うな。」

その手をベッドに押さえつけようと手首をつかむとそのあまりの細さに驚く。

(こいつこんなに手首細かったっけ?)

いつもは噛みつかんばかりにぎゃんぎゃんがなりまくり
どんな男よりも男気あふれるこいつ。

でも今俺の腕の中にいるこいつはまるで別の顔。
不安気で少しふるえている。
たまらなく愛おしい。

「あんまり可愛いくすんなよ。調子狂う。」

その細い手首を押さえつけあらわになった上半身に目がくぎ付けになる。

首すじから胸元までの美しいフォルム。ちょうどいい胸の形。
細い腰のくびれ。きれいすぎる。

「ちょっと恥ずかしいでしょ。いつまで見てんのよ。」

顔を真っ赤にして横向きで怒る絵里子。
俺はたまらなくなってむさぼるようにあいつのくびすじに吸いついた。

甘いためいき。

陶器のように白くなめらかな肌がみるみる紅潮し艶っぽく色付く。
これまでの女たちとは違うやっぱりこいつは特別な女なんだ。
今までのもやもやした気持ちが確信にかわる。
俺の唇と手は胸、腰と丹念に愛撫しながらようやく一番感じる方へ
おりていく。

「あっ。そこは。あぁ…だめっ。」

絵里子が俺の頭に手をあててむりやりひきはがそうとする。
でも襲ってくる快感にはあらがえずもっとと言わんばかりに秘部に俺の
頭を押さえつける。それに答えるように舌で指で攻め立てる。
いきそうになってふるえはじめる絵里子の足。

「だめだよ。まだいっちゃー。我慢して。」

動作をやめると
涙目でおれのことをにらむ絵里子。

(俺って鬼畜かも。ダークサイドでちゃってるな。)

「もういい。」

ぷいっとふくれっ面でまくらに顔をうめる絵里子。

「全然やさしくない。」
「ごめんごめん。あんまりかわいいからついいじめたくなっちゃうんだよ。」

しみひとつない白い背中を指でなぞりながら、

「しっかしお前肌きれいだよなー。 そそられるよー。」

ちゅっとわざと音をたてながら肩甲骨のあたりをキスする。

「野立くすぐったい。」
「感じるの?ここ?」
「知らない 。」
「じゃーためしてみよう。」

背中からがばっと抱きつき胸をもみしだきながら、背中にキスする。

「どっちが感じる?」
「わかんないってば。」

息が上がる絵里子。

「うっ。ううん。あっうん。」
「声。がまんしないで。出したほうが楽だよ。」
「だって。はずかしい。」

口を手で押さえて目なんかうるうる。

「あんまりかわいくすんな。もたないよ。」

さっきから爆発寸前で必死に耐えてきたけどもう限界。

「いくよ。」
「うん。」

こくっと。うなずく絵里子。
濡れそぼったそこをなぞりながら一気に貫く。

「あつい。とけそうだ。」
「あっ。やっ。野立。だめ。」

おれは夢中で腰を振った。

こんなのはじめてだ。
こんなに余裕のない俺。
こいつがそうさせるんだ。

「あっ。あっ。やー。いやー。」

「絵里子の中俺でいっぱいだ。気持ち良すぎる。
一緒にいこう。絵里子。なっ。」

最後のひと突きで絵里子のしなやかな肢体がぐいんと波打つと
同時に俺自身も果て、びくんびくんと痺れるような感覚におそわれる。

そのまましばらく二人とも動けなくて余韻にひたってた。
名残惜しげに俺がはなれようとすると
絵里子が

「行っちゃうの?」

と。またお目目うるうる攻撃。

(お前それわざとだろ。)

と思いつつ。

絵里子の中で果てた俺自身がまた主張をはじめた。

あー。今日仕事休むかな。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ